黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第4話「黄霧の中のアベンジャー」

男は襲われていた。

10年もの間ジェスタの守護騎士として様々な地を渡り歩き、数々の武勲を上げたその強靱な肉体は今や見る影もなく。いかなる時でも折れることのなかったその精神も今は絶望と混乱の極みにあった。

判らない・・・

なぜ自分の斧は敵を捉えないのか。

わからない

なぜ自分の腕は枯れ木のようになってしまったのか。

ワ・カ・ラ・ナ・イ

結局・・・自分は何と戦っていたのか・・・

自らの魂が月にたどり着くまで、男の謎は解けない。ただ、周囲を覆う大気だけがその正体を内包してざわめいていた。

 

GM: では各人・・・

ラック: (GMの声に割り込むように早口で)成長報告や!ちなみにわいは「裏社会」を取って「商人」を伸ばしてついでに「槍投げ」を取った。

ガラ: (早口で)わしは幻覚系を極めるため「完全幻覚」を覚えた。それといずれは「祝福」を覚えたいので「空気浄化」を覚えた。さらに、もっとると便利そうじゃからラカンの葬儀の合間を縫ってペローマの神殿に通い「建築学」を取ってみた。

エルナ: (やや早口で)「内気」克服と「感情察知」を手に入れるために貯金を始めました。ですから、今回はとりあえず「呪文射撃」のレベルを少し上げただけです。

アイス: (普通の速度で)ソードブレイカー貯金は貯まったのですが・・・

ラック: なんで普通にしゃべっとんや!空気を読め。

アイス: は、はい。(早口で)技能を上げるよりも「素早さ」の呪文を強化したほうが便利かなと思って15LVにしてみました。それと便利そうなのでガラさんとペローマの神殿に通って「紋章学」を覚えました。そして残ったCPはすべて「ネット」に費やしました。

ラック: 思い切ったな。

ガラ: 前回の戦闘で体験したことを生かして、戦術に幅を持たせるんじゃな。まさか臆病風に吹かれたんではないよな?

アイス: 前者か後者かと聞かれると3:7で後者かと・・・へたれですかね?

ラック: うん。そんな質問するあたりがへたれやな(笑)

GM: だー、早口で一気に言うな!書くのが大変なんだ。しかしアイスのネットによってこのパーティ全員飛び道具の技能を持ったことになるのか。

ガラ: 戦術が増えて良いの。しかし、一番は逃げて戦わんことじゃ。

GM: さて君たちはラカンさんの葬儀を行うために2.3日費やすことになる。その間半日程度は時間があるだろうからガラとアイスはその時にペローマに行ったんだろう。それで残った二人はどうする?

ラック: 前々回貰ったピンバッチとか売りたいものがいろいろあるんで、売りに行くで。

エルナ: 私もラックさんについて行きます。「内気」克服のための訓練ということで。

ガラ: それなら金は渡すから3点分のパワーストーンを買ってくれ。この1点分の差額とで買えるはずじゃ。それとGM、建築学を習いに行った時に金を払ってペローマの神殿で「空の七月」について検索して貰います。

ラック: りょーかい。

GM: (小さなこの町の神殿でどれほどの情報変えあられるかな?)OK。そのペローマの調査結果は後日ということで。


買い物の結果、ラックは品物の売却で500ムーナほどの現金を手に入れ、パワーストーンも購入。アイスもガヤン神殿で「ガヤンネット」を購入した。

 

GM: さて葬儀も無事終了したわけだが、これからどうする?

ラック: 船の準備もできとるし、帝国に乗り込むで。姫さんもそれでいいやろ?

エルナ: はい。これからも前回のような敵が襲ってくるの可能性があるいじょう、一刻も早く父上の元に行かなかければいけません。もうラカンさんのような犠牲者は嫌ですから。

ラック: PL的にはそこら辺に一抹の不安を感じるんやが、依頼人の言うことやしな。いざ帝国や。

ガラ: ではわしは出発前にペローマに。それでGM「空の七月」についての情報はどうですかね?

GM: (コロコロ)日数が少なかったこともあり、詳しいことはほとんどわからない。帝国を中心に活動している過激派らしいけど彼らの思想などは不明。ペローマの人も謝りながら調査料を幾らか返してくれる。

ガラ: 詳しくは帝国に行ってからか。

GM: それと葬儀の際にラカンさんから君らに当てた、身元保証書が見つかる。不測の事態に備えて家に置いておいたんだろうね。

エルナ: ラカンさん・・・。


かくて幾つかのしこりを内包したまま、一行は帝国に出発したのだった。


グランパックで一休み

 

GM: 船に揺られて河川を下ること丸一日、君たちは帝国領に着いた。

アイス: 着きましたね。ここが帝国ですか。

ラック: こういう台詞をしゃべるキャラっておるよな。

ガラ: そうじゃな、戦闘シーンとかではあまり活躍しないくせに移動や蘊蓄ばっかり強いタイプじゃな。序盤は強いのに中盤以降は目立たなくなるキャラの典型である。

アイス: なんかお二人に悪いことしました僕?

エルナ: 気にしてはいけませんアイス。お二方の言うようにならなければいいのです。

アイス: ありがとうございます姫様。

GM: (・・・は!見事な飴と鞭につい感心してしまった。)えー君たちは帝国領に入ってすぐの「グランパック」と言う町で停船させられる。

ラック: 漁師の親父に話を聞こう。どうしたんやオッチャン?

漁師: 検問だよ。近頃帝国内がいろいろ物騒らしくてな。帝国の中から出る奴や、入ってくる奴を厳しくチェックしてるんだと。

ラック: ふーん。ちゅうことはわいらも待たされるんか?他に帝国への入り方はないんか?

漁師: そうだな。ここで船を下りて陸路を行けば山間部から入れる。山合いはそれほど検問も厳しくないだろうな。

ガラ: ただ山間部まで歩くのは時間を食うの。

アイス: 僕らにはラカンさんの身元保証書があるんですから、普通に検問は通れると思いますが。

ラック: そうやな、この機会に徹底的に調べられといた方が後々姫様のためにもなるやろう。

エルナ: 守り刀とかは隠したほうがいいんでしょうか?

ガラ: 見せるといらぬ混乱を招きそうじゃしな。

GM: では「グランパック」に入るんだね。


こうして一行は検問と入国審査のため、グランパックの町に入ることになった。

 

GM: グランパックに入ると巨大な時計塔が目につく。といっても火時計だけどね。

ガラ: 教皇編であった火時計のレリーフが八大神に変わったような物ですかね?

GM: そんな感じ。その時計塔が現在ガヤン神殿になっていて、そこを中心に露店が店を連ねて活気に満ちている。ただ町の規模自体は小さい。

アイス: えーと「教皇編」て何ですか?

ラック: 今日の帰りに資料を貸してあげよう。

エルナ: えーと、とりあえずガヤンの神殿ですね。

GM: 時計塔の周辺は100人近い人でごった返している。その多くが旅装束に身を包んでいるね。

ラック: うわー、検問に時間かかりそうやな。

GM: そうだね。なにせ時計塔の入り口に「今日の入国審査は終了しました」と書いてある立て看板があるし(笑)

ラック: 受付は?

GM: 受付自体はまだやってるみたいだけど。

ラック: それなら、とりあえず宿やな。受付だけならわいだけでもええやろうし。

アイス: それなら僕はその間に鎧を売ってないか見に行きたいんですが、ラックさん300ムーナほど用立ててくれませんか?

ラック: けちんぼチェック(コロコロ)・・・ええやろう。その代わり少しでもええから値切れ!それがだめやったら鎧の切れっ端でもおまけで貰ってこい!それができんかった時はムーナ様に詫びながら腹を切れ!

アイス: わ、判りました。

ガラ: おお、ラックの後ろに金のオーラが見える。

エルナ: あれが選ばれたニュータイプでしょうか?

GM: (ため息をつきながら)で、残った二人はどうするの。

ガラ: わしらは素直に宿をとっておこうかの。では任せたぞラック。

ラック: おう値切っとくわ。

GM: 値切れません。


かくして一行は3手に別れたのだった。ラックは早々と受付をすませ、その後は情報を得るためにミュルーンの行商人と話の花を咲かせた。

 

ラック: そしたらこの町ができてからまだ1年何やな。

行商: せや、ここはそれまで川沿いの村やったんやけど摂政のサーライトはんの命令で検問所ができてからそこを行き交いする旅人を狙って露店ができたり、宿屋がたったんよ。町の名前のグランパック言うのはそこの大時計「グランパ・クロック」を縮めたもんや。

ラック: グランパ・クロック?

ガラのPL: 巨大な時計や2mを超える柱時計の俗称です。正確には「グランド・ファ-ザー・クロック」つまり「おじいさんの時計」です。ちなみに2m以下の柱時計のことは「グランド・マザー・クロック」と・・・

GM: 前から聞きたかったんだけど、そんな知識どこで仕入れるの?

ガラのPL: この知識は「世界アンテ○ーク大全」という本で。

GM: (何故そんな本を読んでるんだろう?)しばらくラック君と話していた商人はガヤンの役人に呼ばれて時計塔に入っていく。

ラック: あれ今日はもう入国審査は終わってたはず?

GM: 視覚チェックしてみて。

ラック: (ころころ)4成功。

GM: そうすると、中に入る瞬間に彼が役人に向かい袖の下に何かを入れているのが判る。

ラック: 汚職や!なんてうらやましいことやっとんのや、これやから役人はいかん。ああうらやましい(笑)

GM: どうする、ちゃんと待つかね?

ラック: 当然や。必要経費を払うだけでも身がすり切れる思いやのに、これ以上の金を払ったら死ねる。

GM: では入国審査は明日以降になる。あ、申請の書類発行にも日が沈むまでかかるから(笑)

ラック: これだから役所はあかんのや!しょうがないな。宿に戻るか。


二兎を追う者は


こうしてラックはだいぶ遅くなってからガラたちと合流することになった。一方のアイスはというと・・・

 

アイス: 露店には武器や防具を売っている店はありますか?

GM: あるよ。ただちゃんとした店に比べてどうしても質は落ちるけど。

アイス: 極端に劣化した物でなければいいです。ではチェインメイルを探して露店をうろつきます。

GM: 君がそうやって彷徨っていると、露店の外れの方で人が騒いでいる。どうするかね。

ラックのPL: 良い情報は自分で動かなければ転がり込んでこないぞ。

アイス: 何で騒いでるんでしょうか?

GM: 何でもこの町を守っていたジェスタノの戦士が不振な死を遂げたらしい。

アイス: うーん。そんな事件だったらしばらくしても人から話は聞けると思うので、先に鎧を見に行きます。

GM: (それはどうかな)


アイスはその後露店で掘り出し物のチェインメイル(少しさびているが1割引)を見つけるも寸法直しに時間がかるといわれ、その許可のため申請待ちのラックと合流。その際にうっかり露店に手付け金を払わなかったため他人にその鎧を買われてしまう。

 

アイス: しまった手付け金かー!忘れてました。

GM: どうする?時間も夕刻近くなってきて露店を閉め出している店も出てきたけど。

アイス: 今日は鎧をあきらめて例の事件の聞き込みをしてみます。

GM: いいだろう。


というわけで遅れながら事件の聞き込みを開始したアイス。しかし時間が立っているため第一発見者等はガヤンの神殿で事情聴取の最中であり、野次馬達からかろうじて「ジェスタノ戦士は何かに襲われたらしい」という情報を得れただけだった。

 

アイス: こうなったらガヤンの神殿に行きます。同じガヤンですから情報も教えてくれるでしょう。

ラックのPL: どう思う?

ガラのPL: 「刑事だからニュースで話題の事件の最新情報を知っている」と言ってるようなものです。

GM: (全くだ)では君がガヤンの神殿に行くのはもう夜の闇が世界を覆い尽くした頃だ。さすがに入国待ちの列もなくなっている。

アイス: では門番さんにソードブレイカーを見せながら、この町で起こったジェスタ戦士の不振死について聞きたいのですが。と言ってみます。

GM: そうすると門番は君のことをじろっと見ながらこう言う。

門番: この町のことはこの町のガヤンが解決する。旅人の若造に出る幕はない。

アイス: う、しかし協力はできるはずです。

門番: その気持ちはありがたいが人は足りている。なにより入国審査も済んでいない者を捜査に協力させることはできない。

アイス: うう、正論だ。仕方がないので宿に帰ります。


こうしてアイス君の一日は終わった。そのころエルナとガラはとんでもない事件にまきこまれていたりするのだが。


黄霧の中のアベンジャー

 

エルナ: では宿を取ります。

ガラ: 決して「ご休憩」とかではないぞ(笑)

GM: わかってるよ。この町には宿が三つある。一つはガヤンの神殿の近くで軍人なども泊まる高級店。残り二つはそれぞれ町はずれにある。ちなみに一つはスラム街近くの宿だ。

ガラ: 1はラックが2は姫を思ってアイスが反対するじゃろうから3かの?

GM: 最後は町はずれで人気のない場所だ。何せ裏側が墓地。

ガラ: 「生者と死者は近くで休んではならない」とかと言われている熱心なキリスト教徒が見たら粛正ものですね。

エルナ: でも、なぜだかホラー映画の基本ですよね。

GM: さてどこにする。

ガラ: どこに行っても角が立つ。GMどこが一番宿代は安いんですか?

GM: それはもちろん3番。

ガラ: ではラックの賛成が得られそうだから3で。姫はそれで問題ないかの?

エルナ: 寝られれば問題ないと思います。

ガラ: うむでは墓場の宿にいこうか。

GM: 君たちがやってきた墓場近くの宿は「白き十字架亭」と言う名前だ。ちなみに亭主は人間のファウン信者。本業は産婆さん。

ガラ: 成る程、徹底している。


二人は男用とエルナ用の二部屋を取り、仲間の帰りを待つことにした。

 

GM: 夕方になると霧が出てきて墓地を包み込む。夕日が霧に反射して黄霧を作り出している。

ガラ: うーむ、幻想的じゃな。ラックたちが帰ってくるまで寛ぎながら見ていよう。

エルナ: 私は今のうちに日記を書いておきます。

GM: ではガラ君。視覚チェックをしてくれ。そろそろ暗闇によるペナルティがあるぞ。

ガラ: ドワーフじゃ「暗視」がある。(コロコロ)4成功。

GM: では霧の墓から男が走ってくるのが判る。なにやら慌てているようだ。その後ろには何やら剣を持った骸骨が・・・。

ガラ: 「エルナ窓を見ろ!」と言いながらメイスを準備。鎧も盾も寛いでたからつけてないだろうし、まずは「盾」に集中。

GM: その間にも男と骸骨との距離は縮む。

ガラ: (コロコロ)「盾」成功。続いて「瞬間移動」に集中。

GM: あと少しの距離だ。ちなみに君との直線距離は80mぐらい。

ガラ: 大声で「援護を頼む」と言った後、男とスケルトンの間に「瞬間移動」(コロコロ)成功。続いて「身体感覚」(コロコロ)成功。

GM: では男とスケルトンの間に割り込める。

ガラ: 男に向かって、「他に襲われている奴はいるか!」と聞きます。

GM: 男は大あわてで首を横に振る。

ガラ: では「逃げろ」と言ってスケルトンと対峙します。

GM: 退治?ああ対峙ね。そのころエルナはどうするの。

エルナ: ガラさんの声が聞こえたのなら、窓から外を見ます。

GM: では視覚判定を-1でやってみて。

エルナ: 2成功です。

GM: では僕が先程言った光景が見える。ああ、タイミング的には君が見だしてすぐにガラが到着したぐらいかな。

エルナ: では「雷光」に集中します。人を傷つけるのはいやですが、仲間のピンチですから。

ガラ: 大丈夫。スケルトンはもう傷が付きまくったなれの果てだから。


かくしてスケルトンVSガラの戦いが始まった。叩き攻撃に弱いスケルトンとガラのメイスは相性がいいのだが、いかんせんガラ自身の技量が低いためなかなか命中しない。そうこうしている間に仲間のスケルトンが現れて、打たれ弱いガラは防御一辺倒になってしまう。

これを救ったのは前回に引き続き今回もエルナの「雷撃」であった。

 

エルナ: 投げます。(コロコロ)命中しそうです。

GM: 盾もないのにどうしろというんだ。ダメージをくれ。

エルナ: (コロコロ)15-3で12点です。

GM: なんだそのダメージは!それで最初にいたスケルトンは破壊されたよ。

ガラ: さすがは飛び道具神にCPを献上しただけのことはある。

GM: 何だその珍妙な信仰は(笑)


このあとガラは手傷を負いながらも、スケルトンを撃破。しかし・・・

 

GM: 君の目の前で墓場から死体が起きあがるんだが。

ガラ: 次はゾンビか。霧だけにきりがないの。

エルナ: ああガラさんが壊れた(笑)

GM: ちょうどその時に後ろ暖かい光が射し込む、それと同時にゾンビの動きが緩慢になる。

ガラ: おお「死人払い」いや「死人返し」か?

GM: そして霧をなぎ払うような素早い動きで現れたドワーフの戦士がモーニングスターのような武器でゾンビを一撃でなぎ払う。

ガラ: イブニングスター。ファウンが来てくれたか。

GM: でその男はゾンビを倒した後に君に向き直り渋い声でこう聞いてくる

ファウンの男: その左手はアンデットにやられたのか?

ガラ: いやこの手は生まれつきじゃ。それより助かったわい。と言いながら右手を差しだそう。

GM: そうすると男は困ったような顔をするが。

ガラ: うーんなぜ?GM、集中して男の魔力を感じます。

GM: 彼の魔力はドワーフのものではない。もっと邪悪な力だ。

ガラ: 気になるな・・・しかし好奇心はミュルーン殺すらしいし、自重するか。とりあえず名前だけ聞いてみよう。

ファウンの男: 私の名前はアベンジャー。この町にアンデットを探してきたものだ。また何かアンデットがらみのことがあれば力になる。当分はこの墓の浄化をしているだろうから何かあったら尋ねてくれ。

GM: 言うだけ言って男は霧の中に消える。

エルナ: 「アベンジャー」復讐者ですか。

ガラ: では見送ろう。

GM: 見送ったんなら視覚判定お願い。

ガラ: 5成功。

GM: 君がアベンジャーを見送っていると、霧の中に一人の女性を見つける。しかし君がそちらに目を向けると、彼女は霧のように消えていく。

ガラ: ぬー、何があるんじゃ?とりあえず怪我を治すために宿に戻るか。

ラックのPL: 隣の墓場で被害にあったんやから宿代値切れー。

ガラ: うぉーラックの念波がわしを操る~~。と言うわけで交渉しよう(笑)


この後宿に帰り事のあらましを伝えたガラは、宿の女将さんの好意でただ同然で止まれることになった。その上ガヤンと共に引き返してきたスケルトンに襲われていた男から謝礼まで貰えてしまった。

 

GM: でガヤンの事情聴取が終わった頃にラックが帰ってくる。

ラック: 探したで~。なかなか風情があって安そうな宿やないか。

ガラ: じつは事件があってな。

ラック: なんや、もしかして宿代が高いんか?ならすぐここを出るで(笑)

ガラ: 違う。GM、とりあえずラックにかいつまんで事情を話します。

GM: OK。

ラック: なんやってそれを先言え!こんなやばい宿すぐ出るで。

エルナ: ラックさん落ち着いてください。

ガラ: それと事件のことを話したら宿代はほとんど無料になった。ついでに謝礼も貰った。

ラック: なんやてー、それをもっと先に言え!!ようやったでガラ小遣いやるわ。いやーただと聞くとこのホテルも急に高級感が増すわ

一同: (爆笑)

ガラ: それでじゃな。わしは霧の中に消えた女が気になるんで探ってみたんじゃが。

ラック: じゃあ、わいも手伝うわ。


こうして日没までの僅かな時間で捜索が行われたが、目立った発見はなくラックの目が見えなくなる前に捜索は打ち切られた。

 

GM: そのころになるとアイス君が帰ってくるよ。

アイス: とりあえず皆さんを見つけたらすぐに謝ります。

ラック: いきなり謝るな。慰謝料を持ってこんかい(笑)

ガラ: まてまて、当たり屋ではあるまいし。それでアイス、何があったっんじゃ?

アイス: では今日のことをかいつまんで報告します。

ラック: (とても優しい声で)そうかしょうがないわ。人間誰でも間違いはある。ところで今日はどこで寝るんや、墓場か?

アイス: ヱ・・・!?

ラック: 失敗をしたら罰をうけなあかんやろ。

アイス: えーと、それはそうかもしれませんが。

エルナ: 止めてくださいラックさん。アイス、私は信じていますよ、あなたが本当はとてもまじめで勇敢な人だと言うことを。

アイス: うう、姫様の信頼がいたい(笑)

ガラ: とりあえず時間は戻せんのじゃ。明日ガヤンに入国審査に行った時その事件も聞いてみよう。


こうしてグランパックでの一日目は終わるのだった。


霧の中の神殿

 

GM: さてグランパック滞在二日目だ。

ラック: ところでGM、この町の入国審査は番号制か何か?

GM: いや早い者から先に。

ラック: みんなさっさと起きるんや。早起きは三文の得ちゅうことは、遅う起きたら幾ら取られるか判らんちゅう事やからな。

一同: (笑)

ガラ: もはやそのひねくれた考え方には敬服すら覚える。

エルナ: 誰がお金取るんですか?

ラック: 誰も取らんのやったらわいが取る(笑)

アイス: 鬼だ・・・。

ガラ: GMとりあえずガラに朝早く起こされるのなら、宿の女将さんにこの町のファウン信者について聞きたいんですが。

GM: いいだろう。君たちが一階に降りていくと丁度パンを焼いていたんだろう。何とも言えない穀物の香ばしい香りが一階に溢れている。

ラック: とりあえずこの香りを三文分吸っとくんや。


この後朝食を取りながらガラは女将さんに話を聞くが、女将さんの話によればこの町のファウン信者は自分を入れて10名もおらず、戦いができる者はいないと言うことだった。

その後で一行は墓場に行くが、浄化されたような跡は幾つもあったがアベンジャーの姿は見えなかった。

そのまま一行はガヤン神殿へと向かった。 

 

GM: まだ早朝という時間だし、入国関係の手続きはまだやってないみたいだよ。

ラック: 怠慢や。とりあえず手続きの場所で座り込んでおこう。

GM: 他のみんなは?

アイス: 昨日聞いたジェスタの怪死について調べてみます。

ガラ: 付き合おう。

エルナ: 私はラックさんと一緒にいます。

GM: OK、それと入国審査は全員そろってからでないと出来ないからね。

ガラ: ではしばらくしたら戻ってくるかの。とりあえずは事件のあった現場に行ってみる。

アイス: 事件のあった詳しい場所が判りませんが。

ガラ: 「なに簡単じゃよ」と言って近くにいるガヤン信者に話をします。

GM: 朝方だし、夜勤明けの警備員が少しいるだけだけど。まあ話ぐらいはできるだろう。

ガラ: 昨日ジェスタの戦士が変死したと聞いたがどこでなくなったか教えていただけぬか?

警備員: 何でそんなことを知りたいんだ。

ガラ: おそらく同じように神を信仰し、同じように戦場を渡り歩いた者。多くの戦場のどこかで助けられたかもしれん。そう思うと花の一本でも添えてやりたいと思うての。

警備員: ああそういうことか。疑ってすまんな、興味本位で話を聞きに来る者が多いんだ。場所はここから西に行った河原だ。

アイス: 僕の時とは対応にすごい差があります。でもガラさんてジェスタの傭兵でしたっけ。

ガラ: 人生はすなわち戦と同じ。そしてわしの魔術師としての生き方と彼の守護戦士としての生き方どちらが上などと考える方がおかしいじゃろ。

GM: (うーむ、それはそうだろうけど)じゃあ君たちはそのまま河原に行くんだね。

ガラ: 途中で花屋に寄っていきます。花屋があいてなければ河原までの間に野の花を摘んでいきます。


河原に行き名も知らぬジェスタを弔った二人は、そのまま調査を開始する。これにより「男が全身ひからびて死んでいたこと」と「男の死んだ日は朝から濃い霧が出ていたこと」をつかんだ。

 

GM: そうやってしばらく調査していると、だんだん冷え込んできたね。見ると川から濃い霧が君たちを包み込むように現れる。

ガラ: 嫌な予感がする。GM、目をつぶって魔力を感じてみます。

GM: (目の付け所は良いんだけどね)霧に魔力は感じられない。自然のものだと思うよ。ちなみに霧はそのまま町に流れていくから。

ガラ: アイス、一応襲われても良いように警戒はしておくんじゃぞ。

アイス: 了解です。

GM: ガヤン神殿にいる二人がやっと受付を終わらせぐらいで二人が帰ってくる。

ラック: 二人ともナイスタイミングや。ところでGM、待たされとる間に同じように待っとる奴らからジェスタの怪死事件のことを聞いてみたいんやが。

GM: ふむいいだろう。3,4人が審査待ちなんだがその中の一人が奇妙なこというねなんでもジェスタ戦士が死んでいた河原で、幽霊がいたらしい。

ラック: 幽霊?

GM: 霧の中にかき消えるように消える少女を、ジェスタ戦士の遺体を発見した人間が見ているらしいよ。

ラック: ふーん。幽霊なー。

GM: でそれぐらいのタイミングに丁度二人が帰ってくる。

ラック: ナイスタイミングや。もうしばらくしたら入国審査やからな。

GM: 入国審査は同じ部屋で全員一緒の行われる。まあ君たちの場合、しっかりした身元証明があるから30分ばかり形式的な質問をされるだけだがね。

ラック: 30分か時給換算したら幾ら取れるやろう。

GM: で、その審査もそろそろ終わろうかという頃に異変が起きる。聴力判定ね。成功したら言ってくれたまえ。

一同: 成功です(や)。

GM: なら君たちは「ギャー」と言う悲鳴を聞くことができた。(コロコロ)・・・入国審査をしていたガヤン信者も慌てて部屋から出る。ちなみにこの部屋は二階にあって4畳ぐらいの広さで入り口は一つね。

ガラ: 悲鳴は近いんじゃよな?

GM: かなり近い。この建物の中からだろうね。

アイス: 二番目に部屋から出て周りの様子をうかがいます。

エルナ: アイス、気をつけてください。

GM: 君が外に出るとあたりは深い霧で覆われている。5m先も見えないほどの深い霧だ。

アイス: 何時のまに。そう言えば先に出て行った人は近くにいますか?

GM: いや、君が辺りをうかがっている間に、「どうなっているか見てくる」と言って走っていった。

ラック: どういう事や?なんで急に霧が出てるんや?

ガラ: いや、わしらが時計塔にはいる時にはすでに霧が出始めておったが、それにしてもおかしい。GM、周囲の魔力を感じてみます。

GM: あたりの霧に混じって君は邪悪な魔力を感じる。どこと特定できるほどの力ではないけどね。

ガラ: ふーむ、邪悪な魔力が満ちておる。

ラック: どうする?ガヤンの連中と合流するか、それとも時計塔から出るか。

エルナ: 時計塔からでてほうが良くないでしょうか?

GM: しかし君たちはこの建物をよく知らないだろう?霧の中をどう脱出する。

ガラ: 建築学(コロコロ)あ、失敗。

GM: 構造はよく解らない。

アイス: 一度ここもできたわけですから、それを逆に辿るしかないんではないでしょうか。

ガラ: それしかないか。


こうして一行は時計塔からの脱出を決意する。途中ガラが信じられないで目を連発し、階段から転げ落ち全員から失笑をかうトラブルもあったが「これからは階段を凝視しながら歩こう(ガラ談)」それ以外はこれと言った遭遇もなく一行は一階にたどり着いた。

 

GM: 一階までつけば後は長い廊下を、歩けば外だよ。

アイス: あたりに不振な人影とかはありませんか?

GM: それはないが、向こうな方から「トントン」とドアをたたくような音が聞こえる。

ラック: 止まって様子を見るか。

エルナ: そうですね。

GM: では君たちしばらく止まっていると、また「トントン」と言う音が聞こえる。どんどん近くなっているぞ。

ガラ: うーむ、今度は和製ホラーっぽい。

エルナ: 近くに扉はありませんか。

GM: あるよ。

ラック: 扉に入ってやり過ごすか、それとも上に戻るか。とりあえず近くの扉を開けてみよか。

GM: では扉を開けるんだね。中は仮眠室のようだ。細長い作りの部屋で両端に三段ベッドが置かれている。君たちの入ってきた扉の向かいにも、もう一枚扉があるね。

アイス: 一応逃げ道はありますよ。

ラック: 向かいの扉が開けれるかどうかは判らんで。

GM: (でも時間切れなんだな)君たちがそう言っているとかなり近くで「トントン」と言う音がする。

エルナ: 隠れましょう!


一行は部屋の中に隠れることに、幸い?仮眠室には人はおらず騒ぎになるようなことはなかった。アイスは入ったドアの前でドアに体重をかけ、ラックは向かいの扉が開くかどうか確認した。

 

GM: ドアは開くね、開けた先はさらに二つの扉がある部屋でマットレスや布団が置かれている。

ラック: リネン室か。

GM: さてアイス君、君が扉にくっついてると外から「トントン」と言う音が聞こえるんだけど。

ラック: 入ってますとか言ったら殺すで。

アイス: 言いませんよ。扉をきっちり抑えておきます。

GM: (それでばれるんだけどな)では君が扉を押さえていると今度は「ドンドン」と言う感じで扉がたたかれる。かなりの力だ。

アイス: 気づかれたっぽいですね。では今度叩かれたたらその瞬間に扉ごとタックル。

ガラ: それはまずい。アイスを止めます。

GM: 君はアイス君と離れて部屋の真ん中じゃなかったけ?

ガラ: う。

アイス: それでは思いっきりタックルしてしまいますね。

GM: (これで正体がまたわからなくなるな)君がノック応じてタックルすると勢いよく扉が開いて・・・そのまま美しい女性とご対面だ。

アイス: あれ?

ガラ: この世界。ノックの代わりになるような呪文や能力は幾らでもあるしの。

GM: ちなみに女性と言ったが外見は君より幼い、長い黒髪と漆黒の瞳の美少女。しかも黒いゴスロリ衣装に身を包んでいたりする。

アイス: え、ええでも僕には姫様が。

一同: (爆笑)

ラック: うーむ見事な思春期的回答や、二重丸やな。

ガラ: 嫌な予感がするのでラックに「痛み止め」を集中。

エルナ: 私はアイスに「大治癒」を準備します。何か前回とパターンが似てる気がしますから。

GM: しかしその容貌や周囲から放たれるオーラからは幼さはみじんも感じれない。むしろ人とは絶対に違う隔たりや、邪悪さすら感じる。妖魔夜行で言うところの「畏怖すべき美」と言うやつ。そして少女は自分のスカートを優雅に舞上げながら一礼してこう言ってくる。

少女: 上品さに欠けるが熱烈な出迎えをご苦労。わらわはアマラン=ゾウス、熱烈な歓迎に感謝して汝らは楽に殺してたもうぞ。

アイス: うぁー強敵の予感。

ラック: 逃げるで!と言ってアイスを引っ張るために部屋の真ん中まで移動。

GM: ラック君が向かいのドアから離れると同時にアイス君の目の前から彼女が消えて向かいの扉に立ってるんだけど。

ガラ: 瞬間転移?

ラック: く、逃げれんわけか。しょうがない戦うで。

ガラ: これだけ時間があれば「痛み止め」は掛けられるじゃろう。

エルナ: 私も何か別の呪文に集中するべきでした。

アマラン: やっとその気になったか。せいぜい生き汚く醜悪なワルツを踊れよ、脆弱な種族たち。

GM: 彼女の声をスタートにして戦闘開始だ。


アマランの攻撃は部屋に入ってきた霧を高質化して黄色い錐(決してだじゃれではない)にして打ち出すもの。この攻撃でダメージを受けると敏捷力が低下するのだが、ダメージ自体は決して高くない。

 

ラック: 意外といけるかもしれん。こっちの攻撃や重要器官を狙ってさしたる(コロコロ)直撃コース。

GM: アマランはよけない。君の槍が体を刺すとその部分が霧のようになって槍は貫通する。

エルナ: 霧になった。やっぱりヴァンパイアですか。

アイス: そう何度もそんなよけ方ができるとは思えません。


ところがアイスの予想に反してアマランは攻撃をことごとく霧になって(?)防ぐ。一方霧の中で視界が悪いせいもあり、前衛二人はアマランの攻撃を回避することができず敏捷力を落とされる。

 

ラック: くそーあかん、このままやったら真剣にやばいで。

ガラ: GM、質問があります。アマランは体の一部だけを霧に変化させているんですか?

GM: うん君たちにはそう見えるけど。

ガラ: もしかしたら・・・「エルナ強風で「空気変化」を」と言って自分は目をつぶって周囲の魔力を感じます。

GM: (正体に気がつかないんじゃないかと思って冷や冷やしたよ)この部屋の霧からはかなり濃密で邪悪な魔力が感じられる。

エルナ: 空気変化の対象は?

ガラ: アマランじゃ。それでおそらく本性が見える。

エルナ: (コロコロ)成功です。

GM: そうすると、それまでどんな攻撃でも傷つかなったアマランの肉体が風によって伸びたかと思うと霧散し黄色い霧だけが残る。

ガラ: やっぱりそうじゃ。あいつの本体は霧でそれが人間の幻覚をかぶっていたんじゃ。

GM: 君がそう言うと黄色い霧は、周りの霧を吸って部屋の1/3程の大きさになる。そして中心に人型の凹凸ができる。

アマラン: 脆弱な種が良く見破った。左様、我こそは肉体のくさびを脱ぎ捨てた完全なる不死者よ。

ラック: じゃあ今までの攻撃はあいつの体か。

ガラ: たぶん。妖魔夜行の「毒ガスの体」みたいなものだと思います。

エルナ: とりあえず「空気変化」は効果がないんですか?

GM: いや、君の風を受けている周辺は黄色い霧がない。

アイス: でもこれ以上はこちらもあちらを傷つけられませんよ。

ラック: さてどうする?


疾風のごとく輸送せよ!

 

ガラ: それ何じゃが、わしは呪文でアベンジャーを呼んでくるつもりじゃ。じゃからその間持ちこたえてくれ。

ラック: それまでに逃げ取るかもしれんが。アベンジャーが無理なら滑舌の悪いライダーを呼んでこいや。

GM: え、なんで?

エルナ: 近頃のライダーはアンデットの敵なんです。ではガラさん、お願いします。

アイス: あなただけが頼りです。

ガラ: う、成る程これが信頼の痛みか。


そして次のターン。姿を現したアマランの攻撃を前衛二人は防ぎきり、ガラは「瞬間移動」を実行する。

 

GM: 昨日の墓場ならペナルティなしでいけるよ。距離はここから2,5kmぐらいね。

ガラ: うーむ、2500メルーか。ここで失敗するわけにはいかない。(コロコロ)ぴったしで成功。

GM: では君は例の墓地に着く。

ガラ: 「身体感覚」は(コロコロ)成功。ここまで来てアベンジャーがいなかったら大笑いだな。とりあえず出せる限りの声でアベンジャ-を呼びます。「アベンジャー時計塔にヴァンパイアが現れたお前の力が必要なんじゃー!!」と。

GM: (さてアベンジャーは・・・)君がそう声を出すと墓の隅からアベンジャーは走ってくる。

ガラ: どれぐらいで来ますか?それと格好は?

GM: 距離的に考えて10秒ぐらい。格好は動きやすいようにライトレザーでイブニングスターを腰に下げている。

ガラ: ならこちらからも走って距離を詰めます。これで多少は時間が縮むはず。ついで会話も。

GM: ちょ、ちょっと待ってくれ、小学生の算数みたいだな。どれぐらい短縮できたのかはこちらで出すから、会話を続けて。

ガラ: 敵は霧が本体で普通の武器では傷つかない。お前の対アンデットよう呪文が頼りだ。

GM: ならアベンジャ-は頷きながら走ってくる。

ガラ: 後お前の体重はいくらだ。重要なことなんだ。        

GM: (正確には決めてなかったな。こいつ体力倍加とか持ってるんだが・・・まあそこら辺を無視するとドワーフとしては標準より下ぐらいか)ではアベンジャーは首をかしげながらこう答えてくれるが。

アベンジャー: 65カガルだが。

ガラ: 最後にお前は転移呪文を使えるか?

アベンジャー: いや無理だが。

GM: これぐらいで両者は遭遇する。7秒まで縮まった。

ラックのPL: こういう小さな努力がガープスでは大きいんや。

ガラ: GM質問があります。怪力によって増えた体力は荷重にも適用されますか?

GM: うん。

ガラ: それと怪力で体力上がっている間に疲労しても、上限まで回復させることができますか?

GM: うん、持続時間が切れたら増えた体力分はなくなるけど。

ガラ: なら、今からお前を送り届ける準備をする。とりあえず儂の腕についておる盾を切り落としてくれ。そうすればお主を送り届けることができる。

GM: 君がそう言うとアベンジャーは懐から短剣を取り出して、君の盾を固定しているベルトを切り出す。

ガラ: ではこちらも懐の使い魔を非難させてメイスを手放そう。それから全開で「怪力」(コロコロ)よし成功。アベンジャー、すまんが儂に「体力賦与」してくれ。

GM: 何点?

ガラ: 7点。アベンジャーには後で自分のエリクサーをあげます。

GM: ではアベンジャーは君の疲労を回復してくれる。

ガラ: その間に「瞬間移動」に集中。

GM: それはいいが君はあの時計塔で記憶に残った場所なんてあったっけ?

ガラ: ・・・何かなかったか?

エルナのPL: ほら周りから失笑を買った場所が。

ガラ: おおナイス念波です。あのあたりならきっちり覚えているはず。

GM: OK、階段あたりなら-1のペナルティでいいよ。

ガラ: ではアベンジャーの手を取って、「瞬間移動」(コロコロ)よし1失敗。

アイスのPL: それはだめなのでは?

ガラ: いやこの呪文に限っては1失敗ならダメージを食らって朦朧としながら目的地に着くだけ。

GM: ふむ、だいたい君が戦列を離れてから20ターンぐらいか。他の諸君はがんばって耐えてね。

ラック: だから逃げる言うてるやろ。


かくして残ったメンバーは20数ターンに渡って、地獄の追いかけっこを繰り広げるのだった。じつはアマランの移動力は低く、その気になれば逃げることはたやすい。しかし彼女は時計塔全域に自分の分身を放っており、それらからも逃げなければならない。おまけに

 

アイス: 敏捷力判定失敗です。

GM: では君はアマランに突っ込んだ。生命力-2で判定してみて。

アイス: 失敗です。

GM: では君の腕にある傷口からあっという間に血が抜けて、君の腕はミイラのようになる。5点のダメージだ。

ラック: 霧やと思ったらやっぱりジャスティスやったんか。

GM: あれほど強力ではないがね。ただ血を吸った霧は血の腕を作り出して次回から攻撃してくるから。

アイス: それ、無茶苦茶厄介ですよ。ああ僕の腕。


しかしこのピンチを防いだのはエルナだった。アマランが風(それこそ微風でも)で移動力を大きくそがれることに気がついたエルナは体力を消費しない微風の「空気変化」を連発する。

 

エルナ: 微風だと5メルー先まで風が出ますから、さっきの「空気変化」とつながりますよね。

GM: うーむ。これではまるで風の檻だ。風の隙間を張っていくのは時間がかかるんだがなー。


こうしてエルナによる的確な頭脳プレイによって見事20数ターン耐えきったのである。

 

GM: で瞬間移動した君たちは階段の踊り場に出る。

ガラ: 一階にそいつはおるのじゃ。

GM: アベンジャーは君がそう言うと無言で一階まで降りて、降りた直後に呪文の詠唱を始める。

ガラ: 「死霊払い」か?

GM: で4秒ほど詠唱したと後で、気合いと共に白い閃光が建物を包む。

ラック: なんや?

GM: 少なくとも君たちに見覚えのある呪文ではない。それと共にアマランの「ギャー」と言う声が聞こえて、エルナたちが相手をしていた霧たちも時計塔から姿を消す。

ガラ: なんと一撃で・・・。

アベンジャー: あれだけ大きな体ならばあの呪文はさぞ答えただろう。私はあの吸血鬼を追う。

GM: そう言って彼は時計塔の外に走り出す。おっとその前に君に一本の斧を差し出す。

ガラ: これは?

アベンジャー: 吸血鬼退治の報酬と思ってくれていい。もう私はこの町には戻らんだろうから渡しておく。

GM: そう言って今度こそ彼は去っていく。

ラック: うーむ、謎多き人や。

エルナ: 今回はきつかったですが、何とか生きてますね。

アイス: そう言えば僕の腕は・・・

GM: そこら辺の話は次週、今回もう時間がおしてるからまた次回。

 

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夏野コーパル夢談話(ネタばれ注意)

11月某日、マクドナ○ド店内。

夏野: と言うわけで第4回です。

コーパル: はーい、ドンドンパフパフー。

夏野: やる気ないですね。

コーパル: しょうがあるまい嫁さんが台湾に旅行なんだ。

夏野: ああ、寂しいんですか?

コーパル: いや、君も結婚してから数年たてば判るだろうが。こう言った時に人は「生き返るなー」と感じるんだ。

夏野: 家にネット環境がないから見られないと思って無茶苦茶言いますね。

コーパル: 問題なのは彼女が免税店でいくら買って来るかだ。下手すると予定していた「ガンダ○X」のメモリアルボックスが買えない。

夏野: まあそれはさておいて、今回の話ですが。

コーパル: PCだけでは完全な解決は不可能なシナリオだ。NPCとの協力が鍵だ。

夏野: これかなりの確率で全滅しません?

コーパル: いや事前にきっちり情報を集めたり「アベンジャー」や「ガヤン神殿」と協力体制を築けば後者はかなりの犠牲はできるが敵は倒せる。

夏野: あと霧のヴァンパイアというのは面白かったです。

コーパル: あれは作中の指摘がまんまモデル。アマラン=ゾウスについては・・・

夏野: アマラン=ゾウスは「はげいとう」の学名ですね。花言葉にある「不老不死」と「気取り」はまさに今回の彼女のイメージですね。

コーパル: そうだろう・・・って何で君が知ってるんだ。

夏野: いやー花言葉辞典の一冊や2冊はPLのたしなみです。

コーパル: 嘘をつけ。この雑学オタク。

夏野: そもそも世間の人が知識をひけらかしすぎるんです。知識とは10を知ってやっと1を教えれるものなんです。

コーパル: そんなもんかね。

夏野: そうです。さてアベンジャ-についてですが・・・

コーパル: 後で出演の可能性があるので詳しく言わない。それよりあの新製品イカスよね。

夏野: イカスは死語です。それといい大人がハッピー○ットに興味を持たないでください。

ぐだぐだになりながら続く。

 

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