黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第16話「ほんの少しの愛と勇気で~前編~」

誰かが言った。「知っていて、何もしないことは罪である」と。では私のやったことは罪なのだろうか?

私は知っていた。お父様の中にもう一人の「誰か」がいることも。お父様がその「誰か」と必死に戦っていたことも。

お父様が私のために、たくさんの犠牲を出したことも。でも、私は何もできなかった

何もしないことが罪なのならば、私は誰かに裁かれないくてはならないのだろうか?

 

第16話「ほんの少しの愛と勇気で~前編~」

 

GM: ではゲームを始めようか。

ラック: GM、さっきから声が変やで。

GM: うむ、じつは鼻風邪にかかったらしくて。鼻声になってるんだ。

ガラ: まさに「何とか」の不養生ですね。

GM: だまらっしゃい。

アイス: でもゲーム大丈夫ですか?

GM: 大丈夫。鼻以外は平気だから。ではせいひょう報告を。

ゴウダン: うん?

GM: (鼻をかんでから)すまない。成長報告をお願い。

アイス: えー「大治癒」を上げました。もう少しで15LVです。

ラック: アイスはやっぱりそっち方面なんやな?

アイス: ええ、とりあえず後衛がメインになると思います。ブルーシンフォニアがあるのでソードブレイカーも15LVまで上げたいんですがね。

ガラ: うむ、魔法戦士タイプは成長のしがいがあるからの。

エルナ: 私は念願だった「感情察知」を覚えました。

ラック: 支配階級が持っとるとおいしい技能やな。さて、わいは「軽業」「忍び」「話術」をのばしたで。

ガラ: わしは「切れ味」を覚えてみた。もっともラックの槍はもうすでに最強レベルじゃし、アイスのソードブレイカーは打突武器。微妙に使い道が限定されておる呪文じゃが。そういえばGM。ティマのCPはいつも通りですか?

 

執筆者注:このゲームではNPCはセッション終了ごとに活躍に応じて1~2cpをもらっています。

 

GM: いや、前回は番外とはいえメインだったわけだし3cp。ジャングの二人も3cpだよ。

ガラ: ではティマは「マント」のレベルを上げて「ひるがえし」を覚えましょう。

GM: おや、戦闘系技能かね?

ガラ: まあ、最低限の自衛ですよ。

ケンゼン: ちゃちゃ「カルシファードブレード」が上がったぜよ。

ゴウダン: 私も「フレイル」が上がった。ついでに「戦術」も上げたぞ。

 

愛泥・真実の愛とメイド編

 

GM: OK。ところでアイス君。キティの魔術はどうするんだい?

アイス: そうですね・・・彼女の呪文なんですが「爆裂火球・忘却(どちらも肉球フィンガーの前提)」「瞬間回避」「大治癒」と「それらの前提呪文」て書き方がぞんざいじゃないですか?

GM: いいだろうが、それでわかるんだから。さて前回言ったように新呪文があるけど、どうするかね?

アイス: それはどんな呪文ですか?

GM: 「飛行翼」と「衣服変化」だ。

アイス: く!フリスキーめ。

GM: 「飛行翼」は飛行用の翼で空を飛ぶ呪文だ。通常の「飛行」に比べて燃費がよいが翼を攻撃されると飛行ができなくなるという欠点がある。「衣服変化」は幻覚系の呪文で自分の着ている衣服のみを幻覚で変化させる。「完全幻覚」の触覚ありバージョンの発展型だが、燃費はすこぶるよい。

アイス: なぜでしょうかね?調べてみると今キティの持っているCPできっちり二つとも覚えることができますよ。謀りましたねGM。

GM: それはぬれぎぬだ。

ラック: じゃあ呪文を覚えんかったらええやん。

アイス: それができれば苦労しませんよ!

一同: (笑)

GM: じゃあ覚えるのね。そうするとキティは君の前に「メイド服」で現れるぞ。

キティ: どうですかアイスさぁ~ん。

アイス: ぐは!!ど、どんなメイド服ですか?

ガラ: おい、ダメージはそこなのかアイス?

GM: さる19世紀を舞台にしたメイド漫画○マのような感じかな。どうかね?

アイス: こ、個人的には近頃の少しフリフリが入った感じのが好みで・・・あ!!

一同: (笑)

ガラ: 立派になったなアイス。始めのころは話すのもやっとだったのに、注文をつけられるようになったか。

ラック: 立派になったんやなアイス。

ケンゼン: ちゃちゃ、あほになったぜよ。

エルナ: ああ、こんな子じゃなかったのに・・・私の教育が悪かったんでしょうか?

ラック: 姫さんのせいやない。アイスは遠いところに行ってもうたんや。

アイス: ち、違うんですよ。ほら、あれです。メイドって文化じゃないですか?

一同: (笑)

ラック: じゃあ猫耳はなんや?

アイス: (即答)太陽です。

エルナ: ああ、アイスがますますわからなくなります。

ラック: 一つ言えるんはあいつはもうダメやってことや。

ガラ: つまりお主の中の属性をキティは次々と満たしておるわけじゃな。

ケンゼン: ちゃちゃ、獣ぜよ。

アイス: だから違いますよ!僕はそんなこととは関係なくキティが好きです・・・うわ!うわ~!!今の無しに、無しにして下さいGM!

一同: (爆笑)

ゴウダン: こ、この男は・・・

キティ: アイスさ~ん。私のことは嫌いなんですかぁ?

アイス: う、ううやっぱり訂正は無しで。

キティ: 嬉しいですぅ~アイスさ~ん。

アイス: うわぁ、いつも以上のハスキーボイスがハスキーボイスが~。

ラック: アイスそれは一時的な幻想やで。

ガラ: あるいはこの異常な空間そのものが、じゃな

アイス: わかっててますよ。それがなんだって言うんです!

一同: (大爆笑)

ラック: このどたばたを続かせるために「豊饒」のエリクサーを二人にプレゼントなんてどうやろう?

ガラ: なるほど。それはよい考えじゃ。アイス送ってもよいか?

アイス: やっぱり悪魔ですかあなた達は!なんで胸なんです?

一同: (笑)

ガラ: 今おぬし、ナチュラルに勘違いしたじゃろう。

ラック: 「豊饒」は子供ができるエリクサーやで、胸は関係ないで。

アイス: (赤くなりながら)す、すいません間違えました。

ケンゼン: アイスはむっつりぜよ。

ラック: むっつりやな。

ガラ: まったくじゃ、では「豊饒」はこちらが責任を持って送りつけるぞ。

アイス: うう。恥をかきました。

GM: GMが口を挟む場面ではないがアイス君。君は今引き返せないレールを自分で造ったぞ。

アイス: ヱ・・・!?

 

愛泥終

 

GM: さて、君たちはこれからどうするのかね?

ラック: どうするも何もわいらの状況説明をしてくれとらんのやけどGM。

GM: おっと、すまない。君たちはあの謎の異空間から見事脱出。脱出した先は以前君ちがこの空間から移動する元となった例の遺跡だ。

ラック: なるほど。

GM: で、だ。その遺跡には見慣れた顔が一名。

ケンゼン: ちゃ?

ティマ: ヤッホ~みんな元気?

ゴウダン: ティマさんこそお元気でしたか?

ティマ: うん。2週間も期間があったけど元気だよ。

エルナ: あれ、私たちは向こうで過ぎた時間は2・3日ですよね。

GM: うん。君たちの感覚ではそんなもんだ。

ゴウダン: なるほど、おそらく我々が空間移動をしている間に時間の流れにズレが生じたのだろうな。

ラック: そうやろうな・・・は!この場合滞在費の延長料金はどこに請求すればいいんや?

ガラ: ・・・毎回思うんじゃが、よくもまあそう次々に金をたかる算段を考えつくもんじゃな。

ラック: そうやろ。我ながら恐ろしいわ相棒。

ガラ: わかっとるじゃろうが、誉めとらんぞ相棒(笑)

GM: さて君たちが話をしている間に、ティマ君が君たちがいない間に何があったかと君たちが今置かれている状況を話してくれる。

ティマ: ・・・と、いうわけでサーライト氏に仕事を頼まれちゃったんだよ。

アイス: 納得いきません!自分の娘をそんなに可愛がって、サーライトは姫さまをなんだと思っているんですか?

ケンゼン: そりゃ、影武者ぜよ。

エルナ: おそらくはそうでしょうね。いいんですよアイス。私はサーライト氏のそういった感情を理解した上であえて「エルナード=ティーグ」を名乗っているのですから。

アイス: 姫さま・・・。

 

訪問者は騒がしく場を乱す<="" b="" style="color: rgb(0, 0, 0); font-family: Meiryo; font-size: medium; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial;">

 

ラック: 話はだいたいわかったで。けどそんな状況やったら帝都から脱出するのもひと苦労なんやないか?

ティマ: そうだね。けどサーライト氏がそのあたりを何も考えてないわけないと思うんだけど、そこいらへんどうなのGM?

GM: 君の言うとおりだ。確かにサーライトはここから脱出する手段を君に教えている。

ティマ: その方法とは?

GM: この地下遺跡は帝国城に繋がっていたわけだが、そのほかにも多くの通路があったらしい。

ゴウダン: なるほど、その一つがソノー伯爵の地下にも繋がっているんだな。

GM: そういうことだ。

ラック: ダンジョンか。久しぶりやな。

ケンゼン: ちゃちゃ、腕が鳴るぜよ。

GM: (おや、そんなに期待してたのか?それは悪いことをしたな。)では、君たちは教えられた入り口に向かうんだね?そこには人ぐらいの大きさの岩と、紋章が刻まれている。ここで「我は4柱に使え、帝国の礎になるものなり。」と喋ると道が開けるらしい。

アイス: では、お願いしますティマさん。

ティマ: おっけ~「我は4柱に使え、帝国の礎になるものなり。」とこれでいいのかな?

GM: そして君たちはまばゆい光に包まれる。

ラック: なんか近頃同じエフェクトが多いで、GMの手抜きや。

GM: だまらっしゃい。さて閃光が収まると、君たちは湿り気の多い暗い部屋にいる。

ラック: しもた!わいらの陣形の確認ができてんへんで。

ケンゼン: わしは前列ぜよ。

ゴウダン: いや、今の状況がわからないから後列も前列もない。ここは私やケンゼン、ラック達で後衛メンバーを包むようにしながら周りを警戒するべきだろう。

GM: (まあ、戦術としては合格点を上げるけどね)では君たちがそうやって隊列を組んでいると、上から誰かが下りてくるよ。

エルナ: え、上があるんですか?

GM: あるみたいだね。

ラック: よし警戒や。あ、薄暗いならわいは目がまったく見えんのでは?

GM: それに近い状態だね。でもその間にも上から人が下りてくるぞ。

アイス: 慌てて「閃光」の準備を。

ゴウダン: 「持続光」ではないかアイス?

アイス: あ、そうです。「持続光」を覚えます。

エルナ: アイス、落ち着きなさい(苦笑)

GM: 君たちがそうやってパニックを起こしていると上から灯りが見えてくる。

ラック: 誰や?

GM: ラック君の声を聞いて、上からの人物は「私ですか」との声と共にカンテラの明かりが下りてくる。君達のもとに現れたのはメイド服を着て笑顔をたたえた17,8の少女だ。ちなみに笑顔が綺麗な美人さんね。

アイス: えっと、あなたは?

リカ: 始めまして皆さん。私はソノー伯爵に使えます「ハイペリカ=エレクトム」と申します。長い名前ですので気軽に「リカ」とおよび下さい。

ラック: ソノーはんのメイド・・・ちゅうことはここは?

リカ: ソノー様のお屋敷の地下室になります。主人からそろそろ皆様がおいでになる頃だと言われてお迎えに上がりました。

ラック: ちゅうことはあれか?わいらはもうすでに屋敷におるんか?

リカ: そうなります。

ケンゼン: ちゃちゃ、とんだ苦労ぜよ。

 

こうして一行は苦労せずにソノー伯爵の私邸までたどり着くことができた。

 

GM: 君たちが連れて行かれるのは調度品のそろった応接室。派手さは感じさせないが落ち着いた雰囲気を作っている部屋だ。そしてそこには君たち以外に二人の人間がいる。

アイス: ソノーさんとメイドさんですか?

ゴウダン: メイドは我々と一緒に来ているのではないか?

GM: そうだね。いるのは立派なカイゼル髭を蓄えた40ぐらいの紳士。それから長い金髪が目を引く美しい少女だ。その少女は君たちはあったことがあるぞ。

ラック: もしかしてエフラワ姫やないか?

GM: そうだサーライトの娘であるエフラワ=ティーグだ。もっとも現状では静かにお茶を飲んでいるだけだがね。

ソノー: おや、やっと現れたかね諸君。

エルナ: ソノー伯爵ですね。私たちにお力をおかしいただいけるそうですね。感謝いたします。

ソノー: いやいや礼には及ばんよ。困った時はお互い様だ。この「ソノー=ウソー=ホントーヨ」全力で君たちのサポートに回ろう。

一同: (笑)

ラック: あかん、この男のサポートは期待できん。

ティマ: でも嘘がほんとになるんだから、もしかしたら優秀かもよ。

エルナ: こ、個性的な方ですね。

ゴウダン: 名前などがじつにな。

ソノー: まあ、君たちも大変だったようだが、私が力を貸せばもう大丈夫だ。私はこう見えても帝国内での発言力ではサーライトに並ぶものがある。

ケンゼン: うわ、うさんくさいぜよ。

ソノー: はは、君たちは大船に乗った気でいたまえ。さて食事の準備をさせようか。おっとその前に湯浴みなどどうかね?

ラック: 風呂か。確かにええな、人生の洗濯やで。

アイス: そうですね。

ケンゼン: 久しぶりぜよ。

エルナ: あいま、あいまに体は拭いていたと思いますけどね。

ゴウダン: うーん。私は浴場に入れるだろうか?

GM: 大丈夫、ああ見えてもソノー氏は貴族だからね。お屋敷も設備も立派だ。じゃあ全員お風呂に行くのね。準備とかはリカさんがしてくれるよ。

アイス: あ、すいませんリカさん。

リカ: いえ、主人の客人をもてなすのもメイドの仕事ですから。

GM: ちなみにリカさんの着ているメイド服は、君の好みだというフリフリがついたやつね。

アイス: な!え?それは罠ですね?

一同: (爆笑)

ラック: いや、それはお前が勝手にかかってるだけやから。

ガラ: そして勝手に自滅するんじゃな。

GM: で、男どもは脱衣所だ。ちなみにリカさんはそこまでついてくるからね。

アイス: いや、大丈夫ですよ。別に一人でやれますから。

リカ: でも、見たところそちらのギャビットの方はお背中が洗いにくいかと思います。どうぞ私めにお任せ下さい。

ゴウダン: いや、あなたの職業意識には感謝するがこちらには人手も多い。それよりもご婦人方のほうが何かと面倒も多いだろうからそちらをお願いしたい。

ラック: し、紳士がここにおる。

ティマ: 流石だね~。

ケンゼン: アイス見習うぜよ。

アイス: わかりました・・・いえ、無理です。僕にはできない。

一同: はや!

 

こうして入浴も終わり、一行は会食に臨むことになった。

 

執事は笑う

 

エルナ: 会食の席にはリカさんとソノー氏だけですか?

GM: まさか。リカさんはメイド長だけど、それ以外にメイドや執事もいるし給仕だっているよ。

ラック: 流石は金持ちやな。これやから大好きなんや。

ガラ: でどんな食事なんじゃ?

GM: 帝国料理・・・は中華だから。中華を回転する円卓で囲むことになるかな。

ケンゼン: なんか東西融合ぜよ。

GM: まあルナルだから。

ガラ: では毒味をかけようか。円卓ならかけやすい。

GM: (よし、狙い通りだな)では判定をしてくれたまえ。

ガラ: (コロコロ)3成功じゃな。

GM: では君はエビチリに毒が混入していることを確認する。

ガラ: ぬお!

GM: しかもまさに今、ソノーはそのエビチリを食べようとしている。

ケンゼン: ちゃー、寒いぜよ。

ガラ: それどころではない。いそいで食器をはたき落とす。

ソノー: な、何をするのかね?

ガラ: そのエビチリには毒が混入されておるんじゃ。

ソノー: な!ほんとうかね?

ガラ: さすがに、ここで嘘をつく度胸はないわい。

GM: ではそれを聞くと、それまで給仕をしていた執事の一人がいきなり部屋から逃げ出す。

ゴウダン: 後を追うぞ。今なら鎧もないしかなりのスピードで追えるはずだ。

GM: そうだね。しかし執事部屋を抜けると、窓を破って飛び降りるんだけどね。

ゴウダン: ここは何階ですかGM?

GM: 3階だけど、西洋風の城だから実質は20m近くの高さだ。

ゴウダン: では飛び降りた窓から下を確認します。

GM: 男は血まみれで倒れているよ。ぴくりとも動かない。

ゴウダン: ばれたから、落下してはてた?なにか釈然としないんだが。

GM: そうかな?さて、食事の席は当然大騒ぎになるぞ。

ラック: 落ち着くんや。それだけわいらが重要な位置におるっちゅうこっちゃ。

エルナ: でも、一体誰を狙ったんでしょうね?

アイス: おそらく・・・姫さまでしょうね。

ティマ: どっちの?

アイス: 両方でしょう。エフラワさんのみを狙うのであれば、我々が来る前に機会はあるはずです。毒がエビチリだけに仕込まれていたことを考えれば、重要人物の誰かを消せればよかったんではないでしょうか?

ラック: おお、アイスに知性の輝きが。

キティ(エルナのPL):アイス: だ、大丈夫だよ。僕が守ってみせるから。

ガラ: ・・・やれやれ、絵に描いたような一瞬の輝きじゃったな。

ラック: せめて3分はもってほしかったわ。

エルナ: それにしてもひどいですね。

アイス: す、すいません姫さま。

エルナ: いえ、アイスがではなくてこの事件がですよ。

ラック: それだけわいらが重要視されとるんやな。これは腹を据えていかないかんで。

GM: 君たちがそこまで話したぐらいに、ゴウダンが帰ってくるよ。

ラック: どうやったゴウダン?

ゴウダン: 毒を盛ったと思われる執事は、館から飛び降りていた。おそらく即死だろう。そういえばエフラワ姫とソノー氏はどうしてる?

GM: 二人とも結構ショックだったようだね、とくにエフラワはショックだったようで震えているぞ。

ゴウダン: そりゃ、そうだろうな。

ラック: さてこれからの行動なんやが、とりあえず二人の護衛と、死んだと思われる執事の確認。それからそいつの部屋なんかを調べる必要があるわな。

ケンゼン: ちゃちゃ。じゃあ、わしは護衛ぜよ。

エルナ: 重要ですから、きっちり考えてからましょうね。

 

一行はメンバーを選択、その結果護衛係にエルナ、ガラ、ケンゼン、ゴウダン。調査係はラック、アイス、キティ、ティマとなった。

 

ゴウダン: では調査は任せた。

ラック: 任されたで、宝船に乗った気持ちでまっとるんや。

ゴウダン: 大船と言わないあたりがあなたらしい。こちらも護衛に全力を尽くす。

 

調査係はこの後、毒を盛ったと思われる執事の死体を確認に行く。

 

GM: かなりえぐい状態だよ。そのあたりは庭への散策路で大理石を敷き詰めてあるからね。そこへ頭から落ちたようだ。

アイス: ではとりあえず、キティを抱きしめて・・・いえ、べつにそんなつもりじゃなくて・・・ほらよくあるじゃないですか。推理もので女性に気をつかって視線を死体からそらすことが。

ティマ: 前から思ってたんだけど、何も言わずにやればいいのに。どうしてそこまで喋るかな~?

ラック: そこまで言うと、それを口実にしとるようにしか聞こえんで。

アイス: ご、誤解ですよ。

ティマ: さてアイスいじりも済んだので調べようか。死体の状況は?

GM: 頭から落ちたようだね。脳漿をまき散らしてひどい有様だ。

ラック: 「20D-40」いや、堅いとこやからもっとか。それを頭にくろたんなら即死やろな。とりあえずこのままにしとくのもなんやし、布か何かを

ティマ: その前に「幻覚感知」

GM: 幻覚ではないね

ラック: 本物やな。とりあえず布でもかけてやるか。

ティマ: 死体はどんな顔?

GM: 後頭部から落ちたらしくて、顔ははっきりと残っているんだがその顔は笑っている。

ラック: なんやって?

GM: 笑顔としか言いようのない顔だよ。

ティマ: どういう事かな、これは。

 

一行はこの後、執事の部屋を探索するがたいしたものを見つけることはできなかった。そのころ残ったメンバーは・・・

 

GM: さて警護と言うが、どうやって?

ゴウダン: 装備を調えてから、まずはこの屋敷の中で護衛ができる人間の確認だな。

GM: 護衛ができるのは4人ぐらいだ。専属のジェスタの守護騎士が2名。それから執事の中でソノーのボディガード的な位置にいる人物が「投極術」を使える。後はリカさんも「投極術」の使い手だそうだ。

エルナ: では彼女もガヤンなんですか?てっきりサリカだと思ってましたが。

GM: まあ、たしかにサリカあたりがメイドっぽい気がするがね。ガヤンのメイドがいてもいいだろう?

ゴウダン: ではジェスタの2人には出入り口を固めてもらって、ガヤンの執事にはソノー氏を、リカさんにはエフラワ姫を護衛してもらおう。

ケンゼン: ちゃちゃ、それでわしたちは遊軍ぜよ。

ゴウダン: 遊軍というか、常に近くで待機だろう。勿論、できる限り彼女たちと一緒にいるが。

GM: 君たちが話しているのはどこかな?

ゴウダン: ソノー氏が休んでいる部屋の隣とかになると思いますが。

GM: では君たちを呼びに執事が現れる。

執事: 旦那様がお呼びです。

ティマ: なんだろうね?

ケンゼン: とりあえず入ってみるぜよ。

GM: 君たちが中にはいるとそこには神妙な面持ちのソノー氏とエフラワがお茶を飲んでいる。

エルナ: 何かありましたか?

ソノー: じつは先ほどの会食の席で話そうと思っていたのだが、サーライトから手紙が来てね。

ゴウダン: 手紙にはなんと?

ソノー: 彼は世界の覇権を手に入れると。

ガラ: ぬー、完全にやられたか。

GM: いや、そこでエフラワが慌てて反論するよ。

エフラワ: おじさま。手紙にはそんな文章載っていませんでしたわ。

リカ: 申し訳ありません。主人は困った癖がありまして、話は全て話半分に聞いてください。

ゴウダン: いまのは話半分でも大変なんだが。

ラックのPL:<="" p=""> ガラ: なるほど本当のことを半分の確率でしか言えんのじゃな。

GM: そういうことになるな。

エルナ: それで手紙にはなんと?

リカ: サーライト様は「龍」の遺跡をめぐり、龍の力を操る法具を手にいれるつもりだそうです。そして「彼ら」は銀の月の遺跡をめぐっていると。この「彼ら」が誰であるかは記されていませんでした。

ガラ: それは大丈夫じゃ。見当はつく。

ゴウダン: なるほど、サーライト氏は龍の力を・・・何をするつもりだろうか?

エルナ: 足りない力を補うつもりではないでしょうか?

ガラ: それとも何か別の要因が・・・うーむ、知っているのは罪じゃな。

ケンゼン: ?嬢ちゃんが言ってることで正しいんじゃないのか?

ガラ: 原作読んでない人はらくですね。

ケンゼン: ??

エルナ: とりあえず、ここから先の会話は人が戻ってきてからにしませんか?

エフラワ: では私は自室に戻ります。

ケンゼン: ちゃちゃ、ついて行くぜよ。

ゴウダン: 私も行こう。

GM: (なかなかいいメンバーだ。)では君たちが中に入ろうとすると、壁の中から覆面の男が現れる。

 

そして館は血に染まる<="" b="">

 

ケンゼン: どんな奴ぜよ?

GM: 血染めを思わせる赤黒いマントに、髑髏の面を被った奴だ。

ケンゼン: 迎撃ぜよ。

GM: 距離的には君が近いな。で、どうする?

ケンゼン: 勿論、先制攻撃ぜよ。つむじ風ぜよ。

GM: (こいつフェイント効かないんだよな)では、君のその攻撃はあっさりと「瞬間回避」のような技で避けられる。さてこちらの番だ。髑髏は腕の中から銀色の鞭のようなものを出して、攻撃してくる。(コロコロ×3)3回とも命中だ。

ケンゼン: 3回攻撃!なんて奴ぜよ。

GM: しかもこの武器は先端があらぬ方から飛んでくる。そのため「受け」には-4だぞ。

ケンゼン: 「受け」(コロコロ×2)一回失敗。そして「よけ」(コロコロ)も失敗ぜよ。

GM: (しめしめ)では一発目が右足に9点の切り、2発目が左足に10点の切りだ。

ケンゼン: ちゃー、切断はないけど左足が使えなくなったぜよ。

GM: では膝立ちだね。ゴウダンはどうするのかな?

ゴウダン: とりあえず、エフラワ姫とリカをかばえる位置に移動だ。

GM: では次のラウンド、仮面はエフラワを攻撃だ。今回は鞭の先端で突き刺すタイプの攻撃だから防御にペナルティはないぞ。ただし今回も3回攻撃だ。

ゴウダン: (コロコロ)「止めて」、(コロコロ)「受けて」、最後の攻撃は自分の体で受ける。

GM: (狙い通りだ)では銀の鞭は君の体を素通りして、エフラワ姫に迫る。

ゴウダン: しまった!「全力防御」しておけば。

GM: 待機していたリカさんがエフラワ姫のカバーをする。(コロコロ)銀の鞭は彼女の体を貫通して止まる。

ゴウダン: くそ!仮面に攻撃、光れシャイニングブレイバー!!!(コロコロ)命中。

GM: 命中したよ。

ゴウダン: ダメージは10点。

GM: それで仮面は消滅する。

ゴウダン: リカさんは?

GM: エフラワ姫が、助けようとするけど。しばらく手当を施してから涙目でこう言ってくるよ。

エフラワ: すいません。私には助けられませんでした・・・私のせいです・・・私がいたからこんな事に!

ゴウダン: ちがう、あなたは悪くない。

エフラワ: でも・・・

ゴウダン: これは私のミスだ。私は助けることができた。助けられたんだ!

 

闇はゆっくりと屋敷を包み込み始めた。執事の笑顔は何を語るのか。サーライトと「空の七月」の行動は。そしてこの屋敷の暗雲を彼らは払えるのか!

次回に続く!

 

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閣下と臣民のお部屋

閣下: 話がく、暗い。

夏野: しょうがないですよ。最後があんな状態でしたから。

閣下: しかも中途半端なところで切れてるね。

夏野: 前後編ですので、話の切り方に苦労しました。後半はいい会話シーンが多いのでそちらを考えて前半は短くしました。

閣下: 僕はてっきり「例のシーン」を遠ざけるためかと。

夏野: はて?なんの事やら。

閣下: あくまでとぼけるか・・・

夏野: そういうわけでキティの新呪文や、詳細な能力値などは次回です。今回は時間的に難しかったですが、次回はゲストも呼んでみたいと思います、

閣下: うむ、くるしゅーない。

 短めながら終わる。

 

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