第７話【魔王最期の日】

始まりの日

ＧＭ　 てなわけで、今回参加メンバーも３人だけだったりするんだが･･･

ジーク　 またこのメンバーか。

アージス　 カガヤやルミノールはどうした？

ＧＭ　 前回受けた傷が原因で入院してる。かなりの傷を負ったのに、ナバール領から脱出に三日、迎えの馬車でレナまで移動するのに四日の一巡りの間まともな治療設備の無いところにいたからね。

ザイン　 そりゃ傷も悪化するよ（苦笑）。

アージス　 無事帰ってこれたってことは、前回の報酬はもうもらえたのか？

ＧＭ　 うん。しかも、４年前ルイーネを見つけた者には報奨金として５万ムーナ出すといった宣言は撤回されていなかったので、君たちの元には６万ムーナが舞い込んできた。

ザイン　 わぉ。一気に大金持ち。

ジーク　 このマスターのシナリオは、途中でいきなり大金が入ってくる場合多いよな（笑）

アージス　 その分敵も強力になるけどな（苦笑）６万ムーナってことは、一人だいたい１万ムーナ・・・

ザイン　 ルイーネを忘れないでよ。

ＧＭ　 いや。ヴァイス市長から、ルイーネはまだ子どもなんだから、大金を持たせないようにと頼まれた。

アージス　 じゃあ、一人１万ムーナっと。

ＧＭ　 買い物は今の内に済ませておいてくれ。

　ジークは、フルプレートアーマーに各種霊薬、アージスは大型のパワーストーンを購入。「けちんぼ」なザインは、少量の霊薬を購入後、残りのお金をミュルーンの銀行に預ける。
　

ＧＭ　 っと、そうだザイン。

ザイン　 はい？

ＧＭ　 ルイーネが君とは慣れるのを極端に嫌がるため、ヴァイス市長は、君に市長宅に泊まってくれるよう要請してくるが？

ザイン　 う～ん・・・高級な家って趣味じゃないんだよね。カレンさんの家みたいなところのほうが落ち着くし・・・

ルイーネ　だったら私も、カレンお姉ちゃんのところで泊まる。

ザイン　 でもルイーネは母親と一緒にいるべきだろう。毎日会いに行くから安心してと言っておこう。で、実際毎日会いに行く。

ＧＭ　 だったら、ルイーネもやや不服そうながらも納得する。

ジーク　 と、別れ話も丸く収まったところで・・・

ザイン　 （無視することにしたらしい）

ジーク　 俺たちゃ何をやればいいんだ？

ＧＭ　 それはご自由に。街で起きている事件を解決しても良いし、今までの展開で出現した倒すべき敵を追ってもいい。

アージス　 この段階で雑魚事件を片付ける気にはなれんぞ。

ジーク　 敵というとバグシーザーかシャルルだな。

ザイン　 僕は何か知ってそうな僕の伯母さんを探して・・・

ＧＭ　 その瞬間、君は言い様のない殺気を感じた！

ザイン　 ・・・母さんの姉さんを探してみたいな（笑）　神出鬼没そうだったから、探せるかどうか分からないけどね（苦笑）

ジーク　 だからと言って、国の上層部にいるシャルルや、あの化物のバグシーザーを俺たちだけで倒せるとは思えんぞ？

ザイン　 でも、そんな化物がいるなら、どこにいるかの情報くらいは持っておいたほうが良いと思うよ？

アージス　 だな。

ジーク　 じゃあ、「バグシーザーを倒すではなく」、「奴の情報を集める」でいいか？

ザイン　 僕は構わないよ。

アージス　 俺もだ。

　
　ゲルーシャの情報はエルファからということで、一行はフォレストガード隊に話を聞きに行く。しかし、フォレストガード隊の方でもバグシーザーの情報は集めてはいるが掴めてはおらず、変わりに、アージスは南の＜監獄都市＞ジュリアン周辺の山岳地帯で、漆黒のドレスを着た怪しい奴を見かけたとの情報を得る。

アージス　 なんでも、森の中だというのにエルファでも追いかけることができなかったらしいぞ。

ザイン　 漆黒のドレスを着てその身のこなしって・・・まさか母さん？ひょっとして、この街の近くにいるのかな？

　他に情報も得られず、一行は＜監獄都市＞ジュリアン周辺の山岳地帯へと足を運び、そこに住むフォレストガード隊所属のエルファたちから話を聞く。しかし・・・

エルファ　 黒い人影？ああ、６巡りほど前に見かけたって奴がいたね。

ジーク　 ６巡りも前だって？

ザイン　 ・・・アージス？

アージス　 スマン。いつ頃の話か聞くのを忘れてた（苦笑）

　
　一行は＜看護都市＞へ戻り、今度は裏社会から情報を集めてみることにする。ザインが「仲間」のレインの登場判定に失敗したため、アージスが「裏社会」の判定を行い成功。なんとか裏タマットから情報を入手する。曰く・・・

アージス　 なんでも最近、島南部のパオラの森に２人組みのエルファが現れたらしいな。

ＧＭ　 ちなみに、パオラの森とは、＜快楽都市＞ミディアと＜交易の門＞アストリアの近くにある、エルファの住む大きな森。３０年以上前に色々あって消滅したけど、今では生き残りのエルファたちの活躍で復興し始めている。もっとも、森が完全に復活するのは何百年も先の話だろうが。

ザイン　 今度の情報は正しいのか？

アージス　 少なくとも、その２人組みが現れたのは、俺たちがマチスの森で奴らと戦った後だ。

ジーク　 行ってみる価値はありそうだな。

ザイン　 もし本当にバグシーザーなら、エルファたちに警告しておいた方が良いしね。

ＧＭ　 行くのはかまわんが、片道３０日はかかるぞ？

ザイン　 お金かかるのなら行かない。

ジーク　 お前の分ぐらい俺が払おう。

アージス　 路銀はいくらでもあるんだ。気にすることは無い。

ジーク　 俺は一応上司に話をつけておく。

ＧＭ　 では、ガヤン神殿は、レナで起こった事件の重要参考人を追うという名目で、君にバグシーザー探索の指令を出す。

ジーク　 旅費は？

ＧＭ　 自腹。ただ、通常勤務時の給金は約束される。

ジーク　 俺、給金もらった記憶は無いんだがな（苦笑）。

ＧＭ　 ウチの話じゃ、生活費とチャラだ。手柄を立てて特別報酬もらえん限り、金は増えん。

アージス　 しかも、ガヤンの報酬じゃスズメの涙（笑）

ＧＭ　 で、どうするんだ？本当にパオラの森に向かうのか？

ザイン　 うん。もしバグシーザーと対峙することになると危険だろうから、ルイーネは置いて行くけど。

ＧＭ　 そんなこと言うと、ルイーネは本気で泣き出すが？

ザイン　 言わない。そして、自分の所持品は全て持って、カレンさんとこで借りていた部屋は、徹底的に掃除して《清掃》の呪文もかけておく。出発は夜がいい。

ジーク　 何のためだ？

ザイン　 ルイーネは《方向探知》が使えるからね。僕の私物から居所探り出して、《瞬間移動》で追いかけてくる可能性もあるから。

ＧＭ　 行動パターン読まれてるなぁ（苦笑）。

アージス　 なるほど。子ども置いて夜逃げするわけか。

ザイン　 違う！
　

ミディアの夜

ＧＭ　 では、君たちはルイーネをおいてパオラの森に出発したわけだ。

ザイン　 そういや、森に行く必要もあるけど、活動拠点になる人間の町に行く必要もあるよね。

ジーク　 ＧＭ、パオラの森に一番近い町は？

ＧＭ　 ＜快楽都市＞ミディアだね。この街は合法な賭博場が多い街で、運による一攫千金を目指す人や、小金持ちが多く集まる。競馬場や闘技場などもある。

アージス　 子どもを置いて賭け事に走る父親・・・最悪だな。

ザイン　 う・・・端から見るとそう見えるかも（苦笑）

ジーク　 車の中に子ども置いたまま、パチンコすることだけは止めろよ（笑）

ザイン　 そんなお金の無駄になることしないって。だいたい、遊びに行くわけじゃないでしょうが。

ＧＭ　 （何か事件がおきないかのサイコロを振って）道中は特に何も起こらない。ほぼ予定通りの日程でミディアについたね。ここからパオラの森までは歩いて一日ほどだ。

ジーク　 （アンリ連邦の地図を見て）外周までは一日で着くかもしれんが、この森やたらとでかいぞ。

ＧＭ　 うん。パオラの森は、木々が少なくなった今でも、まっすぐ通り抜けるのに３日以上かかるからな。

ザイン　 まずは森のエルファと接触して、案内を頼むべきだろうね。パオラの森のエルファたちは、人間に対してどんな態度とってます？

ＧＭ　 街で聞くところによると、開放的で人間との交流は盛んだそうだ。

ジーク　 だったら大丈夫そうだな。

ザイン　 それで、僕たちがやることは、パオラの森にバグシーザーがいるかもしれないというエルファたちへの警告と、できれば遠くからバグシーザーの面通しをするでいいんだよね？

アージス　 そうだな。

　一行は街で適当な宿を取り、翌日パオらの森に出発することにする。そして、その日の夜。

ザイン　 うーん・・・

ジーク　 どうした、ザイン？

ザイン　 ルイーネに何かプレゼントを買って行こうと思うんだけど・・・

アージス　 なるほど。６０日も放っておいたことを、物で釣って許してもらうわけか。

ザイン　 そういう意味もあるけどね（苦笑）。いままでルイーネに僕から何か買ってあげたってこと無かったしさ。

ジーク　 てゆーかさ、お前「けちんぼ」じゃん？

ザイン　 （ころころ）意思判定は成功。ＧＭ、何かプレゼントに向いたものありませんか？

ＧＭ　 ミディア名物、ミディアばな菜とか、みでぃあんとか。

ジーク　 東京ばな菜のパクリかよ（笑）

アージス　 みでぃあん？

ＧＭ　 地元ネタ。なごやんっていう、白餡の、まんじゅうがあるんだわ。

ザイン　 食べ物じゃなくて、もっとこう・・・形に残るものが良いな。万華鏡とか？

ＧＭ　 鏡は高級品だし、かなり高い嗜好品だと思うが・・・（ちょっと考えて）５００ムーナくらい？　良いものなら天井知らずだろうけど。

ザイン　じゃあ、５００のものを買います。帰ったらルイーネにプレゼントしなきゃいけないから、包装してもらって。

ＧＭ　 （これって死にフラグだよな？まあ、ウチの話じゃそんなこと関係ないけど。）

そして最期の日

　
　翌日。一行は万が一の戦いに備え、余計なものは宿に預け、武装してパオラの森に向かう。

ＧＭ　 半日も歩くと、まばらに木の生えた林が見えてくる。あれが、パオラの森のなれの果てだ。

ザイン　 早速入ろう。

ジーク　 どこかにエルファはいないか？

ＧＭ　 じゃあ、最初にどんなエルファにであるか３Ｄ振って決めよう。低い方が良いよ。

ジーク　 俺が振ろう。（ころころ）あ。

アージス　 よりにもよって、６６６の悪魔の数字か（苦笑）

ＧＭ　 あー・・・その出目だと、森に入ってすぐに最悪な奴と出会う。ローブの男だが、ジークとアージスは知っている。

ザイン　 僕だけは知らない？　・・・って、まさか？

バグシーザー　 ほう。そこの二人は見た顔だな。まさか、はるばるマチスの森から、わしを倒しに来たのか？

ジーク　 いえそんな。滅相も無い・・・霊薬の準備をする。

ザイン　 僕も。ジークたちの雰囲気で、相手が誰か気付いても良いですよね？

ＧＭ　 よかろう。変身前のバグシーザーは「ケルベロス！」と叫ぶ。すると、隣りに美人なエルファが現れる。

アージス　 今の内に呪文の準備だ。ジークに《倍速》、ザインには・・・

ザイン　 《怪力》をお願い。僕も霊薬飲んだ後は《盾》に集中する。

ＧＭ　 現れた美女エルファはバグシーザーに対して恭しく礼をする。

ケルベロス　 お呼びですか？

バグシーザー　 うむ。わざわざ遠方からお客様だ。わしが相手をしておるから、お前も適当に暴れて来い。

ＧＭ　 バグシーザーはそう言うと、変身を開始する。全長４メルー、メインヘッドには漆黒の３つの目があり、腕は四本。巨大な尻尾を生やし、毒々しい色を持つ化物だ。始めて見るザインは恐怖判定。

ザイン　 （ころころ）成功！こんな時に怖がっている暇はない！

バグシーザー　 ふん！そこの小僧は初めて見る顔だな。まさか、そいつがわしを倒すための最終兵器だとは言わんよな？

ジーク　 舐めるなよ。あのときの俺たちとは一味違うぜ！

アージス　 主にマジックアイテムの数がな（笑）

ザイン　 こういう手合いは、相手が油断しているうちにどれだけダメージが与えられるかが鍵だ。行くぞ！

ＧＭ　 （ほう。逃げないで挑むわけね。今回は逃げられる状況は作る気ないが・・・ま、全滅しても挑むことを選択したのは君たちだし、別にいいか。）森の各地から、火の手が上がったり、争うような音が聞こえ始めるね。

アージス　 破壊活動の準備は、万端だったってわけか。

ジーク　 今度は援軍は期待しない方がよさそうだな。

　霊薬と魔法で、徹底的にバフ状態になったザインとジークが前に立つ。

ＧＭ　 バグシーザーは、手近にあった木を引っこ抜き、ザインとジークに投げつける！「受け」たら剣が折れるかもしれないし、盾で「止め」ても押し潰されると思うよ。

ジーク　 うお！？

ザイン　 なんて無茶苦茶な！　なんとか「よけ」たけど。

アージス　 俺はいざというときのために、ジークに《大治癒》の集中を続ける。ダメージを受けたら発動だ。

ジーク　 頼む。

ＧＭ　 さらに、バグシーザーの上下の口は、なんらかの呪文の詠唱を始める。

　
　離れていては不利と、２人の戦士はバグシーザーに接近。全長４メルーの化け物に体当たりはいくらなんでも無茶と、２人は大振り攻撃を仕掛ける。ザインは命中させジークは外すが、《倍速》の２度目の行動で放つ一撃は命中させる。

ザイン　 ダメージは１３点の「切り」！

ジーク　 俺は１６点っ！

ＧＭ　 ダメージボーナスの無い身体だからダメージ型は関係ないが、ずいぶん気合入ったダメージ出すな？

ザイン　 気迫で押されたら、負ける！

ＧＭ　 なるほど。ならばこちらも少しは本気を出させてもらおう。バグシーザーの《火吹き》と《脱水》だ。

バグシーザー　 喰らえい！

ジーク　 喰らったけど、ヘヴィプレートと《無敵》の霊薬のおかげで軽傷だ。

ザイン　 魔法の素質のお陰で、僕は抵抗しました。

ＧＭ　 （む？しまった。狙う相手を間違えた。）

アージス　 この様子じゃ、今回は回復呪文の必要は無いな。

　この後の鉤爪攻撃も、２人は見事に回避。さらなる反撃でバグシーザーの生命力を削る。

ザイン　 １２点。よし！今日はダメージの調子がいい。

ＧＭ　 （むぅ･･･ＨＰは４０あるし防護点も７点あるんだが、１０点以上のダメージをこう毎回出されると厳しいな。）

ザイン　 死に花を咲かせるような勢いで、ちょっと怖いかな（苦笑）。

ジーク　 そういう事は、自分で言うなよ（笑）。
　

　この軽い会話が油断を生んだのか、ジークはバグシーザーの鉤爪攻撃をまともに喰らう。普通の人間ならば即死してもおかしくないような攻撃だったが、硬い鎧と霊薬のおかげで何とか無事。そこにすかさずアージスの《大治癒》が飛ぶ。ザインはバグシーザーの踏み付けを回避。

バグシーザー　 おのれちょこまかと！

ＧＭ　 バグシーザーの両手に、《爆裂火球》と《電光》が出現するね。

ジーク　 《爆裂火球》はともかく、《電光》は痛いなぁ。

ザイン　 盾で「止め」られるんだから、当たらなければ大丈夫だよ（笑）。

ジーク　 俺は両手剣持ってるんだって。

アージス　 そういやジーク、今日は壊れないんだな？

ジーク　 は？何のことだ？（注：ジークには壊れたときの記憶がありません）
　

　サイコロ運も味方して、化物に猛攻を加えるＰＣたち。バグシーザーの反撃は、ジークに当たってはアージスからの《大治癒》が飛び、ザインには何故か一度も当たらない。

ＧＭ　 よし。《電光》も《爆裂火球》も最大サイズになった。《電光》はザインを狙うとして、《爆裂火球》はアージスを狙うことにしようか。いい加減《大治癒》がウザイ。

アージス　 どちらにせよ、もうジークへの《大治癒》は打ち止めだったがな。《瞬間回避》は成功したが・・・（ころころ）だめだ。爆発から完全に逃れられない。かすり傷を受けた。

ＧＭ　 じゃあ、バグシーザーはそのままジークを攻撃（ころころ）お？クリティカル。効果は・・・

ジーク　 待ったＧＭ！ラッキーダイスでそのクリティカルのダイス一つを振りなおしてもらう！

ザイン　 それがいい。もう回復呪文も飛ばないし。

ＧＭ　 ちっ！だったら通常命中になった。バグシーザーが足元の木を踏んでしまい、確実にジークを捕らえたかに見えた攻撃は、わずかにそれた。

ジーク　 後退してなんとか「よけ」た！

ザイン　 ふぅ・・・今は押してるけど、一撃喰らうと戦況変わるからなぁ。

ＧＭ　 （むぅ・・・しょうがない。このターンは《自己治癒》に集中して終わるか。）
　

　そして、次のターン。
　

ザイン　 ジェスタアクスの攻撃が命中！

ＧＭ　 それは・・・？　珍しく鉤爪で「受け」た。って、あかん。呪文の集中も一緒に乱れた（泣）

ザイン　 よっし！

ジーク　 俺の攻撃も命中だ。１２点ダメージ。

アージス　 次はジークに《怪力》でもかけるか。

バグシーザー　 く！・・・少々貴様らを見くびっていたようだ。もう手加減はせん！

ザイン　 そんなこと言わないで、手加減しててください。

バグシーザー　 うるさいっ！

ＧＭ　 そうだな・・・（サイコロでランダムに目標を決めて）ジークに対して４本の腕で組みつき。

ジーク　 げ？組み付かれた？

ザイン　 ＧＭ、小さい相手に組み付くのって難しくありませんか？

ＧＭ　 組み付くというか、４本の腕で掴んだって感じだな。サイズ修正のペナルティは、余分にある２本の腕でカバーできる。さて、そのまま上下の口で噛みつき攻撃といこうか。

バグシーザー　 固そうな鎧だな。さぞかし歯ごたえがあることだろう。

ジーク　 身動きは取れないが、受動防御の判定はできるよな？（ころころ）だめだ。

ＧＭ　 じゃあ、１４点の「切り」と１６点の「切り」ね。

ジーク　 くそ！プレートアーマーがほとんど紙だ！《無敵》の霊薬がなければ、死んでたぞ！

アージス　 《怪力》はキャンセル。できるだけ近づいて、《飛ぶ剣》で奴の目を狙う。

ザイン　 このままじゃジークが危ない。なんとか化物の気をこっちに向かせないと。手首を狙って攻撃だ。

　しかし、ザインの一撃はバグシーザーの皮一枚を切り裂くに留まる。ジークはバグシーザーの束縛から何とか抜け出そうとするが、ただでさえ体力に差がありすぎる上、４本の腕でがっちり掴まれていては脱出などできるわけが無い。バグシーザーはジークに再び噛みつくと同時に、４本の腕で握り潰しにかかる（握り潰しは百鬼夜翔２４９頁参照）。

ザイン　 こいつ、やることが母さん以上に無茶苦茶だ！

ＧＭ　 いや、いくらなんでもこいつと比べるのはどうかと思うが？　実はＣＰ総計は母のほうが上だけど（笑）　しかし、握り潰しじゃダメージはたかが知れてる。

ジーク　 こいつの「たかが知れてる」は、俺らの通常ダメージをはるかに上回ってるんだがな（泣）

　この攻撃により、ジークは２度の死亡判定を行うが、どちらも成功し、なんとか一命を取りとめる。

ザイン　 この、ジークを離せ！手首を狙って（ころころ）よし、１８点。

ＧＭ　 む？そのダメージじゃ、手首が使えなくなったか（ころころ）いや。それだけじゃなく、右下の手首が切り落とされた（生命力判定に大きく失敗した）。

ザイン　 よし！

バグシーザー　 おのれ、小僧！

ザイン　 くやしかったらそんな半死人は放っておいて、僕にかかって来い！・・・と内心むちゃくちゃ怯えながら（笑）

バグシーザー　 よかろう。わしの腕を切り落としたこと、後悔させてやる！

ＧＭ　 とりあえず、ジークを地面に叩きつけよう。ダメージは１４点ね。

ジーク　 また死亡判定か（ころころ）げ？失敗？

ザイン＆アージス　 え！？

ジーク　 いや、もう一つラッキーダイスがあるからそれを使おう。（額を拭って）ふぅ。とは言え、両足と右腕が砕けている以上役に立ちそうにない。

ザイン　 今は休んでて。こいつは僕たちが何とかする。

ＧＭ　 何とかできるといいねぇ。バグシーザーは、上下の口で《火吹き》に集中だ。単純なダメージは、この魔法が一番でかい。

アージス　 俺の番だな。胴体左の目を狙ってナイフを撃つ。サイズがでかいから当たる確立は５分（ころころ）よし！命中。ダメージは最大の７点！

バグシーザー　 うおっ！貴様アァァァァァ！！！

ＧＭ　 アージスの一撃は、バグシーザーの左目に深々と突き刺さった。サイズ修正はあるが、さすがに目に防護点はない。

ザイン　 その隙に切りつける！１３点！

バグシーザー　 小賢しいわ、雑魚どもがぁぁぁ！！

ＧＭ　 バグシーザーは全身を真っ赤に染め、ザインとアージスにそれぞれ《火吹き》を放つ。

ザイン　 盾で「止め」た！まだ盾は壊れません。

アージス　 《瞬間回避》（ころころ）え？　失敗！？

ＧＭ　 ならばダメージは１９点。さらにザインに踏みつけ攻撃だ。

ザイン　 それは後退して（ころころ）「よけ」ました。

アージス　 俺は後一点でもダメージ受けたら死亡判定だ。

ＧＭ　 さらに、鉤爪を振り下ろす。

ザイン　 サイズ差と高低差があるから、「よけ」は心細いなぁ。ここは盾が壊れるのを覚悟で「止め」ます！

ＧＭ　 （ころころ）おっと、このダメージなら盾壊れたんじゃないか？

ザイン　 壊れました。もう後が無い。

アージス　 まだ気絶はしなかったが、時間の問題だ。後は頼むぞ。

ザイン　 これで決まってくれ！（ころころ）命中してダメージ１２点！

ＧＭ　 そのダメージで死亡判定だ。まあ、生命力高いから大丈夫だろう。どうせならオープンダイスで。

　結果は６と・・・６と・・・・・・・・・１。

ＧＭ　 ふぅ、びびった（額を拭う）

アージス　 （淡々と）ラッキーダイスを使う。その１のサイコロを振りなおしだ。

ＧＭ　 ・・・・・・（振りなおしの結果は３）

ジーク　 微妙だな。どうだ？

ＧＭ　 ・・・バグシーザーは、踏み出してザインを攻撃・・・

ザイン　 だめか！

ＧＭ　 ・・・しようとしたのだが、右足は自重を支えきれず崩れおちる！そして、全身の傷から、白濁色の膿が溢れ出す。

バグシーザー　 馬鹿な！？このワシがこんな小僧どもに・・・グブハァ！

ＧＭ　 バグシーザーは、膿をぶちまけ絶命する。

ザイン　 一応、膿には当たらないようにしますね。「よけ」は成功。

アージス　 俺も《瞬間回避》だ。

ＧＭ　 （チッ）さて、森の各地で聞こえていた争う音や、火の手も収まり始めている。何人かのエルファが、君たちの元へやって来るね。

エルファ　 この化物は・・・君たちが倒したのか？

ザイン　 ええ。それで、仲間が重傷を負いました。治療を手伝ってもらえませんか？

エルファ　 分かった。今レスティリ氏族のものを連れてくるから、止血だけはしておいてくれ。

ザイン　 分かりました。
　

帰還の日

ＧＭ　 さて、駆けつけたレスティリエルファのお陰で、君たちの傷は癒された。しかし、ジークの両足は完膚なきまでに破壊されていたんで、魔法によって治療はしたが、歩けるようになるまでは４巡りはかかる。この森でゆっくり養生しろってさ。

ジーク　 となると、＜看護都市＞に戻るのは、少なく見積もっても６０日後か。

アージス　 俺たちは先に帰ってるぜ。

ジーク　 いいよ。特にザインは、ルイーネが待ってることだしな（ニヤリ）

ザイン　 （無視）それにしても、勝てるとは思わなかった。

ＧＭ　 負けるとは思わなかった（笑）。本キャンペーンのラスボス候補の一人だったのに。

ザイン　 しかも、僕、無傷だし。

ＧＭ　 そういえば、一度も攻撃当てた記憶がない。

ジーク　 《盾》の呪文も使ったから、受動防御１１だろ？　そりゃ当たらないって。

ＧＭ　 強力な攻撃は、サイコロで狙う相手決めたからな。ほとんどジークに集中した（苦笑）

ジーク　 俺って、ここぞというときのサイコロ運は悪いからな（苦笑）

ザイン　 普段のサイの目なら、僕のほうが悪いけどね。そんなことより、森の被害はどれほどでした？

ＧＭ　 大したことは無い。木が密集してなかいから、火が燃え広がる前に迅速に消すことができたし、ゲルーシャたちもバグシーザーが倒れたことにより統率が乱れ、烏合の衆と化した。もっとも、ケルベロスには逃げられたが。

ジーク　 何をやってんだか。

ＧＭ　 いや。ケルベロスはバグシーザーが倒れた後、「奴も私の望むものではなかった」とか言って、《瞬間移動》で逃げた。護衛のゲルーシャも多かったので、攻撃を加える余裕も無かったし。

アージス　 それならばしょうがないな。

ザイン　 でも、その言い方だと僕たちに恨みを持って襲ってくることはなさそうだね。

ジーク　 そうだな。

ＧＭ　 パオラの森のエルファたちは、君たちに感謝しているんだが、礼になるようなものは何もないそうだ。

ザイン　 あ、別にお礼は良いですよ。

アージス　 俺たちの名前を後世まで伝えてくれればな。現金があるんだったらそれに越したことは無いが（笑）

エルファ　 分かりました。あなたたち若き人間の勇者たちの名は、この森で語り継がれることとなるでしょう。

ザイン　 これからは変な奴をあまり森に入れないように気をつけてね。

エルファたちに見送られつつ、次回「全ての未来のイヴたちへ～前編～」へ続く