黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第18話「8番目の月」

その空間の外には何もなく、その空間の中には「世界」が広がっていた。ゆえに見ようによってはその世界を統べているのはその男だと言えたかもしれない。

しかし彼はそこでただ動かず、世界をゆっくりと見つめていた。世界にわずかな揺らぎが生じた。

「この世界は・・・」

男のわずかな声はもちろんその世界に届かなかった。

 

第18話「8番目の月」

 

GM: さて、では成長報告をしてもらおうか。

ラック: 今回は2回分やからかなり成長できるしなー。

エルナ: では私から「大治癒」と「時間奔流」のLVを上げました。

アイス: ぼくはとりあえず「大治癒」を15LVにしました。

ラック: お、なんかみんなパッと上げとるなー。じゃあわいやな。わいは「鍵開け」をティマはんから教わって「忍び」をあげたで。

ガラ: わしは今回バトルの予感がするので思い切って「メイス」のLVを上げることにする。

ケンゼン: ちゃちゃ「カルシファード・ブレード」が上がらないぜよ。

GM: ま、君のレベルになればそう易々とは上がらないよ。

ゴウダン: 私は「戦術」「生存・森林」「指揮」を上げてみた。

ラック: なるほど将来のことを考えての技能選択やな。

ゴウダン: いや、そういうわけではないのだが・・・

ティマ: 僕はとりあえず「シャストアのマント」を上げてみたよ~。

GM: ふむふむ・・・それでキティは?

アイス: えーと、とりあえずは「盾」を16LVにしました。それから「活力」「怪力」「体力回復」を覚えました。

GM: つまりアイス専用のバッテリーかね?

アイス: いえ、そんなつもりはありませんよ。

GM: そうかい?だといいんだけどね。では定例報告も終わったところで今回のゲームを始める。

 

ネゴシエーション

 

ゴウダン: 前回の話で今回はゴールドとの会合になるそうだが・・・どうなるんだGM。

GM: さてね、会合かどうかは判断できないけどね。

ゴウダン: たしかその場所に私は行けないんだったな。

GM: いや、前回のアイスの話からわかるだろうけど「時空間移動」の経験があれば連れて行くことは可能だからね。君に来る気があれば同行は可能だよ。

アイス: よかったですねゴウダンさん。

ゴウダン: そうか・・・悪いが私は行くことができない。

アイス: えっと、何でですか?

ゴウダン: 理由は簡単だ。ここにいる連中がいなくなればエフラワは誰が守るのだ?

エルナ: ・・・あ!失念していました。

ケンゼン: ちゃー、そういえばそうぜよ。

アイス: でも、危害を加えてくる「空の七月」の連中のところに行くんですから。大丈夫ですよ。

ゴウダン: いや、エフラワ姫を狙っているのは連中だけではない。

ラック: そうやったなサーライトも狙ってるんやった。

ティマ: 空の七月が黙ってる保証もないしね。

ゴウダン: そういうわけだ。悪いが私は行くことができない。

エルナ: いえ、そういうことでしたらしかたがありません。ゴウダンさん、エフラワをよろしくお願いします。あの子はこんな所で死んではいけない。

ティマ: まったくだね~、ま、今の君なら大丈夫だと思うけどね。

ゴウダン: ああ、全力を尽くす。

GM: さてと、じゃあゴウダン以外のメンバーはリカさんとゴールド達に会いに行くのかな?

エルナ: もちろんです。

ラック: まあ、今回はさすがに恐怖感があるけどな。

ケンゼン: ちゃちゃ、それは武者震いぜよ。

アイス: いえ、たぶん違うと思いますよ。

 

ちょっとだけ愛泥

 

ティマ: (笑いながら)君の場合両側から別のプレッシャーがないかな?

アイス: え?

ラック: こ、このプレッシャーはなんや?ニュータイプか?

アイス: そんな・・・姫さまやキティに限って。

エルナ: (冷たい声で)私がなんですかアイス?

アイス: ヒィ!姫さま。

ラック: 今の絶対に悲鳴やよな?

ガラ: うむ、間違いあるまい。

ティマ: なにせわざわざ席を移動してまで接近してわざわざ声をかけたからね。アイス君じゃなくてもイチコロだよ。

エルナ: 前回はいろいろありましたが、帰ってきたらもう一度話し合いましょうね。と言ってキティのほうを見ます。

キティ: もちろんですねぇ、アイスさ~ん。

アイス: 何ででしょうか?どうしてこんなかわいい声を怖いと感じてしまうんでしょうか?

ラック: いやアイスそれが正常な思考回路やで。

エルナ: (笑顔のままで)私は前回の決着で納得したわけじゃないですからねアイス。

アイス: 何故にですか?前回で二人のことは決着したはずですよ。

ティマ: だってね~。

ラック: お前は前回みんなの前で「二また掛けるからその手伝いをしろ」って言うたようなものやしな。

アイス: そ、そんな破廉恥な!

一同: (笑)

ラック: お前は何時の人間や!

アイス: でも、そんなつもりで言ったんじゃないですよ。

ティマ: だろうね。でも今回はそれは関係ないから。

アイス: でもですね。ぼくは二人を守りたいだけなんです。

ラック: 二人が好きやからやろ?

アイス: え・・・ええ、そうです。

ケンゼン: つまり二股ぜよ。

アイス: え・・・ええ、そうなりますかね!え、違いますよ。

ラック: ちゅうわけで有罪。

アイス: 無実ですよ。

エルナ: (やっぱり笑いながら)結論は帰ってからですね。

ティマ: 帰ってからが楽しみだね。

 

ちょっとだけ愛泥「完」

 

GM: (うーむ、会話が絞まらないな。)そんな与太話をしている間に時間がたち、いよいよ移動となるようだ。

ラック: そういえばゴールドの所までどうやって移動するんや?

GM: それについてはリカさんが用意してる。どうやら祭壇のようなものを使うようだぞ。

ティマ: どんな?

GM: 「神秘学」を持っているキャラはそれで振ってみて。ちなみにティマ君は+2のボーナスがある。

ティマ: +2なら6成功とかしてるねー。

GM: それならわかって良いだろう。この祭壇は銀の月を奉っているようだ。

ティマ: あれ?彼女は銀の月の信者だったの?

GM: 声に出すの?なら、彼女は笑いながら首を振ってくる。

リカ: まさか。私がそんなふうに見えますか?これはあくまで力を借りるためのものですよ。

ラック: で、結局わいらはどこに送られるんや?

リカ: ふふふ、それはついてからのお楽しみですよね。

GM: 彼女はそういうと、君たちには理解不可能な呪文を口ずさむ。そして呪文が終わると祭壇の中心部から銀色の光が漏れ始める。

リカ: はい、準備は整いましたよ。

GM: 彼女はそう行って彼女は満面の笑みを浮かべるが・・・さて君たちはどうするのかね?

ラック: 準備ができたか。

ティマ: 行くんだよね~。

エルナ: ええ、行きましょう皆さん。

アイス: わかりました姫さま。

GM: OK,君たちは光の中に入るんだね。そうすると世界の景色が急激に横揺れを始める。

ラック: お、新しいエフェクトや。

GM: ふふふ、イメージとしてはドラクエシリーズの「旅の扉」ね。

ティマ: で、一体僕たちはどこにつくのかな~?

GM: それは君たちに決めてもらおうか。代表者は1D6を振ってくれたまえ。

エルナ: (コロコロ)2ですね。

 

深き森の知謀

 

GM: では君たちは深い森の中にいる。

ラック: そこにゴールドとかはおるんか?

GM: いや、いないね。周りはうっそうとした木々が広がるだけだ。

ティマ: リカさんはいるの?

GM: 当然いないよ。

アイス: 填められましたかね姫さま?

GM: 君がそう言うのを見越していたこのように、森の奥から声が聞こえる。

???: はっはっは、そんなわけないじゃないか?

ラック: だれや?

ゴールド: 久しぶりだね鳥の人。

ラック: このしゃべり方はゴールドなんか?

ゴールド: そのとおりさ。今日は僕達の招待によく参加してくれたね。

ティマ: そう思うのならそれなりの態度で接してくれないかな~?

ゴールド: そうしたいんだけど。君たちには試験を受けてもらいたいんだ。

アイス: 試験ですか?

ティマ: なんの試験?

ゴールド: 簡単な試験さ。君たちが選ばれるに足る実力があるかどうかを見るためのね。

エルナ: リカさんも言っていましたが「選ばれる」とはなんに選ばれるのですか?

ゴールド: ふふ、それも含めて課題をクリアーできれば教えてあげるよ。さて、試験は単純だ。君たちがその森から抜けれればいいんだ。簡単だろ?でも、その森には「空の七月」のメンバーがいるから気をつけてね。

ケンゼン: つまり戦えと言うことぜよ?

ゴールド: そうなるかなサムライの人。じゃあ、君たちが来るのを待ってるよ。

GM: そういうと声はとぎれるね。

ラック: まあ、やっぱり罠やったと言うわけやな。

ティマ: そうだね。むしろ彼らの実力を考えればこの程度ですんだことを感謝しないといけないかもね。

エルナ: 私は試験の内容が気になりますが・・・

アイス: 大丈夫ですよ姫さま。試験なら自信がありますから。

ラック: そういや順調に高司祭になったよな。

エルナ: いえ、私が言いたいのは試験の内容です。話し合いに来たのにその組織の一員を倒すというのは・・・

ケンゼン: 姫さまらしいぜよ。

ラック: そして相変わらずアイスは姫さまの心が掴めてないぜよ。

アイス: うう、何故にぃ。

ティマ: まあまあ、とりあえずは進まない?

ケンゼン: そうぜよ。そうぜよ。

ゴウダンのPL: ところでこれから私はかなり暇なんですね。

GM: そうなるね。よかったらNPCをやるかね?

ゴウダンのPL: 今いるNPCはキティとティマですか・・・う~ん。

GM: 難しいかね?

ゴウダンのPL: どちらも演じている人がはまり役ですからね。私がやるのには難しいです。

ティマ: じゃあガラをやってみる?

ゴウダンのPL: え、いいんですか?でもメインキャラでしょう?

ティマ: そうなんだけどね。今ひとつパッとしないんで他の人が動かすとどんなふうになるのか見てみたくて。

ゴウダンのPL: ではティマを謹んでやらして頂きます。

GM: さて、キャラクターも決まったところで君たちの今後の行動を聞こうか。

ラック: まあなんや、とりあえずは進まんことには話にならんわ。

ケンゼン: その通りぜよ。では隊列を決めるぜよ。

 

隊列決めの結果、前列はラックとケンゼンそしてアイス、中列にエルナとティマ、後列にキティとガラとなった。

 

ケンゼン: うーん、久々の戦いの匂いぜよ。興奮してきたぜよ。

ラック: ええけど、適当に興奮するんやで。

ケンゼン: わかってるぜよ。

GM: では進むのね。ケンゼンには悪いがしばらくは何もない一本道だよ。

ラック: 警戒はおこたるんやないで。

アイス: もちろんです・・・ところでGM、キティは大丈夫でしょうか?

ラック: 鳥キ~ック!

アイス: ヘブィ!なんですか!

ラック: よそ見をするんやない。

ケンゼン: まったくたるんでるぜよ。

GM: (うん、まったくだよ)さてしばらく歩くと、開けた空間に出るぞ。

ラック: どんな感じや?

GM: 不思議の国なお茶会ができそうな、テーブルとお菓子、紅茶に茶器。そしてエリクサーとおもわれる瓶が置かれている。

ラック: 全員、広い空間に入る前に待機や。罠かもしれん。

ケンゼン: 確かに罠っぽいぜよ。

ガラ: そのあたりに「生命感知」や「霊気感知」をかけてみようかの。

ティマ: そうだね「霊気感知」をお願いできる?

ガラ: では「霊気感知」を使います。

GM: とくに怪しいものないけど。

ラック: けどな、ここに入った瞬間に矢の雨なんて言う展開も考えられるで。ここはわいが空から確認しようかな。

ガラ: 空を飛ぶのは久しぶりじゃなラック。

ラック: そやな。なんか空を飛ぶとろくな事がないんであんまり飛ばんかったけどな。

ガラ: ではラックに「鎧」と「矢よけ」と「痛み止め」をかけておきます。

GM: 体力は大丈夫かい?

ガラ: いえ、結構きついですね。ラックが偵察する間に「治癒」のエリクサーを飲んでおきます。

ティマ: 中毒には気をつけてね~。

ガラ: わかっておる。と口調はこんなかんじですか?

ティマ: そんな感じ~。

GM: では呪文がかかったらラックは移動かな?

ラック: そやな。じゃあ行ってくるからお土産よろしく頼むで。

ゴウダン: いや、それはこっちの台詞じゃろう相棒。

ティマ: うんうん、そんなかんじ。

GM: どんな感じで移動するの?

ラック: とりあえず、その開けた空間の周辺を飛ぶかな。

GM: (マップを取り出して)どんな感じで?

ラック: (マップを指さしながら)こんな感じやな。

GM: (効果範囲だな)OK。じゃあ君はそうやって旋回していると・・・突然エアポケットに入ってしまう。

ラック: エアポケットって、わいはジェット戦闘機か(笑)

GM: そうかもしれないね。とりあえず-6で敏捷力チェックだ。

ラック: (コロコロ×3)あかんわ幸運失敗。

GM: では地面にたたきつけられる。

ラック: ふ、前とは違うで「軽業」で成功や。

GM: 成功度は?

ラック: 3とかやけど。

GM: では問題ない。ダメージも減少するから・・・まあ無傷だね。

ラック: どういう事や。

GM: さて進行方向から考えると、君はお茶会の席上に落ちたことになるね。

ラック: む・・・たしかにそうやな。

GM: ではそこで君は「べたべた」の呪文にかかるよ。

ラック: うおお、不覚や。

アイス: ラックさん。

ラック: くるんやない罠やで。

GM: そして茂みの奥からは2体のゴーレムが。

ラック: 前言撤回や!助けてくれー。

アイス: わかってます。今助けますから。

ケンゼン: まつぜよ。体力をまず上げるぜよ。と言って自分はエリクサーを準備。

ガラ: GM、ガラまでの距離はどれぐらいじゃ?

GM: 20メルーぐらい。

ガラ: ならば「他者転移」の準備を、これで移動の手間を省ける。

ティマ: ところで肝心のゴーレムはどんな奴なの?

GM: 茂みをかきわけて現れるのは3つの頭を持った。

ティマ: トライゴーレム?

GM: でも腕は6本だよ。

ケンゼン: うーむアシュラマン型ぜよ。

GM: ちなみに6本腕は体に対して垂直にまるで風車のようについている。

ラック: うわー、かっこわるいで。

GM: だまらっしゃい!というわけで、そんなのが迫ってくるよラック君

ラック: ふふ、大ピンチや。みんな~、ヘルプや~死ぬ~。

一同: (笑)

ケンゼン: 今から準備するからしばらくは耐えるぜよ。

GM: では戦闘開始だ。まあ、ゴーレムが接近するまでには時間があるけどね。

ラック: くそー、その間にこそ我がリアルラックの出番や。少しでも離れるで。

アイス: 頑張ってください。

 

けれど、どうやらアイスの声援では頑張れなかったようで・・・

 

GM: というわけで接近されたぞ。

ラック: 「全力防御」や、「止め」2回な。

GM: そちらがその気ならばこちらも「全力攻撃」をさせてもらおう。ちなみに4回攻撃だ。

ラック: 卑怯やで「止め」て「止め」て「受け」・・・ると武器が折れそうやから「よけ」るで。(コロコロ)1回とも成功1回失敗。ここで運を使い切ったかもしれん。

GM: ではダメージは13点。

ラック: ぎゃー、いたい。

アイス: ラックさん待っててくださいね「コロコロ」よし体力は14になりました。

ケンゼン: ちゃちゃこっちは15になったぜよ。

ガラ: ではケンゼンを「他者転移」させるぞ。燃費が悪いが一回なら・・・

GM: 判定は成功したかね?

ガラ: 成功しました。ちなみに場所はラックの前になります。

GM: (にやり)残念だが、その呪文は不発だ。

ガラ: え、成功しましたよ?

GM: うん。君の感覚では成功はした。しかしケンゼンは移動しない。

ケンゼン: 不発ぜよ。

ガラ: いや、そんなはずはないのじゃが・・・

GM: そして君の体からキラキラと光るものがラックのいる開けた空間に流れていくんだ。それと呪文は不発だったが、きっちり魔力は使われるから。

ティマ: てことはあれはガラの魔力だね~。

ラック: ぬぅ~、他人のものをかすめ取るなんてなんて奴や。

GM: (それだけではないのだよ)そんなことを言っていていいのかなガラ君?じゃあ電力で払ってあげよう。君にめがけて稲妻が飛んでくるんだが。

ラック: えーと・・・冗談よな?

GM: マジ。もちろん避けられるよ。金属防具の受動防護点は無視だけど。

ラック: 今度こそ見せてやろうやないかわいのリアルラック(コロコロ)成功や。

GM: お、避けたか。

ラック: あかん、マジでやばいでみんなヘルプや。金は出す!

アイス: ラックさんがお金を出すって言ってますよ。

ケンゼン: ちゃちゃ、これは真剣にやばいぜよ。

 

この後、アイス・ケンゼンは「他者転移」がかかる前に自力で移動を開始する。途中には予想通り「べたべた」の呪文がかかった地帯があったが、ドーピングしている二人はこれをなんなく突破してラックのもとに近づく。

一方の後列のメンバーはラックの傷を回復させようとするのだが・・・

 

GM: で、だれがラックを回復させるの?

エルナ: この中で私が一番「大治癒」のレベルは高いですから私が回復させます。

ガラ: まつのじゃ、前回と同じようなことが起きるとかなわん。ラックには悪いが消費量を抑えるんじゃ。

エルナ: そうですね・・・では体力を1点消費して、4点の回復になるはずです。

GM: (む、消費無しで呪文を使えばトラップは発動しないからまたひっかかってくれると思ったのに)では呪文が完成しても、ラックの傷は回復しない。そして前回と同じようにエルナの体からキラキラと光るものが開けた空間に入っていくぞ。

ラック: ちゅうことはもしかして・・・

GM: うむ。君に対して電撃だ。もっとも今回は前回ほど大きな電撃ではないがね。

ラック: (コロコロ)くそー「よけ」失敗。魔力使用料を払え~。

GM: だから電力で支払うよ。では9点のダメージだ。

ラック: ぎゃああ、払いすぎやで!

 

このダメージでラックは気絶寸前になってしまう。かろうじてこのターンは耐えたものの、アイスとケンゼンが前列に出ると気がゆるんだのか気絶してしまう。

 

ラック: (コロコロ)あかん、気絶や。後は頼んだで。金は払たるからな。

ケンゼン: ちゃちゃ、金なんていらんぜよ。

アイス: そうです。では攻撃行きます。ラックさんのかたき~。

ラック(気絶中): 死んでない!ちゅうかわいが死んでるんやったら香典払え!

一同: (笑)

アイス: (コロコロ)ふ、あなたがそんなこと言うからファンブルですよ。

ラック(気絶中): くく、気の迷いとはいえ、こんな奴に金を払う約束をするとはわいの生涯最大級の汚点や。

GM: (アイスのダイスを覗きながら)えーと、ファンブルの効果は「武器を落とす」ね。じゃあその状態でこちらの三回攻撃を受けてくれ。

アイス: い、1回ぐらい失敗しませんか?

GM: (コロコロ)悪いが3回とも成功だ。しかも3回目はクリティカル寸前。

アイス: (コロコロ)「止めて」・・・(コロコロ)「後退よけ」を失敗して・・・(コロコロ)「よけ」も失敗ですね。

GM: では10点と10点の「叩き」だ。

アイス: ぐふぁ!な、なんで前に出るとこんなにひどい目に遭うんでしょうか?

ラック(気絶中): 前に出るからや。

アイス: 今回はしょうがないでしょうが!

GM: (前線二人がほぼ戦闘不能か。ここまで来れば出てくるな)そうやって仲間割れをするのは君たちの勝手だが、ゴーレムの現れた茂みがまたガサガサと鳴るぞ。

ケンゼン: ちゃちゃ、また敵ぜよ。

GM: そのとおり、人影は二つ。一つは巨大なゴーレム。そしてもう一つは右手に白い鳥かごのようなものを持った男だ。

ケンゼン: ちゃちゃ、今頃黒幕の登場ぜよ。

GM: 君がそういうと彼は薄笑いを浮かべながらこう返してくるぞ。

男: ふん、私は他のメンバーと違って慎重なのでね。おっと紹介が遅れたね。我が名は「知謀のワイアート」君たちの魂を月に連れて行くものだ。

ティマ: 遅く出てきて今頃そんな台詞を言ってもね~。

ワイアート: どうとでも言うがよい。最後に勝つのは私だ。行けエルダール。

GM: 彼がそこまで叫ぶと後ろに控えていたゴーレムが君たちに向かってくる。こいつは4本腕と同じブロンズゴーレムで、腕は2本だけどモールを標準装備している。

ティマ: うわ~、嫌な武器を標準装備してるね。

GM: ふふ、言っただろ。こいつは慎重なのだよ。

 

このモール装備ゴーレム、エルダール投入によって前線は厳しい戦いを強いられることになる。

ケンゼンはエルダールと戦い、全力攻撃を繰り返すエルダールに対して正確な反撃を繰り返し確実にエルダールを削っていく。しかし合間合間にワイアートから雷撃を受け自身も少なくないダメージを受けてしまう。

ワイアートに直接攻撃したいケンゼンだが、ワイアートは必ずエルダールの向かいの位置に移動するため、これを攻撃するためにはエルダールの背後見せる必要があり、後一撃で気絶するダメージを負っているケンゼンは攻撃をすることができないでいた。

アイスは4本腕のゴーレム(真名ガッシュラン)と対戦。武器を拾った後は敵の追撃をおそれてひたすら「全力防御」を繰り返す。

このためダメージこそ受けないが、アイスもダメージを与えない状態が続く。そんな前列の状態みかねてついにガラが立ち上がった。

 

ガラ: あれ以上連中をほっておくことはできんの。こうなればわしが前列に向かうしかあるまい。

ティマ: そうだね。並の魔術師ならともかく、君の能力なら安心して前列を任せられるよ。

GM: そう、うまく行くかな。

ラック(気絶中): ところでや。さっきから考えてたんやが。わいがくらった「空気破壊」あの卑怯もんが使ってくる「雷撃」ついでに防御しにくい武器を持った下僕と。さてGM聞きたいことがあるんやが。

GM: なにかね?

ラック(気絶中): こいつはつまりあれやろ。今までの空の七月のおいしいところを全部持っていた二番煎じやろ。

GM: (やっぱりばれたか)うん?なんのことかな?

ケンゼン: なるほど、言われてみればそうぜよ。

ティマ: 成る程ね。その慎重さ故相手に一度通じた手しか使えないんだね~。

GM: そんなこと言うと、ワイアートは激怒するぞ。

ワイアート: それがどうした。戦略として優秀であれば、戦術のオリジナリティなど関係あるまい。

 

口上はよかったがワイアートの勢いもここまでだった。ガラの参戦によって攻撃に転じることができたケンゼンによってワイアートはすぐに危険にさらされる。

 

ケンゼン: ちゃちゃ、「つむじ風」ぜよ。

ワイアート: ばかめ、貴様の技にある弱点などお見通しだ。

GM: (コロコロ)あ、見切り判定に失敗した。肝心の迎撃ができない。

ケンゼン: ちゃちゃ、8点のフェイント効果ぜよ。

GM: 2点しか見切れないね。しょうがないので「瞬間回避」で逃げる。逃げた位置は・・・(無言でマップの一角を示す)

ガラ: そこなら攻撃できるのう。

GM: だね~。

ガラ: では遠慮なく全力2回攻撃(コロコロ)一回目がクリティカル。

GM: く、(コロコロ)その攻撃はこちらの持っている「祝福」のアミュレットでただの攻撃に変更してもらおうか。

ガラ: しかたあるまい。ダメージは12点の叩きが2回。

GM: なめるな。こっちは強化のハードレザーに「鎧」そして「活力」によるドーピングがされているのだ。

ケンゼン: うわ、チキンぜよ。

GM: だまっらしゃい。まだだ、まだ終わらんよ。とりあえずゴーレムに命令だ。

ワイアート: ゴーレム達よ。私を守るのだ。

ティマ: やっぱりチキンだね。

GM: うるさいぞ。こうなったら変身を・・・いかんこのダメージを先に癒さなければ変身できん。

ケンゼン: その間が勝負ぜよ。

GM: 何を言う。こっちには鉄壁のガードがいる。

ガラ: (図を見て)アイスの相手をしているやつはこっちに素早く来れるとは思えんがのう。

GM: う・・・しかしもう一体いるんだ何とかなる。

 

こう豪語したまではよかったが、世の中そう巧くは行かない。攻撃に特化されたゴーレムに正確なカバーなどできるわけもなく、ケンゼンの全力攻撃の前にワイアートはあっさりと倒れてしまう。

 

ワイアート: バカな、何故だ。

ティマ: 戦術はその時々によって変化するものだよ。なんでもかんでもカタに填めていってどうするの。

ガラ: それにお主は、自分の保身ばかり考えておる。自らの保身しか考えない者に怖さはないわ。

ワイアート: いやだ、まだ私は死にたくない。

GM: そういって彼は倒れる。

ティマ: あれ、気絶しただけじゃないの?

GM: 活力で上げた数値でなら気絶ですむんだけどね。もとの数字に戻れば死亡ダメージだよ。残念なことにこいつはもとの生命力が低いんだよ。

エルナ: 結局、殺してしまいましたね・・・

ラック: いや、あのままいっとったらわいらはえらいことになったんや。

ケンゼン: そういうことぜよ。

エルナ: それはそうですけど、でも・・・

ティマ: そうやって、考えることが大切なんだよ。

GM: さてワイアードを倒した君たちだが、そのまま進むのかね?

ティマ: とりあえず、トラップは警戒するけどね。

GM: 開けた空間を抜けると世界が別のものに変わるから。

ラック: なんや?

GM: そこにいるのはゴールドとシルバーの二人組、そしてリカだ。

ケンゼン: シルバー!

ゴールド: お、意外と早かったね。これは賭は兄さんの勝ちだね。

ラック: ちょっと待て、わいらを使って賭をしとたっんか!

ゴールド: 暇だったからね。

アイス: むー、結構不愉快ですね。

ラック: そんなことはどうでもええ!賭とったんならわいらにもマージンを払え。

一同: (笑)

ガラ: やはりお前が気になるのはそこなんじゃな。

ラック: 当然やないか。

GM: 君がそんなことを言うとゴールドは豪快に笑ってくれるが。

ゴールド: はっははは。いいね、いいね鳥の人。それぐらいじゃないと僕たちの対抗馬にはなれないよ。

エルナ: 私たちはあなたと戦いに来たのではありません。話し合いに来たんです。

GM: 君がそういうと、ゴールドは首をかしげた後でこう言ってくる。

ゴールド: 話し合い?OK、じゃあ話し合おうか。それじゃあこっちに来てくれるかい?

GM: そういうと彼は君たちを別の部屋に案内してくれる。おそらく作戦室などに使われているだろう部屋だ。

ラック: 気のきかん部屋やな。

ケンゼン: そうぜよか?いかにもゴールドらしい感じで良いぜよ。

GM: ゴールドはその中で一番中央の積に腰を落ち着けて、リカさんに指示を出すね。

ゴールド: とりあえず、全員分の飲み物を用意してくれ。

アイス: いえ、そんな気にしないでいいですよ。

ラック: なんで敵に対してそんな弱気腰やねん。

アイス: いえ、前回の恐怖心が完治してないんですよ。

ティマ: まだ敵と決まったわけではないけどね~。

ラック: まあ、それはそうなんやが・・・。

ゴールド: さて、君たちの言う話し合いを始めようか。それで議題は?

エルナ: もちろん、あなた方が何がしたいかですよ。

GM: ゴールドはエルナの言葉に首をかしげるよ。

ゴールド: 僕たちがしたいことか。それは以前言わなかったっけ?僕たちがこの世界を救うために行動してるって。

エルナ: ええ、お聞きしました。でもその方法については聞いていませんよ。

ゴールド: 確かにそうだね。でもそんなこと些細な事じゃないか。

ガラ: それは違うじゃろう。極端な話をすればお主ら3人だけが生き残っても、3人で争わない限り世界は平和ということになるかもしれんしのう。

 

8番目の月

 

GM: 君の指摘にまたゴールドは笑いだすね。

ゴールド: これは手厳しいね。だけどその通りだ。いいよ教えてあげる、僕たちが世界を救う手段は簡単。この世界に新しい月を誕生させることさ。

ラック: なんやて、月を作るやて!

アイス: えーとGM、そんなこと可能なんですか?

GM: 君が知っている知識の中ではできないだろうね。

ケンゼン: 無茶な話に聞こえるぜよ。

ゴールド: 可能だよ。いまサーライトが手に入れようとしている「神の力」を持ってすればね。

ケンゼン: ちゃちゃ、また荒唐無稽な話が出たぜよ。

ゴウダン: いや、これは荒唐無稽な話ではないんや。といってもわかるんはPLなんやが。

GM: そこらはゴールドがフォローしてくれるよ。

ゴールド: ふふ、荒唐無稽ではないんだよサムライの人。この世界のある場所には神になることも可能なほどの強大な力が眠っている。詳しくは言えないけど、サーライトを作り出した結社はその力をめぐって暗躍していたのさ。

ティマ: じゃあ、このままいけばサーライト氏が神になるんだね~。

ゴールド: ところが、そう簡単にはいかないさ、時をめぐる人。

ケンゼン: うん?なんのことぜよ。まあ、PLは知ってるが。

ティマ: ま、こっちの話だよ。

ゴールド: 話を戻そうか。つまりね神の力を手に入れるにはそれ相応の器が必要なんだ。ところが、サーライトは完成された神の器じゃない。やつは自分の娘を完成体にしようとしたみたいだけど、それもうまくいってないみたいだしね。

エルナ: よかった。

ゴールド: それにかつてこの世界を救った英雄達が、今回は彼の妨害に励んでいるからそううまくはいかないだろう。

ラック: ちょっと老けたんと、外見的にほとんど変化がない双子とかやな。

ティマ: そうそう、赤の月は美容にいんだよ~。

ラック: なるほど、そうやって信者を勧誘するわけやな。

GM: 話を戻していいかな?

ゴールド: まあ、彼も自分の計画がうまくいってないのはわかっているみたいだね。だから銀の月に力を借りて自分の存在を歪めたり、足りない力を補うつもりらしいしね。

ラック: なんか人ごとやな。

ゴールド: そりゃ、人ごとだからね。それに今回の場合は彼が適当に成功してくれた方がやりやすいんだよ。

ラック: なんか嫌な予感がするで。

ゴールド: 彼がそうやってくれれば、僕たちの月を崇める人も増えるし。

ラック: その8番目の月やけどな、お前らも結局神になりたいんやないんか?

GM: 君の指摘にゴールドは本当におかしそうに笑うね。

ゴールド: はっはっはっはっは。神になる?違うよ、僕たちの作ろうとしているのはあくまで月さ。強大な力を生み出す月。それをどう使うかは月を崇める人たちしだいさ。

アイス: それは神とは違うんですか?

ゴールド: ああ、そこにあるだけの物さ。そこで君たちに提案がある。

GM: そこまで言うと、ゴールドは君たちのほうに向かって真っ直ぐ視線を飛ばしてくる。さすがに鎧の下にある素顔までは見えないがね。

ゴールド: 君たちは僕らの月にとって敵になるかい?それとも味方になるかい?

ケンゼン: それを聞いてどうするつもりぜよ!

ゴールド: どうもしないよ。言っただろ、僕たちはただそこにある力を作るんだよ。君たちがその力を使って世界を救うのなら、それでもいいし。僕たちの力を拒絶するならそれまでだ。

ラック: な、なんかあっさりした対応やな。

ケンゼン: どうするぜよ。正直こういうふうにこられるとは思わなかったぜよ。

アイス: どうしましょう姫さま。

ティマ: みんなちょっと待って、これは言葉遊びだよ。

エルナ: そうです。ティマさんの言うとおりです。ゴールドさんの選択肢には「我々が月の作成を止める」という答えがない。

ティマ: つまりどうあっても君たちは月を完成させるって事だ。

GM: (意外と早かったな)君たちの指摘を受けると、ゴールドはなにも喋らなくなるぞ。

エルナ: あなた方は本当はなにを行おうとしているのですか?

ゴールド: さて・・・

アイス: (ルナル完全版を見ながら)月が一つ誕生するとルナルでは新たな信仰が生まれてますね。新たな信者によって世界の覇権を・・・違うなー。それなら神になりますよね。(ルナルを再度見て)太陽とか・・・

 

漂流する世界

 

GM: (NGワードだね)ではアイス君の一言が出ると、彼は君たちに聞き取れない一言を口走る。その瞬間部屋に巨大な魔法陣が浮かび上がる。

ラック: なんや~!!!

ゴールド: やっぱり君たちの道は危険だ。計画の力を使ってでも舞台から下りてもらうよ。

ケンゼン: ゴールドに攻撃。

GM: するよりこちらが早い。君たちは時空間の波にのまれるぞ。

ラック: バミュ-ダ・トライアングルていうとる場合やない。みんな無事か。

GM: 全員無傷だよ。もっとも大量の低級アンデットに囲まれてるから何時まで持つかはわからないけど。

ケンゼン: 全員、集合。陣形を作って迎撃ぜよ!

 

大量のアンデットVSチームエルナ(?)の対決はこうして始まった。しかしその大半がスケルトン、ゾンビである集団に役割分担がきちっとできているエルナチームの打倒は難しく。時間はかかるもたいした犠牲もでることなくチームエルナは勝利を収める。

 

ラック: あー、ひどい目にあった。

GM: 君がぼやくと、向こうの方から一人の男が飛んでくるぞ。

アイス: 誰ですか?

GM: クロス。

ケンゼン: あーあの蜃気楼の町の、久しいぜよ。

GM: クロスは君たちのほうに真っ直ぐに飛んできて、君たちに開口一番こんな事を言ってくる。

クロス: 君たちの世界は滅ぶ。

GM: とね。

アイス: えーと・・・はい?

ラック: なんでやー!!!

 

謎の世界に吹き飛ばされた一行。そしてクロスの不吉な言葉。彼らに逆転の目はあるのか・・・

多くの謎を残したままで次回に続く

 

第19話へ

 

閣下と臣民のお部屋

閣下: 久しいの。

夏野: そうでしたっけ?

閣下: いや、言い方を変えただけ。

夏野: 結末も近いのにふざけないでください。

閣下: まあ、いいじゃないか。さて今回の話だが。

夏野: これだけ読むとゴールドがかんしゃく持ちにしか見えませんが・・・

閣下: ま、短気ではあるね。しかしあれはあっさりと突いてはダメな場所を突いたアイス君も悪いぞ。

夏野: ですかね。ちなみにゴールドの真意については次回で明らかになります。

閣下: さて、話もいよいよあと2回か。

夏野: 残り2回はいずれも長い回ですけどね。

閣下: うん、夏休みも終わっていて日程調整に苦労したよ。

夏野: その苦労から今の百鬼のゲームスタイルがあるわけです。ところで百鬼と言えば・・・

閣下: うん?

いつも通り話が脱線して終わる。

 

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