黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

外伝(下)「月ノ華ニテ、天ヲ照ス」

始めて会った時はただ彼女に嫉妬した。彼女があまりに強い力を持っていたからである。それからすぐに打算が働き彼女から力を分けて貰おうと思った。

今思えば、彼女の力を通してある「モノ」を自分が追っていたことに気がつく。それに気がつくまでにずいぶんと時間がかかったが、今ならはっきりと言える。

そう私は・・・「」が「」なのだ。

 

外伝(下)「月ノ華ニテ、天ヲ照ス」

 

前回、様々な感情の対立がありながらも結局ティマが企画した情報収集用のパーティに出ることになったメンバーだったが。

 

愛泥・アイスの魂よ、永遠に編

 

GM: で、衣装はどうするの?

ティマ: うん、衣装は必須だよね~。じゃあ皆、服を借りようか。

セレナ: 俺的には鎧を脱ぎたくないんだがな。

アイス: さすがにただの鎧でパーティに出るのは問題ですよ。

セレナ: わかってるよ。さっさと衣装屋に行こうぜ。

チャーミー: いい趣味のがあるといいんだけどね。

アイス: 難しいですね。なにせフリスキーが贔屓にしている店ですから。

GM: じゃあ、みんなで衣装屋に行くんだね。そこにはまだフリスキーと「虹の野牛」がいるぞ。

アイス: なんでお前がいるんだ。そうか、キティとチャーミーだな。二人は絶対渡さないからな!(と言いながら大上段の動作)

セレナ: まてまて、毎回フリスキーが出るたびに騒ぎを起こしてどうする。

エルナ: ああ、アイスがまたおかしくなっていっている。

アイス: ち、違うんです姫さま。僕は姫さまとキティとチャーミーを守りたいだけなんです。

ゴウダン: そう言えば、キティが二人いてフリスキーは何もしてこないのか?

GM: (コロコロ)あ、フリスキーはキティが二人に増えたうれしさのあまり精神的な朦朧状態になっている。

一同: (笑)

GM: さてアイス君。朦朧状態のフリスキーに代わって、虹の野牛が君の方に近寄ってくるぞ。もちろんあの恰好で。

アイス: え、やめてください。そんな、二人の前でなんて!

一同: (笑)

GM: 君がどんな妄想しているかはわからないが彼女は君に話を聞きに来ただけだよ。

虹の野牛(以下虹牛): ねーぇアイス、そこの「泥棒猫」二人はだーれン?

アイス: え、いやあの、泥棒猫ってそんな。

チャーミー: あ、そんなこと言うんだったらアイスよりも虹牛に近づいてからこう言いますよGM。何か言ったかしらお化け乳のお・ば・さ・ん。

アイス: (喉元から絞り出すような声で)ノォォォォオォォォォアァァァ。うわ、ぇえぇ。

一同: (笑)

セレナ: オーイ、せめて日本語を喋ってくれよアイス。

GM: そうすると、虹の野牛も微妙に胸を強調しながら反論してくるよ。ちなみに彼女は笑顔だけど目元はちっとも笑ってないから。あ「嗤って」はいるか

虹牛: あらン。泥棒猫かと思ったらただの子猫ねン。私も焼きがまわったわね、こんなガキにアイスが誘惑出来るわけないわよね。

チャーミー: (笑っています)あら、でも私のことをアイスは幸せにしてくれるって言ったわよ。そこのキティも含めてね。

アイス: (何か魂とかも絞り出しそうな声で)いやぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ。

ティマ: おかしいな~、僕らは国の危機を救うために頑張ってるはずなのにね。なんでこんなに近くに「世界の危機」があるんだろう。

セレナ: ああ、世界って簡単に滅ぶのな。

アイス: あの、そんなこと言う暇があれば助けてくださいよ。

セレナ&ティマ: 無理。

エルナ: 仕方がありませんね。ここは私が何とかしましょうかアイス。

アイス: あ、助かります・・・て、ここで姫さまに助けられちゃダメだろ僕!

チャーミー: お、一応わかってるんだ。

アイス: すいません虹の野牛さん。

虹の野牛: だーめ、二人の時は「牛子」て呼んでン。

ゴウダン: いや、二人きりではないだろう。

アイス: 僕は、この二人と姫さまを守るために生きてるんです。他のことにかまう暇なんてないんです。

セレナ: おいおい、3人はアイスの存在意義かよ。

ティマ: アイスの場合、それであながち間違ってなさそうなのが怖いね~。

GM: じゃあ、虹の野牛は君の方を向いて枝垂れかかってくるぞ。当然胸とかで。

虹の野牛: アイス~、じゃあ私は嫌いなのン。さっき、さんざん味わったでしょン。

アイス: うわ、うわ、うわっぷ。えーと、二人の様子は?

チャーミー: 別に怒ってはないわよ抜刀してるけど(笑)

GM: キティも笑顔だよ。君の腕に爪立ててるけど(笑)

アイス: ご、ごめんよ二人とも~。

エルナ: ああ、チャーミーさんてもう少し分別がある人かと思ったんですけど。

チャーミー: う~ん、張り合うのが好きなだけかな。あとはPL的にこうやってアイス君をいじってるのが段々楽しくなってきて(笑)

ティマ: ああそれはわかります、危険な兆候ですよ。

 

かくて熾烈を極めたアイスいじめならぬアイス弄り。アイスは精神力をごりごり削りながらなんとか衣装部屋に行くことになったのだがそこにはあの御仁が・・・

 

GM: 君たちが衣装を借りに着たと聞いてフリスキーが再起動するぞ。

フリスキー: ちょっと待つにゃ。キティの衣装はもうすでに用意してあるにゃン。

アイス: 却下だ。貴様の衣装なんて着せたらキティとチャーミーが汚れる。

チャーミー: 個人的には少し興味があるんだけど。

アイス: ダメだよチャーミー。その一歩からすでに猫耳は始まってるんだ!

チャーミー: え、もう猫耳なんだけど。(寂しそうな声で)それともアイスって猫耳嫌いなの?

アイス: いえ、あの、ね、その、ね。

セレナ: そんなにおろおろするなら最初から言うなよ。

ティマ: 前にも言ったけど、それができればアイスじゃないよ~。

GM: チャーミーがそう言うと彼は一着のメイド服を持ってくるぞ。虹の野牛と同タイプでベースカラーは白だけど、チャーミーやキティの耳の色と同じ青系をエプロン生地にあしらった一品だ。エプロンにあしらった水色のリボンがチャームポイントだぞ。

チャーミー: あの牛と同じデザインなのが減点かな。

ティマ: ところでGM,近頃衣装に関する説明が長いのは気のせいですか?

GM: うん気のせいだ。さてどうするかねアイス君?

アイス: え、そうですね・・・確かに似合おうとは思いますけど・・・でも。

チャーミー: あアイスがそういうなら、着てみるかも。

アイス: ええ!それはまずいよ。

チャーミー: まあ、何か問題がありそうだったら脱げばいいんだし。

アイス: ダメだよチャーミー。服を脱ぐなんてそんな・・・僕の煩悩が。

一同: (笑)

セレナ: で、煩悩がなんだ?

アイス: い、いえ、そのですね。

GM: じゃあ着替えるのね。最上質の絹もかくやと言うほどの着心地の良さだぞ。

チャーミー: あ、それはすごい着心地かも。

GM: じゃあ、暫くすると着替えたチャーミーが現れる。

チャーミー: どお、アイス?

アイス: (顔を真っ赤にして)・・・ご、ごめん言葉にしようと思ったけど、言葉にならないよー。

セレナ: おーいアイス、アイス、その顔は熱病か、熱病なのか?

ティマ: だとすれば相当に重傷だよね~。

GM: ふむふむ、ちなみにフリスキーはそのチャーミーの姿をみてうれしさのあまり頭髪が真っ白に。

一同: (笑)

セレナ: おいおい、白髪鬼かよ。てか、なんで恐怖表振ってるんだGM?

ティマ: まあ、ベクトルが+なのか-なのかの差で精神が肉体にあたえる作用は一緒かもしれないけどね~。

GM: ところでアイス君。

アイス: ハ、ハヒ?

GM: キティがだね。やっぱりメイド服を着ているんだが、顔を真っ赤にして。

アイス: えええええええええええええ、と・・・ハァハァ(息を整えているらしい)、落ち着けぇぇぇ、僕!(絶叫)

一同: (笑)

GM: ちなみに彼女が着ているのは以前ハイペリカが着ていたのと同じ実用型。

ティマ: ああ、「エマ」タイプですね。

キティ(もちろんエルナのPL):あのぅ、どうですかぁアイスさん?

アイス: えう、えうあゲホッゲホ(咽せた)

チャーミー: とりあえずキティに言っておこうかな。あのねキティ、恥ずかしいなら着ない方がいいと思うけど。

キティ(エルナのPL): でもぉ、アイスさんがこういうのが好きならぁ、我慢しますうぅ。

アイス: (続けると脳に障害が出そうな速度で頭を上下に振りつつ)あ、ありがとうキティ。

ティマ: さて、絶対に本編とは関係なさそうだけどでそろったね~。

セレナ: うむ、胸が山脈な草原美人のお姉さん。見た目も美しいメイド服を羽織った勝ち気な女の子。そしてパット見は一番地味だがアイスが好きそうだからという理由で必至にメイド服を着てくれた内気な女の子か。ああ腹立ってきたな。とりあえず、やっぱアイスはむかつくから死んでくれ~。

ティマ: で、誰を選ぶの~?

アイス: そんな、無理ですよ。これ以上は僕の脳が、脳が・・・

一同: (笑)

GM: 君がそう言ってると突然、背後から羽交い締めにされるぞ。

アイス: え、そんな「投極術」で振り解きを試みますよ。

GM: いいのか?相手は虹の野牛だぞ。

アイス: うぅ・・・諦めます。

チャーミー: そこ、諦めるな~。

アイス: (ちょっと泣きそうになりながら)無理ですよ、だって、牛さんですよ。女性ですよ。なんかすごいんですよ!

一同: (爆笑)

セレナ: 何がすごいんだ、ええ?山脈か、やっぱりこいつはここで殺した方がいいぞ。

アイス: まあまあセレナ君。キティ、チャーミー、虹の野牛に勝てる自信があるならどうぞアイスを殺ってね。

セレナ: む、それはさすがに無理だが・・・

GM: で、羽交い締めにされたアイス君。もちろん背後には「なにかすごいもの」が触れているわけだが(笑)

アイス: わ、わ、わ、何をするんですか?

虹牛: あらン、アイスちゃんはあんな子猫よりも私のほうがいいわよねン?

アイス: そんな、そんなことはない・・・はずです。

セレナ: そこで嘘でもいいから言い切ろうぜアイス。

ティマ: さりげなく呼び方を「ぼーや」から「アイス」に代えてるのがポイントだね。

ゴウダン: それはなんのポイントなんだ?

一同: (笑)

GM: そういう状況で虹の野牛はチャーミーとキティの方を見て勝ち誇っている。

チャーミー: ああ、そういうことなの。じゃあGM、私はおもしろそうだから牛の挑発に乗るからね。

アイス: え?

チャーミー: (笑いながら)つまり牛と同じような体勢でアイスに抱きつくから。

一同: (笑)

アイス: や、やめてくださいぃぃぃ。

GM: ふむ、この状況でキティの性格を考えると・・・勇気を振り絞って参加するかな。

アイス: わ、うわ~ん。

ティマ: うーむ、「ネギま」とかでもかなりレベルの高いシーンだね~。

GM: と、いうことでアイス君。とりあえず意思判定をしてくれ。

アイス: わかりました。-10ぐらいでいいですよね(コロコロ)えーとファンブルですが。どうなりますかね。

GM: (誰がそんなこと言った)さて、どうなるんだろうねこれ?

ティマ: とりあえず恐怖表かな?

アイス: えーと、合計がすごいことになってます。

セレナ: (恐怖表を見ながら)確か4D分間昏倒で1D疲労だったよな。

アイス: じゃあ、あまりのショックで、鼻血とかを出しながら24分間ビクンビクンとして6点疲労します。

セレナ: おいおい、胸で後頭部でも打ったかアイス?いやそもそも打てるのか胸で?

セレナ: まあ、脳に受ける衝撃という点では一緒じゃない?

キティ: (エルナのPL):あ、アイスさーん。

アイス(昏倒中、おそらく譫言): ふふふ、ああこんなにも天国が近くにあります。

GM: いや、何分昏倒とかはダイスを振ってくださいねアイス君。

アイス: そんな、3人に失礼じゃないですか。

セレナ: 今のお前の姿がよっぽど失礼だろうが!

アイス(昏倒中): そんなことありませんよ。ああ、天国の扉が~。

セレナ: よし、そのまま天国入ってしまえ。しかし何なんだこの惨状は。俺等は何と戦ったんだ?

ティマ: えーと・・・萌え?

 

愛泥・完

 

この後、残ったメンバーも正装に着替えてパーティに突入することになった。この際「アマランぴったりサイズの黒の三段フリルゴシックドレス」が普通にあったり、「サイズがないゴウダンの服が僅か30分で作り上げられたり」と村の名もなき貸衣装屋に一行が驚愕するが、それ以外には問題もなくパーティの準備は進んでいった。

 

GM: さて皆さん、これからどうするのかね?

ティマ: もちろんパーティに行くよ。出席者の方々も来ていることだろうしね。

アイス(復活): ところでチャーミーとキティの服装はなんですかGM?

チャーミー: えっと、メイド服で行こうかと思って。ほらパーティだし給仕とかもいるでしょ。

アイス: でもパーティだよチャーミー。

チャーミー: パーティだからよアイス。私たちの姿は正装すると際だっちゃうからね。

アイス: あ、そうかごめん。

チャーミー: あ、いいのよ。あなたがそういう人だって言うのはわかってるから。

アイス: うう。

セレナ: うーむ、双子のメイド・・・片方は割烹着じゃないのか?

ティマ: さすがにカルシファード衣装は・・・あの店ならありそうだけどね~。

GM: それとフリスキーがチャーミーの着ているメイド服の秘密について教えてくれる。

チャーミー: そういえばこの服信じられないぐらい着心地がいいんだけどなんで?

GM: 君がそう聞くとフリスキーは誇らしげに胸を張る。

フリスキー: 当たり前にゃ。それはシロキガネでつくったにゃ。

エルナ: シロキガネあの、それってもしかしてあれですか?

GM: そうだ。君の単衣と同じ素材だ。そもそもシロキガネはカルシファードの希少金属で魔力を流すことで信じられないほどの伸縮、弾性を持つ金属だ。それを利用して作られた金属繊維「シロキイト」で織り上げたのがそのメイド服。

エルナ: (それを聞いて無言で突っ伏す)

アイス: ひ、姫さま。

エルナ: だ、大丈夫ですよアイス。平気ですから。

ティマ: うん、自分の国の国宝と同じ材質でメイド服作られちゃね~。

エルナ: い、言わないで。言わないでください。

フリスキー: ふふふ、それだけではなくてこのメイド服には特殊な魔法が魔化されていて戦闘にも使える一品なのにゃ。

セレナ: おいおい、メイド服で戦うなよ。TPOとかあるだろうに。

アイス: え、ダメですかね?

セレナ: まて、何でそこでお前が落ち込むんだ?

ティマ: それで、そのメイド服の効果って?

GM: 君が聞くとフリスキーは偉そうに指を立てて説明する。

フリスキー: うむ、ちゃんと聞くニャ。まず血糊がつかないにゃ、それから戦闘などの激しい運動でも折り目が付かないにゃ、さらにベースカラーを赤色に変更が可能にゃ。ただし生地の能力を落とさないために手荒い陰干しは必須にゃこれは重要事項ニャ。

アイス: ちょっと待て。その魔法の何が戦闘に使えるんだ!

フリスキー: 何を言ってるにゃ。私がキティに戦闘をして欲しいわけないにゃ。

アイス: この男は言うだけいっといて!とりあえずフリスキーに殴りかかります。

GM: とりあえずデータ的に言うと特殊な「染色」と「雨傘」が魔化されていて、「弱体化」や「粉砕」と言った呪文に抵抗力がやたらあるメイド服だ。受動防御は4ただし1点は魔法的なもの、防護点も4で重さは8カガル(kg)単衣とちがって使われた「シロキイト」が少ないのでこのデータだ。

チャーミー: うーん、装備すると防護点が1点下がるけど「無荷」になるのか。

ティマ: 使用については戦略次第ですね。

セレナ: しかしずいぶんと金掛けてるのなこのメイド服。

GM: フリスキーは頷きながらこうも言ってくる。

フリスキー: もちろんにゃ。それだけじゃなくて旅先で出会った魔術師が「なき弟子の仲間に君は会いそうだから」とか言って協力してくれたにゃ。

ティマ: ああ、世界って広くて狭いんだね~。

GM: では装備一式そろったところでパーティ会場に行くかね。

ゴウダン: そうだな。だいぶん時間も押してしまったし。

アイス: す、すいませんゴウダンさん。

GM: で、結局はアマランも一緒に出席させるの?

ゴウダン: ええ、そのかわり常にアマランの近くに私はいますよ。ブレイバーも装備状態で。もちろんこれを使わないように努力しますがね。

ティマ: 名目はエルナ姫の護衛だね~。

GM: OK。アマランは新しく袖を通したドレスが落ち着かないのか生地を触ったりしてる。

アイス: そういえばドレスの前に着てたアマランの服装はどんなものだったんですか?

GM: 一枚の長い黒布を二枚に折って、その両側を縫い合わせて腕と首を出す穴を開けただけの簡単な服だね。

アイス: そんな趣味の悪い服・・・さてはあの悪趣味髭の手作りですね。

ティマ: まあ、それなら簡単に作れそうだけどね。工程を想像すると不気味だね~。

GM: アマランのためにコペルが裁縫・・・確かに不気味だ。

ゴウダン: とりあえず、アマランの近くに行って声をかけます。大丈夫かい、ドレスは苦しくないかい?

チャーミー: あ、こっちもアマランに声をかける。何かあったらちゃんと言うのよ。

GM: 君らの声を聞いて、彼女は笑いながらこう言うね。

アマラン: 大丈夫、私パーティって初めてだけど何かすごくどきどきするね。パーティって楽しいんだよね。

ゴウダン: ああ、パーティは楽しいものだよ。

ティマ: うーん。これは、成功させないとね。

アイス: ええ、そうですね。でもやっぱり彼女は・・・

GM: じゃあ、パーティが始まるよ。

 

こうして始まったパーティ。かなり無茶な準備をしたのにも関わらず、やはり「銀の淑女」の人気は高く、村人のほとんどがパーティに出席していた。

この中で一行は時間の限りを使って、有意義な情報を集めようと躍起になる。もっとも若干名例外もいたが。

 

GM: アイスくん。君がご婦人と話していると後ろから声をかけられるよ。

アイス: え、違うんですよ。これは情報を得るためでそんな変な目的はないですよ。

GM: 何を弁明しているのかね?キティやチャーミーではなく声をかけて来るのはフリスキーだ。

アイス: (即座に)お前に用はないし、キティもチャーミーも渡さない。さっさと帰れ。

GM: は、早いな、君がそういうとフリスキーは嫌そうな顔をしながら君に喋り掛けてくる。

フリスキー: 私だってお前と喋るのは嫌にゃ。しかしこれはお前しかできないにゃん。

アイス: なんの話だ?

フリスキー: 「虹の野牛」の猫耳姿見たくないかにゃン?

アイス: な、何を言ってるんだお前は?

フリスキー: あのメイド服にはある仕掛けがしてあるにゃン。それを使えば簡単にゃ。

GM: そういうとフリスキーはメタリックな四角い箱に赤いスイッチがついた物を取り出す。

フリスキー: これを「虹の野牛」に触れながら押すニャ。

アイス: う、そのスイッチの形を見ただけで押したくなってるかも。それを押したらどうなるんだ?

一同: (笑)

GM: 君がそう聞くとフリスキーは悪人笑いを浮かべてこう言ってくる。

フリスキー: もちろん角が消えて一時的に猫耳が生えてくるニャ。幻覚だけど触ることもできるにゃ。

アイス: なんですって!ああ、僕はどうすればいいんだ。

ティマ: うん?押さないの。

アイス: 押しますよ。いえ、あの、とりあえずスイッチを持ってその辺りをぶらぶらします。決して押すためではないですからね。本当ですよ。嘘じゃないですよ。信じて下さいね。

一同: (苦笑)

 

この一件は「またアイスが何かをするはずだから見張っていた」セレナによって未然に防がれた。もっとも、よく考えてみればセレナもアイスを見張るために肝心の情報収集はできていないのだが・・・

とはいえ、パーティという雰囲気と「銀の淑女の従者」と言う肩書きがものを言い、メンバーの元にはかなりの量の情報が集まった。

 

アイス: (ノートを取りながら)えーと、情報を纏めるとですね。

セレナ: うん、発言は完結にな。お前にはいまや記録者としての地位しかないんだから。

アイス: だから、やる気はなかったんですってばー。

チャーミー: どうだか。

アイス: う・・・えーと、この辺りにエルナ様が来るという話が流れたのは先週ぐらいから。ローク砦(150人が捕まっている砦)からこちらに遊びに来たと思われる軍高官らしい人物2人が漏らしたようです。

ゴウダン: その二人はよくこちらに遊びに来ているんだったな。

アイス: はい。ですのでうっかり口が滑ったのか、それとも意図的に流したのかは難しいです。で、あの砦なんですけど管理していたのはフォレスト=ピース氏ですが、ピース氏は他にも多くの兵士を指揮する立場にあったのでほとんど弟のミズガルド氏に任せていたようです。

エルナ: 多忙だったようですからね。

エルナ: はい、姫さま。そのせいかはわかりませんが、砦の兵士達は無法で怠け者というのが評判で村の人たちは毛嫌いしているようでした。

ティマ: たぶんミズガルドのせいじゃない~?

チャーミー: そうそう。何も後ろ暗いとこがないならアマランと戦ったときに「自分が管理する砦」とか言えばいいわけだしね。

アイス: あと、砦の人たちは半数ぐらいが長期間砦を開けたことがあったようですね。これはやはり「蝗」がらみでしょうか?

ゴウダン: その可能性は高いと思うが。

GM: (ミズガルドと会ったときに最初から調べればミズガルドがゼクス高原との外交をやっていたこともそれが巧くいってなかったこともわかったのにね。あとこっちの軍のことを調べればゼクス高原近くで駐屯していたこともね)

ゴウダン: これからなんだが・・・

GM: おっと、パーティもそろそろお開きになろうかというところで、君たちの喋っている所に杖をついた老人が歩いてくる。

ゴウダン: うん?どうしましたか、帰るのでしたら送りますが。と老人に声をかけます。

GM: そうすると老人は君たちの方を見て「砦の・・・」とまで言って口をつぐむぞ。

セレナ: なんだじいさん。何か知ってるのか?

チャーミー: あのね。そこで、もう少し聞き方があるでしょうが。

GM: (まあ、そう簡単にはいかないだろうけどね)老人は君たちの方を見てから、すまなさそうな表情を浮かべるばかりだ。

アイス: 何ですかね?とりあえず「罪意感知」をおこないます。

GM: 老人には罪の意識はあるようだけどね。

アイス: ならこう言ってみます。僕はガヤンの高司祭ですが、あなたをあなたが悩んでいる罪で裁こうとは思いません。

GM: 老人は君の話を聞いて驚くぞ。

アイス: ガヤン様は人の幸せな暮らしを望んでいるはずですから。ただ、あなたが悩んでいる心の鎖を除くことができればそれこそガヤン様のためだと思うのですが。

セレナ: あれ?アイスが格好いいぞ。

ティマ: たまに格好良くなるよ~。

アイス: へへ、やっぱ格好良かったですかね?

チャーミー: それで自分から格好悪くすると。

ティマ: ま、アイスだしね~。

アイス: し、しょうがないじゃないですか。皆さんが誉めないから、誉められ馴れてないんです。そりゃ、普段の僕は誉められるようなことはしてないですけど。

セレナ: じゃあ、誉められないだろうが(笑)

ティマ: なんか本編の頃のアイスに戻ったね~。今までの2話は擬態?

アイス: なんの話ですか?

GM: さて、老人はアイス君の方を見て厳しい声でこう言うぞ。

老人: あんたに何がわかるんだ!

アイス: 逆効果だったかな・・・えーと。GM、老人は杖をついてるんですよね。

GM: うん。そして腰には帝国の紋章の入ったジェスタアックスをさげている。で杖というか礼装用の剣を杖代わりにしている。

アイス: 剣と斧・・・

セレナ: お、何か掴んだか?

アイス: その剣と斧はいつの時代のものかわかりますかねGM?

GM: 「紋章学」で振ってみて。

アイス: (コロコロ)3成功です。

GM: 斧の紋章はサーライトが摂政だった期間から使われ始めたものだ。もちろん現在も使っているものだけどね。剣はそれより前の時代だ。

セレナ: このじいさん昔はジェスタの戦士だったわけか。

アイス: いえ、そうじゃなくて・・・うーん、たぶんこれであってると思うんですけど・・・おじいさん、あなたの息子さんは必ず帰って来ますから、心配しないでください。と、おじいさんに言います。

GM: (お、ちゃんとわかったか)そういうと、老人は涙ながらに君の両手を掴んで「本当ですか」と聞いてくる。

ティマ: うん、あなたの話を聞ければその可能性は上がるかもね~。

チャーミー: うわ、さらっと言葉尻にのったな。

アイス: よかった。儀礼用のジェスタアックスを持つ人が儀礼用の剣を持つのはおかしいですからね。別人のものを持っていると考えるのが普通です。

セレナ: そういえばジェスタは剣の武装が勧められないもんな。

チャーミー: でも今回はいろいろあったのに、よく冷静に推理したわね。偉いよアイス。

アイス: ふふ、当たり前だよチャーミー。探偵たる者・・・・・・・・えーと、とりあえずクールに?

一同: (笑)

セレナ: お前、いまとりあえず格好いい事言おうとして言葉が出なかったろう。

アイス: え、えーと。そうじゃないんですけど今日のこと考えると僕って探偵失格だなーと(笑)

チャーミー: 何でこの子はこんなに決まらないかな。

ティマ: ま、アイスだからね。

GM: では老人はアイス君にある事実を語り出す。

 

老人の話はメンバーに衝撃を与えるのに十分な内容だった。彼は死んだはずのミズガルドが自分の手引きで村を密かに脱出し帝国に向かったというのだ。

 

セレナ: おいおい、じゃあミズガルドは生きているのか?

老人: はい、ミズガルド閣下は国とローク砦を守るために必要不可欠な作戦だと言っていました。そのために自分はやむおえずこの行動をとると。しかし私にはどうしてもそれが信じられないのです。なぜなら、この手引きを頼みに来たとき、ミズガルド閣下は砦に勤める私の息子の命を暗に臭わせてきたからです。

ティマ: なるほど、おかしな話だね~。

アイス: まったくです。それならミズガルド氏は我々の前から意図的に姿を隠したことになる。

チャーミー: そもそも、今回の事件そのものが怪しくない?

ゴウダン: そうだな。これは一度帝国に帰ってみる必要があるかもしれない。

 

一行はミズガルドに不信感を持ちつつ、パーティの残り時間いっぱい主催者を務めたのだった。

 

GM: さて、もともと夜が早い村だから早々とパーティもお開きになる。

エルナ: こっちはこれからが忙しいですね。

ティマ: だね~。

GM: さて、夜空には煌々と月が輝く・・・のはルナルでは当たり前か。

ゴウダン: そういえば、一つしか月のない世界もあるのだったな。

GM: そうだね。なにはともあれ月の輝くなかで礼装で村人達を送り出す君たちがいるわけだ。そんな中で歌が聞こえるよ。

ゴウダン: 歌ですか?

GM: そう、君たちは聞いたことのある幼いがよく通る声だ。

チャーミー: アマランちゃん?私たちと一緒にいたんじゃないなかったの?

GM: ああ、君たちからそんなに離れた位置ではないが村の中心にある小高い丘の上で歌っている。

アイス: 何か嫌な予感がするんですが・・・止めた方がよくないですか?

セレナ: そうだよな。アマラン・ゾウスの記憶が蘇ったんじゃないか?

ゴウダン: 歌っているアマランはどんな雰囲気ですか?

GM: 楽しそうだよ。

ゴウダン: それなら、できれば止めたくないな。もちろん注意して見てはいるが。

アイス: だ、そうですけどセレナさん。

セレナ: なんだよ俺ばっかり悪役か!ゴウダンが注意してるんなら俺だって注意はするよ。

ティマ: じゃあ、僕は後ろでマンドリンで伴奏でもしようかな~。

アイス: マンドリンなんて弾けたんですかティマさん?

ティマ: 本編の最後に貰ったCPで少しね(コロコロ)5成功。

GM: ふむ、こっちの成功度と同じか。これは二人の息がぴったり合った見事な演奏になっただろうね。

セレナ: 美少女の歌う月下のソナタか、絵になるな。

GM: いやいや、曲はそうだな「ローレライ」とかだよ。あ、映画の方じゃなくドイツ民謡の方ね。

ティマ: そんな、おなじちびっ子だからってそんな。いや、何でもないですよ。

アイス: でもこの歌でいやなフラグが立ったような気がします。

チャーミー: そう思うなら、止めないさいねアイス。

GM: で、一曲歌い終わるとアマラン笑いながらゴウダンの方に駆けてくるぞ。

アイス: 好かれてますねゴウダンさん。

ゴウダン: じゃあアマランの頭を撫でながら、こう聞いてみます。歌が好きなのかい?

GM: 君の質問に彼女は難しい顔でこう答える。

アマラン: うん。でも私は歌ってもよかったかな?

チャーミー: じゃあゴウダンと同じようにアマランの頭を撫でながらこういう。あなたは歌が好きなんでしょう?周りの迷惑になってなければ問題ないって。

ゴウダン: ああ、綺麗な歌声だったよ。

GM: (歌を止めると思ったんだがなー)じゃあ、チャーミーとゴウダンの言葉を聞いて彼女は本当に嬉しそうに君たちにお辞儀をする。

セレナ: 嫌になるよなー。気がつくとなんか俺だけ嫌なやつにされてる気がするぜ。

ティマ: いや、君のやっている事も間違ってないよ~。

 

この後メンバーは帝国に帰るために乗ってきた馬車を探すのだが。そこにもきっちりミズガルドの手が伸びていた。

 

GM: 馬車は村はずれの町で見つかるが。馬の姿はない。そして御者は運転席で、血まみれで横たわっている。絶命してからだいぶん時間がたっているようだ。

セレナ: まあ、考えられることだな。

エルナ: 私たちのせいですね。

ゴウダン: ああ、最初から彼のことを考えていればな。

ティマ: そうだね。でも今は前を見ないとね~、彼のかたきのためにも。

ゴウダン: (沈んだ声で)そうですね。

ティマ: だからさ~。まあ君の性格じゃしょうがないけどね。

チャーミー: で、これからどうするの?

エルナ: ここまでの事をしてミズガルドさんが何をしようとしているのか、それを知る必要がありますね。

セレナ: あのじいさんの話だと帝国に行ったんだろう。

チャーミー: 陽動って可能性もあるけどね。

ティマ: でも確かめてみる方が建設的かな~。

エルナ: そうですね。でもそうなるとその手段が必要です。

 

この後、一行は話を纏めようとするのだが、帝都に帰る手段が問題になる。なにせ帝都までは高速馬車で丸一日はかかる距離である。

つまり高速馬車なき現在、どんなに急いでも2日はかかる計算なのである。

 

セレナ: しかも下手に飛ばして移動すると古式ゆかしいデスラー戦法擬きの餌食になるかもしれん。

アイス: 「瞬間移動」はどうですか?以前、「怪力」で体力を一時的に増やして移動した方法がありましたよね。前回のシナリオ終了時にキティの「瞬間移動」を16レベルにしましたから。成功率はあがってますよ。

セレナ: 移動距離を考えると、1失敗を成功と考えても成功確率は50%だ。ここで失敗したらどうするんだ?

アイス: うう、そうですね。

ティマ: 他のプランはないかな?

チャーミー: かなり癪なんだけど、あの牛女の力を借りれない?

アイス: そうか「虹の野牛」さんがいましたね。彼女の力を貸してもらえればいけるかもしれません。

 

この後一行は「虹の野牛」に交渉を持ちかけるのだが、その返事はそれほどよくなかった。

 

GM: 彼女は君たちの話を聞いてこう答える。

虹の野牛: それは難しいわねン。

チャーミー: なに、威張ってるくせにいざというときは何の力も出せないの?

アイス: や、やめてください。今は争っている場合ではないですよ。

セレナ: おお、アイスが迅速な対応を見せたな。

ティマ: さっきの言い争いがよっぽど心にダメージを与えたんだね。

虹の野牛: そうじゃないのよン。ほら今の私は草原から離れてるでしょうン。だから今ここで力を使うと加減ができないわよン。

GM: わかりやすく言えば全長200メルー以上の野牛が帝都上空を襲うことになるけどね。

エルナ: さすがにそれは不味いですね。

セレナ: ああ、どう考えても国際問題になるよな。

アイス: 他に何か方法はありませんか?

セレナ: そうそう。そのためならべつにアイスぐらいなら美味しく召し上がって貰ってかまいませんから?

アイス: な、なにを言うんですかセレナさん!

セレナ: ん、嫌なのか?

アイス: え、それは、その・・・むしろ嬉しいかなー。

チャーミー: (剣先でアイスをちくちくとつつくジェスチャーをしながら)もう一回言ってくれるかしらアイス~。ああ、やっぱりこれって楽しいかも。

ティマ: でしょ~。

アイス: イタ、イタ、ち、違うんだよチャーミー。これはそれぐらいの覚悟って意味で。

セレナ: そんな美味しい覚悟があるか!

虹の野牛: そうねン。私じゃ相性の問題でむりだけどン。黒ちゃんならそこのギャビットの彼に力を貸せるかもね。

ゴウダン: それは高速移動が可能なのですか?

虹の野牛: まあ黒ちゃんは馬だから、3人のなかじゃ走るのは一番優秀よ。

GM: そういうと彼女はチェスの「ナイト」のコマが4足になったような物を取り出す。

虹の野牛: この前の一件で、すぐに3人が連絡が取れた方がいいって事になったの。これで黒ちゃんと直接はなせるわよん。アイスの頼みだしン、私からきっちり言っておくわ。

ゴウダン: わかった。

 

さて黒ちゃんとは神の乗騎が一「黒雲の馬」である。3人の中で一番精神年齢が若く正義感に溢れる性格だが、女性好きで短慮なところがありそこを突かれて人によく騙される。本来ならそれなりに手こずるはずだった交渉だが

 

ゴウダン: 「蝗」を倒すために、そしてこの国の暗雲を払うために力を貸してくれないか?

黒雲の馬: わかったよ。そう言うことならゴウダンさんに力を貸すよ。

 

なぜかゴウダンの考えと黒雲の馬の思考がすんなりうち解けてしまい。早々と力を借りれることになった。

 

ゴウダン: これで帝都まで行くことができるな。

虹の野牛: そうねン、これであなただけはいけるわねン。

アイス: え?僕たちもいけるんじゃないんですか?

虹の野牛: 何言ってるのン?黒ちゃんが力を貸すのはあくまでゴウダンちゃんだけよン。

アイス: 姫さまがゴウダンさんの背中に乗ればいいんじゃないんですか?

GM: 可能だろうね。エルナの体が帝都までもてばね。

エルナ: そんなに早いんですか?

ゴウダン: 「黒雲の馬」とラインが繋がっているゴウダンにはわかるが、まさに「流星のごとく」と言った速度が出るようだ。

ティマ: それは死ねるね。

セレナ: バイクと同じような感覚で乗れるのなら、速度を落とせばいいんじゃないかな?

GM: そうだね。それは可能だと思うよ。

セレナ: えーと、ここから帝都までが300キロぐらいだろ。だったら100キロも出せば3時間で着くぞ。

ティマ: きっちり固定しておけばエルナ姫のへのダメージは少ないだろうしね~。

エルナ: その方法なら何とかなりそうですね。

GM: (うむ、こっちの仕掛けもぎりぎりで成功する時間だしねー)じゃあ、その方法でいくのかい?

アイス: (キャラクターシートを見ながら)待ってください。他に方法があります。

チャーミー: どんな作戦なのアイス?

アイス: 「瞬間移動」しましょう。

セレナ: お前は今までの話を聞いてなかったのか!

ゴウダン: それはあまりにも確率が低すぎるだろう。

アイス: そうでもないんですよ。だって僕、「幸運」のエリクサーを持ってるんですもん。

GM: なに!どこでそれを手に入れた。

アイス: 本編の最終回です。あの時全員分のエリクサーを買いましたけど、ラックさんだけはもともと持っている「幸運」があるのでエリクサーを飲んでなかったんです。そして、あの後すぐに軟禁状態になった僕ならエリクサーを飲む機会はなかったはずですよねGM?

GM: (これは計算違いだな)とりあえず3D6を振って。

アイス: (コロコロ)9ですね。

GM: なら手元には「幸運」のエリクサーが残ってる。

ティマ: お手柄だねアイス。

アイス: いえ、これはラックさんの遺品ですから。

セレナ(PLがもとラックのPLでもある): こら、勝手に殺すな。

ティマ: これなら「瞬間移動」でもいけるね。

GM: (くそ、本来ならゴウダン一人ではないと間に合わないはずだったんだが)それで、どっちの手段を使うの?

セレナ: 「幸運」のエリクサーを使えば9割近い成功率になるぜ。

チャーミー: 逆に言えば1割以上の確率で失敗するという事でもあるわよね。

ティマ: さて、どっちを選ぶかってとこだけど。エルナ姫は決めてるんじゃないの?

エルナ: ええ、「瞬間移動」でいきます。

GM: いいの?

エルナ: はい。ここは少しでも早く移動出来る方がいい気がします。

ゴウダン: そうだな。それは間違いないだろう。

GM: 君の質問にキティは元気に返事をするよ。

アイス: じゃあ、僕はキティに話をします。キティ、君には大変なことをお願いするけど大丈夫かい?

キティ: はいぃ。私はアイスさんのお力になりたいんですぅ。

アイス: ありがとうキティ

セレナ: そうやって言葉巧みに女を扱って、いるんだなこの裏ガヤンが!

アイス: えーと、なんの話ですか?

 

こんな話をしながらも、一行は移動の準備を進めた。移動先はアイスが軟禁されていたガヤンの神殿に決まり、いよいよ移動する段階になった。

 

チャーミー: キティが「怪力」を使うと、いろいろと差し障りがあるから私がキティに「怪力」をかけるわね。

エルナ: お願いします。

チャーミー: (コロコロ)成功。じゃあこの後はお願いね。

ゴウダン: 私もすぐにそちらに向かう。

エルナ: じゃあ移動を。

GM: ではダイスは君が振りたまえ。

エルナ: (コロコロ×3)2回目で成功です。

GM: それでは君たちは帝都に移動する。

 

帝都に移動したエルナとキティは最初こそ不信人物扱いされるが、顔と知名度が抜群のエルナがいたことであっさりとツワブキーと会うことができる。そしてそこでツワブキーからとんでもない話を聞くことになる。

 

エルナ: フォレスト氏がこちらに来ているんですか?

GM: 君がそう聞くとツワブキー氏は汗をぬぐいながらこう答える。

ツワブキイ: はい、そうなのですエルナ様。いま、エフラワ様がお相手をしているのですがどういう事なのでしょうか?

エルナ: とりあえずフォレスト氏に会いに行きます。

GM: 執務室に入る前に何かの呪文を使うかね?

エルナ: 使いませんよ。ここで何かを使ったら疑われるでしょし。

GM: いいだろう。彼は執務室にエフラワと共にいる。もちろん護衛を引き連れてね。そして君が入ってくると驚いた表情を浮かべる。

フォレスト: エルナード様!どうしてあなたがここにいらっしゃるのですか?

エルナ: それはこちらも聞きたいところです。あなたは行方不明になったと伺ったのですが。

GM: 君がそういうとフォレスト氏はびっくりするぞ。

フォレスト: 私が失踪!?そんなバカな、私は帝国近くの軍部視察に赴いておったのです。

セレナのPL: 話がこんがらがるな。

エルナ: では、あなたは失踪などしていないと言うのですね。

フォレスト: 当然です。私は今ここにいるではないですか。私はエルナード様がエフラワ様に謀反を起こす疑いがあるという話を聞いてこちらに来ているのです。

エルナ: 私がですか?驚いてエフラワの方を見ますが。

GM: エフラワは泣きそうな顔で首を横に振るね。

エフラワ: 私が何度言っても御姉様が謀反を働こうとしていると言って聞かないんです。

エルナ: しかし私はここに実際にいますよ。もしもエフラワを討つ気があるのならここでのんびりとはしないと思いませんか?

GM: 君の話を聞いて、フォレストは難しい顔をする。そうすると隣の魔術師が呪文を使おうとするのだがそれをフォレスト氏は止める。

魔術師: お待ち下さい閣下。この御仁がエフラワ姫であるという保証はありませんぞ。

エルナ: そうですね。ならばあなた方のお気のすむように確かめてみてもらってかまいませんよ。交渉とは両者の信頼から始まるものですから。

GM: 君の言葉にフォレスト氏は難しい顔をする。

フォレスト: いえ偽物ならここまでの態度はとれぬでしょう・・・しかしそれなら何故弟はそんな嘘を私に言ったのでしょうか?

エルナ: 待ってください。つまりこの話を持ってきたのはミズガルド氏なのですか?

フォレスト: はい、そうなのですが。それが何か?

ティマのPL: 謀略の匂いがプンプンするね。

エルナ: じつは・・・

 

エルナがフォレストに今回の顛末を話しているころ、帝都の空を駆ける一体のギャビットがいた。

 

ゴウダン: それで「黒雲の馬」の力とは一体どんなものですGM?

GM: うーむ、君の場合は鎧にでもその力を渡した方がいいかな。あのナイトの駒が鎧にくっつくと鎧の形が変形するよ。感じとしては装着前の黒い射手座のクロスの翼無しバージョン。

セレナ: おお、射手座の冥衣!不吉だな24時間で死ぬぞ。

ゴウダン: とりあえずその言葉は無視して移動します。村とアマランは頼むぞ。

セレナ: 任せろ。今回こそ活躍出来るはずだ(笑)

ゴウダン: では出発します。ところで一体どの程度の速度になるんですか?

GM: 君、無荷の状態で「ランニング」の修正を足して移動力はどれぐらい?

ゴウダン: 9ですね。

GM: (それを基準に考えて、えーと)最速でマッハ0,5ぐらい。

一同: (笑)

ティマのPL: まさか「マッハ」とはね。

GM: あ、短距離で直線距離の移動ならもっと早いよ。ただし急な方向転換や、旋回なんかは「敏捷度」で判定してもらうけどね。それと移動中は4レベルの「鋭敏感覚」がつくから。

ゴウダン: この速度ならあっという間だな。

GM: (本来なら君一人言ってもどうにもならなかったはずなんだけどね)じゃあ君は最速で帝都を目指すんだね。

ゴウダン: もちろん近くまで来たら、速度を落としますよ。いくら夜でもこの速度はまずいですからね。

GM: (ちっ余計なことに頭を回しおって)OK、なら瞬く間に帝都まで着いてしまうな。

ゴウダン: そうか、なら皇帝宮の上空を一回りしておこう。いや、今使ってるのはサーライトの宮殿でしたっけ?なにか潜んでいるとまずいからな。

GM: (だから何でそんな余計なことに気が回るんだ。)じゃあ、きみが上空を回っていると下から攻撃されるから。

ゴウダン: 一応周囲は警戒しているが。

GM: とはいってもこっちも隠密行動しながら黒塗りの弓矢を打ち出してるからね。「視覚判定-8」とかで成功したら考えるよ。

ゴウダン: さすがにそれは成功出来ない。

GM: じゃあ、太矢をうけといてね。ダメージは7点。

ゴウダン: 1点抜けて2点だけか。

GM: 甘い。1点でもダメージを受けたのなら-3のペナルティで生命力判定をしてくれ。

ゴウダン: (コロコロ)成功だが。

GM: う、一般人ならまず無理な判定値なんだが・・・じゃあ君がその攻撃を耐えたのを見て太矢を放った敵は逃げていくぞ。

ゴウダン: おそらく陽動だな。中にいるエルナ姫達を襲うつもりだろう。

GM: (だからなんでそんなに感がいいんだよ!)

 

この後、フォレスト配下の魔術師(実際にはミズガルドの送り込んだ刺客)が放った「闇」からのフォレスト暗殺作戦が行われたのだが、異変を見つけたゴウダンの疾走によって本来は混乱を作り出すはずの暗殺舞台が大混乱。結果フォレスト、エフラワが手傷を負ったもののそれ以上の被害はなく暗殺は未然に防がれてしまった。

 

GM: おかしいな。たしかにミズガルドの計画は甘かったがこんなに簡単にいくはずではなかったんだが。

チャーミーのPL: それだけ二人が頑張ったって言うことでしょう。

GM: そうしておこう。さて現在室内には憔悴した表情で手当を受けているフォレスト氏と、ゴウダンに抱きついてくるエフラワ姫とかがいるんだけど。

セレナのPL: ちょっとまて後者。あれかゴウダンもなのか?

ゴウダン: 姫。お怪我は浅いのですか?

GM: 君がそう聞くと彼女は怪我をしたカ所を見せながらこう言ってくる。

エフラワ: はい、術でもう傷はふさがりました。でも、あなたが来なかったからどうなったか。

ゴウダン: そうですね。ここの護衛も買収されている可能性がある。とりあえず信用出来るものをそばに置いておく必要があるでしょうね。

GM: 君がそういうと彼女は君に視線を送るが。

ティマのPL: そういえば2回(1回は本編ラスト)も守ってもらってますもんねエフラワ姫。

GM: そう言うことだ。よって彼女は君に「お願い」してくるぞ。

エフラワ: 護衛をお願い出来ませんか。

ゴウダン: 今一時ならば、しかし私にはこれから為さねばならないことがあるのです。

GM: それを聞くと彼女は一瞬辛そうな表情をするわけだが。すぐに笑顔でこう続ける。

エフラワ: そうですか、そうですよね。

GM: さて、フォレスト氏の方はどうするのかね?

エルナ: これでわかったのではないですか?ミズガルド氏はあなたを暗殺しようとしたのです。おそらく砦の150人の命を取引材料に吸血鬼コペルと密約を結んでいたのでしょう。

フォレスト: なんということだ。

エルナ: 落ち込んでいる時間はありませんよフォレストさん。もしもあなたが責任を感じているのならジェスタの守護騎士としてエフラワを守ることでそれをはたして下さいませんか。

セレナのPL: 流石は姫。人の扱いも巧い。

GM: 君がそういうと彼は平伏しながらこう言ってくる。

フォレスト: はい。このフォレスト=ピースただの守護騎士として必ずやエフラワ姫の命をお守りいたします。

 

この後、移動による疲労が貯まっていたゴウダンは仮眠をとるのだがその間に現帝国閣僚を交えての緊急会議が行われた。その中でミズガルドの討伐と、砦の兵士救助が決定された。

 

エフラワ: それで救出は明後日になりました。すぐにでも動こうという人たちは沢山いましたが、ゴウダンさんにはやらなければならないことがあるんですよね。

ゴウダン: ああ、しかしいいのか。私たちのためにエフラワ姫は敵を作ることになりはしないのか?

GM: 君がそういうと彼女は笑いながらこう言うね。

エフラワ: 私は。あなたのために国に嫌われても。国のためにあなたを失いたくはないのです。

ティマ: お~パイロンですか。熱烈ですね。

ゴウダン: それは、ありがたいがのだが。

チャーミーのPL: 王女としては失格かな。

アイスのPL: そうですねこれは姫さまにきっちりサポートしてもらわないと。

セレナのPL: それで最終的にはエルナの国か?

GM: まあ、彼女も2回もゴウダンに守られた事によって「勇気」というやつに目覚めたわけだ。

ゴウダン: その言葉は本当に嬉しい。けれど、今はあなたの思いに答えることはできない。

GM: そう聞くと彼女は悲しそうな顔をするぞ。

エフラワ: ええ、わかっています。

ゴウダン: ですからいつか、あなたをいつでも守れるようになるまでしばしまってください。今の私にはすべてを助けることはできないから。

アイスのPL: え、それって・・・

ゴウダン: あなたの隣に座るのが守るために自分を犠牲にする男でもよければですがね。それまでお互い、信じるものに向かって頑張りましょう。

一同: (歓声)

GM: 君がそういうと彼女は涙をためながら短く頷く。

アイスのPL: 僕はゴウダンさんはてっきりハイペリカちゃんが好みだとおもってました。

ゴウダン: おいおい、あの子は私にとって娘だよ。まあ種族とか立場とかあったのでなかなか言い出せなかったが、彼女が勇気を見せたのなら私もそれ相応の覚悟で答えようと思ったんだ。

セレナのPL: またカップルが増えたよ。けど今回は許す。

アイスのPL: え、何故にですか?

セレナのPL: ゴウダンは頑張ってるからな。お前見たくお守りとか、財布とかパワーストーンを使って手にいれたラブではない。

アイスのPL: 使ってませんよそんなもの!

ゴウダン: さて、では村に戻るか。

GM: 君が席を立とうとすると彼女は慌ててこう聞いてくる。

エフラワ: あの、ハイペリカに会っていきませんか?今すぐ近くの部屋にいるんですけど。

ゴウダン: なぜハイペリカがここに?

GM: 彼女は彼女で難しい立場だからね。保護するならここが安全だし。

ゴウダン: じゃあ、ハイペリカの部屋に向かいます。

GM: 君が寝室に行くとまだ寝間着のハイペリカがいるぞ。君が入ってくると君に全力で抱きついてくる。

ゴウダン: いい子にしていたか。

ハイペリカ してたよ~おとうさま。

ゴウダン: そうか。私はまだ仕事を残しているんだ。でも明後日には帰ってくるからな。

GM: 君の言葉を聞いてハイペリカは少し悲しそうな顔をするが机からビーズと布で作ったミサンガを持ってくる。

ハイペリカ これね、おまじないなの。おとうさまが帰ってくるっていう約束のおまじない。お姉ちゃんと一緒に作ったの。

GM: そういって彼女は君の腕にそれを巻こうとするが。

ゴウダン: それなら普通に右腕を差し出しますよ。

ハイペリカ これでおとうさまは絶対に帰ってこなくちゃならないんだよ。

ゴウダン: ああ、必ず帰ってくるさ。

ティマ: うん、良い場面だよね。

アイス: けどエフラワとハイペリカの合作ミサンガですか。とんでもない効果がありそうですね。

GM: いや、普通の一品だぞ。だいたい毎回そんなことを期待するんじゃない。

ゴウダン: ああ、これはハイペリカが私の事を思って作ってくれた「絆」だ。それはどんなマジックアイテムにも勝るよ。

GM: そう、そういうことなんだよ。

アイス: うう、何か自分がすごくちっちゃく見えます。

セレナのPL: よしよし、ゴウダンを見習って大きくなれよ。1ミクロンでも2ミクロンでも。

チャーミーのPL: アイスって紙ぐらい薄いってこと?

 

この後結局、朝方までかかって不信人物捜索が行われたが、その際に宝物倉からあるアイテムが盗難されていることがわかった。盗まれているのは「シルバー&ゴールド」が研究していた銀の月の遺物で、その中でもコントロールが容易だった。「魂衰石」といわれるもの。ある程度の魔術師がコントロールすることで人の生命力を吸収出来る一品だった。

 

エルナ: おそらくこれが今回の事件で兵士達の命を吸うのにつかれているんだと思います。外見は銀色の水晶だそうですので注意して下さい。破壊が一番の防衛法だそうです。

ゴウダン: わかった。

 

この後でキティとゴウダンはドーピンググッズやマジックアイテムをかき集めて帝都を出ることにした。

この際に人的援助も求めたのだが、「完全に白」といえる人物が少ない現在では帝都内に人材の余裕はなかった。(それでも無理強いすればいくらでも借りることはできたのだが)

 

ゴウダン: ではエフラワのサポートをよろしく頼む。

エルナ: そちらも砦とアマランちゃんをよろしくお願いします。それとこれをアイスに渡して下さい。と言って12点分のパワーストーンをゴウダンさんに渡します。

ゴウダン: ああ、信用してくれ。

エルナ: いえ、信頼してますよ。仲間じゃないですか。

ゴウダン: そうだな。じゃあ、村に戻ります。

 

一方そのころ村の方でも問題ができていた。霧による文字で「アマランを昼までに届けなければ兵士達を皆殺しにする」というサインが伝えられたのだ。ミズガルドの件を受けてのコペルの行動であるのは明白だったが。人質がいるためにうかつに動くことはできない。

帰ってきたゴウダンキティを加えた一行は「アマランに幻覚をかぶせてエルナに」して「完璧幻覚でアマランをつくる」と言う方法で一応アマランの身の安全を図りつつ砦に向かうことになった。

作戦も終わりここで綺麗に話は終わって、そのまま最終決戦へ・・・と行かないのがこのメンバー。この後しばらく愛泥が続くのですが、長くなるので別ページで。

 

GM: さて、いよいよ砦に行くわけだね。

ゴウダン: 砦の周辺はどうなってますか?

GM: 周囲には強力な邪気に覆われている。そして砦の城門はきっちりと開いているぞ。

ゴウダン: つまり入ってこいと言うわけか。

GM: そうみたいだね。入るかね?

ゴウダン: 当然でしょう。入りますよ。その前にエリクサーを飲んでおきます。

アイス: あ、僕も。

ティマ: じゃあ、こっちはそろそろ「完璧幻覚」でアマランを作っておくよ。

GM: OKだ。じゃあ君たちが中にはいると砦の中はがらんとしている。

チャーミー: 人の気配は?

GM: ないね。

アイス: 「生命感知」をしてみます。

GM: いいだろう。その範囲ならわかるが地下に生命活動があるぞ。

ゴウダン: 地下に監禁されているわけか。

GM: さて、君たちが全員中に入ったら砦の高見櫓ぐらいのところにコペルが現れる。

ゴウダン: 約束どおりに150人返しに貰いに来た。

コペル: ふむ、それは勇ましい。やはり貴様は我が輩の見立てどおりの人物のようだ。

ゴウダン: つまらない事を言ってないで、さっさと返してもらおうか。

GM: 君がそういうと彼は自分の髭を弄りながら気怠そうに言ってくる。

コペル: ああ、そうであったな。ところで聞きたいのだが我が輩が定命の者と交わした約束を本当に守ると思ったのかね?

GM: 彼の言葉と共に周りに黄色い霧が発生するぞ。

チャーミー: まあ、こんな感じになるとは思ってたけど本当に三流ねこの髭。

セレナ: 一流なのは髭だけだな。

GM: 煩いぞギャラリー。と言うことで戦闘開始だ。

 

こうして始まった戦闘なのだが、今ひとつ緊張感に欠けるものだった。なにせ肝心のコペルの攻撃(技名がないらしいので、「八方微刃に決定」)は回避こそ難しいが前回同様に肝心の攻撃力が全くない。とはいっても認識手段はあるのかエルナの幻覚(中にアマラン)は攻撃されず、幻覚のアマランは攻撃を受ける。

しかし実働メンバーの中でこの攻撃に相性が悪いアイスは早々と「全力防御」に徹したためにメンバーはさほどのダメージもなく攻撃を迎撃。しかし距離があるためメンバーの攻撃はゴウダンが放った「手斧」だけしかダメージを与えることができない。そこで一行はコペルを倒すための布陣をとる。

 

ゴウダン: ここは飛行ができる私が直接攻撃すればいいはずだ。

セレナ: バカ。あれはお前をアマランから離すための戦術に決まってるだろうが。キティかチャーミー。俺に「飛行」か「高速飛行」をかけてくれ。飛んでから牽制と陽動をかける。

キティ: じゃあセレナさんへの「飛行」に集中しますぅ。

 

と言うことで八方微刃をかいくぐりながらのキティの呪文によって宙に舞うセレナ。実際にこれで牽制にはなったのだが・・・

 

GM: 君が空に飛び上がるのならこっちは君に対して重要器官に2回攻撃を行うね。

セレナ: そうくると思った。じゃあ「受けて」(コロコロ)えーと、15だとペナルティがあるから失敗だよな。

アイス: セレナさん。

セレナ: (コロコロ)大丈夫だ。2回目は「止め」たぞ。ダメージによる落下さえ警戒すればこの程度の攻撃ならいける。

GM: (コロコロ)あ、ダメージは10点ね。

一同: (シーン)

セレナ: ちょっと待て!なんだそのダメージは。いままで1回も二桁なんて出なかっただろうが。

GM: そんなこと言われても2D-2だからね。6ゾロが出れば10点になるよ。(と言いながらダイスを見せる)と言うわけで「軽業」の判定をしてね。

セレナ: こんな所で終わってたまるか!(コロコロ)よしクリティカル寸前だ。

GM: じゃあ君は空中できっちりとバランス取れた。

チャーミー: できればあんまり冷や冷やさせないでくれるとありがたいんだけど。

セレナ: 大丈夫だ。(コロコロ)・・・すまんその意識を失って地面に落ちる。

一同: (苦笑)

アイス: セレナさーん。

セレナ: 言うなアイス。しょうがないだろうがこんだけダメージを喰らったら普通は気絶するだろうが。

 

というわけで陽動は失敗。そしてその間にもコペルの作戦は完成をみていた。

 

GM: じゃあ(コロコロ)湧き出る霧によってエルナに変化していたアマランの姿が消えるから。

アイス: え、コペルと無茶苦茶距離が離れてるじゃないですか。

ティマ: あ、霧か。

GM: そういうこと。アマランもそうだったけど今のこいつも霧は体の一部なわけだ。というわけで彼は高笑いを残して去っていくぞ。

ゴウダン: ちょっと待ってくださいGM、アマランには出かけに「祝福」の指輪を渡しましたよ。

GM: うーん、今回は祝福よりもこっちの力が強いかな。ではコペルも笑いながら去っていく。

コペル: ははは。わかっただろうが弱き者どもよ。これが吸血鬼と貴様等定命の者たちとの差なのだよ。

チャーミー: 自分が有利になったら舌が回るのねこいつわ。

ゴウダン: 追います。

アイス: 闇雲に追いかけてもダメですゴウダンさん。アマランとコペルのいる場所には霧があるはずです。霧を辿って下さい。

ゴウダン: わかった。

GM: (ま、それぐらいは判るよな)じゃあ、君はそのまま霧を探して砦を彷徨うのかな?

ゴウダン: そうなりますね。

ティマ: 行くのはちょっと待って、それだけじゃないよ。密閉されている場所に「霧」が大量に存在しているのなら結構な水分になる。どこかにそれを排出する排気口があるはずだ。

セレナ: なるほどな。

ゴウダン: わかった。さいわい飛行時には感覚が鋭くなっている。この力を存分に使わせてもらおうか。

GM: (ああ、余計なことを)じゃあそうやって調べていくのね。

ゴウダン: そうですね。

アイス: もう少し待って下さい・・・地下にある「霧」を吹き出しているのならティマさんの言うように大量の水が出ますよね。実際僕達の服もべとついてますかねGM?

GM: うん、結局は触媒は水蒸気だからね。

ゴウダン: 水回りだな。

アイス: (ノートを捲りながら)もともと水があってもおかしくない場所で、さらに砦にあってもおかしくない。それでいて地下に通じている可能性もあるもの・・・貯水用の井戸か、あるいは貯水槽です。

セレナ: おお、最後の最後で主人公っぽいぞアイス。

チャーミー: うん、今のは格好いい。

ゴウダン: 助かったぞアイス。

アイス: いえ、それよりも急いで下さい。僕たちもすぐに行きますから。セレナさんを助けた後で。

セレナ(気絶中): すまん、迷惑かけるな。

 

かくしてゴウダンは砦の裏手にある井戸を調べる。そこから吹き出している黄色い霧を見つけた。そしてゆっくりと下りていくとそこには・・・

 

GM: 井戸には横穴があってそこから斜め下に通路が延びている。本来は水をたたえていたであろう井戸の底は現在ひからびているね。

ゴウダン: 私でも横穴は通れますかね?

GM: ああ、横穴と言ってもかなりの広さをとっている。

ゴウダン: では飛行で移動します。もちろん攻撃には注意しますが、この狭い通路では自分の頑丈さが頼りかな。

GM: では君が進んでいくとおよそ500メルー程先のところから灯りが漏れている。

ゴウダン: 警戒しながら出ますけど。

GM: そこはさながら霧の地下墓地(カタコンベ)とでも言うような場所だ。ただしそこにいるのは亡骸でなく鎖で繋がれた兵士達。そして中心には白い玉座に座らせているアマラン。そしてその横には柱と一体化した銀色の水晶球?を持ってなにやら呪文を唱えているコペルがいる。

ゴウダン: じゃあ、コペルに向かって声を出します。151人、今度こそ返してもらうぞコペル!

GM: では君をみてコペルはつまらなそうな目を向ける。

コペル: やれやれ。決着がついたのにそれがわからんとは愚かな男だ。そこで我が奥義の完成を見よ。

ゴウダン: 決着などついていない。といって上空に移動します。こういう相手は小細工が好きだから一気に決めます。

GM: 君が上空に移動するとコペルは玉座を中心にハリネズミの用に結晶化した巨大な霧でドームを作る。

コペル: 愚かな。アマラン様を得た現在ならば私は完全にアマラン様の力を使うことができる。貴様など敵ではない。

セレナのPL: つまりこいつの能力ってコピーか?

ティマのPL: それか特殊な能力奪取。どちらにしてもせこいですね。

ゴウダン: どちらにしてもそのままカタコンベの天井まで行きますよ。どれぐらいの高さなんですか?

GM: 100メルーぐらいかな。

ゴウダン: じゃあ、そこから一気に落下したらすごいエネルギーですね。

GM: まあ、そうだろうね。

ゴウダン: じゃあ、まずは天井周辺で速度を出してから全速力で落下していきます。円を描いてね。

GM: ならこっちは君を迎撃するために数多の数の霧の刃が向かってくる。

ゴウダン: そうですよね。でもくるくると回るこっちを捕らえられますか?

GM: (うーむ、マッハ0,5だもんな)まず無理だね。しかしそっちもそれだけ無茶な移動なら敏捷力-5で判定してもらうぞ。

ゴウダン: (コロコロ)成功です。エリクサーのおかげですね。じゃあ(地図を指さして)ここから一気に突撃します。直進ですから速度はさらに上げますよ。

GM: 甘いぞ。もともと作っている霧の刃以外にも霧で刃ぐらい瞬間的に作ることはできる。どうする?

ゴウダン: 避けません。突っ込みます。

GM: えーと、さすがにその速度で霧の刃に突っ込むと死ぬと思うんだけど。

ゴウダン: そうですね。でも、おそらくマッハ1とか出ている状態で突っ込まれたらコペルもただではいられないんじゃないですか?

GM: ・・・そうだね。コペルの性格なら・・・君を迎撃する暇があれば「瞬間回避」で逃げるかな。

ゴウダン: ええ、彼の性格ならそうしてくれると思いましたよ。じゃあそのまま「魂衰石」を破壊します。

GM: OK、では君のシャイニングブレイバーがその水晶球に触れた瞬間に・・・

ゴウダン: え、違いますよ(マップをみて)ここからの移動なら右手で破壊は出来ないです。

GM: それじゃあ、君はどうやって破壊すると?

ゴウダン: 簡単ですよ。もう片方の腕です。

GM: ・・・いや、それだと腕がえらいことになるぞ。

ゴウダン: 腕ですむなら安いですよ。

GM: (コロコロ)とりあえず「格闘」か敏捷-3で判定してみて。

ゴウダン: (コロコロ)成功です。

GM: うーん。それだと・・・柱は吹っ飛ぶな。君自身もすごいダメージを受けるけど。

ゴウダン: ぐ・・・もとより覚悟の上です。

GM: とりあえず片腕は使えなくなったからね。ああ、ブレイバーで攻撃してくれたらこっちも対策はあったのに。

ティマのPL: まあ、ブレイバーで攻撃してもこの速度だったら腕がどうにかなったでしょう?

GM: まあ、そうだろうね。

ティマのPL: だったらゴウダンは左腕を選ぶでしょう。だって右腕にはミサンガがあるんですから。

GM: あ・・・そういうことか?

ゴウダン: そういうことですよ。無茶しましたが最速で151人を助けるためならこれぐらいはかまいません。むしろ腕一本ですむなら安いです。こっちには時間はないはずですからね。さらに言えばコペルみたいな奴から有利なアイテムを手放させるためならこれぐらいはします。

GM: (見抜かれてるな)それならこっちはしばし呆然としている。

ゴウダン: その間にアマランを助けます。ところでアマランの様子は?

GM: 許可しよう。アマランは眠っているようだよ。

ゴウダン: 兵士達は?

GM: 少なくともうめき声は聞こえなくなった。

ゴウダン: ならアマランを背中に乗せて一旦コペルの後ろに出ますよ。それから兵士達の確認をします。

GM: では君がその行動を終わらせたぐらいでコペルが狂ったように笑い声を上げる。

コペル: ギャッハッハ。見事だぞ「不屈の勇士」これで貴様は151人の命を助けたことになる。さぞ世界からの賞賛を受けるのだろうな。

ゴウダン: 私は賞賛のために戦っているのではない。

コペル: そうか、だがな貴様に賞賛が送られることはない。なぜならば貴様のせいで地獄への扉が開くからだ。

GM: 彼はそう言うと君とアマランを「他者移動」させる。一応抵抗が可能だがアマランも含むので「生命力-7」で判定ね。

ゴウダン: さすがにその目は出ないな。

GM: それなら君とアマランは井戸の上に出る。

アイス: じゃあ僕たちがちょうど井戸に向けて移動しているところですね。

GM: そうだね。そしてコペルはそのまま鍵のようなものを天に向ける。

コペル: あれだけの時間があればこちらの手段を使うことはないと思っていたが・・・まあ、いいだろう。貴様等に地獄を見せてやる。

アイス: ふ、よくわかりませんが甘いですね。地獄はわかりませんが天国ならこの前見ましたよ。ええ、気持ちよすぎて死ぬかと思いました。

一同: (笑)

GM: (おいおい)じゃあコペルかは君から攻撃してくるから。

アイス: な、何故にですか?

セレナ: あたりまえだ!もてない男の苦しみを味わえ。いいぞコペル。

ティマ: 君はどっちの味方~?

セレナ: 俺はもてない奴の味方だ。

GM: (勝手にもてないとか決めるな)

ティマ: アイス君はこれで生きて帰ったら二つ名は「天国を見た男」だね。

セレナ: うわ、かっこわるいなそれ。

アイス: そんな~。

GM: さて、彼が天に鍵を突きさすと天空に裂け目ができる。そしてそこからは銀色の光が溢れてるんだけど。その光がレーザーみたいになってアイス君を襲うから。

アイス: 「止め」ますよ。(コロコロ)ふ~、成功です。

GM: (コロコロ)じゃあ君の盾はその光を受けて爆発四散する。衝撃で8点ほど喰らってくれ。防護点は有功だぞ。

アイス: ちょ、ちょっと待って下さい。なんですかこの威力は?

GM: そんなこと言われてもね。あ、チャーミーには判るけどこれは君の剣と同質の武器の効果だ。

チャーミー: それってつまり、あの裂け目は私の世界なの?

GM: 君の叫びにコペルは笑みを浮かべて肯定するぞ。

コペル: その通り。これこそが帝国を騒がせし金と銀双子が追い求めた力。つまり我が力だ。やはり正確さなど2の次でよかったのだ、そして!

GM: 彼がそこまで言うとそれまでゴウダンの背中で眠っていたアマランが起きあがる。その顔には年以上の妖艶な笑みを浮かべてね。

セレナ: 最悪のタイミングで復活かよ。

GM: 君の言葉に嬉しそうにコペルは喋る。

コペル: 所詮、下賎な力150人分などこの力の前にはカス同然。貴様等を絶望にあたえる真なる霧の女王の誕生である。

GM: コペルの言葉に連動するように彼女は上品でで残酷な笑みを浮かべる。

アマラン: すがすがしい気分じゃ。我を滅ぼした英雄達よ、あれがどれほどの僥倖であったかその身をもってしるがよい。

アイス: できれば回避したいですね。

キティ: ですぅ。

GM: しかし現実はそうはいかないわけだ。さあ来たまえ諸君。

ティマ: あ~どうしようかな。今すごいことを思いついた。でもな、これを言って失敗すると絶対死ねるんだよな。

チャーミー: なんの話?

ティマ: けど、言ってみる価値はあるかな。じゃあ臨戦態勢のアマランにこう聞きます。君を倒したメンバーだけはその殊勲に銘じて助けてくれない?とね。

アイス: 何を言ってるんですかティマさん。

GM: (あらま、ばれてーら)その言葉にアマランは口を開くぞ。よかろうまずその猫耳の少女から殺してやろうぞ。

チャーミー: あれ、たしかアマランを倒したのはガラじゃなかったっけ?

ティマ: あーよかった。ならその言葉を聞いて、確信しますよ。君はアマランじゃないね。君にとどめをさした人物はここにはいない。君は一体誰なんだい?

GM: その言葉に反応して銀のビームが降ってくるぞ。

ティマ: えーと、一歩下がれば砦に隠れられるんだけど。

GM: いいだろう。(コロコロ)ビームによって砦の一部は壊れるが、それで君が傷つくことはない。

ティマ: あ~怖かった。それでアマランの様子は?

GM: 宙に浮いた状態で頭を押さえて何かを呟いている。それを見たコペルは「くそ、器の自意識が強くなりすぎたか」と言うけどね。

セレナ: おお、歌とか歌わしといてよかったな。やっぱり世界はラブ&ピースだよな。

アイス: つまり、あなたは彼女を完全に蘇らせたんじゃなくて。ハードに自分が作ったソフトを入れようとしていたんですね。

チャーミー: できればハードとか言わないでほしいんだけど。

アイス: あ、ごめん。ようするにそこにいるアマランちゃんはアマラン=ゾウスとは別人なんですね。それなら吸血衝動もないだろうし、自分の思い通り操作出来ますもんね。

GM: 君の言葉にコペルは激高する。

コペル: 黙れ!あれは間違いなくアマラン=ゾウス本人だ。彼女の終焉の地で採取した彼女の思念、彼女の人生、生き方、膨大な呪文、生体データ。すべて注いだのだぞ。

セレナ: ベルリンの壁と同じ材質で作った壁はベルリンの壁じゃないと思うがね。

ゴウダン: コペルを睨みながらこう言います。アマラン=ゾウスは最後に自分の死を受けいれていた。もしも復活するのであればそれは彼女自身が行うべき事だ。それを本人の意思を無視して行うのは彼女自身の生き方を愚弄することだ。それがわからないのか?

コペル: 煩い。貴様等にはなにも判るまい。だが判らずともよいのだ。なぜならここで貴様等は死ぬのだからな。

GM: そう言うと彼は鍵で天をかき混ぜる。そうすると裂け目が伸びる。そしてチャーミーの持っている剣が裂け目に吸い込まれそうになる。

チャーミー: うそ・・・とりあえず、剣を放す気はないんだけど。

GM: じゃあそのまま割れ目に入ってしまう。

アイス: ちょっと待って下さい!(マップを指さして)この位置なら助けられると思うんですが。

GM: 何をするの?

アイス: えーと、その剣を僕の「ブルー・シンフォニー」で「破砕受け」します。

チャーミー: 私は剣を壊されても困るんだけど。

アイス: そうじゃなくて、その剣を破砕受け状態にすればチャーミーが吹き飛ぶのは回避出来るでしょう。

GM: 「敏捷力-3判定」で一応やってみたまえ。チャーミーに剣を振り回すことはできないから判定後に「破砕受け」で成功すればOKだ。

アイス: (コロコロ×2)成功です。

GM: じゃあ、とりあえず二人で「体力判定」お願い。失敗すると二人で仲良く裂け目にゴーだ。

チャーミー: 2成功。アイス頑張って。

アイス: 5成功です。エリクサー飲んどいてよかった。

GM: では今回は大丈夫だった。ちなみに君たちの行動を見てコペルは大げさに肩をすくめる。

コペル: 愚かな、真理を受け入れずただ恐怖を増すとはまったく持って度し難い。

アイス: お前に言われなくたって死ぬほど怖いんだよ。でも好きな子に「頑張れ」て言われたんだぞ。頑張らなくちゃいけないじゃないか~(絶叫)

コペル: く、なんと矮小な。

アイス:うるさーい!僕だってたまには好きな子の前で格好いいとこ見せたいんだ。それで頑張るのがなんで悪いんだよ~!(大絶叫)

一同: (笑)

コペル: 貴様はそんなちっぽけな理由で我が真理に至るその道を塞ぐのか!

セレナ: あん?あれは事象であって真理じゃないだろうが。

ティマ: そうだよ。真理ってのはね。他の人にとってはちっぽけな所にあるもの、真理ってのは意外とそんなものかもよ~。

GM: 他のメンバーはどうするの?

キティ: とりあえずチャーミーに「怪力」をかけます。

GM: ゴウダンは?

ゴウダン: アマランの様子はどうですか?

GM: 彼女は頭を抱えて譫言のように「怖いよ・・・」と言っている。

ゴウダン: 私はこれからアマランを説得する。もしもの時は・・・ティマさん頼みます。

ティマ: えーと自信がまったくないんだけど。

セレナ: 無理でもOKっていえ。

ティマ: いやいや。どうやって倒せと?

ゴウダン: いや、身勝手だが私の回復を頼みたいのです。私は説得が失敗すればアマランから致命傷を受けるでしょう。だが、私は彼女を助けると約束したんだ。今回のことが失敗しようと彼女を助けるまで動けなければならない。だから身勝手だとわかっていますが頼みます。

ティマ: オッケ~、そう言うことなら任せてよ。

ゴウダン: じゃあ説得をします。

GM: 一応言っておくがコペルから攻撃されてるんだぞ。(コロコロ)うーむ、剣が吸収出来ないのが痛いがとりあえずティマとセレナに一発ずつ。

セレナ: (コロコロ)止めた。

GM: (コロコロ)じゃあ君の盾は爆発する。ダメージは6点だ。

ティマ: (コロコロ)こっちは避難。

セレナ: 早くしてくれゴウダン。

ゴウダン: ええ、短い文章ですよ。

GM: なんと言うのかね?

ゴウダン: 大丈夫だお前は私が守る。そう言います。

GM: 君がそう言うとアマランの体から霧が外に出てくる。その霧は見る見るうちに君たちの知っている姿になる。

キティ: 本物ですかぁ?

GM: 君たちの前で例の姿をとった霧は笑いながらこう言ってくる。

アマラン?: いや、劣悪なまがい物にすぎぬ。

セレナ: そう言えばこの間にコペルから攻撃が来るんじゃないのか?

GM: いや、彼はアマランらしき存在が出てきたため攻撃を止めている。で、その間にもアマランの霧はゴウダンに話しかけてくるぞ。

アマラン?: ずいぶんな物言いであったな「不屈の勇士」。

ゴウダン: 私はそう考えた。あなたはあの時、少なくとも最後には自らの死を受け止めていたはずだ。

GM: そこまで言うとコペルが話してくる。

コペル: 黙れ、彼女は我が輩が作ったのだ。彼女は我が輩のものだ。

セレナ: それに対してアマランはなんというんだ?

GM: ただ一言「ゲス」と。

ゴウダン: たしかに奴はあなたを歪めた。

アマラン?: その通り。妾が真の力を使っておればあのゲスにこのように自らをいじられることなく蘇っていたであろう。それをこのようなまがい物にされて気に入らぬ・・・しかし妾があやつを倒すのにはすこし時間がかかる。よってお主に妾の力をあたえよう。一撃で落とすがよい。

GM: アマランがそう言うと君の周囲に霧が集まり出す。エフェクトとしては周囲に舞う霧が、君のブレイバーにあわせて輝く光の粒子に変化していく。

アマラン?: もともとこの霧は月よりもたらされるマナを奪い変質させたモノ。お主の武器と波長を合わせることぐらい造作もない。

ゴウダン: これが真のアマラン=ゾウスの力なのか。

GM: おっとまだ早い。感心する君にアマランはこう聞いてくる。

アマラン: して、お主はこれになんと名前をつける?

ゴウダン: なに?

アマラン: この力を使うということは、お主がこの力の責任を持つと言うことだ。さあ、妾の気に入る名前をつける事よ。気に入らねば我が力ゲスの元に行くぞ。我が身をもてあそばれたのだ少しは楽しませよ。

ティマ: また、面倒なことを言ってくる。

セレナ: なんか、まっとうな戦闘の方が楽な気がするぞ。

GM: ゴウダンならそうでもないと思うよ。

ゴウダン: そうだな(メモを書いて)ならこんなかんじで。

GM: (メモを見て)これならOK。

ゴウダン: じゃあ、一気に決めます。ところでコペルは何やってるんですか?

GM: かわいそうなぐらい錯乱しながら、銀の月ビームを放っている。けどその攻撃も光の霧に触れると吸収される。

コペル: 嘘だ嘘だ嘘だ!

ゴウダン: じゃあ一撃で決める。「月の華たる神秘の力、地上に降りて魔を照らし天ねく滅びをあたえる光の刃とならん」

 

必殺 月 華 照 天 刃!!

 

セレナ: おお、ナイスネーミング。

GM: うん、アマランも無茶苦茶気に入るね。どうせここで力を残しておいても、さっきの会話で身の振り方は決めたから、出力をあげるか。とりあえず6面を140個振って。

ゴウダン: さすがにそんなには・・・とりあえず14Dで49と出ましたからこれの10倍でどうですか。

GM: いいだろう。では490点の巨大な光の柱を受けてコペルは完全に消滅する。

セレナ: 光になれ~。

ティマ: すごいね。これがアマランの真の力か。

GM: そうだね。そして光の柱がなくなった後には例の霧が存在している。

ゴウダン: それで、このまま再生するのかアマラン?

GM: 君がそう言うと霧は大げさにため息をつく。

アマラン: 愚かな。妾はお主の言うとおり自らの死を受け入れたのだぞ。故に妾が蘇るのは妾自身の意思でなければならぬ。

ゴウダン: では。

アマラン: うむ、このような他者に作られた体にはなんの未練もない。お主の好きにするがいい。

ゴウダン: そうか、ありがとう。その子は立派に育ててみせる。

アマラン: 勘違いするな、貴様のためにやったのではない。妾は妾の生きたいように生きるのだ。

ゴウダン: それでも、感謝する。

アマラン: 変わった男だ。お主と妾は敵であろうに?

ゴウダン: ああ、だがあなたのおかげで助かったのは事実だ。あなたがあなたの人生を決めているように。私も自らの誓いを胸に生きている。

GM: 君がそこまで言うとアマランは黒い笑みを浮かべてこう聞いてくる。

アマラン: おもしろい男だ。それほどまでにいうのなら感謝の印に妾と契ってみるか?

一同: おお!

アイス: えーと、契るってそういう意味ですよね?

セレナ: 他にないだろう。

ゴウダン: それは・・・困るな。

エルナ: ゴウダンさんのあんな顔始めてみました。

ティマ: だね~。

ゴウダン: 私には私の帰りを待っていてくれる女性がいる。彼女を裏切ることはできない。

それに、そう言うことは感謝の印でやることではないはずだ。

一同: (歓声)

GM: 君がそこまでいうと、アマランは笑いながらこう言ってくる。

アマラン: ほっほっほ、素直な男じゃ。もう少し巧い断り方もあろうにな。

ゴウダン: すまないな。

アマラン: よい。言っておくが妾は貴様のことは嫌いではないぞ。それこそ妾がこんなまがい物の体でなければ、汝の体を一片残らず我がモノとしようとした程度にはな。

アイス: なんか、大人の恋愛ですね。

セレナ: おれ、こんな補色関係の恋愛は嫌だな。

GM: さて、そんなことを言っているアマランの体は少しずつ消えていく。

ゴウダン: アマラン=ゾウス!

アマラン: ふむ、時間とは無粋よな。まあよい、汝が至った後で、汝が守護する月を奪うのもおもしろかろうな。それまでしばしさらばだ。

GM: そう言って黄色い霧は天に消える。

セレナ: 終わったな。ああ疲れた。

GM: 歓声あげるのはいいんだが、裂け目はどうするの?

アイス: え、まだ残ってるんですか?

GM: もちろん、少しづつ大きくなっているぞ。

ティマ: まずいね~。

チャーミー: なにかこれについて知識はないGM。

GM: まあ君の持っている剣の「真名」を解放すれば・・・

アイス: 「アイオキシス」ですね。

GM: ああ、そんな!リアルタイムで何秒かかるで運命の分かれ道だった最後のデストラップが。

ティマ: ナイスメモ。

アイス: はい、外伝が始まってからチャーミーがらみのことは頭に入れておきましたから。

チャーミー: と、言うわけらしいけどGM。

GM: じゃあアイスの言葉が響くと剣が青い閃光となって「裂け目」に吸い込まれる。そしてそれから暫くして裂け目は消滅する。

チャーミー: 今度こそおわりってことか。

キティ: 大変でしたぁ。

ゴウダン: だったな。

GM: やれやれ、本編の最終回が刺激不足だったから今回は何人死ぬかどきどきしていたのに。

セレナ: そんなこと思うなよGM。

アイス: とりあえず帰りましょうか。

GM: それで問題なんだがねチャーミー。君の持っていた剣は青い閃光となって消えてしまったんだが。

チャーミー: それってつまり・・・帰れない?

ティマ: あ、なるほど。本来自分の世界でやる儀式だもんね~。

チャーミー: のんびり言わない!どうなるのよ私は。

セレナ: 大丈夫だって、アイスがいるじゃないか。

アイス: え、いや、その。

チャーミー: あ、そっか。アイス、私ね帰れなくなったみたいだからこっちで幸せにしてね。

アイス: ちゃ、チャーミー。

キティ: うう、アイスさーん。

アイス: ええ、キティ。あう、その。

ティマ: また天国を見るのかな?

セレナ: 今度は地獄だろ。

ゴウダン: では帰ろうか。そうだ子供が一人増えるんだな。ハイペリカにはなんて言おうか。

こうして一つの冒険が終わった。これが公式な記録に残るアイオス=ジェラードが「猫姫の従者」あるいは「天国の騎士」と言われるようになる最初の冒険となるのだが。それはまた後生のお話。

なにはともあれFIN

 

閣下と臣民のお部屋

閣下: 終わったね。

夏野: 終わりましたね。

閣下: 実際長かったねー。

夏野: ですね。

閣下: 最初はこんなに長くする予定はなかったんだけどね~。

夏野: そうなんですか?

閣下: うん。予定では8回ぐらいで切り上げて「あすとろ1(アイスのPL)」君がルナルになれたら百鬼に変えようと思ったんだけどね。メンバーの都合で20回になった。

夏野: そういえば途中で「もう少し伸ばす」みたいな話しましたね。

閣下: もっとも8回だと「ニュージェネレーション」の内容と被りまくっただろうからこれはこれで良かったと思うよ。

夏野: そうですね。ところで閣下、外伝の主役は誰です?

閣下: えーシリアスパート:ゴウダン。ギャグパート:アイスのダブルキャストです。

夏野: あれ?たしかアイスが主役なのでは?

閣下: いや、少しシナリオを練りすぎたね。あとゴウダンの自力を侮っていたかな。

夏野: そうですね。最後なんて完全に主役でしたもんね。

閣下: まあ綺麗に終わっていいじゃないか。

夏野: まったく。そんなことを言う。さて最後に外伝に出てきたPCのデータを公開しておきます。長い成長の果てに強化されたアイス達をご覧下さい。

閣下: 長い間、ご愛読ありがとうございました。

夏野: それは僕のセリフです。

(最後までこんな感じで終わる)

 

正式免許の英雄達(PCデータ)

アイオス=ジェラード (16歳、栗色の髪の美少年)

ST:11 DX:13 IQ:13 HT:11

特徴:ガヤン高司祭 魔法の素質2  我慢強い 意志の強さ1LV 魅力的容貌 不利な特徴:正直 義務感/仲間 義務感キティ 誓い/姫を守る盾となり、国を守る法となる

癖:目上の人には敬語 エルナを姫と呼ぶ 早起きは苦手 うっかり屋である 食事には気をつかう エルファの蹴りが嫌い

技能:ソードブレイカー(打突型)15(16) 破砕受け7(9) 盾16 脱出13 地域知識(帝国)13 法律15 嘘発見16 犯罪学15 ランニング8 探索16 紋章学14 ガヤンネット14  尋問14 投極術14 腕関節技16 礼儀作法13 隠匿13

呪文:痒み ひきつり 不器用 素早さ15 光 持続光 閃光 体力賦与 生命力賦与体力回復 小治癒 大治癒15 覚醒15 敵感知 感情感知 罪意感知15 活力 怪力(これらを13LV)

移動力:6 よけ/受け/止め:5/8/8 防護点/受動防御:5/6

武器:ブルーシンフォニア/目標値16=叩き/2D

ガヤンネット/目標値14威力・特殊/ネットによって最大射程は+5m

防具:強化チェイン、ミディアムシールド

能力CP:80 特徴CP:29 技能/呪文CP:72/30 CP総計:211 未使用CP:0


エルナード=ティー (15歳、金髪碧眼、童顔の美少女)

ST:9 DX:11 IQ:14 HT:10

特徴:サリカ高司祭 魔法の素質3  美声 容貌超美人 カリスマ1L

動物共感 感情察知 慈悲深い 誓い:帝国で善政を行う 

癖:行動が人より遅い ティーン小説愛読家 日記を付けている 日記は人に見られたくない 年上の男性は苦手

技能:バトルファン12 準備/バトルファン11 サリカの舞10(11) 社交12礼儀作法15 外交16 帝国語13 カルシファード語13 エルファ語13 応急処置13(14)看護13(14) 記憶術11(12) 乗馬(馬)14 ランニング7 呪文射撃13 政治15

呪文:体力賦与 生命力賦与 小治癒 大治癒24 空気浄化 空気作成 空気変化 空気噴射 空中歩行 電光 天候予測 気象制御 生命感知 敵感知 韋駄天 倍速14 時間奔流20 (記述がないものは15LV)

移動力:5 よけ/受け/止め:4/6/7 防護点/受動防御:4/5(7)

武器:バトルファン(最上質)/目標値14=(閉)叩き/1D+1 (開)切り1D-1×2

防具:聖女の単衣

能力CP:45 特徴CP:85 技能/呪文CP:37/49 CP総計:216 未使用CP:0


ゴウダン (♂ 年齢不詳:ただしかなり若いようである、馬の下半身と腕に火傷跡を持つギャビット)

ST:13 DX:13 IQ:10 HT:13

特徴:ギャビット基本セット 意志の強さ2L 我慢強さ 義務感:弱者 誓い:部族の再興 義務感:家族

癖:水はゆっくりと飲む 入れ墨は誓いがかなうまではしない 朝にはランニング 食事は早く食べる 寝る前に星を見る

技能:モーニングスター19 盾16 蹄戦闘術15 生存:平原10 生存森13 ランニング12 戦術13 指揮13 斧投げ15

移動力:6 よけ/受け/止め:3/8/8 防護点/受動防御:5/6

武器:シャイニングブレイバー/目標値18=切り/2D+2

手斧(上質)×3目標値15=切り/2D+2

防具:スケイルメイル(軽量・強化1L)、ミディアムシールド(軽量)

能力CP:80 特徴CP:40 技能/呪文CP:96 CP総計:216 未使用CP:0


ティマ=セーフバイヤー (?歳、童顔細目の青年)

ST:9 DX:12 IQ:15 HT:10

特徴:シャストア高司祭 魔法の素質2  美声 お祭り好き 好奇心1L くいしんぼ 誓い・すばらしい物語を世界に広める 誓い・物語の登場人物になるように頑張る 義務感・仲間 

癖:幼い言葉遣い 基本的にノンフィクション作品を作る 一人称は僕 物語のためなら金は惜しまない 日々の糧は吟遊詩人の仕事で得る

技能:マント14 ひるがえし16 フェンシング12 吟遊詩人18 演技15 変装16 言いくるめ20 交渉14 偽装16 偽造15 文学14 記録18 歴史14 神秘学15 扇動15 歌唱10 外交14 ランニング7 探索15 戦術12 応急処置14  商人13 裏社会14 鍵開け14 古代神聖語12 生存/森・山13 料理15 楽器演奏:マンドリン15

呪文:体力賦与 生命力賦与 小治癒 大治癒20 痒み ひきつり 不器用 素早さ 幻影 幻覚 完全幻覚 完璧幻覚25 幻覚かぶせ 幻覚変身 幻覚感知 独立幻覚  知的幻覚 作音 光 持続光 闇 真闇 闇操作 ぼやけ 透明 暗視 闇視 盾 矢よけ 透明看破

移動力:5 よけ/受け/止め:4/6/7 防護点/受動防御:5/4

武器:上質レイピア/目標値12=(刺し)1D

老マハノチのマント/目標値12=(切り)1D+1  

防具:強化ヘビーレザー、老マハノチのマント

能力CP:70 特徴CP:20 技能/呪文CP:63/71 CP総計:224 未使用CP:0


キティ=サリオン ♀(猫人間な外見のちびっ子魔法少女

ST:9 DX:14 IQ:14 HT:10

特徴:ハーフエルファ(DX、IQ+1、自然への義務感) ウィザード基本セット 容貌美人 戦闘即応 肉体的特徴猫耳、猫尻尾、肉球(武器などを持つのに制限がつく)

狭量・エルファ 内気/軽度 船酔い 身長が低い 嫌な行動・酒やマタタビ系の植物で悪酔い(半日はそのまま)

癖:語尾を伸ばす癖がある 練丹術は好きではない ほおを書く癖がある じつは嫉妬深い おいしいものが好き(とくに魚)

技能:格闘16 呪文射撃・火球16 短剣17  礼儀作法13 エルファ語13 

家事13 盾16 練丹術11 身体感覚13 応急処置13 ランニング8

呪文:発火 火炎 火炎変化 火球 爆裂火球 間抜け 忘却 酩酊 浮遊 飛行 

高速飛行 瞬間移動 瞬間回避 痒み ひきつり 不器用 素早さ 活力 怪力

体力回復 飛行翼 幻影 作音 幻覚 完全幻覚 衣服変化 肉球フィンガー18

空気作成 空気浄化 空気変化 空気破壊 盾 矢よけ 敵感知 感情感知 方向探知 視覚強化 追跡 魔法の目 祝福(移動系、回復系に+1)

移動力:6 よけ/受け/止め:6/9/8 防護点/受動防御:5/6

武器:針葉の主/目標値18=刺し/1D-1 切り1D

防具:緑の主レプリカ・広葉の主

能力CP:60 特徴CP:47 技能/呪文CP:31/64 CP総計:192 未使用CP:0


セレナ=サウンドリッパー ♂ (130才、伸ばした癖毛を三つ編みにしている細目の美形エルファ)

ST:13 DX:15 IQ:11 HT:13

特徴:エルファ基本セット 我慢強さ 戦闘即応 容貌魅力的 方向感覚 氏族レベル1 狭量:もてる男 使命:氏族の武器を持って帰る 使命(秘密):キティの護衛 暗所恐怖症(軽度) 愛好家:刀剣類 酒乱

癖:もてている男の前では本心で喋る もてる努力はする もてるための情報は漏らさない 相手がいない女性には優しく 木の芽が好き

技能:フェイントソード20 盾18 生存:森林12 格闘15 ランニング10 言いくるめ12 演技13 夢見11 軽業13

移動力:7 よけ/受け/止め:7/11/10 防護点/受動防御:5/6

武器:フェイントソード(上質)/目標値20=切り/2D+1

防具:スケイルメイル(軽量・強化1L)、ミディアムシールド

能力CP:120 特徴CP:10 技能/呪文CP:62 CP総計:192