黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第5話「クロックナイト・ワンスモア」

魔女は始めから魔女ではなかった。少なくとも彼女の両親が自分の顔を焼くまでは彼女は心優しい少女であった。

両親が彼女の顔を焼いたのは、毒虫に刺された彼女を守るためのやむおえぬ手段であり。事実彼女の顔の傷は腕の良い医者によってほとんど完治した。

しかし僅かに残ったその傷は彼女のうちに眠る氷山の一角であった。それからその氷山は彼女の成長と共に大きくなっていった。

なりたい

その氷山は彼女の妹が美しい容姿で会った時、大きくなった。友人の心ない一言で大きくなった。そして氷山は小さくなることはなく、徐々に大きくなった。

しく・・・なりたい。

氷山が大きくなった時、彼女はその氷山を消すためだけに動くようになる。様々な薬を試し、化粧もした。しかし結局はどれも彼女の氷山を溶かす事はなかった。

美しくなりたい!

そして彼女の内から氷山があふれ出した時、彼女は魔女であった。

 

GM: では各人恒例の成長申告からお願い。

アイス: 実はガヤンの神官を目指していますのでCPを貯めてます。ですので今回は「尋問」を取って終了です。

ラック: 神官てへっぽこでもなれるん?

ガラ: サーライトに直接掛け合えば、面接は無しでいけるんでは?

アイス: そのころにはへっぽこは卒業してます。・・・きっと(笑)

エルナ: そこで言い切れないのがアイスらしいですが。私も性格改善のためCPを貯めてます。ですので今回は「韋駄天」を覚えただけです。

ラック: わいは「フェイント」を覚えてみた。今回から槍のためにCPを貯めるつもりや。

ガラ: わしは前回少し多めにCPを貰ったのでアマラン対策に「空気変化」と「空気破壊」を覚えた。それと使い勝手がよさそうな「魔力感知」と「霊気感知」も覚えた。そういえばアマランから貰った斧があったので、それを早速調べてみよう。

GM: 呪文は成功した?その斧は投げ斧なんだけど二つの呪文が魔化されているようだ。

ガラ: 一つはおそらく「聖化武器」として、もう一つは何だろう?一応使い勝手を確かめてみよう。

GM: では判るんだが、魔化されている呪文の一つは「確かさ」だよ。ただこの確かさが発動するのは投げ斧として使った時だけね。ちなみに素材の斧は上質の物だから。

ガラ: うーむ、これは良い物を戴いた。

ラック: 売れば幾らになるんやろうな?

ガラ: 売らんぞ絶対。

GM: さて君たちがグランパックでの一連の騒動を終わらせてから、一日が過ぎた。

エルナ: ではもう帝国の内部ですか?

GM: あまいぞ、君たちは肝心なことを忘れていないか?

ラック: 通行料?

アイス: いるんですかね?

GM: 違う!今回の事件が起こったのはガヤン神殿だろうが。多くの犠牲者が出たので入国許可の手続きと発行は延期されたの。

アイス: 僕らの処分は?

GM: 君たちは一通り調査された後で、事件解決に協力したパーティとして感謝される。望めば雀の涙ほどの報酬が出るけど。

ラック: くれ、雀の涙なんて貴重や(笑)

GM: じゃあ一人300ムーナ。

アイス: アイス本当に少ないですね。

GM: そのかわりアイス君の腕の処置などを無料でやってくれるんだから文句言わない。

エルナ: ガヤンの人たちも大変なんですから、謝礼が貰えるだけでもありがたいです。

GM: さて特に問題がなければ君たちは「白き十字架亭」に連泊になるはずだが。

ラック: 当然や。ここが一番安いんやからな。

GM: まーね。何せ一泊2食付きでお一人様9ムーナ。

ガラ: うーむ。オフシーズンのペンション並みの安さ。これなら2週間は泊まれるの。

ラック: あほ、そんなことしてみい。一日ごとにパーティで36ムーナもジェニが減るんやで。そんなんが3日も続いたらわいは死んでしまうわ。

アイス: ミュルーンはそんな簡単に死ぬんですか。

エルナ: たぶんラックさんだけ特別だと思います。

ガラ: うむ、本当に死ぬか今度試してみよう

GM: 君たちが2階でそうやって騒いでいると、宿の女将さんが君たちを呼びにくる。

エルナ: あ、すいません騒いでしまって。

女将さん: いえ、いいんですよ。うちでは久しぶりのお客さんなんですから。それよりも皆さん、ガヤンのかたが下に来られてますよ。

ラック: また取り調べか?とりあえず下に降りてみる。

エルナ: ついて行きます。

ガラ: わしも。

アイス: では僕はここで護衛を。何かあったら呼んでください。

GM: では君たちが下に降りると、一階の食堂で男が待っている。30歳ぐらいのやせた人間で長い髪をオールバックにしているのが印象的だ。

ラック: また取り調べの続きか?

GM: 君がそう言うと男はどこか空虚な笑みを浮かべてこういう。

男: いや簡単な仕事を頼みたい。

ガラ: 仕事?

エルナ: あ、あの何で私たちになんて頼むんですか?

男: あんたらが今回のガヤン神殿で起きた事件で活躍したと聞いたからだ。仕事の内容は簡単だ。この荷物を一晩預かるだけだ。明日には別の者が取りに来る。

ラック: うさんくさ。

エルナ: 確かに、これはあまりにもうさんくさいです。

ラック: 姫さんもおるしこういう仕事はパスや。オッチャン悪いんやけど協力できんわ。

男: そうか、無理を言って済まない。

GM: そう言うと男は去っていく。

アイス: あっさり引き下がりましたね。やっぱり何か裏があったんでしょうか?

GM: さてね。ちなみに男が帰ったすぐ後には夕食だよ。

エルナ: では一緒に夕食を食べる時に、ガラさんに状況を報告しましょう。

アイス: なんとそんなことがあったんですか。

ラック: 怪しい奴や。だいたいガヤンの方向から来ただけかもしれん。

ガラ: それで槍を刺突型ソードブレイカーとして売ろうとしたりするんじゃな(笑)

GM: (ふーむ、全メンバー食堂に入ってるな)では全員聴力判定-5で。

全員: 失敗です。(や)

GM: では君たちが二階に戻ると、男部屋のテーブルに水晶球と1000ムーナが置いてある。

ラック: 見つけたらとりあえず全員に「触るな!」と言ってからまじまじと見てみよう。

GM: ガラ君とかは見たことがあると思うけど、ペローマとかで研究を残すために使う水晶球ね。

ガラ: うーむ好奇心がうずく(コロコロ)しかしぐっと我慢して水晶球の近くでわなわなしていよう。

GM: (それでも作動するんだが)そうすると突然水晶球が光に包まれる。

ガラ: あ!

アイス: えーと・・・近くに行くと作動するなんてハイテクですね。

ラック: ガラもアイスのうっかりが移ったんか?

ガラ: ち、違う。断じて違うぞ!

アイス: えーと。そこまで真剣に否定するほど嫌なんですか?

GM: (無視して)で水晶球から機械的な声で「汝、何を持ちて何をなすや」と聞いてくる。

ラック: みんな答えるんやないで。これをつこうたんがばれたら幾ら請求されるかわからん。

ガラ: いやラック、それならもうカウントされとるじゃろう。ふーむ・・・それっぽいことを言ってみよう。ガヤンなら「我、断罪の剣にて悪を立ち法をなさん」あるいは「正義をなさん」とかではないかな?

GM: (びっくりした声で)ビンゴ!

ガラ: なんと。

ラック: ここに隠れガヤンがおる。

ガラ: 前々から聞きたかったっんじゃが、お主の中ではわしの職業は何じゃ?

GM: では映像が始まる。

 

そこに映し出されたのは、今のこの町のガヤンの管轄者クロトン=グラス(当然取り調べの時に顔を出していたのでメンバーも誰か判った)が何ものかによって殺される場面だった。

 

GM: ちなみにそこに記録されている時間の日付は、一週間前ね。

アイス: これ、本物でしょうか?

ラック: 難しいな。この世界では映像に音が入っとても油断できんからな。

エルナ: でも悪戯にしては手がかかりすぎています。

ガラ: いや、このの映像を他人を通してガヤンの神殿に持ってこさせて、「クロトン死亡説」を流してクロトンの権威を失墜させる気かもしれんぞ。

エルナ: なんにしても、とりあえず今日は警戒して寝なければいけませんね。

ラック: これが普通の方法で作られたとは思えんからな。例えばこの水晶球の元の持ち主が別におるんやったら、そいつが「方向探知」すればこの場所なんてすぐやし。

アイス: でもあの男の人は明日取りに来ると言ってましたが何時来るんでしょうか?

ガラ: 下手をすれば一生こないかもしれんぞ。

 

結局パーティで話し合ったすえ、万全をきすためこの日はエルナが男部屋に止まりことになり、その上で男3人が交代で見張りをすることになった。

 

ガラ: ではまずわしからじゃな。GM、水晶は丈夫なんですか?

GM: まあ乱暴にしなければ。

ガラ: 用心のために枕をクッション代わりに入れてから、水晶球が入っていた袋に戻しておこう。それからその袋をひもで腕に結んでおく。こうすれば盗ろうとしてもすぐには取れない。この方法は他の二人にも伝えよう。

 

この方法が功をそうしたのか、ガラは何事もなくラックに引き継ぎをした。

 

ラック: では目を開けて・・・何も見えん~。

ガラ: しまった、鳥目。

ラック: ガラ一緒に見張ってや。

ガラ: わしの睡眠時間は?

ラック: 一日二日なら多少短くても平気や。

ガラ: うーむ。しょうがあるまい。では水晶球入りの袋を出して、ラックこれをくくりつけろ。

ラック: ええけどな・・・GMこの荷物入れは我々が持っている袋に近い形なんですか?

GM: そうだね。

ラック: じゃあわいは自分の袋に枕を入れて腕に縛るから、それに「幻影」でもかけてそのバックに見せかけたらどうや?わいらが近場におれば「方向探知」も限界があるやろうし襲ってくる奴も遅いにくいやろ。

ガラ: 「幻覚かぶせ」でないからお主が動くと幻影がずれるが、その方法は面白そうではあるの。

ラック: 壁にもたれかかって話しでもしてれば動かんやろ。

ガラ: いや、それなら部屋の中央がいい。「集団誘眠」とかの呪文を少しでも避けたい。

GM: (どうしてそこまで知恵が回るかな。こっちは準備万端だったはずなんだが。)では深夜、二人とも-4で生命力チェックしてみて。

ガラ: 無理です。

ラック: ぴったしせいこう。

GM: うーむ、部屋の中央までの距離が敗因か。ではラック君。君の見ている前でガラが倒れる。

ラック: 槍で叩く。かなり思いっきり。

GM: なら目が覚めていい。

ガラ: 痛!

ラック: ガラが起きたら残りの二人も起こす。賊やで~。起きるんや。

エルナ: 起きれていいんですか?

GM: 一応生命力判定をしてくれ。

エルナ: 失敗です。

アイス: あれ、僕も失敗です。

GM: 眠りが深かったようだね。起きるまで若干のタイムラグがある。ちなみにガラ君は普通に起きれていいから。

ガラ: うーむ、脇腹が痛い。

 

結局この後騒ぎを聞きつけて宿の女将さんが上がってきたため、襲撃者たちは逃走。その後も見張りは続くが、結局朝まで襲撃はなかった。

 

GM: では次の日になったよ。

ガラ: 明らかに寝たりんな。後三時間ばかり寝る。

GM: そうすると昼前ぐらいになるけど。

ラック: それはしょうがないやろ。とりあえずガラが起きてから行動開始やな。

アイス: この水晶球どうします?やっぱりガヤンに持って行きますか。

エルナ: でもガヤン神殿のトップが入れ替わっていた場合。私たちが消される可能性がありますけど。

ラック: そうやな。でもどっちにしても関わった以上は何とかせなあかん。

ガラ: ぐぉーぐぉー。現ガヤンではなく元ガヤンから話を聞くというのはどうだろう。スガー、スガー。

アイス: うあ、ガラさんが寝ながら議論に参加してきた。

エルナ: そんな某鍵ゲームのヒロインみたいな!

ガラ: うん、意外な隠しスキルや。それにしてもまさに今回の鍵はガヤンやな。・・・GM、この町はここ1年ぐらいで急に作られたんやったな。

GM: うん。作られたというよりは「人が増えて町になった」くらいが正しいかな。

ラック: その間に帝国から直接送り込まれた人材が、それまで町を治めてきた連中を追い出した可能性はあるんやないか。そういう目に会った人物なら、わいらの力になってくれるかもしれん。

エルナ: では元ガヤンの人を探しましょう。

 

行動指針を決めた一行はガラの目覚めを待って行動を開始した。宿の女将さんや町の人たちに話を聞いた結果、一行は先代のガヤン神殿長クローク・ミニッツに白羽の矢を立てた。

クロークは非常に優秀なガヤンの戦士で率先してまだ村であった時代からこの町の治安を守っていた。その働きから村の人々は名前をもじって時計塔の騎士(クロック・ナイト)と呼び彼を尊敬していた。しかし彼が神官であったことが災いし帝国から来た高司祭クロトンに神殿長の地位を明け渡さざるえなくなってしまう。そして地位を譲った後のクロークは高齢を理由に半ば引退している。

この捜査の間に一行は金で雇われたと思われるごろつきに襲われるが、ラックが命乞いをしている間にガラの「閃光」が発動し、まんまとの場を切り抜けた。その後攪乱のために二手に分かれた一行はクロークの住む建物の前で再び落ち合うことになった。

 

GM: では君たちは町はずれのサリカの施療員を訪れることになる。施療院と言ってもここにいるのは高齢のお年寄りがほとんどで、こちらの世界で言う老人ホームだと思えばいい。

アイス: ここにクロック・ナイトがいるんですね。ナイトとまで言われるガヤンの戦士か。緊張するな。

ラック: まあ、適当にな。

GM: 君たちが入ろうとすると、中から怒鳴り声が聞こえてくる。

ラック: 何や?

GM: そうすると中からなよっとした感じの二人組が血相を変えて飛び出してくる。でもってその後ろからソードブレイカーを抜いた男性が飛び出してくる。白髪頭を短く刈りそろえたがっしりとした男性だ。

ガラ: うん、もしやクロック・ナイト?

GM: でその男性は「二度と来るなこのコンコンチキが~!」と叫ぶんだけど、ガラ君の声を聞いて君たちのほうに向き直る。

エルナ: えーと、クローク=ミニッツさんですか?

クローク: そこの鳥はともかく、あんたみたいなべっぴんさんに名を聞かれ、名を名乗らぬはガヤン様に失礼ってもんだ。おうよ、俺っちがクローク・ミニッツよ。

アイス: ああああ、抱いていたイメージが・・・。

エルナ: じ、じつはお話を聞いていただきたく伺ったんですが。

クローク: まあそんなにしゃちほこばるな。お天道様もこんなに高いってのに陰気な話し方じゃ気がめいっちまうってもんよ。とりあえず俺っちの部屋に来てくんな、話はそれからでいいだろう。

ガラ: うわー、チャキチャキだよ。

GM: で君たちが部屋に行くとクロークさんは君たちが食べきれないほどのお菓子を用意してお茶の準備をしてくれる。

エルナ: 胃もたれしそうですね。

クローク: まあ食いねえ、食いねえ菓子食いねえ。金のことなら心配すんな。こちとら生まれた時から宵越しのムーナはもたねぇと決めてるんだ。

アイス: あああああ、僕の考えていたイメージががらがらと崩れていきます。

ラック: しかし、強烈なキャラやな。

ガラ: まあ考えてみればこの町って少し前までは辺境の村だったわけですから、こんなタイプがトップなのもうなずけるかも。

クローク: それで話ってのはなんなんでい?

エルナ: 「いろいろ言う前にこれを見ていただいたほうが早いと思います」そう言って水晶球をだしてキーワードを唱えます。

GM: では例の映像が映し出される。それが写り出すとクロークさんも目を細めて何も言わず映像だけを凝視するね。

ラック: では映像が終わったぐらいで、しゃべりだそう。これは昨日ガヤンを名乗る人間の男から渡された者です。この水晶球を巡って我々は三度襲われました。映像が映像だけにガヤン神殿の力を借りることもできません。どうかあなたのお力をおかし下さい。

GM: 君がそう言うと、クロークさんはまじめな顔でこう答える。

クローク: この映像を見ただけであんた方の期待に応えるような事は出来ねぇな。

ラック: おや、さっきまでの言動から「直情」な人だと思ったんだが。

GM: ふふ、だてに長く生きてはいないよ。買い戻したさ(笑)おっと話がそれた。

クローク: 秩序とか法ってものは、守るのは難しいが破りだしゃあ簡単だ。だがそれを破った後には長い混乱が起こる。だから俺たちは面倒な捜査って奴をやるんだ。これを見ただけで騒ぎを起こしちゃ問題だろう。

エルナ: では放って置かれるんですか?

クローク: それこそまさかだね。ただ引退した人間がのこのこ出て行って、「先輩でござーい」てな顔をしてもだれも喜ばねえよ。とりあえず俺っちが昔から頼りにしてた相棒が神殿にいるから紹介状は書いてやるよ。後は自分らでやりな。

ラック: 人脈ができただけでもよしとするか。

 

相棒

 

GM: ではガヤン神殿に向かうんだね。

ラック: しかし問題があるで。わいらがガヤンに面が割れ取るっちゅうことや。

ガラ: ふーむ。とりあえずいつものようにだぶだぶのローブを羽織って言ってみるか。しかし顔とかが変えられんのが不安じゃ。

ラック: よしなんちゃって「変装」や。

ガラ: こんな低い成功度でそんな巧くいくかの(コロコロ)おお!2成功。

GM: 素人にしては巧くできた。

ガラ: では老人の振りをしてガヤンの神殿に向かおう。

GM: 受付がけだるそうな顔で働いているけど。

ガラ: (しわがれた声で)すいませんが、ゼイ=レンドースと言う人を訪ねてきたんじゃがのぅ。と言って書状を見せる

GM: (演技)で振ってみて。

ガラ: うむ期待値で3成功。

GM: (まあ、怪しまないだろう)では受付は普通に対応してくれる。

受付: ゼイさんは2階の奥の部屋だ。気むずかしい人だから気をつけろよじーさん。

ガラ: では感謝しつつその部屋に。

GM: その部屋に近づくに従って弦楽器の音色が響いてくる。

ガラ: うんバイオリン?とりあえずノックしてみよう。

GM: では君がノックすると中から「どうぞ」と言う声が聞こえる。

ガラ: では入ってみよう。

GM: 中に行くと40後半ぐらいの男性が、バイオリンをかたづけている。整えた髪が印象的な涼しげな顔で眼鏡だ。そのまま彼はティーポットを持ってきて「紅茶でいいですか?」と聞いてくる。

エルナ&ガラ: 右京さん!

アイス: 誰ですか?

ガラ: 成る程。「相棒」か。それはさておきこちらも一日4,5回は飲んでいる紅茶じゃ喜んでお相伴させて貰おう。

ゼイ: それで僕に用件とは何ですか?

ガラ: ここに水晶球は持ってきてないし、ゼイには事情をかいつまんで話します。実はかくかく、しかじかでして。

GM: その話をゼイさんは目を細めて聞くね。それで君が話し終わった後にこういう。

ゼイ: お話は判りました。それで僕に何を期待しているんですか?

ガラ: あなたはかつてこの町のガヤンの No style='mso-bidi-font-size:10.5pt; 2だった人物じゃ。その力を貸して欲しい。

ゼイ: お断りします。クロークはあなた達を信用したようだが、僕は初対面の人間の言うことを全面的に信用するほどお人好しではない。そんな映像など幾らでも作り出せますしね。

ガラ: うーむ、やはりここでもだめか。

エルナ: でもこの会話の感じからして、私たちを計っているんではないでしょうか?

ガラ: ふむ引っかけてみようか。時にゼイさん。じつに美味い紅茶でしたが、ここ以外でうまい紅茶を出す場所はありますかな?

ゼイ: それならばこの神殿を出て南にまっすぐ行けば「フリーメーソン」という名の美味い紅茶を出す喫茶店がありますよ。

ガラ: では明日の昼頃その店に来てください。お返しに傲りますよ。

ゼイ: それはどうも。是非行かせて貰います。

ガラ: では神殿を出よう。一応警戒もしておく。

GM: 問題なく出れたよ。

ラック: ガラ、どうやった?

ガラ: 実はかくかくしかじか、まるまるきゅうきゅうというわけで。

アイス: まるまるきゅうきゅうは気になりますが(笑)じゃあガヤンから内情を探ることはできないんですね?

ラック: あの会話でなぜそんな結論になるんや!

エルナ: ゼイさんは我々を試しておられるのですよアイス。

アイス: え、そうなんですか・・・ああ、そう言われると納得できます。

ガラ: そう言われんでも納得してくれ。

 

独自の情報網を持たない一行は捜査のため、タマットの盗賊ギルドから話を聞くことにした。しかしここで問題が発生した。盗賊ギルドとコンタクトを取れるラックが金を使いたくないとごねだしたのだ。もっともこの問題は最終的にはガラが自分のポケットマネーを調査費としてラックに渡すことで何とか解決された。

 

ラック: とりあえず「裏社会」は成功や。

GM: では君はタマットの情報屋に会うことができた。ちなみに情報屋は独眼で癖のない顔の人物だ。

ラック: ガヤンの話がききたいんや。

情報屋: ガヤン関係は高いぜ。

ラック: 「かまわん」と言って300ムーナを渡そう。ああ、使っても胸の痛まない金があるやなんて最高の贅沢や。

ガラ: 人の金だと思ってこの鳥は!

情報屋: まいど。どんなことだい。

ガラ: ガヤンの偉い人で近頃変になった人がおらん?伝令ギルドで知り合いがそんなことを漏らしてたんで気になったんや?

情報屋: そうだな、近頃人が変わったようなのは所長だろう。なにせこちらからの袖の下を急に貰わなくなったんだ。

ガラ: 敵や!ジェニを増やそうとせん奴は敵や。

アイス: ああ、ラックさんが無意味なところでヒートしている。

情報屋: それまで可愛がっていた部下を急に止めさせたりもしたしな。

ラック: その部下の今の住処とかは判らんか?

GM: そうすると彼は無言で右手を差し出すよ。

ラック: 「けちんぼ」チェック・・・何故ことごとく成功するのだろう?では仕方なく100ムーナだそう。さようならマーガレット、フランソワーズ、グリシーネ。

アイス: ラックさんはお金に名前までつけてるんですか?

ガラ: あほ!生年月日まで決め取ったわ

一同: (爆笑)

 

その後でラック君は伝令ギルドに行く。ここでも似たような情報がありそのせいでラックが盗賊ギルドから金を返還させようとして一悶着あったが、一行はクロトンのかつての部下であったラトハン君の家に行くことになった。

 

GM: ちなみに盗賊ギルドと伝令ギルドで得た情報では、彼の潜伏先が違うから。伝令ギルドはガヤンの社宅。盗賊ギルドは安宿になっている。

エルナ: おそらく安宿のほうですね。

ガラ: よかったのラック、盗賊ギルドの情報が役に立ったぞ。

ラック: よし全額返還は勘弁してやるわ。でもな、そいつは何で身を隠してるんやろ?

アイス: たとえば、僕らに例の水晶球を預けたのがラトハンさんなら身を隠すことも必要ですよね。

アイス以外: (しーん)

アイス: 何ですか皆さん?僕何かまた変なこと言いました?

ガラ: 60点をやろう。

ラック: うん今回はええこと言うた。

エルナ: でもそれなら一同で行くと顔を知られてますから、逃げられませんか?

GM: (ううむ、どうして急に頭が回転しだすのだろう)

 

一同は顔が知られていないアイスに安宿を見晴らせ(ラックは屋上で待機)ラトハンが買えるのを待った。

 

GM: そうすると夕方ぐらいに目つきの悪い男が帰ってくるよ。ラック君視覚判定。

ラック: まだ日が昇っとるんやったらいけるな。(コロコロ)よっしゃ5成功。

GM: あの水晶球の人物だ。

ラック: ではアイスがそいつと話し出したら、後ろに降りてやろう。

GM: で、アイス君。なんて行って呼び止めるの。

アイス: えーと、そうだ!その人ソードブレイカーを持ってますか?

GM: うん。

アイス: じゃあ目の前まで行って。すいませんそこの人。

ラトハン: なんだ小僧。

アイス: 僕の持っているソードブレイカーとあなたのソードブレイカーを戦わせる気はありませんか?

ラトハン: は?

エルナ: ソードブレイカーには意思があるんですか?

ガラ: 奴の脳内ではそうなんじゃろう。

GM: うーむ、とっさにそんなこと言われたら固まるな。

ラック: ナイス話芸や。

 

かくしてラトハンは意外にもあっさりと捕まったのだった。

 

ラトハン: それで俺に何が気きてぇんだ?

ラック: お前が何でわいらにあんなもんをもたせたかや。

ラトハン: それはな、そう神殿からの指示だったんだよ。

アイス: 嘘発見(コロコロ)3成功です。

GM: (ふふ、こいつは別に馬鹿では・・・ないが優秀でもないか)嘘をついてる。

ラック: 本当のこと言うたら、こっちもお礼はするで。と言って小銭袋をじゃらじゃらと。

ラトハン: そ、そうか。なら話してやるよ。

エルナ: 典型的な汚職警官ですか。

 

かくてラトハンは話し始める。口は悪いがラトハンは帝国からクロトンと共に派遣された優秀な人材だったらしい。

しかし元来の金に汚い正確と女癖の悪さから、クロトンと共にあっさりと汚職街道を走り出してしまう。

そんな生活が続いたある日、クロトンの態度が一変してしまう。賄賂を貰わなくなりラトハンとも付き合わなくなってしまったのだ。

クロトンの行動を不振に感じたラトハンは勝手にクロトンの私室に侵入。そこでクロトンが偽物であると言うことを知ったラトハンは、クロトンの部屋から怪しい者を片っ端から盗んで出て逃亡。水晶球もその時に手に入れた物であるらしい。

 

ラック: それで何でわいらに水晶球を渡したんや?

ラトハン: いやー何、お前らのことが神殿で話題になっていたからお前らに渡しとけば疑いがそっちにいくかなーと。

ラック: 何でそこだけ巧妙何や。

ラトハン: それにあの水晶は何か判らなかったしな。

ガラ: まあいい。それよりも他の証拠はどこにある。

ラトハン: ああそれなら俺の部屋に。

GM: 彼がそう言ったぐらいのタイミングで宿から煙が出るんだけど。

ガラ: 彼の部屋に急ごう。

GM: うん、そうすると部屋は完全に火に包まれてる。彼の荷物とかも。

ガラ: 部屋すべてに「空気破壊」そんなに大きな部屋ではないはず。

GM: そうだね5ヘクスぐらいでいけるね。

ガラ: 成功。完全に消えないならもう一回やります。

GM: 2回も「空気破壊」をかけると流石に完全に消えてしまうな。

ラック: それでどの程度物は残ってるんや。

GM: それは探索でお願い。

アイス: じゃあ僕もやります。ラックさんはラトハンの監視をお願いします。

ラック: 任せるんや。

GM: (くそ、逃げてやるつもりだったのに。)

 

探索の結果はよく、いくつか気になる物が見つかった。一行はそれを持ってクローク宅に行くことにした。

 

GM: クロークさんのいる施療院に行くとゼイさんがクロークさんと同席している。

ラック: お二人ともおそろいやな。

GM: ラック君がそう言うと、ゼイさんは軽く笑みを浮かべながらこう言ってくる。

ゼイ: 君たちの情報が正確であるかどうかはともかく、相談された以上は当事者たちに話を聞きに行くのが筋だと思いましてね。

エルナ: じつはお二方に見ていただきたいものがあるんですが。と言って例の火災跡のアイテムをすべて並べます。

ゼイ: これは?

ガラ: じつはかくかくしかじか、まるまるうまうまでな。と言って今までの展開を話そう。

GM: そうするとゼイさんはそれらを丹念に調べる。そしてある一点のアイテムを凝視するね。

ゼイ: 成る程。これは君たちの言っていた事を信じざる得ないようですね。

アイス: 何かあったんですか?

GM: ゼイさんは無言で君の手に小さなバッチを落とす。そうするとそのバッチは強い熱を発する。

アイス: あち!何するんですか。と言ってバッチをテーブルに。

ゼイ: 失礼しました。しかしそれは帝国軍の記章です。帝国軍から派遣されているクロトン氏がそれをつけていないのはおかしい。実際、僕はクロイツ氏がそれをつけているのを見たことがあります。しかし、本来の記章は別の人物が身につけて悪用することを防ぐため、このような呪文がかかっているはずです。

ラック: しかしここにある記章にその呪文がかかっとるちゅうことは。クロトンのは偽物や。

ゼイ: それは判りません。が、少なくとも帝国軍が同じ物を何個も支給するとは思えない。

ガラ: ついでに証人もおる。ここまでいけば十分証拠になると思うが。

GM: 君たちがそこまで言うと、それまで沈黙していたクロークさんがソードブレイカーを片手に立ち上がるよ。

アイス: えーと、どちらに?

クローク: きまってんだろう。偽物退治よ。俺っちの守ってきた町をそんな偽物やろうに任せられるか?

ラック: まつんや。今いってもやなせいぜい錯乱したとしか思われん。だいたいどうやって大ボスのとこまで行くんや?

クロック: 簡単な事よ。俺っちが神殿で使ってた部屋は、秘密の抜け道があるのよ。そこから行けばいい。

ガラ: わしが敵ならその抜け道を一番先に警戒するが。

GM: (どうして今回は全員こんなに鋭いかな。)

 

この後、いかにして事態を解決するかに焦点が移った。クロイツが別人であることはほぼ間違いないが、町の権力を握られている今の状況では正当な捜査はできない。

必然的に荒っぽいことが必要になるが、戦闘反対派が多いこのメンバーでは強攻策は採決されにくい。

結果いかに策を弄して偽物にたどり着くかと言うことになるのだが、巧い策が出てこない。


アイス: そう言えばあの時計塔って「ノートルダムの鐘」みたいに鐘はつってるんですか?

クロック: ああ、けど何か町に一大事があった時しか鳴らさねぇけどな。

ガラ: ・・・ふむ+20点じゃな。

ラック: そうやな、これは陽動に使えるで。

ゼイ: そう言うことなら、私も手伝いましょう。見張りの交代時間ぐらいなら調べられます。

 

かくして作戦は決まり、一行は明朝の作戦開始まで睡眠を取ることになった。

 

GM: ちなみにクロックさんは顔がばれてるから朝方頃にゼイさんとこっそりとガヤン神殿に。

エルナ: お気をつけて。

クロック: ああ、偽物を片づけたら混乱を回復させなきゃいけねえしな。嬢ちゃんこそ命を大事にな。

エルナ: 私もやるべき事がある身ですから、死ぬわけには参りません。

ラック: やばい!二人の間にすごい勢いで死亡フラグが立ってるで。

ガラ: そうじゃな・・・これを防ぐためにはアイスがエルナに告白するしかない。

ラック: そうやなそれで母の形見の指輪を渡して「返事は戦いが終わってから聞かせてくれ」と言えば完璧や。

アイス: それだと僕が特攻して死にません?

ラック: そうなりかけたらわいが「圧倒的ではないか我が軍は!」と言ってやるから。

一同: (笑)

 

真実の鐘を鳴らせ

 

GM: ではみんなでガヤン神殿に乗り込むんだね。

ラック: いや、どっちかちゅうと潜伏やな。それと話変わるけどGM、この世界に線香ってあるん?

GM: 線香?おそらく近い物は身近にあると思うけど。

ラック: じゃあそれとロープ、燃料油を買っておこう。線香は香りの少ないやつにするで。

ガラ: ではその間にペローマの神殿に行って前回のヴァンパイアとアベンジャーの調査か結果を聞いておこう。下手したらこの町にいられなくなるかもしれんからのう。

アイス: えーと、ぼくは。

エルナ: 私の護衛も立派な仕事ですよ。

アイス: は、はい。

ラック: うーむ。見事に飼われとるな。

 

ラックは早々と買い物を終えて2人と合流。ガラはペローマの神殿で調査結果を聞いたが、その内容は「かつてアマラン・ゾウスという名の魔術師が帝国にいた。アベンジャーについては吸血鬼がらみの事件で何件か協力例がある」という少し物足りない物だった。その後ガラはアマランのかつての所在地をメモしてからガヤン神殿組に合流した。

合流したメンバーは入国手続きのふりをして中に入った後、おのおのが時間を空けてゼイの部屋に入った。

 

GM: ゼイさんは君たちに香り高い紅茶を出してくれた後、テーブルの中央に砂時計を置く。

ゼイ: この砂がすべて落ちた時が時計塔の見張りの交代時間です。近頃では時計塔の見張りは罰則代わりに使われていますから、見張りのやる気はほとんどありません。ですから次の見張りが来る前に、その前の見張りが見張りを止めることもよくあることです。

ラック: 成る程。今回もそんなうっかりがあるわけや。

ゼイ: はい。そして次の見張りの人物は僕の知り合いと話をしていて遅れてくるはずです。

エルナ: きっと眼鏡で太った鑑識です。

ラック: それで聞きたいんやが、この時計塔の鐘はどうやってならすんや?まさか敵が来た時にわざわざ時間をかけて鐘までのぼるんでもないやろ?

GM: 鐘の打ち金はクランクで固定してある。いざというときはクランクの留め金をはずせば一気に鐘は鳴るよ。ちなみにクランクは見張り台のてっぺんにある。

ラック: それなら考えてたことがやれるな。さてここにさっき買った燃料油、ロープ、線香がある。これで何ができるかアイス言うてみ。

アイス: えーと・・・火炎瓶

一同: (笑)

ラック: お前が現体制に不満をもっとるのはよう判った。でもこれで作るんは時限発火装置や。まずクランクの固定をはずして、ロープで代わりにクランクを止める。

ガラ: 次にそのロープに油をしみこませて横に線香を固定する。

エルナ: 時間がたてば線香の火でロープが燃えてクランクがはずれるわけです。

アイス: な、なるほど。でも皆さん何でそんなに示し合わせたように説明できるんです。

ガラ: ミステリートリックの基本の一つじゃ。

エルナ: 蚊取り線香だと巻いてる分だけ時間が多く稼げるんですよね。

アイス: ・・・世の中には僕が知らないことがたくさんあります。

 

一行はその後「ラック式時限発火装置」を実験してみる。その結果束ねた線香であれば問題なくロープが燃えることが証明された。

しかし一行はここで新たなる問題点にぶち当たる。

 

エルナ: 問題はこのトリックを仕掛ける以上、事前に気づかれる可能性がある点ですよね。

ラック: そうやな。ゼイはん、今回の見張り役ってどんな奴や?

ゼイ: 今回交代するのは「シュランカモー」という男でその前が「ヤニスキー」です。二人とも帝国から来た人物で・・・

ガラ: ヘビースモーカーと酒乱なんじゃな。

ゼイ: そうです。

ラック: 問題ないな。ヤニスキーが吸った煙草で線香のにおいも消えるし。

GM: (言われてみればそうだな。とっさに言った名前だったが墓穴を掘ったかな)

ガラ: 問題は酒乱男か。酒でも飲ませておけば問題ないじゃろうが。

エルナ: あ、紅茶好きなら当然ゼイさんの部屋にもブランデーは置いてると思いますが。

ラック: それや。

 

結局、一行はゼイの高級ブランデーを借り受け。ブランデーに酒乱スキーの注意をそらす作戦に出た。

仕掛けに行くのは同じガヤン信者と言うことでアイスになった。しかしこの後アイスに最大の試煉がおそう。

 

GM: 君が通路を歩いていくと、時計塔への階段から誰かが下りてくる。

アイス: えーと隠れます。

GM: どこに?近くに隠れるような空間はないよ。

アイス: えーと、それなら後ろに・・・

GM: 君がそうやっておろおろしていると、階段を下りてきた人物に呼び止められるぞ。40ぐらいのくすんだ髪を適当に纏めているたばこ臭い人物だ。

ヤニスキー: お前見ない顔だが?

アイス: えーと、新米です。

ヤニスキー: ここに何のようだ?

アイス: ええっと、そのう、シュランスキーさんの代わりに警戒に。

ヤニスキー: ソードブレイカーを下げてか?

アイス: ええっと、間違えました。き、着替えてきます。

ラック: あかん、アウトや。

GM: (じつはそうでもないんだよ)君がそうやって慌てていると、ヤニスキーは苦笑しだすね。

ヤニスキー: 初めての見張りかもしれんがそんなに緊張しないでもいい。敵なんて来ないんだから。

アイス: はい。

ヤニスキー: まあ、空気抜いていけ。

GM: そう言うとヤニスキーは去っていく。

アイス: ふー。

ガラ: うむ、迫真の慌てふためく新米演技だった(笑)

 

ラズベリー賞なみの迫真の演技によって危機を脱したアイスは問題なく仕掛けを施し終えた。その後一行はゼイの部屋で結果を待つ。

 

GM: (コロコロ・・・起動したか)では君たちがそろってから少しして建物全体に鐘の音が響く。

ラック: 行くでー。

アイス: 僕はネットを装備していきます。時計塔なら天井も高いですよね。

GM: うん、どの部屋も高さは5メルー以上ある。

 

一行は騒然となるガヤン神殿の中を突き進み(途中ガラの閃光が一回)最短距離で偽物の部屋までたどり着いた。

 

ラック: 観念せえやクロトンもどき。

 

クロックナイト・ワンスモア

 

GM: 君たちが中に入るとそこは巨大な机がある執務室だ。その隅で偽クロイツ?が鎧に着替えている。後それを手伝っている信者二人と、隅で壁に背を任せているカルシファードブレードを持った男。

部屋の隅にいるローブを被った女性が部屋にいる全員だ。でその中の偽クロトンが君たちに話しかけてくる。

 

ガラ: 全員は言ったなら、扉にメイスでつっかえ棒。

クロイツ: 貴様らは何ものだ?

ラック: 通りすがるつもりが留まってもうた正義の味方や。お前がクロトンさんの偽物やということは判ってるんや。

GM: 君がそう言うと、ガヤン信者二人は明らかに動揺する。しかしクロトンは即座に反論するぞ。

クロトン: 何を言っておる。わしが偽物だという証拠でもあるのか?

ガラ: ならそこにおるオールバックの御仁から記章を受け取れ。本物ならあ熱くないじゃろう。ついでにラトハンという証人も。水晶という物証もある。

ラック: さらに言えばそこでお主をにらみつけておる二人はこの町のガヤンの元トップや。それを「貴様ら何ものだ」言うてる時点でお前は詰んだんや。

GM: (成る程、巧いな。そこまで言われると。)君たちがそこまで言うとローブの女性が突然笑いだすね。

女性: ふふふ、いいではありませんかクロトン様。こやつらを倒せば済むことです。

クロトン: そうじゃな。おいぼけっとしていないでお前らも戦え。

GM: と言ってクロトンも抜刀。カルシファードの剣士も同じ。二人のガヤンもとりあえずは抜刀。

ガラ: その間に「閃光」に集中。うーむ今セッション3回目。

ガラ: あ、僕も「素早さ」を集中します。

 

かくして戦闘開始である。魔術師は机を盾にして魔術に集中。ラックとクロックはクロイツたちと向き合う。素早さに成功したアイスはネットの狙いをつけた。

 

アイス: 先手も取れたことですしクロトンにネット投げます。(コロコロ)命中コース。

GM: コロコロ・・・くらった。くそぅ折角のハードブレーカーが。

ラック: ハードブレイカーやったんか。アイスのお手柄や。

 

その後にガラの閃光も発動。ガヤン信者がもろに受けてしまい。半ば戦闘不能。趨勢は一気にPL側に傾いたかと思われたのだが。

 

GM: では魔術師は呪文を発動させるためにローブを脱ぐ。その顔は半分以上が黒い痣になっている。で彼女は笑いながらエルナのほうを見て叫ぶわけだ。

魔術師: 美しき者よ。お主の顔を醜く変えてやろう。

アイス: 姫様に手を出すなこの化け物。

GM: 声に出して言うの?そうするとターゲットは君になるんだけど。

アイス: あれ?呪文て即座に対象変更できましたっけ?

GM: この呪文は可能。

ラック: ま、姫さんの盾になったわけやしアイスも本望やろ。

GM: (コロコロ)悪いが全員1D6振って。一番低い目をだしたキャラが対象になる。

ガラ: ファンブルか。そう言えばこのセッション始めてからファンブルは始めてじゃな。アイスが呼んだか?

エルナ: (震えながら)1です。

ラック: 運命は変えられんのか?

GM: ではエルナの顔がさらに美しくなる。つまり容貌最高。

一同: (爆笑)

GM: あ、そうだ生命力判定をしてみて。出目によってはすぐ解除されるから。

エルナ: えーと5,6,6。ファンブルですよね。

GM: じゃあ一生。

一同: (大爆笑)

ラック: うおおお、エルナの顔がまぶしすぎてよう見えん。

ガラ: あの魔術士め、エルナの顔に「閃光」をかけたのか。

アイス: えーと、それどこではないような。でもこの場合怒っていいのだろうか?

 

GMすら予想もしなかった展開であるが、この連続ファンブルを契機にそれまで沈黙を守っていたダイス神が大暴れしだす。GM、PLそろってクリティカル、ファンブルを連発しだしたのだ。

さらにこの男が混乱に拍車を掛ける。 lang=EN-US

 

アイス: 魔術師が危険なので机を乗り越えて攻撃します。机は乗り越えられるぐらいの高さですよね?

GM: 2歩移動で乗り越えられる。

アイス: ならば全力攻撃ダメージ+2(コロコロ)命中しかけてます。

GM: (コロコロ)あ、腕で受けた。君の武器は刃がないから受けるのは楽だよ。でそのまま殴ってみよう。

アイス: 受動防護点以下なんて出ませんよ。

GM: なら殴りダメージはないが「死の手」はうけてくれ。12点だ。

アイス: なんか僕って接近戦で負け続けなのような。いや気絶しなければ・・・

 

しかしアイスはこの次のターンあっさり気絶。戦局は敵側と思われた。ところが、ところがである。

 

GM: このままいきそうだな。「圧倒的ではないか我が軍は」と言った感じか。

ラック: よし、GMが不幸な台詞を吐いた今こそ「幸運」で三回振ってみるか(コロコロ×3)よし、クリティカルや。効果は・・・ダメージ2倍。つまり6×2の12点。

GM: (ころころ)それでカルシファードの戦士は死亡した。ああ、やはりあの言葉は死を呼ぶのか?

 

結局この一撃が決めてとなった。偽クロトンはネットをはぎ取って応戦したものの、3対1では勝ち目がなく。魔術師もすでに電池切れであった。

 

GM: 魔術師はどうする。

アイス: 投降を呼びかけます。素直に投降してください。

魔術師: 貴様らのような美しい連中に投降などするか。

GM: 彼女の台詞に連動して彼女の顔の痣が激しく動くね。

ラック: 刺してみようかな。全力攻撃で顔狙いか?いいのかな?

GM: それでいいよ。

ラック: 命中しかけ。

GM: その前のフェイントが効いたな。では君が槍を彼女の顔面に突き刺すと「ギャァァァーーー」という地の底から響き渡るような声と共に、彼女の中から黒い影が消え去った。

ガラ: 黒い痣は?

GM: なくなってる。ラック君の突いた傷は残ってるけど。それと影が抜けると共にクロトンの変身が解けるから。

ガラ: よし容疑者捕獲。

GM: 悪いけど詳しい話なんかは次回でお願い。

 

かくして戦闘は終わった。しかし彼らの帝国への道のりはまだ続いているようである。

  

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夏野コーパル長話(ネタばれ注意)

夏野: 第五回ですよ。

コーパル: このアラ○ンでき良いねー。

夏野: 何時のまに買ってるんですか?

コーパル: 君が録音機材のバッテリー取りに行ってる間。

夏野: まあいいでけどね。さて今回は前回に続き「グランパック」での怪事件でしたが。

コーパル: よし走れ○ラジン

夏野: 話をしましょうよ。

コーパル: ちっ、今回は前回ラック君の選択肢の結果、2話分のシナリオになってしまった事が発端になったわけだ。

夏野: では質問です。まず最後まで名前の出てこなかった魔術師は悪魔と契約したソーサラーなのですか?

コーパル: 違う。どちかといえば悪魔憑きだ。契約という能動的な関係ではなく、無意識下での受動的な関係だった。だから本体を簡単に排除できたわけだね。もっともあのままいけばいずれは完全な契約をしていただろうが。

夏野: 下は彼女の使っていた呪文です。


醜悪化:通常・生命力で抵抗

 対象の容姿を醜くします。エネルギー5点につき、容貌のランクを1つ悪くできます。どのように悪くなるかは術者のイメージ次第です。

 この呪文は「顔変え」と違い、「抵抗判定の差×3」日間呪文の効力が続きます(例えばこの呪文成功度が5で相手の生命力判定が3成功であれば6日です。)

 抵抗判定で相手が17、18をだした場合、この呪文の効果は「一生」となります(解呪は可能です)

 この呪文は顔が醜くなることによって精神的苦痛をうける人物にしか使えません。

□持続:特殊 ○消費:最低5 ◇準備6秒 ★前提「顔変え」+容貌に対するコンプレックス。 


夏野: 次回からいよいよ帝国編ですが、あれどうしたんですか渋い顔して?

コーパル: いやさ、やっぱり夜揚げたポテトは変なにおいがするよね。

夏野: ・・・次回からこれの収録は飲食店意外でやりましょう。

 

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