黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第13話「けものみみ、ふぇすてぃばる」

世界が滅びる!

その幻影にうなされる人々は日に日に多くなった。世界は少しづつ混乱に包まれていった。

だがその人達の対応は様々だ。ある者は団結し世界を救おうとし、またある者は信仰を強め、ある者は全てを放棄した。

そしてここにある結論に達した者がいた。

「もはや時間がないのなら、私は願いを叶える・・・ 獣耳萌え~~!!! 」

 

第13話「けものみみ、ふぇすてぃばる」

 

GM: では成長報告をお願いしようか。

アイス: そろそろ高司祭になれませんか?

GM: ふーむ。前回の活躍があるからな。年齢的に「高司祭扱い」になるがいいかね?

アイス: OKです。

GM: では3D6を振って10以下が出れば許可しよう。

アイス: (コロコロ)よし!9です。

GM: では次に「ソードブレイカー」「ガヤンの知識系判定」「肉体系判定」の3つをやってみたまえ。成功の合計値が10以上なら認めよう。

アイス: (コロコロ)ぴったし10です。

GM: ならば君は「高司祭扱い」だ。おめでとう。

アイス: これでまた一歩姫のいる世界に近づきました。

エルナ: おめでとうアイス。私は前回に続き「感情察知」を得るためにCpを貯めます。

ガラ: うむ、アイスが慢心しておる間に新たな能力の開眼じゃな。

ラック: ええ感じやで、わいは槍を上げるためにCPを貯めるで。

ガラ: わしは「応急修理」と「修理」を覚えた。後一歩で「鎧」に手が届く。

ケンゼン: わしは「カルシファードブレード」を上げたぜよ。

ゴウダン: 私は「フレイル」を上げるためにCPを貯める。やはり17LVにしたいな。

GM: では君たちは帝都に向かって旅をしているわけだが、途中で町などには立ち寄るかい?

ラック: 前回の謎アイテムは?鑑定するで。

GM: 3D6をふってくれ。幸運は不可だ。

ラック: 12や。

GM: ちゃんとした施設がないと解析は無理だそうだ。

ラック: くそー、帝都に運ぶ荷物がふえたで。

GM: (爆弾が近いんだけどね)

エルナ: これでは流石に完全に野宿というわけにはいきませんよね。

ガラ: そうじゃな。それに帝都に行くのなら徒歩よりは馬車の方がいいじゃろう。

ラック: 前回乗った高速馬車がええな。

GM: では君たちは高速馬車に乗るために町に向かうわけだね。この近くだとバスラーという町がある。高速馬車の乗り合い場所として10年ほど前から栄えだした町だ。

ラック: ならそこに行こうか。

ケンゼン: ちゃんとした飯も食いたいぜよ。

ガラ: 前回手に入れた槍についても知りたいしな。

 

けものみみ、ふぇすてぃばる~はじめはまとも~

 

バスラーを訪れた一行はまずウィザードの鑑定士の元を訪れ、槍について調べることにした。

 

ウィザード: ふむ、この槍はおそらくタマットの槍じゃろう。

ラック: そうなんか?

ウィザード: まず間違いあるまい。特殊な金属を用いておるようじゃな。

GM: そういって彼が槍に触ろうとすると、槍から電撃が流れる。

アイス: 電撃ですか?

GM: 電撃だね。鑑定していた魔術師はいい感じに痺れたようだ。

ラック: なんやいったい?

ウィザード: うーむ、ひどい目にあった。

アイス: 大丈夫ですか?

ウィザード: ああ、見た目ほど強力な電撃ではない。

ケンゼン: しかしこれは一体なんぜよ?

ウィザード: おそらく特定の持ち主以外がもてないようにしたプロテクトだろう。

エルナ: じゃあラックさんは持てないんですか?

ウィザード: 解除用のキーワードが判明しないことにはどうにもならない。

ラック: またんか!こんないい槍をそのままにしとくことはできんで。

アイス: でもですね。信じられないような電撃が。

ラック: 別に死ぬわけやない。そうやゴム手袋はどうやろう?あれなら電撃も問題ないやろ?

ガラ: そんなもので何とかなるような呪文ではなかろう。

 

ところがこれが何とかなった(笑)いろいろと試してみた結果厚手のゴム手袋なら電撃を防いでくれることがわかり、ラックはそれを装備して槍を持つことになった。

 

GM: 厚手のものだから技能は-1ね。しかも1分もすれば電撃で手袋が溶けてくる。

ラック: いざというとき以外はバックパックの中やな。それでこの槍の能力は?

GM: 確かさ+2、鋭さ+2の上質ランス。

ラック: はい?

GM: だから「確かさ、鋭さ+2」だよ。正確に言えば素材的に「最上質」として扱ってるから「鋭さ」は+1だけど

一同: (笑)

ラック: もうけたで、これはとんでもいない槍や。

ガラ: レベル的には国宝とかではないか?

ウィザード: それ以外にも何か能力があるみたいだが、私にわかるのははここまでだ。

ラック: ありがとう。鑑定料を多めに・・・(コロコロ)払おうという気持ちだけはあった(笑)

 

一行はこの後宿を取り、翌日の出発に備えた。

 

GM: さて次の日だ。君たちはどれぐらいに起きるかね?

ラック: ある程度早く起きたいな。

GM: OK。では朝早く君たちが起きると頭に違和感がある。

ガラ: 違和感?

GM: うむ、具体的にいえば頭にあってはならないものがあるような?

アイス: 猫耳とかですか?

ラック: それはお前の妄想や。

GM: いや、アイス君の想像が正しい。君たちは頭に獣耳が生えている。

一同: (一種の沈黙の後に爆笑)

エルナ: どんな耳ですか?

GM: 3D6を振ってくれたまえ(といいながら表を取り出す)

ゴウダン: まさか「耳表」か?

ガラ: このGMはそこいらの表を作るのが好きじゃからな。

GM: ほっとけ!さて各人振ってくれたまえ。

 

全員がダイスを振った結果、アイスは猫耳、エルナは狐耳、ラックは熊耳、ガラとゴウダンは犬耳(たれ型)ケンゼンはウサギ耳となった。

 

ケンゼン: うぉぉお!恥ずかしいぜよ。

ラック: 確かに身長2メルー近い筋肉だるまがうさ耳はきついな。

ケンゼン: 切り落とすぜよ。

ガラ: それはやめた方がいいじゃろう。ちゃんと皮膚と粘り着いておると大出血の可能性があるぞ。

ゴウダン: うむ、その死に方は剣士の恥だな。

ケンゼン: く、わかったぜよ。

ラック: けどこれはどういうことや?

アイス: 「集団耳病」ですかね。

ガラ: 獣化病なら聞いたことがあるが・・・その病は嫌だ。

エルナ: 問題なのはこの症状が私たちだけなのかどうかです。

ゴウダン: 仕方がない。できればこのまま外に出たくはないが。

GM: 外に出てみるの?

ゴウダン: やむおえんだろう。

GM: では外に出てみると、通路には人影がほとんどなく時たまいる人たちも耳にフードを被っている。

ラック: 仲間がおるで。

GM: そうみたいだね。

アイス: (ぼそりと)いい感じだ。

エルナ: あ、アイス今なんといいました?

ラック: あかん耳だけやなくて、脳まで汚染されたか。

アイス: いえ何でもないです。

ケンゼン: とりあえず、わしは外の人らを見習って頭を頭巾で覆うぜよ。

 

この後一行は事件の真相を確かめるために、ガヤンの神殿に行ってみることに。

 

GM: もうわかると思うけど、ガヤン神殿は獣耳の人らで黒山の人だかりだ。

ガラ: まあ、当然の展開か。

ラック: けど、これやったら事件の事は聞けんな。

ゴウダン: この状況では馬車にも乗れれないだろう。今の間に話し合ってみよう。

エルナ: そうですね。問題は犯人の目的です。

ケンゼン: ちゃちゃ、耳フェチぜよ。

ガラ: 今回に関してはその理由が高いような。

ラック: でもそれやったら身内で楽しめばええんちゃう?

エルナ: 悪魔の仕業という可能性もありますよ。

ゴウダン: 愉快犯でないとしたら、犯人は何の得があるのだ?

ラック: そうやな例えば・・・コンプレックスのある容貌とか。

エルナ: そうか、始めから猫耳とかなら目立たなくなりますもんね。

ラック: よし、サリカに行ってみよう。

 

サリカの神殿は思ったほど混乱しておらず、メンバー欲しい情報を手に入れる事ができた。

 

けものみみ、ふぇすてぃばる~あいすまっくろけ~

 

サリカ神官: 猫耳の外見というと、ここいらではキティですね。

エルナ: キティ?それはどんな人物ですか?

サリカ神官: この近くに住む練丹術師のフリスキーさんのお弟子さんです。

ラック: 練丹術師ちゅうことはエリクサーの精製はお手の物や。

ゴウダン: 成る程。この怪しい症状はエリクサーか。

ケンゼン: ちゃちゃ、腕の一本はもらうぜよ。

アイス: ケンゼンさん穏便にいきましょう。とりあえずフリスキーさんの家を訪ねてみましょう。

GM: フリスキー邸に行くんだね。商業エリアの一角にあるエリクサーショップがその家だ。

ガラ: 工房兼店か。規模はそれほどでもないの。

GM: しかし店には「臨時休業」の看板がしてあるぞ。

ラック: ますます怪しいで。やばいと思って逃げたんやないか。

ゴウダン: もしそうなら、我々は何時までもこのままになる。

アイス: とりあえずノックをしてみます。反応があるかもしれませんから。

GM: 君がしばらくノックをしていると「今開けますぅ」と言う舌足らずな声と共にドアが開く。

エルナ: 人がいたんですね。

GM: 正確に言えば人ではない。透き通るような白い肌に、茶色い毛が美しい美少女だ。ただ手が猫みたいだし、耳と尻尾が生えている。

アイス: がは!

ラック: アイス!?衛生兵はおらんか、ここに萌え死んだんがおるで。

ガラ: なんと安らかな死に顔じゃ。

アイス: 死んでませんよ!

GM: 君たちがそういっていると、彼女は怯えたような目をして上目遣いで君たちを見てくる。

猫少女:あのぉ、何かご用ですかぁ。

アイス: あー、うー、えええっと。

ラック: しっかりするんやアイス。相手は小娘やないか。

アイス: でも、でも、GMのハスキーボイスが僕を狂わせるんです。

一同: (しばらく会話がとぎれるほどの大爆笑)

ガラ: いや、お主の気持ちはわかるがここは彼女から話を聞くのが先決じゃ。

ゴウダン: そうだな。すまないが今回の猫耳事件で話を聞きたいんだが。

GM: 君たちがそういうと彼女の猫耳が項垂れるぞ。

アイス: 違うんだ。君のことを疑っているわけじゃないんだ。それに僕はどちらかと言えば君の耳は好きだ。

ラック: なあアイスはどっちの味方や?

ガラ: おそらく猫耳の味方でしょう。

ケンゼン: しかもどさくさに紛れてくどいとるぜよ。

アイス: ち、違うんですよ姫様。これは彼女を落ち着けるためでして。

エルナ: (見たこともないほどさわやかな笑顔で)いいんですよアイス私はあなたの趣味に口を出す気はありませんから。

アイス: 姫さま~!!

GM: (話が進まないな)君たちが騒いでいると、彼女の目に涙がたまるぞ。

アイス: ああ、ごめんよ。そんなつもりはないんだ。僕たちはただ少し話が聞きたいだけで。君に危害を加えるつもりなんてないよ。

ラック: 今回のアイスはよう喋るな。

ガラ: 「好きなものこそ上手なれ」と言いますしね。

猫少女:違うんです。今回の騒動を引き起こしたのは私のご主人様かもしれません。

エルナ: 「ご主人様」とは?

猫少女:師匠のことです。そう呼べって言われてるんです。

アイス: く、変態め。

ラック: それについてはとりあえずノーコメントやな。

ゴウダン: 詳しい事情を話してくれないか?

 

猫少女はゆっくりと話し始めた。彼女はキティ=サーリオン、サリカの話に出てきた猫少女でウィザードである。彼女の師匠であるフリスキーはこの町でエリクサーを売りながら、練丹術の研究もするウィザードであった。

優秀なフリスキーは一方でかなり変わった嗜好の持ち主であり、かなり重度の獣耳愛好家であった。

そんなフリスキーの態度が一変したのは、ここ数日のこと。一月ほど前から妙な悪夢を見るようになったフリスキーは数日前から晴れやかな顔で何かを作っていたらしい。

 

ラック: この事件も世界の終わりに関係してたんか。

ゴウダン: しかし猫耳と世界の終末に何の関係が?

ガラ: そこら辺は本人に問いただすしかないじゃろう。

GM: (問いただしても理由を聞いて絶句するだろうな)

エルナ: それであなたの師匠は今どこにいるんですか?

キティ: それが数日前から姿を消していて、最後に「まだ足りない」て言ってたのは覚えているんですけどぉ。

ゴウダン: とりあえず中を調べさせてもらおうか。

 

パーティはこの後フリスキー邸を家宅捜索。その結果怪しげな猫耳グッズが多数見つかり、彼を犯人と断定した。

この後一行はフリスキーを探して町を彷徨き回るが、かつてない混乱に陥った状態の町の中で行う捜索は難航を極めた。さらにラックの不幸によって結構強い傭兵に戦うことになったりして、肉体的にも時間的にも消耗してしまう。

 

ラック: じゃあこの繁華街を調べるで。

GM: 適当に探すんなら3D6を振ってくれ。

ラック: 7や。

GM: では(といってガラのPLにキャラシートを渡す)彼が出てくる。

ティマ: やっほ~。みんな。

ラック: ティマやないか。

ティマ: そうだよ。(コロコロ)耳は狐耳でお願い。

GM: 容貌にあうな。

ラック: それで何でここにおるんや?

ティマ: そうだね、騒動を大きくしに来た感じかな。

ラック: 帰れ!

ティマ: いやそれは嘘で、たまたまこの町で潜伏してたんだよ。そしたらこの事件でしょう。どうしたものかなと思ったら君たちがいたから声をかけたわけたの。

エルナ: じつはこれには理由がありまして。

ティマ: なるほどね~。でもそれで君たちはその猫耳師匠を捜してるんだ。じゃあ僕も手伝うよ「裏社会」でこの町の裏事情から探してみる。(コロコロ)4成功。

GM: じゃあ君はこの町での裏情報通から話が聞ける。

ティマ: では怪しい猫耳好きについて話を聞こう。

ラック: なるほど「裏社会」か・・・、気がついとったんなら「ガラ」でアドバイスすればわいが使えるのに。

ティマ: いやね、こいつをロールしてると、時々ふっと次の行動指針が思いつくんですよ。

GM: では君は町の情報通から、「怪しい奴が下町の宿屋に潜伏している」と言う情報を教えてもらえる。

ラック: 行ってみるか。

ケンゼン: ついにそいつの首がはねられるぜよ・・・けけけ。

ゴウダン: ケンゼン、気持ちはわかるが落ち着け。

ラック: フォースっぽいものの暗黒面ぽいものに犯されとるっぽいな。

アイス: 結局それは何なんですか?

GM: 宿屋に行くんだね。いかにも寂れた感じの宿屋だよ。

ラック: いるんかなフリスキーは。

ゴウダン: 裏口を囲もう。

ガラ: いやその前にキティに話を聞こう。お主の師匠は「瞬間転移」は使えるのか?

GM: そうすると彼女はこういう

キティ: ご主人様は自分の趣味以外の呪文は一切使えないですぅ。

ラック: まあ「漢」やな。

 

一行は表と裏から一斉に突入し、驚くフリスキーと対面する。

 

GM: 彼は少し太って眼鏡をかけている中年男性だ。今はつけ耳らしい猫耳をしている。

 

けものみみ、ふぇすてぃばる~あいすまっしろけ~

 

フリスキー: 貴様達何ものだにゃン。

ケンゼン: (すさまじい声で)殺そう。

ゴウダン: そうだな殺ってしまおう。我々に正義はある。

ラック: おちつくんや。今こいつを殺ることは誰でもできる。重要なんはこいつから獣耳の治療薬を手に入れることや。

フリスキー: ふむ、そうすると貴様達も我が大儀を理解できぬ愚か者だにゃン?

ゴウダン: なんておそろいしい挑発だ。一語ごとに千の雑言にも勝っている。

ティマ: まあ、なかなか愉快な祭りだけど少しやり過ぎじゃないかな?

フリスキー: まだ足りないにゃン。わがテーマは全人類「獣耳化計画」世界が終わる前にそれを成就するにゃン。ああ、猫耳萌え-。

ラック: なんか説得が無理っぽいで。

ティマ: そうだね、なかなかすてきな人だ。

アイス: 一つ聞きたいことがあります。キティちゃんに変な恰好をさせたり、町の人々に獣耳をつけたのはキティちゃんを思ってですか?

フリスキー: いや、私の趣味にゃ。

アイス: そうですか・・・この馬鹿、光になれ!と言って突っ込みます。

ラック: まあ、そうなるわな。

 

かくて戦闘が始まった。1対8で勝てるわけもないはずだったが、積極的な攻撃ではなく、「生け捕り」を目的にした攻撃のためすぐに決着がつかない。そうこうしている間に

事態は思わぬ方向に動く。

 

GM: ではフリスキーは「キティ主人は誰だ」と叫ぶ。そうすると、キティの動きが止まる。

ラック: やば、戻ってこい。

ティマ: 「首輪」と言われた時点で気がつくべきだったね。

アイス: 僕が取り押さえます。

ケンゼン: その間にわしらがこいつにとどめをさすぜよ。

ラック: それは困るんやが。

 

アイスは戦線から離脱して「柔道」で押さえ込みにかかかるがなかなか巧くはいかない。その間にもフリスキーはメンバーに謎の粉を振りかけてくる。

この粉は獣を「発情期」の状態にしてしまうのだが、獣耳の影響でパーティメンバーも影響がある。

しかし振りかかる場所には生命力の高いメンバーしかおらず、キティがその攻撃によって甘い声を上げるようになってかえってフリスキーには不利な状況になる。

 

GM: キティは四つんばいになって腰を高く上げてくるぞ。

アイス: 変な構えだな、では腰のあたりに組み付きます(コロコロ)成功です。

GM: (こいつわかってやってるのかな?)その攻撃はよけれないな。そのまま受けてしまうよ。

ラック: これで詰んだで。

GM: そうだね。粉もなくなったし。しかし諦めるわけはないが。

フリスキー: 私には野望がある。それを完成させぬうちには・・・

ティマ: あなたはその未完成な状態で夢を語るのかい?自分の耳を猫耳にできない状態で。

フリスキー: そ、それでも私の願いが完成すれば世界中の人が獣耳に・・・

ラック: それではお前だけが獣耳がないで。世界の中心で「猫耳!」と叫ぶような生き方をお前は望むんか

一同: (笑)

フリスキー: 私が間違っていたというのか・・・にゃン。

ラック: それがわかったら、毒消しの薬を渡せや。

フリスキー: そんな物はない。人に渡したにゃ。

ラック: 誰にや?

フリスキー: 宿で隣になった猫耳を愛する一人にゃン。

ケンゼン: ああ、この町にはろくな奴がおらんぜよ。

ラック: 違うで、普通に考えるとこの解毒剤を使って町の有力者をどうにかする気やないか?

アイス: 隣の部屋に行ってみます。

GM: キティもついてくるぞ。

アイス: かまいません。

GM: (本当にいいのかね)誰かついて行くかい?

ラック: 一人させるわけにはいかんやろ。

ティマ: 面白そうだからついて行くよ。

GM: では君たちが中に入ると、小男が逃げる準備をしている。

アイス: 逃がすか!

GM: 君はキティと一緒だったよね。だとすればあれが来るんだが。

アイス: 何故か嫌な予感がするんですが。

GM: 魔術師はこう言うんだよ。「キティお前の主人は誰だ。」と。

アイス: えーと、それはつまりあれですか?

GM: そうだね。君に対してキティが腕を振り上げて攻撃してくるね。

アイス: とっさのことで反応できそうもありません。

GM: キティは炎を腕から出しながら突っ込んでくる。それに併せてフリスキーが叫ぶ「これぞ萌えと慈しみのひぃぃぃぃさつ!肉球フィンガァァァァァ!!」で声にあわせてアイス君の頭に攻撃が迫るよ。

アイス: 甘んじて受けますよ。

ガラ: いや避けるんじゃ!

アイス: むりですよ。だって肉球ですよ、猫耳ですよ。くらうしかないじゃないですか!

一同: (爆笑)

GM: では君の顔面にいい感じで肉球が来るね。ちなみに炎はエフェクト的なもので実際には炬燵程度のあったかさだ。

アイス: ぐはぁ、まさにヘブン。

GM: しかしこの技には恐るべき作用がある。知力-2で意思判定を。

アイス: 抵抗しないから無理です。

GM: ・・・なら2D6ターンの間、あまりの気持ちよさに能動的行動が取れない。

アイス: え、たった12ターンでいいんですか?

一同: (大爆笑)

ラック: あかんわいらの知っているアイスは死んだ。

ガラ: そうじゃな。アイスの精神は破壊された。あそこに立っているのは萌え残ったフェチズムのみじゃ

GM: と言うわけでアイス君が扉の前で立ちつくしている間に魔術師は逃げるから。

ラック: 追うで。

ゴウダン: あたりまえだ。

 

しかし10秒以上の時間差と地理の差は大きく、わりとあっさり逃げられる。

 

エルナ: 逃げられましたね。

ラック: そうやな・・・しかし奴は一体何を敵に回したかわかっとるんかな?

ゴウダン: うん?確かに我々の力ならやつ捕らえることぐらいは・・・

ラック: ちゃうで、そうやない。奴はこの町そのものを敵に回したんや。

ティマ: ああそうか、今の状況で逃げた魔術師を許す相手なんてこの町にはいないもんね。

ラック: そういうことや。クックック町の住人全てを敵に回すという恐怖がどういう事か思い知らせてやるで。わいは伝令ギルドに行くから、姫さんはサリカ神殿。アイスはガヤン神殿を頼むで。

ゴウダン: 私はジェスタ神殿に行こう。前々回の英雄話が少しでも生きていてくれればいいんだが。

ティマ: 僕は裏ルートで調べてみるよ。

ケンゼン: わしはすることがないんで町中を警戒ぜよ。

 

かくして町中を味方につけての大捜査が始まった。

 

GM: 君たちの元には次々と情報が寄せられていく。どうやら逃げた魔術師はソーサラーの疑惑をもたれていた男らしいよ。

ラック: 邪術師か・・・ティマはん、裏の連中に連絡を取ってもらえへんか?邪術師なら秘密の工房なんかを作とっる可能性がある。

ティマ: りょーかい。面白くなってきたね♪

GM: 裏社会で判定してみて。

ティマ: (コロコロ)5成功♪前回のCPで上げといてよかったよ。

GM: その成功度だとこの町の顔役に話が通せるね。

ティマ: それは心強いね。。早速協力関係を取り付けるよ。「ここでガヤンに協力して借りを作っておくのもどうですか?」といった感じで。

GM: (まあそうくるよな)君はボスからなかなかの情報をもらった。隠れ工房のありかだ。それと同じタイミングで、ガヤンが魔術師の潜んでいる宿を発見する。

ラック: 工房に踏み込むで。

ティマ: お供するよ。

ケンゼン: 当然一緒に行くぜよ。

GM: (こちらがこのタイミングだから・・・最悪だ)君たちが工房に突っ込んでしばらくすると、瞬間転移で男が現れる。

ケンゼン: 問答無用ぜよ。

GM: 一応防御ぐらい・・・無理か。

ケンゼン: ダメージは12点ぜよ。

GM: なんだそのダメージは?いかん気絶した。

 

こうして今回の事件の黒幕はあっさりと倒されてしまった。すさまじい能力だったのだが・・・。

 

GM: フリスキーは今回の事件の首謀者ということで、罪を償うそうだ。

アイス: キティはどうなるんですか?

ラック: やはり気になるか?

GM: 彼女は君らについてくるよ。

一同: へ?

GM: 正確にはアイスに。キティは顔を赤らめて「あんなことされたんですから・・・」と言ってくる。

ゴウダン: 何をやったんだ。

アイス: 何もやってませんよ。

GM: じつは彼女は猫っぽい体質があってね生理的にも猫に近い部分がある。でだ、君がやった腰を押す行為は、発情期の猫の後尾前動作だ。

一同: (大爆笑)

ラック: やっぱ今回の主役はアイスやな。

エルナ: (ものすごく冷たい声で)さよならアイス。

アイス: 姫さ~ま~!!!!

 

アイス君の明日はどっちだ。

 

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閣下と臣民のお部屋

閣下: 獣耳だよ。

夏野: 言い残すことありますか?

閣下: やった日は暑い日だったからね。よく覚えていないよ。

夏野: ほほう。

閣下: しかしね君にも責任はあるぞ、原作者。

夏野: 記憶にございません。

閣下: ほう。私の記憶では君があのシナリオの骨子を作ったような気がするが。

夏野: さて?

閣下: まあいい、今回の主役はアイスだね。

夏野: それは間違いないです。本人は忘れたがってましたが。

閣下: はは、いい思い出だろう。

夏野: ・・・

 閣下がふんぞり返って終わる。

 

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