黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第2話「たった二つの冴えた選択?」

男はこの町で長いこと故買屋を営んでいた。この商売に必要な者は三つ。客を裏切らない鑑定眼と、客のことをしゃべらない堅い口と、いざという時に嘘をつける軽い口だ。

そう言った意味で言えば20年近くこの町で商売をしている男はその三つに関しては誰よりも持ち得ていた。ただそれと商売繁盛が結びつかないのもこの商売の面白いところだ。実際一日の半分がおわって、今日の売り上げは0なのだ。

「すいません~。」

「鈴の音のような」陳腐な吟遊詩人ならそう表現したであろう声が店に響いたのはそんな時だ。入ってきたのは13.4歳の少女だ。

旅の後か身なりは薄汚れているが、その漂わせる雰囲気は明らかに・・・

(帝国からの亡命か)

そう考えた瞬間に男の中で算盤が弾かれ始めた。何それほど悪いことをするわけではない。少女がこれから出すであろう貴金属の値段から何割かを、「秘密を守る代金」にするだけだ。

「それでなんのご用でしょうか!?」

笑顔を浮かべた男の表情を曇らせたのは、少女の後ろから入ってきたミュルーンだ。男の商人としての感が告げていた。

「あいつは食えない」と。


GM: と言うわけで第二回だ。各人の成長を報告してくれ。

ラック: わいが新しくとった「商人」が早速役にたったで。後「滑空」と「荷重飛行」も伸ばしたで。

GM: 覚えたばかりの技能で、熟練の商人を負かすとは恐るべきミュルーンの銭への精神。

アイス: ただの出目だと思いますが・・・僕は「ソードブレイカー」を伸ばすつもりなので今回はCPを貯めました。

エルナ: 「空気変化」「空気噴射」「天候予測」をとりました。

ガラ: わしは「他者転移」「作音」「幻覚」を覚えた。


海運都市サンポート


GM: (メモをとりながら)OK。では今回のセッションを始める。前回のセッションの後、君たちは帝国に向かうために運河沿いの交易都市に来ている。

アイス: 都市の名前はなんですか?

GM: えーと(持ってきた資料を探している)ごめん誰かルナルの完全版持ってきてない?

一同: 首を横に振る

GM: まいったな。後で来るサブマスに完全版を渡してるんだよ。しょうがない各人、港の名前と聞いて頭に浮かんだ単語を行ってくれ。

アイス: ミナトポート。

エルナ: ムーランルージュ

ラック: アリアハン

ガラ: サンポート。

GM: 一番的まともなのは「サンポート」か?家の近くのショッピングモールなんだけど(笑)まあいいや、では君たちは港町サンポートに到着した。

アイス: 何でサンポートって名前なんですか?

ラック: それはやな。10年ほど前にこの町でヴァンパイアによる大量虐殺があってな。それ以来この町は不死者を敵視しとるんや。やから町の名前に不死者の嫌う「太陽」を入れたわけやな。

エルナ: おお、急にサンポートの町に重い歴史ができましたよ。

GM: 歴史に深みが出るのでラック君の意見を採用する。

ラック: じゃあ、うがいをしながら町に入ろう。

エルナ: ラックさん、なぜうがいをしているのですか?

ラック: しょうがないやろ。町に入る前に吸血鬼やないって照明するためニンニク飲んだんやから。姫さんもやったやろ?

アイス: 姫はそんなことしていません!

ラック: えー、種族差別や。GMこいつらもやらんといかんよな?

GM: え?(そもそもなぜニンニク?)

ガラ: わしらは青の月の信奉者じゃから、浅い小川を渉るだけじゃったぞ。

ラック: ちょっと待て、姫とボンはそれでいいやろうけど、お前は魔術師やろうが。

ガラ: この格好で審査を受けていると、連中が勘違いしてくれたんじゃ。

ラック: あかん!ここの審査はざるや。みんなこの町はまたヴァンパイアに滅ぼされるで。

一同: (爆笑)

GM: なるほど君たちはそうやって騒ぎながら町にはいると。追われる身ではないのかね?

ラック: この一団を姫と護衛と思う奴はおらんやろ?我ながら見事な演技やな(笑)

GM: はいはい。町に入った後はどうするんだい?

エルナ: とりあえず、ラカンさんを探します。

GM: OK。


数年前までジェスタノ神殿で仕事をしていたラカンは町でも有名人であり、一行は難なくラカンの家にたどり着いた。

ラカンは巨漢の紳士で一行を快くもてなしてくれた(若干一名茶菓子に文句をつけたものがいたが・・・)


ラカン しかしサーライト閣下のご息女がなぜこのような場所に。

エルナ: え、えっとですね。

アイス: (エルナを遮り)姫様は初対面の方とお話しすることを苦手とされています。ここは姫様に変わって僕が話します。よし今回の騎士ポイントを稼いだ。

ラック: 「騎士ポイント」ってなんや。

ガラ: たくさん貯めて送ると抽選で「銀の騎士」と「金の騎士」が。

エルナ: (小さい声で)「内気」克服の為に自分で話そうと思ったのに。

アイス: そんな!僕は姫のためを思って。

ラック: 「おもちゃの騎士」は当分当たりそうにないな(笑)

GM: 話し続けていい?


アイスはラカンにここに来るまでの一件をかいつまんで話し、その上で自分たち護衛してほしいと頼んだ。


ラカン 判りました。

GM: 彼はそう言うと壁に掛けている斧を右手にとり、左手でエルナの手を握り部屋から出ようとするよ。

エルナ: え、え?

アイス: 今すぐですか?

ラカン 当たり前だ。追っ手が迫ってきている現在、姫様には一刻も早く儀式を済ませて本国に渉ってもらわねば。

ガラ: 儀式とは?

ラカン 私も詳しくは知らんがティーグ家ゆかりの者はこの町近くの山中にある「聖堂」で成人の儀式を行う決まりなのだ。

ラック: 「直情」な人やなー。でもオッチャンの言う儀式はしといたほうがええやろ。わいらも準備せんとな。

ラカン すまないが君とそこのドワーフの御仁に来てもらうわけにはいかんのだ。

ガラ: 我々が信用できんということかな?

ラカン そうではない。ただ「聖堂」は儀式を行うものとそれを守護する騎士しか入れんのだ。

ラック: それならしゃーない。

GM: あれ?ここで口論になるとおもったんだが・・・。

ラック: 余分な金がもらえるんなら、幾らでも口論するけどな。その代わり町でいろいろやりたい事があるんや。オッチャン「この二人は信用できる」て感じで一筆書いてや。

ラカン それぐらいならかまわんが。

ガラ: そもそも儂は巻き込まれたわけじゃから。向こうが「ついてくるな」といえば行かんよ。

GM: (成る程ね。さてどうなるのかな?)


かくてパーティは二組に分かれることになった。このことが後に厄災を招く種になるのだが・・・


サブマス(SM): 遅れましたー。

GM: 遅かったね。悪いんだがパーティが二手に分かれたんでアイスとエルナのほうを捌いてくれ。

SM: (シナリオに目を通して)ここですね。

GM: (小さな声で)戦闘はその表で振ってくれ。

SM: 了解。

かくしてアイスとエルナのPLは別室に移動。ガラとラックの二人のルートになった。


ビッグマウス・バード


GM: で二人は町に残ってどうするの?

ラック: 帝国行くにも隠れるにも船が便利やな、移動用の船を手配するわ。貨物船とかええな。

ガラ: 隠蔽用にはいいじゃろうが、あの騎士は姫が乗るのを承知するか?

ラック: 承知させるんや。ジェニがもったいない。

GM: 結局そこか。


二人は帝国まで乗せてくれる船を捜すが、ことごとく断られる。最初はラックの無茶な値引きのためかと思ったのだが・・・。


漁師: 近々、運河ででっかい捕り物があるらしいんじゃ。その日と重なると面倒じゃからそういう仕事は受けんようにしておる。

ラック: 捕り物?

漁師: ああ、スリや強盗をやる窃盗団がいてな。そいつらが時々船で故買屋に盗んだものを売りに行っとるらしい。

ラック: それで捕り物かいな。めんどうやな。

漁師: そうはいってもこちらもガヤンは怖い。捕り物が終わった後ならいくらでものせてやるがな。

ラック: じゃあ、わいらがその事件を解決してやるわ。その代わり値切れやオッチャン。

漁師: ハハハ、期待せずに待っとるよ。

GM: そう言って漁師は網のほつれを元に戻す仕事に戻るが、君たちはどうする。

ガラ: ガヤン神殿に行くか?

ラック: さすがは相棒や話が早い。

ガラ: クラシックは好きかどうか判らんが紅茶は好きじゃしな。

GM: またマイナーなネタを。


 かくして二人は「財布をすられた」と嘘をついてガヤン神殿に潜り込んだ。


ガヤン信者: で、財布の中には幾ら入っていたんですか?

ラック: 10000ムーナ。

ガヤン信者: ほ、本当ですか?

ラック: それぐらい入っとったらええなー。

ガヤン信者: (ジト目で)嘘をつけば虚偽申告という罪になりますからね。

ガラ: すまん、この鳥は金が絡むと時々大ボラを吹く癖があるんじゃ。

ラック: 失礼な。ただの希望や、ほんまは150ムーナぐらいや。

GM: (嘘をつけ!)君たちがそう言っても、ガヤンの信者はうさんくさそうな顔をしているよ。

ラック: わいらの他にも被害にあった連中がおるんか?

ガヤン信者: ええ、被害が多いので自警団までできています。

ガラ: やはりそれもガヤン神殿が取り仕切っているのじゃろうな?

ガヤン信者: もちろんです。

ラック: わいらもそれに入りたいんやが・・・。

ガヤン信者: (不振そうに)あなた方はこの町の方ではないようですが。

ラック: (例のメロディを口ずさみながら書類を取り出すジェスチャー)テケ、テケッテケ~偉い人の力~(笑)


かくしてガラとラックの二人は自警団に入ってしまった。自警団に入った二人は自警団員への紹介もそこそこに動き始める。


GM: 被害はペローマやサリカの信者が圧倒的に多いね。

ラック: 学者とかお嬢さんが大いんやな。さてどうやって組織を締め上げるかやな。

ガラ: しかしここまで大事になる前に、アジトが判ってもいいと思うんじゃがな。

GM: いくつかのアジトは見つかっている。ただそのアジトを制圧しても首領クラスは逃げてもぬけの殻らしい。

ラック: 成る程モグラ叩きなわけやな。さてどうするか。「そこでラックは考えた」

ガラ: モグラではなくキツツキではどうかな?

ラック: キツツキ・・・でもそれだけでは不十分や。第一誰が木を鳴らすんや?

ガラ: (ガープスマジックを見て)今回の被害者。ところで 。

GM: 何?

ガラ: ガラッテは「神学」持ってないんですが、赤と青の月の神様の呪文は知ってていいんですか?

GM: 基本的な呪文ならいいよ。

ガラ: ほら、つつく側は十分じゃ。

ラック: 巧いこといくかもしれんなー。

かくして二人はペローマの神殿に。この間「歴史フリークの PL は嫌いだ」と はぶつくさ言っていた。(詳しくは宮本武蔵と杉田謙信に関する時代小説をお読み下さい)


たった二つの冴えた選択?

 

GM: ペローマ神殿に着いたけどどうするの?

ガラ: 被害にあった人に話を聞きます。


自警団の紋章を持っていた二人は丁重に待合室に案内される。待合室で二人は予行演習を始めるのだが・・・


ラック: まずは「ガヤンの方から来ました」やな。

ガラ: それで消化器でも売りつけるつもりか?

ラック: なに言うてるんや!ガヤン言うたらソードブレイカーや。わいの槍を「刺突特化型ソードブレイカー」と偽ったら500ムーナにはなる。そや先端にギザギザつけとこ。(笑)

GM: (苦笑しながら)君たちがそんなことを言っていると、ドアが開いてめがねを掛けてヒョロリとした青年が入ってくるよ。

ラック: (声も仕草も180度かえて)お忙しいなか、お呼び立てして申し訳ありません。私はこの町で自警団に所属しているラックと申します。こちらは相棒のガラッテ。

ガラ: (渋い声で)よろしく。

ペローマの青年: あ、はい。よろしく。

ラック: 今回は被害に遭われたときの事を詳しくお聞かせ願いたく、こちらに参上しました。事件のことを思い出すのは不快だと思いますが、こちらの捜査は難航しており手がかりになりそうなことなら藁をもつかみたい状況です。どうか不甲斐ない我らに力をお貸し下さい。

ペローマの青年: い、いえそんな。僕で力になるんでしたら。


そう言ってペロ-マの青年(メックス君)は状況を事細かに話してくれた。しかし二人の関心はそんなところにはなかった。


メックス: こんなところです。

ラック: ありがとうございます。大変参考になりました。ところで・・・ペローマには「なくした品物を探し出す呪文」があると聞きますが・・・

メックス: 「方向探知」ですか?僕も使えますよ。

ラック: それはすばらしい。その呪文を使えば窃盗団のアジトを探すことも可能ですよね。

メックス: え?

GM: 彼は怪訝な顔をして君たちを見ているけど。

ラック: ここが勝負や!お願いします。我々も全力を尽くして犯人一味を探したい。しかし我々にはその手段がないのです。我々にできることと言ったら手段を持っているあなたに頼ることぐらなのです。

メックス: え、しかし。


このまま勢いで交渉を終了させるかと思われたラックだが、ペローマの信者であるメックス君はすぐに理性を取り戻し反論する。

誰だって自分に危害が及ぶようなまねは避けたいものだ、こうして交渉は平行線になり始めた。


ガラ: このままでは埒があかん。ここは同じ術者同士二人だけで話させてはくれんかラック。

ラック: 判りました。と言いながらガラの耳元で「内緒のもうけ話やったら殺すで♪」

と言ってからでておこう。

ガラ: やれやれ。さてメックスさん。

メックス: はい。

ガラ: 窃盗団にどれぐらいやられました?

メックス: そうですね、研究資金を500ムーナほど。

ガラ: その金が返ってくるとすれば協力するかの?

メックス: しかし、窃盗団を捕まえても確実にお金が帰ってくるわけでは。

ガラ: そうではない。これだけの窃盗団じゃ。懸賞金はかかっておるじゃろうし、有力な情報を提供すれば補償金も出る。

メックス: それはあなた方と山分けですか?

ガラ: いや我々はこの町のものではないからの、おそらく貰えんじゃろう。どうです ?

GM: 貰えない可能性が高いね。

ガラ: その額が幾らかは知らんが、500ムーナより下ではあるまい。どうじゃ、手伝ってみんか?

GM: そうするとメックス君はしばらく考えてからコクンと頷いた。

ガラ: ラック。メックス君は協力してくれるそうじゃ。

ラック: ありがとうございます。と笑顔をのぞかせた後でガラに「もうけ話か」と聞きます。

ガラ: いや。どちらかと言えばわし(ら)が損をする。(カッコ内最小音量)

ラック: ならええわ。よしこの調子でほかのペローマも当たるで。「方向探知」が使えるのは何人や。

GM: (被害にあったのがメックスをのぞいて10人だから)1 D 6を振って。

ラック: 6や。

GM: ではメックス君以外6人が使える。 style='mso-bidi-font-size:

ラック: よしそいつらに交渉や。


調子づいた二人は、「君一人ではない」「みんなでやるからリスクは分散される」等、株の売買勧誘顔負けの甘い言葉で6人中5人(メックスを入れて6人)に協力を取り付ける。その後のダイス目もよく。なんと4つのアジトだいたいの場所を見つけ出してしまう。

その間にラックが持ち前の運の悪さで窃盗団に見つかりかけてしまうが、持ち前の演技力で窮地を脱する。

捜査開始から半日にして異例のスピードで事件は解決に向かう。


ラック: よしガヤンに報告や。

GM: ガヤン神殿に戻ってくると、昼前に君たちと話した受付が君たちを呼び止める。

受付: 何か手がかりはつかめました。

ラック: ではにやりと笑ってから、今日の成果を報告しよう。

受付: それは本当ですか。

ラック: わいらにかかればこんなもんや。

受付: 今、上のものを呼んできます。

GM: そう言って彼は、慌てて階段を上がっていく。それからしばらくして中年の男性を伴って降りてくる。

中年の男: どうも、私このガヤン神殿の副責任者でクロウズ:ダートと言います。話は彼からは聞きました。お手柄ですな。

ラック: (がらりと話し方を変えて)いえペローマの勇敢な方々の協力があったからです。

ガラ: 彼らの働きを無駄にしないためにも、素早くこの4つの拠点を潰してほしい。さすればボスたちも慌てふためき尻尾を出すじゃろう。

クロウズ: 判りました。今日は兵力が整いませんが、明日にはかならず強制捜査に踏み切ります。これでリャノに貸しを作らなくてすむ。それと・・・このことはくれぐれもご内密に。

ラック: 判っています。僕らはこの町が平和になってくれればそれだけでいいんです。

ガラ: (苦笑しながら)では帰るか。

そして彼らはクロウズから僅かばかりの謝礼(一人200ムーナ)をもらい帰路についた・・・はずだったが。

ガラ: 何かひっかかるの。連中だけで大丈夫じゃろうか。

ラック: 組織には大打撃やろうけど、リーダー格を取り逃がす可能性はあるな。

ガラ: そうすると今度はそいつら探すために、海上封鎖をされるかもしれんな。リャノにでも助けを求めるか。そう言えばこの町にあるリャノはどの程度の規模なんですか GM ?

GM: 帝国の隣国だからね「地域知識-2」で振ってみて。

ガラ: コロコロ・・・2成功です。

GM: この国は帝国の隣国だから、帝国からの圧迫で赤い月の信仰は弱いよ。リャノはその中では力が強いけど、「水上警察」と言うよりは「漁業組合」だね。

ガラ: と、なるとあまり期待はできんな。

ラック: 大丈夫やわいに名案がある。この町には船を管理する組織がもう一つあるやないか?

ガラ: なんじゃ?

ラック: ファウンや、町に入る時に小川を通らされたんやから水路の境界を警備しとるはずや。 も町の入り方については特に何も否定せんかったし(笑)


かくて二人はファウンの神殿に急いだ。(始めの勢いで決めたこの町の名前がこんな展開を呼び込むとは思っていなかったGMは少々てまどったが。)

ファウン神殿に行く前にラックは伝令ギルドで、情報を集める。その結果、この町のファウンとガヤンの仲がよくないこと、そしてファウン神殿の 2が野心家であることを知りこの人物と接触を図る事にした。


GM: この町のファウンの神殿は10年前の事件後に立てられた比較的新しいものだ。

ラック: じゃあ受付に行って「バンカさんいますか」と聞いてみよう。

GM: 受付は君たちをいぶかしんで「神殿長補佐のバンカさんのことか?こんな夜遅くなんのようだ?」と聞いてくるが。

ラック: 実は我々はガヤンの自警団に所属しているものなんですが、アンデットについてお話が・・・

受付: 何、アンデット!判ったここで待っていてくれ。

GM: そう言うと彼は慌てて上に上がっていくけど。

ラック: さすがはファウン。アンデットと言うと動きが違うな。

ガラ: この後のフォローが大変じゃがな。失敗すれば最悪犯罪者じゃぞ。

ラック: そのときはわいが「鳥頭なんでよく覚えてません」とぼければ大丈夫や(笑)

GM: (無理だぞ)で2,3分すると受付が戻ってくる。

受付: バンカさんが来いと行っている。ただ気むずかしい人なのでくれぐれも粗相のないようにな。

ラック: 大丈夫や。

ガラ: うむ、この鳥の社交能力については儂も太鼓判を押そう。

受付: 上の一番は端の部屋だ。


二人がその部屋に行くと、そこには質実剛健ドワーフのイメージとはかけ離れた無駄にゴージャスな空間が広がっていた。

その部屋でくつろいでいる中年のドワーフこそがこの町のファウンNo 2「パイル=バンカ」だった。


バンカ: (尊大な態度で)君たちが自警団かね?

ラック: お忙しいなか、お時間を取らせてしまいまして申し訳ありません。自警団に所属しているラックと申します。こちらは相棒のガラッテ。今日はどうしてもバンカ様の耳に入れたいことがあり参上しました。

バンカ: なにかね。アンデットがらみのことだとは聞いているが?

ラック: この町のアンデット被害はバンカ様のお力で他の町の半分、いえそれ以下になっています。

バンカ: うん。そうかね・・・いや私だけではなく部下たちもがんばってはいるがね。

ラック: しかし残念ながら0ではありません。それは何故でしょうか?

バンカ: 君は私が無能だと言いたいのかね?

ラック: いえそうではありません。連中は船を使ってこの町に渉ってきているのです。

バンカ: なに!ではあの噂の窃盗団は。

ラック: 連中のカモフラージュです。

GM: 君がそこまで言うとバンカはあごに手を当てながら考え込む

バンカ: (少し冷静になって)しかし急に言われても証拠もなしに信じることはできんな。

ラック: 証拠はあります。しかしガヤン神殿はそれを握りつぶそうとしているのです。

バンカ: どういう事かね。

ガラ: 我々は明日極秘に窃盗団の検挙を行う。そのことは伝わってきておるか?

バンカ: いや、しかし犯罪者を捕まえるのはガヤンの使命だろう?

ラック: 確かに。しかし船を使う窃盗団をリャノの協力もなく捕まえようとするのは不自然でしょう。

バンカ: ではリャノにも話は来ていないと?

ラック: 調べていただければ判ります。

GM: 君たちがそう言うとバンカは部屋のベルを鳴らして、若いドワーフを呼ぶ。そして彼に何かをささやいている。

バンカ: なぜガヤンはそんなことをしようとしているのかね?

ラック: アンデットがらみの事件を封印するためです。そうしなければ町の中でファウンの地位が今以上に向上しガヤンの地位を脅かすと思ったのです。

バンカ: 成る程・・・愚かな人間の考えそうなことだ。君たちよく知らせてくれた。これは少ないがとっといてくれまえ。

GM: 彼はそう言うとつけていたピンバッチをはずして君たちに投げる。宝石の着いた高級そうなものだ。

ラック: ありがとうございます。それと窃盗団のボスはリャノの高司祭です。不本意でしょうがリャノに協力を求めていただけると幸いです。

GM: (誰がそんなことを言った!)君たちがそう言うと、彼は頷いて君たちに退出するように合図する。

ラック: 失礼します。

ガラ: では出てからしばらくしてから話し始めます。ここまで巧くいくとひきかえせんな。

ラック: お前も話してたやん。

ガラ: あそこで中途半端に否定しても、不信感をもたれるだけじゃ。どうしてあんなホラを吹いた。

ラック: あれぐらい言わんとあいつが動くわけないやろ。ま、最悪は「幻覚」でよろしく。

ガラ: 2度も巧くはいかんと思うが。しかし本当にお主の口はよく回るな。「口から先に生まれた」というのはお主のような奴だな。

ラック: お前もやと思うがな。それとミュルーンは口が早う生まれたくて我慢できんで口先が伸びて「くちばし」になったんや。有名な話やろう。

ガラ: ぬうう、お主を見ておると嘘と思えん。

GM: (ラックの考えるNPC像は間違ってないけどね。)会話はもういいかね?この後何もしないなら、検挙の時間まで進むよ。

ガラ: では儂はガヤンの信者に混じって光って(閃光係)いよう。

ラック: わいは検挙が始まったら、抜け出してバンカと合流や。

GM: もうそろそろ日が暮れるんだが・・・。

ラック: ではふらふらしながらバンカのそばまで行って、すみません手伝おうとしたのですが目が見えなくなりました(笑)

GM: 思いっきり笑われるよ。バンカも苦笑しながら君の方にやってくる。

ラック: すいませんにんじん嫌いが災いしました(笑)

バンカ: なに、君たちの協力が無くともアンデットは倒す。

GM: さて君たちの考えたとおり、窃盗団の中心メンバーは船で脱出をはかる。ここで窃盗団のボスの知識と、雇われれたリャノの知識が激突するわけだ。

ラック: なんやほんまにリャノか。ひょうたんからヒョウタンツギやな。

GM: そのネタ今の世代は絶対判らないから・・・ともかく15を基準に3Dを振って。

ラック: 幸運は使えんやろうな。お、7とか成功。

GM: (完全に見つかったな。あーあ次回のボスの予定だったのに。)ではファウン船と窃盗団船の戦いが始まる。シナリオはここで区切ってサブマス連中が帰ってくるまで、こいつらの海戦がどうなったかやってみるかい?

ラック: OK。

ガラ: 面白そうですね。


かくて姫様御一行(のPL)を待つ間、この海戦は2人のPLによって再現された。しかしすぐ帰ってくると思った姫様一行はこの海戦が終わってからも帰ってこなかった。

そしてやっと帰ってきたと思ったら。


SM: (疲れた様子で)すいません遅くなって。

GM: もうすぐ今日のセッション終了時間なんだけど。でどうなった。

SM: (申し訳なさそうに)それが・・・

エルナ: 2日ほどして、町になにも得れずに帰ってきました。

GM: ヱ・・・・。


簡単だと思われた聖堂への道に何があったのか?全ては次回語られる。

 

第3話へ

 

(ここから後ろに文章はネタバレとはっちゃけに彩られています。ご注意下さい)

夏野コーパル夢談義2

夏野: 第二回です。

コーパル: 間にプロ野球の話を間にしただけで、前の第一回から20分ほどしかたっていないが?

夏野: 時間の関係で3回分一気にやりますので。では第二話について一言。

コーパル: 文章センスがない。

夏野: そんなこと言って、万が一後ろから読む人間がいたらどうするんですか?

コーパル: 悪いことは言わない・・・止めておけ。

夏野: すいません、その発言を止めてください。

コーパル: 止めてもいいが、そこで第二回の感想はおわるぞ。

夏野: (苦笑しながら)続けてください。ではとりあえず2回目のゲームですがどうでした?

コーパル: 人が死にすぎた。

夏野: ああ、リプレイで詳しく書かなかった海戦の話ですね。確かに「バンカ」や「敵のボス」を始め戦闘に参加した連中の大半が死んでいきました。

コーパル: 結構重要なNPCもいたんだが。

夏野: ああ、一人だけGM自ら操っていたソーサラーですね。瞬間回避の異動先が悪くて斬り殺された。

コーパル: まあ、自ら振った出目だからどうしょうもないがな。

夏野: ちなみに他の主要NPC


バンカ・・・敵のボスの轟音噴射で麻痺して敵にたこ殴りにされ死亡。

敵ボス・・・バンカ戦での疲労のせいで移動力が鈍り、ファウンの雑魚に集団で倒される。

 なおソーサラーの放った爆裂火球によって船は沈没しました。


コーパル: 驕れるものはひさしからずや・・・切ないな。

夏野: まあまあ。では次回はいよいよ聖堂突入です。

コーパル: うむアイス君の初致命的うっかりだ。

夏野: そうですね。ところでビール相当飲まれてるみたいですが。

コーパル: ああ、中華はアルコールと合う。車は君が運転してな。

夏野: 免許とってから一度も運転したこと無いですよ僕。

コーパル: 嘘?

 謎を残しつつも次回に続く

 

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