黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第4話「青き騎士と白き姫」

 

仁義なき戦い

GM  まずは、成長報告を。

ヒスミ  体力を14に上げましたー。ユズキぃ、身長が1メルチ伸びたよぉ(笑)

イングリッド  いや、体力1上がると、身長の伸び1メルチじゃ済まないと思うけど(笑)

ヒスミ  その辺はネタですから(笑)

ユズキ  うぅ・・・またお嬢に身長を離された・・・

GM  一応、ルールブックには体力が上がっても身長は変わりませんって書いてあるけどな。人間だから普通に成長するだろう。

イングリッド  私は《活動中断》*1と、その前提呪文を覚えたわ。

GM  必殺の《殺菌》60レベル*2も近い。

イングリッド  近くない近くない(手をパタパタ)

ユズキ  (「ガープスパワーアップ」を見ながら)GM、この「陽光弾」って取っていいですか?

イングリッド  おお、ビームライフル

ユズキ  シューター型なんで、ライフルというよりビームガンですね。

GM  取ってもいいけど、ルールは「ガープスグリモア」の《陽光撃》に順ずるよ。

ユズキ  (グリモアのデータを見て)防護点無視じゃないのか。けど、《射撃武器屈折》《射撃武器反射》を無視できる効果は健在ですね。

イングリッド  しかも、「刺し」ダメージ?

ユズキ  その代わり、致傷力は3D-3なので「火炎弾」より劣ります。敵によって使い分ける必要がありますね。残りのCPは、すべて命中技能につぎ込みます。

GM  OK。では、ゲームを始める。

ユズキ  前回<風龍会>を襲撃してきた銀龍騎が、ザインだということが分かりました。

イングリッド  ザインのこと、私たちは知っていていいの?

GM  うんにゃ。ただ、モンタージュ写真を書いてくれたガヤンが一冊の本を渡してくれる。タイトルは「青き騎士と白き姫」。内容はPLに分かりやすいように言えばザインたちの物語「未来のイヴ篇」をベースに一部脚色変更して読み物にまとめた、シャストア信者著作の冒険活劇物だ。ちなみに一番の変更点は、ザインが17歳、ルイーネが15歳になっているところだろう。

一同  (笑)

イングリッド  12、3歳と7、8歳じゃ、ヒロイックストーリーとしては問題だからね(笑)*3

ガヤン  この話の登場人物にはモデルがいてね。主人公のモデル・ザインと、ヒロインのモデル・ルイーネのサインをもらいに行ったことがあるんだ。この銀龍騎の顔は、その人、ザインにそっくりだよ。

ヒスミ  何でそんな人が、私を妹って言うんだろう?

イングリッド  単純に考えれば、操られているのでしょうけど・・・

ユズキ  情報不足です。直接聞くのが一番早いでしょうが、まだ<風龍会>にいるのでしょうか? せめて、今の<風龍会>の様子が分かればいいのですが・・・

ショウ  俺が様子を見に行ってくるよ。お前らは今日は休め。その辺に適当な所にスペース作って寝てくれ。

イングリッド  そうさせてもらうわ。今日はもうクタクタよ・・・

 

 一行は散らかった部屋を軽く掃除し(掃除中、シマウマ柄のスーツが見つかったが一行は見なかったことにする)横になる。

 翌朝、帰ってきたショウから話を聞く。

 

ショウ  妙なことになってるな。北区のガヤンの連中が<風龍会>本部を押さえてやがる。

ユズキ  ガヤンが? なんで? うちとガヤンって、協力関係ですよね?

ショウ  外の連中は管轄が違うとかで、教えてくれなかった。そもそもそこがおかしい。<風龍会>本部のあるあたりはうちら東区神殿の管轄だ。

ヒスミ  ますます分からなくなってきたよぉ。

ショウ  <風龍会>の連中が、何人か脱出したらしいから、そいつ等から話を聞けば何か分かるかもな。ただ、俺じゃあ、そいつらがどこに行ったのか掴めねぇ。

ユズキ  彼らからは、僕が話を聞いてきます。「裏社会」で判定すれば良いですかね?

GM  うん。

 

 脱出してきた構成員と連絡を取るユズキ。

 彼らの情報から、<風龍会>を占領したガヤン信者たちは、銀龍姫たちが去った後に突入してきたのだという。指揮しているのは、北区のレイカー高司祭。

 

GM  ヒスミもユズキも、話には聞いたことがある。ガヤン至上主義者・・・というか、人々が平和に生活するには、青の月のみを信仰するべきだと説いている人。で、この街を、彼女が望む正常な形にするには、まずは裏タマットの組織を潰さなければならないと考えているわけだ。

ユズキ  建前で動いているのでしたら、独裁者ですが、本音だったら世間知らずと言ったところでしょうか。

GM  間違いなく後者。かなりお金持ちの家のお嬢ちゃんで、そうとう甘やかされて育ったらしいよ。性格は高慢でかんしゃくもち。

ヒスミ  そうくると、外見は美人の縦ロール?

GM  いや。容貌はむしろ悪い、太り気味の人だ。カリスマは持ってるから、恰幅が良い女性って感じ。

ヒスミ  お父様はどうなったか分かる?

組員  襲撃してきた奴に斬られた。ガヤンたちが入ってくる前にドクターが診たんだが、よく分からないことを言っていたな。

ユズキ  具体的には?

組員  命に関わる傷じゃないんだが出血が止まらないとか、魔法も効果がないとか。

イングリッド  あの子の持っていた、魔剣の効果かしら?

組員  一応、無理矢理止血したとか言っていたから、今すぐどうこうなるとは思わないけど、正直私じゃよく分からん。ドクターも捕らえられているしな。

ヒスミ  あうぅ・・・お父様ぁ・・・

ユズキ  お嬢、組長を助けるためにも、あなたがしっかりしないと。

ヒスミ  そうだけど、心配だよぉ・・・

イングリッド  それで、組長の居場所は?

組員  地下牢に連れて行かれるのを見ました

ユズキ  地下牢か・・・

組員  そうそう。それと、最初に襲撃してきた2人組みですがね。帰り際に言い争いをしていたんですよ。

ユズキ  言い争い? こういう場合は、ザインが銀龍姫に「なんで僕にこんなことをさせたんだ」とか怒ると言うのがパターンでしょうけど・・・

GM  なんでも、銀龍姫はザインを掴んで飛んで帰ろうとしていたらしいんだけど、ザインが「高いところは嫌だー。《瞬間移動》で帰ろうよー」とごねて、銀龍姫が「魔法使い過ぎて疲れたんだから、我慢しなさぁい」と怒っていたらしい。

一同  (笑)

ユズキ  うーん。間違いなくザインだ(笑)

GM  本の主人公も、高いところが苦手って書いてあるね。で、どうする?

ユズキ  下手にカチコミ(突入)かけると、組長を人質に取られる危険があります。地下牢は、屋敷のどこに?

GM  行くためには屋敷の奥まで行く必要がある。ただ、風龍会の地下牢の一番奥は、占拠された時に牢に閉じ込められた捕虜の解放ができるように隠し通路に通じていたりする。奥に行くのに2つの柵があるので、知らない人は重要人物を奥に入れるように作ってあるようにしか見えない。

ヒスミ  お父様を助けたいです。

ショウ  動くんだったら何かと物入りだろう。俺のへそくりの5000ムーナ。好きに使いな。

イングリッド  結構な大金ね。いいの?

ショウ  ああ。どうせ臨時収入で稼いだ金だ。

ユズキ  あ、僕も時々臨時収入もらいますよ。チンピラの小さな罪を見逃す変わりに、山吹色のお菓子もらってます。もっとも、僕の場合はその後組に報告しますけどね(笑)

ショウ  おいおい。そういう奴らは後でむしりとるために泳がせておくもんだぜ。

一同  (笑)

ユズキ  僕はチンピラを見逃してシマを荒らされるのが嫌ですので(笑)

ショウ  なるほどね。

イングリッド  話し戻して、組長を助けるのを最優先で動けばいいのね?

ヒスミ  お願いします。

イングリッド  いいのよ。そんな風に頼まなくても。(小声で)・・・今のうちに恩売っておいたほうが、後々有利だし。

ユズキ  組長が牢のどこにいるかが分かれば良いのですけどね。

イングリッド  使い魔のシュレディンガーを<風龍会>に潜入させてみましょう。感覚も共有してるし、心で会話できるし、賢いし、猫だから忍び足も得意よ。

ユズキ  良い手かもしれません。一般的なガヤン信者は建物に入り込んだ猫にいきなり切りつけるようなことはしないでしょうし(笑) 注意するのはドーベルマンでしょうか。

GM  ドーベルマンはガヤンが突入してきた際、全て捕らえられたそうだ。

イングリッド  だったら問題ないわね。

ヒスミ  わーい、猫にゃんだぁー。首を撫でると喜ぶのですよねぇー。

GM  そういや、イングリッドシュレディンガーって、感覚共有してたよな?

ヒスミ  なでなでー。

イングリッド  ちょっと、そこは・・・くぅっ。

ユズキ  おや? イングリッドさんどうしました?

イングリッド  何でもないわ、ちょっと感じちゃっただけ。

レベッカ  (ニヤリ)

ヒスミ  あ、レベッカさんが面白いことを思いついたような顔してます(笑)

ユズキ  話し戻しますけど、どうやって侵入させます?

イングリッド  塀の上に放り投げれば、入るのは簡単よ。どこかの障子に隙間でもあれば、猫の手なら開けられるわ。

ヒスミ  賢いですぅ(なでなで)

イングリッド  (悶えながら)だから、首はやめて・・・

ユズキ  脱出は?

イングリッド  (悶えながら)わざと見つかれば屋敷の外に放り出してくれるでしょう。だから、そこはやめてって・・・

ユズキ  イングリッドさん、少し変ですよ?

ヒスミ  顔も赤いし、風邪?(と、いいつつなでなで)

イングリッド  ねぇヒスミ。わざとやってるでしょ?

ヒスミ  なにがですか?(PLは笑)

イングリッド  悪意が無いのが、余計に性質が悪いわ(苦笑)

 

 こうして、猫の侵入作戦が開始された。人目の少ない瞬間を狙ってイングリッドシュレディンガーを<風龍会>本部の庭へ放り込む。その際わずかに音を立ててしまい、調べに来たガヤン信者がいたが、茂みの中に隠れやり過ごす。

 

ガヤン  誰もいないな。気のせいだったのか? こんなことになって、疲れてるのかもしれないなぁ・・・

ユズキ  この森から出て行け(笑)

GM  ガヤン信者はぶつぶつ言いながらその場を去った。

イングリッド  小柄な猫で助かったわ。さて、次は侵入経路を探さないとね。隙間が開いている障子はない?

GM  (サイコロ振って)目に付く範囲では見つからないね。

イングリッド  少し屋敷の周りを回ってみるか・・・

 

 一通り回ってみたところ、開いている障子は見当たらなかったが、裏の勝手口からガヤン信者が出てきた隙を狙って屋敷の中へと入り込むことに成功した。

 廊下の曲がり角での聞き耳(目標値12)や、人が来た時気付かれないかの「忍び」判定(目標値は14)も難なくこなし、スパイキャット・シュレディンガーは屋敷の奥へと進む。

 その途中・・・

 

GM  廊下を歩いているガヤン信者3人が、なにやら今回の突入と占拠について話している。

イングリッド  ちょっと危険かもしれないけど、立ち止まって聞き耳立てるわ。

ガヤンA  なあ、<風龍会>本部なんか占拠しちまって、俺ら大丈夫なのかなぁ?

ガヤンB  大丈夫なわけないだろうなぁ・・・。カチコミかけられたときは、俺は全力で謝るぞ。<風龍会>はチンピラ集団じゃないんだ。事情を話せば分かってもらえる。

ガヤンC  そうだな。そうしよう。

ユズキ  なるほど。ガヤンたちはこちらと戦う気はないわけですね。でしたら、カチコミもかけやすい。

ガヤンA  しかし、レイカー高司祭は本当に何を考えているんだ? ここを占拠してどうするつもりなんだ?

ガヤンB  大方、頭を潰せば組織が崩壊するとでも考えていたんだろうよ。

イングリッド  浅はかな考えね(苦笑) なんでそんな奴が高司祭になれたのかしら?

GM  親の七光り(どきっぱり)

一同  (笑)

ガヤンC  しかし、高司祭はどこで<風龍会>本部の状況を知ったのだろうな? 管轄の東区ガヤン神殿でもここの情報なんて手に入るものじゃないぞ。

ガヤンA  それだけじゃない。牢屋番をしている雉のミュルーンや高司祭が護衛とか言って外から雇ってきた連中。雰囲気が只者じゃないぜ。あいつらはどこの誰なんだ?

ガヤンB  分からないことだらけだぜ。俺らやばいことに巻き込まれているのかもしれないなぁ(ため息)

イングリッド  今回の件はレイカーって奴の暴走みたいね。それにしても、悲しいくらい人望がない奴ね(苦笑)

ヒスミ  ガヤンさんたちは弱腰ですし、お父様さえ助ければ簡単に問題は解決しそうです。

ユズキ  それにしても、屋敷の警備にこんな穴があるとは思いませんでした。取り戻してからは猫を見つけたら警戒するよう伝えておきましょう(笑)

GM  と、その時。

ガヤン  おや? 何でこんなところに猫が?

イングリッド  一箇所に長居しすぎたわね。ジグザグ走行で逃げなさいシュレディンガー

シュレディンガー  にゃ!(訳:ラジャ!)

GM  んじゃ、敏捷力の即決勝負といこうか。(ルールブックを取り出して)平均的な猫の敏捷力は・・・げ? 14もあるの?

イングリッド  余裕で勝ったわよ。

ヒスミ  さすがは猫です。

 

 猫の俊敏さを利用して、危機を脱したシュレディンガー。ガヤン信者たちも猫をスパイだと思うはずもないため、まったく騒ぎになることはなかった。

 そして、地下牢へ通じる階段を下り、ドアの前で向こうから開けられるのを待ち、開いた瞬間するりと隙間から入り込む。牢の番をしていた雉のミュルーンに見つかりそうになるも、なんとかセーフ。地下牢の様子を、じっくり見回る。

 

GM  本部にはいつも40人前後の構成員が詰めていたんだが、ここにはその半分くらいが入れられている。何人かはパンツ一丁だ。

一同  (笑)

ヒスミ  お父様は?

GM  1D6を振って。6が一番良い。ゴウケンの持つ「幸運」の使用は認めよう。

ヒスミ  よし。2回目で6が出ました。

GM  じゃあ、例のいざというときのための通路がある牢に入れられている組長を発見。息はしているようだが、意識は無いみたい。腹部に包帯が巻いてあって、包帯には血がにじんでいる。

ヒスミ  (心配そうに)お父様ぁ・・・

ユズキ  奥の牢にいるなら、好都合です。僕たちが地下通路通って助けに行くので、兵隊を集めて上ではカチコミかけてもらいましょう。

イングリッド  じゃあ、シュレディンガーを脱出させるわよ。

 

 シュレディンガーは、牢の番をしていたミュルーンにわざと見つかり外に放り出される。

 あまり時間をかけては、傷口が治らないという組長の命に関わる可能性がある。一行は逃げてきた組員に事情を説明。兵隊を集められるだけ集めるように言いい、今夜行動を開始することに決める。

 そして、夜がやって来た・・・

 

GM  ほとんど集める時間もなかったと言うのに、<風龍会>構成員は200人くらい集まった。数は中のガヤンの4倍。

イングリッド  さすが、この街最大の裏タマット。

ユズキ  中のガヤンは、恐らくすぐ降参するでしょう。拘束したらそれ以上手を出す必要はないと言っておきます。

ヒスミ  無駄な戦いは避けたいですからね。

ユズキ  じゃあ、僕たちは地下から組長の救出に向かいます。3分の2刻(約1時間)したら、カチコミかけて下さい。

ヒスミ  お願いしますね。

GM  せっかくだからヒスミ、反応判定を。

ヒスミ  出目は13ですので、「最高」がでました!

組員たち  任せてください、お嬢!

 

 ヒスミの激励で、構成員の指揮は高まった。

 一行はメイベルとレベッカをショウの家に預け、ヒスミのボディガードの水と木を連れて地下通路を進む。

 すると・・・

 

GM  通路の進行方向に何かいる。

イングリッド  じゃ、私は隠れるから(笑)

ヒスミ  早!(笑)

ユズキ  《持続光》の棒を向けてみますけど?

GM  そこには、3匹のドーベルマンがいる。ただし一匹は首が裂かれてるし、他の一匹は、目から脳髄らしきものがはみ出ている。その状態で動いているね。

ユズキ  死の猟犬?

イングリッド  ゾンビドッグじゃないかしら?

GM  イングリッド正解。死の猟犬にしては、サイズが小さい。さらに、ゾンビドッグの奥から人が現れる。ガスマスクに拘束衣、側面が刃になったトンファーを構えているという、実に怪しい姿だ。

ヒスミ  たしかに怪しい(笑)

GM  そいつらは、問答無用で襲いかかってくる!

イングリッド  (物陰に隠れて)ゾンビドッグの組み付きに気をつけて。出来るだけ間合いを取って戦いなさい!

ヒスミ  分かりました! 長さ2の大太刀を使う。

GM  この通路狭いから、大太刀は使えない。普通の刀も、技能に-6のペナルティね。

ヒスミ  その程度なら、大したことありません。間合いに入ってきた犬に向かって切ります。12てーん!

GM  ぐは! 痛みは感じないけど勢いで吹っ飛ばされて転倒した。

ゾンビドッグ  きゃうんきゃうん!

一同  (拍手)

 

 この勝負は、かなりあっさり決着がついた。

 ヒスミは狭い空間にもかかわらず刀をぶん回し、ユズキは新兵器「陽光撃弾」でゾンビドッグを焼き貫く(ただしダメージボーナスはない)。水と木は2人がかりで倒れた犬をメッタ刺しにし、イングリッドは邪魔にならないように安全圏に退避。

 で、2ターンで全滅したゾンビドッグを見て、ガスマスクの男は煙幕張って撤退した。

 

GM  煙幕は毒ではなさそうだ。ただ、目に入るとさすがに厄介。

ヒスミ  あいつら、なんだったのかな?

ユズキ  逃げる時には、いませんでしたよね。銀龍姫かガヤンの差し金でしょうけど・・・

イングリッド  ガヤンがゾンビを使うとは考えたくないわね。

ヒスミ  まだいるかもしれないから、気をつけようね。

ユズキ  そうですね・・・

 

 必要以上に警戒する一行だが、その後は何事もないまま組長のいる地下牢へ辿り着いた。そして、音を立てないように組長を回収し、脱出。

 

ユズキ  ガスマスクは?

GM  別に襲ってこない(手駒もないしね。)

イングリッド  本当に、あいつなんだったのかしら? 今考えても仕方がないでしょうけど。

 

 その後、カチコミをかけた<風龍会>構成員達の手によって、いともあっさり占拠された<風龍会>本部は解放されたのであった。

 

霧の村

GM  ガヤンの人たちは、ほぼ全員無傷、一部軽傷で捕まった。<風龍会>の被害は、「槍の達人」だった雉のミュルーンに構成員1人が殺られ、レイカー高司祭のガードが猿のような怪物に変身して、そいつとの戦いで4人が負傷した。なお、レイカー高司祭には逃げられたようだ。

ヒスミ  変身したってことは、<朝焼けの梟>関係でしょうか?

イングリッド  または<悪魔>信者。

ユズキ  そんな奴らとつるんでいたってことでしょう。ガヤン内に、もうレイカーの居場所はないでしょうね。

GM  それで、助けた組長は自室の布団に寝かせているんだが、傷口は相変わらず塞がらず。止血のお陰で何とかなってるけど、放っておくと危険かも?

ヒスミ  (心配そうに)あうぅ・・・お父様ぁ・・・

GM  この隙に組長の座とか狙ってみんかね(笑)

ユズキ  その時は、お供します(笑)

ヒスミ  そんなことしなくても、次期組長は私ですよ? お父様を殺してまで手に入れる必要はありません(笑)

GM  君、そんなこと考えてたのか(笑)

ヒスミ  え? 何か違ってますか?(笑)

GM  いや。

ヒスミ  だから、今はお父様を治すのが先です。

イングリッド  《大治癒》をかけてみるけど、効果は?

GM  ない。呪いのような反動を感じるね。しかも、かなり強力な。

ユズキ  一応、「大治癒弾」も撃ってみますけど?

GM  当たる直前に弾かれた感じだね。

ヒスミ  イングリッドさん、何とかできる魔法はありませんか?

イングリッド  覚えたての《活動中断》で出血は押さえられるわ。効果あるかしら?

GM 呪いの効果は「傷が治らなくなる」だけだから、有効だろうね。

イングリッド 気のせいか、今回のキャンペーン、狙ったように覚えたての呪文を使える機会が多いわね(笑)

GM  偶然だよ。

イングリッド  ただ、この呪文じゃ根本的な解決にはならない。強力な《呪い除去》でもあれば何とかなると思うけど、私じゃ無理。どこかに使い手でもいると良いんだけど・・・

???  その呪文の使い手、教えてあげまましょうかぁ?

GM  音もなくドアが開き、銀龍姫が部屋に入ってくる。

ユズキ  お前、どうやって? ここに来るまでに、警備がいたでしょう?

銀龍姫  あぁ、あの人たちぃ? 疲れてたんじゃなぁい。ぐっすり、眠っていたわよぉ。

ヒスミ  ええー?

ユズキ  それは、永遠に眠っているとかじゃないですよね?

銀龍姫  確かめてきたらぁ? その間に、私はヒスミの痣に触るからぁ。

ユズキ  くっ・・・

イングリッド  《呪い除去》の使い手を教えてくれるんですって? 一応、話だけでも聞いてあげるわ。さあ、教えなさい。

ユズキ  こいつの言うことを真に受けるのですか?

銀龍姫  あらぁ? 私は嘘をつくのって大嫌いよぉ? わざと重要なことを抜いて話したり、曲解させるように話すのはだぁい好きだけど。

ヒスミ  うそつきより性質が悪いです。

ユズキ  でも、真の詐欺師はそうでなくちゃ(笑)

イングリッド  納得してどうするのよ(笑)

ユズキ  今のはPLの意見です(笑)

イングリッド  ま、話だけなら、聞く価値あるでしょう。

銀龍姫  良い心がけね。じゃあ、教えてあげるわ。(ユズキを指して)あなた、「青き騎士と白き姫」って本、もらったわよねぇ?

ユズキ  え? ええ。

銀龍姫  その本に出てくる白き姫のモデル。その子を探してごらんなさぁい。

ヒスミ  探すってどうやって・・・

ユズキ  あ、この本くれたガヤンの人! 彼、モデルに会いに行ったって言ってた。

銀龍姫  たしかに伝えたわよぉ。あなたたちの敵対組織にも、同じ情報流しておくわ。

ユズキ  両者を疲弊させるのが目的ですか?

銀龍姫  そうねぇ・・・私が黒の月に帰るための布石・・・かしらぁ?

イングリッド  黒の月に帰る?

銀龍姫  20年前にあなたのお母さんと戦って、消滅しかけてねぇ。なんとか復活できたけど、力が弱くなっちゃって帰れなくなっちゃったのよぉ。

イングリッド  ねぇ、メタ情報だけど、こいつひょっとして<猫耳の>・・・

ユズキ  今、同じこと考えてました。

GM  銀龍姫は、入ってきたドアの前に移動する。

銀龍姫  じゃぁねぇ(背伸びして、ドアノブに手を伸ばす)

一同  ・・・・・・

銀龍姫  ・・・・・・

ユズキ  あの、ひょっとして、届かない?

銀龍姫  (少しだけ宙に浮き、ドアノブを捻る)じゃぁ、頑張りなさぁい。

GM  少しだけ頬を赤らめ、去っていく銀龍姫でした。

イングリッド  か・・・可愛かった。<悪魔>じゃなかったら、持って帰ってるところだったわ(笑)

ユズキ  あんな危ない奴持って帰らないで下さい! しかし、何考えているのでしょうね、あいつは。

ヒスミ  罠かもしれません。でも、お父様を助けるために罠でも行くしかないです。

ユズキ  そうですね。

イングリッド  ふぅ・・・私も付き合うわ。あなたたちには世話になったし、<風龍会>との糸を切りたくないしね。

ヒスミ  イングリッドさん、ありがとうございます。

イングリッド  いいわよ。お礼なんて。私は私の目的で手伝うんだし。

ユズキ  レベッカさんやメイベルさんはどうします?

イングリッド  連れて行くわ。神出鬼没のあいつが相手じゃどこにいても危険だろうし。それなら近くにいてくれたほうが安心できるわ。

ユズキ  分かりました。

ヒスミ  (恐る恐る)外見てみてみるけど、警備の人たちどうなってる?

GM  眠っている。恐らく《誘眠》の魔法による眠りだろう。

ユズキ  (胸をなでおろして)でしたら、普通に起こせば目を覚ましますね。

ヒスミ  何人か起こして、組長を助ける方法が見つかるかもしれないから出かけてくると言いますね。

組員  組長を助けに行くんでしたら、自分も!

ヒスミ  みんなにはお父様を守ってもらわなくてはいけません。お願いしますよ?

組員  へい。分かりやした。お嬢、お気をつけて。

ヒスミ  大丈夫だよ。ユズキも着いてくるから。

イングリッド  次に、モンタージュ写真描いてもらったガヤンの人に会いに行きましょう。

GM  ガヤンの人は簡単に見つかる。青き騎士と白き姫のモデルは、ゴードン山脈にあるカシム村の外れにすんでいるらしい。

ヒスミ  早速行きましょう!

イングリッド  ちょっと待って。色々忙しくて行けなかったけど、ペローマ神殿のクラリッサのところに眼鏡直してもらいに行くから。

GM  ああ、君の後援者だな。

ユズキ  他にも何かあったときのための準備はしておきましょう。あ、白き姫のサインもらいたいからサイン色紙も買っていこう(笑)

一同  (笑)

 

 他にも、食料や冒険必需品、「治癒」の霊薬を買い込んだ一行はボディガード集団の木と金を連れて、馬車に乗ってカシム村へ行くことに。

 

GM  さて、カシム村までは馬車で1巡りほどかかる。4日目までは順調に進むけど、5日目の午後、山林に差し掛かったときに馬車の前に女性が飛び出してくる。

ヒスミ  木さん、止まって! 「御者」判定は成功です。

GM  いや、判定しなくてもよかった・・・てか、ファンブルされたら困るから、してほしくなかったんだが(笑) それはともかく、女性は息切れしている様子だ。

ユズキ  どんな人です?

GM  小奇麗な服を着た良いとこの女性って感じ。20代くらいかな? 女性は君たちを見て、こう言ってくる。

女性  お願いです! 追われているのです! 助けてください!

イングリッド  怪しいわね、この人。何に追われているの?

女性  え? えーっと・・・そう。怪しい人たちにです!

ヒスミ  あんたの方が怪しい(笑)

ユズキ  どうしましょうお嬢?

GM  林のほうから音がしたと思ったら、バックラーとショートソードもった黒ローブが2人出てくるよ。

女性  (微妙にわざとらしく)ひぃぃぃ! 助けてー!

一同  ・・・・・・

ヒスミ  一応、2人組の前に立ち塞がりますね。大太刀抜いて牽制します。ユズキぃ、わけ分かんないからあと任せたね。

ユズキ  じゃあ、女性をこっちに呼びます。僕もお嬢の援護に向かうので、イングリッドさんその人警戒しておいてくださいね。

イングリッド  もちろんよ。馬車に乗せて、怪しい動きしたらすぐに飛びかかれる位置に行くわ。

GM  OK。

女性  馬車を出してください! 早く!

イングリッド  ・・・そうね、ゆっくり移動してちょうだい。

 

 黒ローブたちは、お嬢の大太刀とユズキの魔銃に警戒してか、はたまた別の思惑あるのか、2人から一定の距離を保って攻撃してこない。

 一方、ゆっくりと移動を開始した馬車の方は・・・

 

イングリッド  その女、どうしてる?

GM  メイベルの方を、じっと見てる。そして、なにやら呪文を唱え始めた。

イングリッド  後ろから口を塞ぐ! 組み付きの成功度は2!

女性  (捕まった)ほがーほがががが!

イングリッド  レベッカ

レベッカ  えい。鳩尾。

 

 この攻撃で、女性は気絶。幻術が解け、禿げていて眉やまつ毛のない男性がその場に残る。イングリッドは、外で戦っているヒスミとユズキを大声で呼ぶ。

 

GM  その様子を見ると、黒ローブたちは露骨に肩をすくめたりため息ついたりしながら、林の中へ消える。

ヒスミ  放っておきます。馬車に戻りましょう。

ユズキ  あいつら、女の人に従っていたわけじゃないみたいですね。

 

 合流した一行は、女性改め男性を縛り上げ、指を封じ、イングリッドの魔法で目を覚まさせる。

 

ユズキ  さて、何故僕たちを襲ったのか話してもらいますよ。返答次第では即月に逝ってもらいますが(魔銃を構える)

  お・・・おのれ。私を置いて逃げるとはあの黒ローブどもめ! やつらのせいで完壁な作戦が台無しではないか! あんな奴らに協力を求めたのが、この<顔無し>ヘルムの一生の不覚!

一同  <顔無し>ヘルム~!?

ユズキ  ねぇ、こいつ助けてやってもいい?(笑)

イングリッド  あんたのPLがヘルムのファンなのは知ってるけど、それはこいつから話を聞いた後(笑) さて、なんでメイベルを狙ったのか、しゃべってもらいましょうか。

ヘルム  (メイベルの方を見て)ふっふっふ・・・誤魔化しても無駄だぞ<無限竜>イングリッドよ! メイベルなどと偽名を使おうとも、このヘルム様の綿密な調べで、イングリッドは貴様だと分かっているのだ!

イングリッド  いや、イングリッドは私。そっちはメイベル。

ヘルム  誤魔化しても無駄だと言っておろう。私の胸ポケットに調査によって得たイングリッドの特徴が書いてあるのだ!

ユズキ  探してみます。

GM  簡単に見つかる。内容は、「車椅子の少女をとなりに連れた、メガネの女性」。

ヘルム  どうだ! 車椅子の少女と書いてあるだろう!

一同  ・・・・・・

ヒスミ  ねぇねぇ、この下の部分。読める?

ヘルム  そりゃもう。この私の頭脳にかかれば! えーっと・・・「をとなりに連れた、メガネの女性」? ・・・って、しまったぁぁ!?

一同  (苦笑)

ヘルム  ええい! この縄を解け! 最初から計画の練り直しだ!

イングリッド  ふざけるな!(頭を叩く)

ヘルム  痛っ。

ヒスミ  あ、いい音がした。

イングリッド  で、誰に頼まれたの? それに、なんであんたが<無限竜>の名を知っているの?

ヘルム  頼まれてなどいない。<無限竜>イングリッドを連れて行けば組織から大金がもらえるという情報が入っただけだ。ついでに、そいつを連れて行けば闇の世界で私の名が広がるのが確実と思ったまでよ。名前も情報にそうあっただけだ。

ユズキ  つまり、あなたは<朝焼けの梟>の構成員で、成り上がるために、何故連れて行けばいいのかも知らないまま、イングリッドさんを狙ったと。

ヘルム  構成員? バカにしてもらっては困る。この<顔なし>ヘルム様はいずれ<朝焼けの梟>大幹部になる男よ!

ヒスミ  今は?

ヘルム  所属すらしておらん!(えっへん)

イングリッド  いばるな!(叩く) ・・・でも、なんで<朝焼けの梟>は失敗作の私なんかを?

ユズキ  失敗作? いや、深くは聞きませんが・・・

ヒスミ  きっと、イングリッドさんがすごく綺麗だからですよ。

イングリッド  (ちょっと照れながら)そ・・・そう? ありがとうね。

 

 ここで考えても何かが分かるわけでもない。

一行は、ヘルムを解放するとしつこく襲撃してきそうなので、捕らえたままカシム村へ向かうことにする。

 そして翌日・・・

 

GM  前方に霧が見えるよ。

ヒスミ  黄色い霧でしたら、全力で逃げましょう(笑)

GM  いや、白い霧だ。ある境界線から決して広がろうとしない実に自然な霧。

イングリッド  十分不自然よ(笑) 《飛行》して少し上から見下ろしてみるわ。境界線はどんな感じ?

GM  円だね。見た所かなり広そう。

ユズキ  「オリエンテーリング」でもあれば、霧の中心の推測くらいできたでしょうけど・・・

ヒスミ  私たち、都会育ちだもんねぇ(笑)

イングリッド  霧に《呪文感知》。

GM  効果範囲内に霧を発生させる魔法だ。別段邪悪なものではない。

 

 謎の霧に警戒しつつも、一行は馬車を進める。

 

GM  さて、進行方向上からなにやら散漫な動きをした人影がたくさんある。

ヒスミ  刀をすぐ抜けるようにして警戒します。

GM  その人影は、「かゆー」とか「うまー」とかうなりながら歩いてくる。

イングリッド  「神秘学」判定は成功。あれは、ゾンビ?

GM  見た目はゾンビだね。ゾンビどもは、君たちに近づいて・・・

ユズキ  魔銃を構えます!

GM  来ることもなく、明後日の方向へ歩いていってしまった。

一同  はい?

GM  だから、ふらふらーとどこかへ行ってしまった。

イングリッド  私たちに気付いてなかった?

ユズキ  その可能性もありますね。

ヘルム  ふっふっふ。これも私の魔りょ・・・

イングリッド  黙れ(叩く)

 

 しかし、その後なんども「カユー」とか「ウマー」とか言っている半腐乱した人型の何かとすれ違うものの、一度も襲われることもなくカシム村へと辿り着いてしまった。

 

GM  村は濃い霧に包まれている。閑散としていて道行く人は誰もいない。いや、「かゆうま」どもは歩いているが。

ヒスミ  まさか、「かゆうま」に滅ぼされた?

イングリッド  でも、こいつら人を襲わないみたいよ?

ユズキ  イングリッドさん。魔法で誰かいないか探せませんか?

イングリッド  《生命感知》でも使えればいいんだけどね。幸い「かゆうま」は襲ってこないんだし、歩いて探索してみましょう。

 

 村を探索した所、霧と「かゆうま」から身を守るため、ジェスタ神殿に村人400人が集まっていた。

 一行は見張り台の男に事情を話し、ジェスタ神殿の中に入れてもらうことに。

 

GM  木こりが多い村なので体格いい人が多いんだが、その中でも一際でかい、中年の男が話し掛けてくる。

ジャック  俺はジャック・ランバート。土木組合の会長をしている。

ヒスミ  ヒスミ・フウリュウです。はじめまして(ぺこり)

ユズキ  僕はユズキ・フウレン。この霧と、外の「かゆうま」は一体何なのです?

ジャック  俺たちにも分からん。昨日の昼頃急に霧が出始めたかと思ったら、あの「かゆうま」どもが出現したんだ。

イングリッド  昨日か一昨日か、何か変わったことはなかった?

ジャック  昨日の朝方、旅人風の3人組が共同墓地の場所を聞いてきたな。なんでも、遠縁の墓参りしに来たらしい。顔見たのは1人だけだったが、えらいべっぴんだったぜ。あ、そこの嬢ちゃん(イングリッド)には劣るがな。

ユズキ  て、ことは、「容貌/美しい」ですか。

イングリッド  ふっ、大したことないわね。

ヒスミ  ぶぅー。

イングリッド  ヒスミは声もいいし、カリスマも持ってるから、ただの美人じゃないわよ。

ヒスミ  わーい。褒められたー。

ユズキ  墓地には、何か特別なお墓はありますか?

ジャック  2つあるな。50年前の六芒戦争のとき、一騎打ちに勝てば軍を退くという約束を守って、死にそうになりながらも約束を破ろうとした部下から村を守ったオーガー。その一騎打ちでオーガーを破った、燃える4つの輪を持ち、炎を操った「炎の姫」の墓がある。

ユズキ  オーガーにしては、ずいぶんと律儀な(笑)

ジャック  なんでも、強化手術で頭がよくなった形跡があったとかなんとか。ところで、君たちはこの状況を何とかするためここに来てくれたのかね?

ヒスミ  は! そうでした。お父様を助けるために、ルイーネさんの力が必要なのです! ルイーネさんのところに、連れて行ってください!

GM  すると、村人たちの間に動揺が走る。

ユズキ  動揺?

GM  うん。「ルイーネちゃんに会いに行くの? だったら俺が案内するよ」と数人が立ち上がろうとすると、「あ、てめーら抜け駆けすんじゃねぇ!」とそいつらを押さえる人たち。「ルイーネちゃんとこ行けば、レインちゃんに会えるかなぁ」「ああ、レインちゃんとメイアさんは、今、家にはいないらしいぜ」「えぇー、メイアさんもいないのー?」「でもローザちゃんはいるぜ」と、世間話に興じる人たちもいる。

ヒスミ  アイドルグループに会いにいくファンかこいつら(笑)

ユズキ  この村、ダメかもしれない(笑)

GM  ちなみに、神殿内を見回すと、騒ぎには参加しようとせず、露骨に君たちと視線を合わせようとしない人たちがいる。別名、妻子もち。

一同  (爆笑)

ヒスミ  あいつらのせいで、この村の男たちはだめになってしまったんだー(笑)

イングリッド  ある意味、霧より深刻かもね(笑)

ユズキ  ザインって、ルイーネたちの世話に疲れたからって村に下りてきても安らぐ場所がないんじゃ(笑)

ヒスミ  「ちょっと疲れちゃって」とか言うと、村の男たちから「あんなうらやましい所に住んでいて、何言ってやがる!」とか怒られそうです(笑)

イングリッド  あ、だから銀龍姫のところに行ったんじゃない?

GM  なるほど。それも面白そうだ。

外野の銀龍騎  やめてー! そんな情けないのは嫌ー!

GM  なお、女の人たちの中にも「今ザイン様いないから私は行かない」とか言ってる人がいる。

ヒスミ  ザイン「様」(笑)

イングリッド  人気者ねぇ(笑)

ヒスミ  ザインの大好きな村娘だよー(笑)

外野の龍騎  いや、別に、村娘が好きってわけじゃないですよ? 村長と綺麗な孫娘はセットってPLが思ってるだけですから。

ヒスミ  やっぱり村娘が好きなんじゃないか(笑)

外野の龍騎  なんでそうなるんですか(笑)

GM  自分から脱線しておいてなんだが、話し戻すぞー。

ヒスミ  いいよー。

GM  村人たちはそんな様子なんだが、どうする?

ヒスミ  視線そらした人を適当に指して、案内してもらえませんかと頼んでみましょう。

GM  選ばれた男は、「え? 俺?」と、すごく嬉しそうな顔をする。次の瞬間、妻か彼女かは知らないけれど、となりにいた女性にお尻をつねられている。

一同  (笑)

ジャック  この霧や「かゆうま」どものことを調べるにしても、彼女たちの知識と力は魅力だ。彼らを案内してルイーネちゃんたちをここに連れてきてくれないか?

村の男  分かりました。

 

 一行は、水と木は馬車の世話のために。メイベルもここに置いておいたほうが安全だと感じ、レベッカイングリッドも付き添いで残し。残るユズキとヒスミの2人は、村の男の案内で白き姫・ルイーネの住むという小屋へと向かう。

 途中、未来のイヴ編でザインのストーカーをしていた男、ディーブとその配下の美少年軍団たちが何故か「かゆうま」に襲われていたが・・・

 

ディーブ  ええい! この化け物どもめ! この美しい私に触れることは許さんぞ! 喰らえ《電光の瞳》!

GM  ディーブの目から電撃がほとばしり、「かゆうま」どもを焼き尽くす。

外野のイングリッド  こいつ、そんな高等呪文使えたのね。

ヒスミ  じゃあ、がんばってくださいねぇ(にこにこと手を振っている)

ディーブ  あ、こら! 人の心があるなら助けに来んか!

ユズキ  人の心はありますが、ナルシストでショタの心はありませんから(笑)

 

 別に苦戦しているようではなかったので無視。一行は何事もなく目的地に着いた。

 

GM  霧の向こうに、菜園や花畑に囲まれた小奇麗な家がある。

村の男  あそこが、ルイーネちゃんたちが住んでいる家です。

ヒスミ  (ノックして)こんにちわー。

ユズキ  白き姫かぁ・・・どんな人なのかな。本とサイン色紙持って、ワクワクしています(笑)

GM  奥から気だるそうな返事が聞こえた。少ししてドアが開く。そこにいるのは、赤いメッシュの入った短い金髪の銀龍姫!

一同  え?

ユズキ  え? 銀龍姫って、ルイーネたちと同じ顔なの?

GM  何を言っているのかねユズキくん。君には目の前の女の子が銀龍姫と同じ顔だということしか分からんよ。もっとも、外見は銀龍姫よりさらに幼いが。

外野のイングリッド  まあ、緑の血の時点でPLはその可能性考えてたけど・・・

赤いメッシュの少女  あんたら誰? 霊薬を買いに来たのか?

ヒスミ  あ、そうでした。私はヒスミ・フウリュウって言います。お父様を助けるために、ルイーネさんの力を貸して欲しいのです!

赤いメッシュの少女  ふぅん・・・霧女の仲間じゃなさそうだな。

ヒスミ  霧女?

赤いメッシュの少女  ああ、昨日ルイーネを渡せって襲撃かけてきてな。もっとも返り討ちにしてやったが。

ヒスミ  強いんですね。

赤いメッシュの少女  鎌の性能のお陰だな。この鎌は非実体も切り裂く。それはともかく、ルイーネ。お前に客だ。

GM  奥から女の子の元気な返事が聞こえる。そしてパタパタと音を立ててやって来たのは、とびきり可愛くはあるんだけど、清楚で可憐な乙女と表記された白き姫とは似ても似つかぬ、7、8歳の女の子。

ルイーネ  ローザ、お客さんってこの人たち?

ユズキ  ・・・パサァ(あまりのショックで、本と色紙を落としたらしい)

赤いメッシュの少女→ローザ  ・・・ん? (落とした本と色紙を見て)ああ、お前もその口か。(ユズキの肩を叩き)ま、「現実は小説より奇なり」ってことだ。諦めな。

ユズキ  いや、それ、使い方間違ってます・・・。GM、メタ情報ですけど、このローザってロートですよね?

GM  うむ。ザインが彼女の後姿を何度かルイーネと間違えてしまったから、髪を切ってイメチェンした&コードネームのようなロートという名前を変えたんだ。

ヒスミ  ルイーネもロートも、ザインに間違えられるのってショックだろうなぁ(笑)

GM  では、話を戻そう。

ヒスミ  ルイーネちゃんに、かくかくしかじかで説明します。お願いだからお父様を助けてください! 口を滑らせて、斬ったのがザインだとかも言っちゃいます。

GM  話を聞いてると、ローザとルイーネの顔がみるみる青くなっていく。

ローザ  どういうことだ? 旅先で何かあったのか?

ルイーネ  でも、今のザインに勝てる人なんて、お母さんかヒンメルさん以外いないよ!

ローザ  肉体的にはな。不意をついて精神を操られてしまったのかも。とにかく、その斬られた人というのを見てみよう。少し待っていてくれ。空飛ぶ絨毯を持ってくる。

ヒスミ  魔法の絨毯? ファンタジーで素敵ぃー。

 

 ローザ、ルイーネを連れたユズキとヒスミ、村の男は、6人乗りの魔法の絨毯で村のジェスタ神殿へと戻ってきた。

 

GM  ルイーネたちの訪問に、村人達は大いに喜んでいる。で、ルイーネがイングリッドのことをジーッと見ているよ。

イングリッド  ・・・何?

ルイーネ  あ、ごめんなさい。ヒンメルさんに似てたから・・・

イングリッド  お母様を知っているの?

ルイーネ  え? ヒンメルさんの子? わぁ、だったら私たちのお姉さんだ! ヒンメルさんは、お母さんのお姉さんなの。

イングリッド  また、妹が増えたわ(笑) この調子だと12人くらい集まるかもしれないわね。

GM  聖闘士星矢だったら、その8倍の数の兄弟がいるぞ(笑)

ヒスミ  私とも従姉妹になるんだ。わーい、妹ができたー。

イングリッド  そう考えると、ザインがヒスミのことを妹って呼んだ理由も分かるけど・・・

ユズキ  それだけが理由でしょうか?

ヒスミ  今度会ったら、直接確かめます。

GM  さて、そんなことを話していると、ジャック氏が話しかけてくる。

ジャック  急ぎの用なのは分かっているつもりだが、良ければ霧や「かゆうま」の調査をしてもらえないか? もちろん報酬は出す。

ヒスミ  そうですね。あまり日にちはかけられませんけど、ルイーネちゃんのところに案内してもらった恩も返さなければなりません。

ユズキ  渡世の仁義ですね。まずは、件の共同墓地に行ってみませんか?

イングリッド  メイベルのことがあるから、私はここに残るわ。変わりにシュレディンガーを連れてって。

ローザ  あたしも行くよ。ルイーネはここに残れ。

ルイーネ  うん。

 

 ヒスミ、ユズキ、ローザの3人は、霧が漂い「かゆうま」が闊歩する中、村の共同墓地へと向かう。

 途中、今まで一度も襲撃を仕掛けてこなかった「かゆうま」どもに2度も襲撃されるが、危なげなく撃退する。

 そして・・・

 

ローザ  ・・・妙だな。

ヒスミ  なにがですか?

ローザ  あたしは記憶力には自信があるんだが、この「かゆうま」・・・まあ、ゾンビどもだが、村の人間じゃないぞ?

GM  なお、「かゆうま」どもの腐乱度は、どれも同じに見える。

ユズキ  こいつらは、共同墓地から来たゾンビじゃない?

イングリッド  ・・・・・・!! GM、今の話シュレディンガーを通して聞いてても良い?

GM  いいよ。

イングリッド  だったら叫ぶわ。みんな気をつけて! 敵の狙いはルイーネちゃんよ!

男A  なんだってー!

男B  ルイーネちゃんを狙うとは、ふてぇ奴らだ!

  (冷たい声で)あなた・・・

男C  ご、誤解だ! 俺は純粋に幼女を狙うような悪漢が許せなかっただけで・・・

一同  (笑)

ヒスミ  私たちも神殿に戻るよ!

ユズキ  はい!

GM  さてイングリッドが叫んだ直後、閉め切ってある神殿の窓の隙間から霧が集まってくる。その霧は神殿の中央で縦ロール、ロングヘア、ショートボブの3人の美女の顔を浮かび上がらせる。

縦ロール  ホーッホッホッホ! よくぞ、わたくしたちの作戦に気付いたわね。誉めて差し上げるわ。

ロング  でも、残念だったわね。霧へと変じる能力を持つこの霧島3姉妹を、霧を切り裂く鎌を持った小生意気なメッシュのお嬢ちゃん抜きで倒せるかしら?

イングリッド  ふっ。あなたたちこそ、ごっつい男達が総立ちの中、ローザが帰ってくるまでに、おちびのルイーネちゃんを見つけることができるかしら?

3姉妹  ・・・・・・

一同  ・・・・・・

縦ロール→霧島長女  ホーッホッホッホ! 今日のところは引き分けにしといてあげるわ!

一同  (爆笑)

イングリッド  よし、勝った!

ロング→霧島次女  引き分けって言ってるでしょうが! 覚えてなさい! 次に会うときは霧の状態で攻撃できるようになっておいてあげるわ!

ヒスミ  弱点暴露してます(笑)

霧島長女  戦略的撤退よ。量産型人造生命も引き上げさせるわよ。

GM  霧島3姉妹は、窓の隙間から逃げて行ったようだ。

イングリッド  量産型人造生命体? あの「かゆうま」のことかしら?

 

 イングリッドジェスタ神殿に戻ってきた3人に事情を説明。その後「かゆうま」どもは見当たらなくなったが、霧は消えていないため共同墓地を探索。すると、広域に霧を発生させる効果を持つ魔法の壷を発見した。邪悪なものではないが魔法の品を破壊するのも怖いので、ミディアに持ち帰ってイングリッドのコネ、ペローマ信者のクラリッサに預けようという話になる。

 また、ジャックの話にあったオーガーと炎の姫の墓が荒らされていることも発見する。

 

ユズキ  この事件、まだ裏がありそうですね。

イングリッド  そうね。霧島3姉妹の目的だけなら、墓を荒らす必要は無いわ。

 

 さらに、村の周辺でいくつもの内側から掘られたような穴を発見する。種を明かせば量産型人造人間が生えてきた跡なのだが、GMが情報を流し忘れていたのでPCたちにはそれが何なのかは分からなかった。

 その後、一行は魔法の絨毯に乗り<快楽都市>ミディアへと急ぐ。

 その途中ヒスミがはしゃいで絨毯から落ちそうになったり、水と木は定員オーバーで置き去りにされたり、途中からヘルムの存在を完全に忘却していたのは秘密だ。

 

ヒスミ  どこかに行くたびに、ボディガードが置いていかれる気がする(笑)

 

若さゆえの過ちというもの

GM  さて、快適な空の旅を終えて、君たちは<風龍会>前に帰ってきたわけだが、門の前に銀龍騎がいる。

一同  え!?

GM  それを目ざとく発見したルイーネは、《瞬間移動》で銀龍騎の元に移動するが、銀龍騎も君たちに気付いたみたいで駆けつけてくる。で、目標を失ったルイーネは地面にダイブ。

ルイーネ  (鼻を押さえて)あうぅ・・・

龍騎  ヒスミ。戻ってきたんだね。待ってたんだよ。

ユズキ  (銃を構えて震えながら小声で)この野郎・・・お嬢を呼び捨てにすんじゃねーよ・・・

ルイーネ  ザイン! こんなところで何やってるの? 一緒にうちに帰ろ?

龍騎  君、誰?

ルイーネ  ・・・え? な・・・何言ってるのザイン?

龍騎  いや、君が誰かって聞いたんだけど?

ルイーネ  ふ・・・ふぇ・・・ふぇぇぇぇぇん!(大泣き)

龍騎  (困惑して)え? ど・・・どうして泣くの?

ルイーネ  う・・・嘘だよねザイン? 私の事、忘れたりなんかしてないよね?

龍騎  ごめん。君は僕のことをよく知っているみたいだけど、僕は君のことを覚えてないんだ。

GM  待て、なんだその微妙な表現は(笑)

ルイーネ  そ・・・そんな・・・私・・・私は・・・私は昔の女だって言うのっ!!?

一同  (爆笑)

GM  お前もお前で、何を言っている(笑)

イングリッド  やりたい放題ねあんたたち(笑)

GM  このまま聞いてても楽しそうだけど、話を進めよう。銀龍姫が《瞬間移動》してくる。

銀龍姫  どうしたのぉ、銀龍騎ぃ?

龍騎  あ、姫。

ローザ  ・・・シュバルツ?

ルイーネ  (すごく不機嫌そうな顔して)ザイン、その女の人、誰?

龍騎  あ、僕は今、この人と一緒に住んでるんだ。

ルイーネ  ど・・・同棲ぇぇぇぇ!?

銀龍姫  ねぇ、銀龍騎ぃ。こぉんな、む・か・し・の・お・ん・ななんて放っておきましょう。あなたにはやることがあるでしょぉ?

ルイーネ  むきぃぃぃぃぃ!

 

 ルイーネはだだっ子パンチを放った! しかし、銀龍姫のほうが手が長い! だだっ子パンチは届かなかった!

 

ローザ  (銀龍姫に)貴様・・・貴様が何故活動している? 答えろルイーネ・シュバルツ。

銀龍姫  (ルイーネの頭を押さえながら)貴様如きの頭では、考えるだけ無駄無駄!

イングリッド  それは確かにシュバルツだけど、ちょっと違うわよ(笑) あなたたち、どういう関係なの? どう見ても3姉妹にしか見えないけど。

銀龍姫  教えてあげなぁい。

ローザ  悪いが、教えられない。

ヒスミ  こんな時だけ息ぴったりです(笑)

イングリッド  謝る必要は無いわよ。次にザインに話しかけるわ。ザインくん。あなたは、ヒスミをどうしたいの?

龍騎  ザイン・・・それは僕の名前なんだよね?

イングリッド  多分ね。

龍騎  僕は、ヒスミに謝りたいんだ。

ヒスミ  ふぇ?

龍騎  記憶を無くす前、僕は家族にとてもひどいことをしてしまったみたいなんだ。それが何だったかは分からないけど、せめてもの償いに僕はヒスミに謝りたい。そして、できればまた一緒に暮らしたい。

ヒスミ  え? 私、あなたと暮らしてたことなんて無いよ?

龍騎  それはきっと、ヒスミも記憶を無くしているんだよ。

イングリッド  償いがしたいんだったら、まずはあなたの記憶を戻すのが先決だと思うけど? なんだったら確実に記憶を取り戻させてくれる人、紹介しましょうか? あ、お母様のことね。

龍騎  記憶は・・・いやだ・・・。(突然取り乱して)僕は、記憶なんて要らない! あんな・・・あんな悲しいことをっ!

GM  取り乱した銀龍騎を見て、銀龍姫は舌打ちをする。そして、銀龍姫が指を鳴らすと銀龍騎が消える。

ルイーネ  ザイン!

イングリッド  (怒気を含んだ声で)あんた、一体何が目的なのよ!?

銀龍姫  目的ぃ? 前にも言ったじゃない。黒の月に帰ることだぁって。

イングリッド  そのために、人の記憶を弄ぶ必要があるの!?

銀龍姫  うふふ・・・さぁあ? こっちの準備もまだ完全じゃないから、今日は帰るわねぇ。

GM  そう言って、銀龍姫も姿を消した。

イングリッド  嵐は去ったようね。また来るでしょうけど。

ヒスミ  じゃあ、ルイーネちゃん。お父様を診てくれる?

ルイーネ  嫌だ・・・

ヒスミ  え?

ルイーネ  嫌だ! 私からザインを取っていく人に手を貸すなんて、絶対嫌だ!

ヒスミ  え? 私、ザインを取ってったりなんかしないよ?

ルイーネ  でも、ザインは私じゃなくてあなたを待っていた。どうして? どうして私じゃないの!?

ヒスミ  そ・・・そんなこと言われても・・・

イングリッド  確かにザインはあなたじゃなくてヒスミを待っていた。でも、それは記憶を失って、恐らく操られているからよ。元に戻すためにはザインに会わなきゃいけないわけだし、ザインが追っている人に手を貸して近くにいるのはいい方法だと思うけど?

ルイーネ  ・・・分かった。あなたのお父さん、診てあげる。

ヒスミ  あ・・・ありがとうルイーネちゃん!

 

 一行はルイーネ&ローザを連れ、組長の部屋へと向かう。

 

ローザ  (傷を診て)この傷は、ザインの剣じゃないぞ? あいつは曲刀を使っているけど、これは直剣の傷跡だ。

ルイーネ  でも、傷口の呪は同質のものだよ? もう一本あんな剣があるのかな?

ヒスミ  治せそう?

ルイーネ  やってみる。《呪い除去》の目標値はペナルティ入れて13で(ころころ)成功。これで、回復呪文が効くようになったはずだよ。

 

 この後、イングリッドの《大治癒》とユズキの「大治癒弾」の連続がけによって、組長の傷は見る見る癒された。そして、イングリッドの《覚醒》で目を覚ます。

 

ゴウケン  いやいや。助かった。君たちにはいくら感謝しても足りないくらいだ。

ヒスミ  よかったぁ、お父様・・・

ユズキ  組長に、今までの経緯を詳しく話します。

ゴウケン  なるほど。やはりザインくんだったか。

イングリッド  組長は、ザインと知り合いなの?

ゴウケン  直接会った・・・と言っても、すぐに殴られて気を失ったが、とにかく会ったのはあの時が初めてだ。だが、彼の妹のレインはうちとも繋がりがあってな。しばらく前にザインくんが行方不明になったから、もし見つかったら連絡を入れるように頼まれていた。

ユズキ  レインはタマット信者でしたからね。

ゴウケン  それで、そちらの2人は、ザインくんに会うためにここに泊まりたいという話だったな。部屋を用意させるとしよう。

銀龍姫  (いきなり現れて)じゃあ、私も泊めてもらおうかしらぁ。

一同  泊まるな!

ユズキ  今度は今度で、どうやって入ってきた!

銀龍姫  外の警備員のことぉ? 飴あげたら、入れてくれたわよぉ。

ユズキ  そんなバカな・・・

イングリッド  《忠実》なり《魅了》なり使ったんでしょう。

ユズキ  あなたに用はありません。出て行ってください。

銀龍姫  あらぁ、そんなこと言っていいのぉ? 私は<朝焼けの梟>の幹部や構成組織の拠点とか知ってるのにぃ。

イングリッド  何であんたが、そんなことを知っている?

銀龍姫  私の情報網を甘く見ないでもらえるかしらぁ? それに、知らなかったら霧島3姉妹にも<顔無し>ヘルムにも、情報流せなかったじゃなぁい。

イングリッド  あれはあんたの差し金か。

銀龍姫  私は情報を流しただけ。手を出したのは私じゃないわ。

ユズキ  詭弁ですね。

ゴウケン  落ち着け。こういう手合いに一々突っかかっていては相手の思う壺だ。ここは泊まらせて様子を見ようではないか。

銀龍姫  さっすがぁ。話がわかるぅ。

一同  ・・・・・・

 

 かくして、奇妙で厄介な同居人たちが加わることとなった<風龍会>。こんな奴と一緒に暮らして大丈夫なのか?

 それは、サイコロ神ですら分からない・・・

 

GM  しかし君らよ、見事に誤解を生むようなセリフばかり吐いてくれたな?

龍騎  誤解を生むようなセリフを選んでしゃべりましたから(笑)

ルイーネ  楽しかったよぉ。

GM  君のルイーネのおかげで、未来のイヴ編が台無しになったような気がするなぁ(笑)

ルイーネ  ニヤリ。

龍騎  あの時は本当に守ってあげたいと思ったんだけどなぁ。きっと、僕も若かったってことだね(笑)

GM  むぅ・・・認めんぞ。「認めたくないものだな。自分自身の若さゆえの過ちというものを」などという言葉は認めんぞっ!

一同  (笑)

龍騎  ルイーネを正常に戻したいんだったら、彼女に演じさせない方がいいですよ。もともとNPCなんだし、またGMが演じれば?

ルイーネ  いやだぁ。ルイーネは私が演じるぅ。

GM  ま、なんとかなるか・・・

  

次回へ続く 

*1:対象の生命活動を一時的に停止させる魔法。行動不能になるものの、出血や毒、病気の進行も止めることもできる。

*2:範囲内の菌を殺す魔法だが、善玉菌も殺してしまうため生物にかけた場合大きなダメージを与えることができる。集中時間が5分なので戦闘では使えないが、レベル60まで上げれば瞬間で発動可能に。ついでに、第4版では《除菌》に名を変え、範囲内の表面を除菌するだけの魔法となった。

*3:ザインとレインの兄妹は、龍の鼓動篇にて時間の流れの違う空間に3年近くいたため、イブ篇のプロフィールでは15となっているが、実際は12、3歳。