黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第10話【真っ暗闇の森の遺跡】

新キャラ登場

GM  さて、今回は<交易の港>アストリアの郊外、フォーシーズン研究所から話は始まる。

カガヤ  何でそんな所から?

新キャラ  わしはフォーシーズン研究所の所員じゃからな。おぬしらと合流させるためじゃろ。

GM  その通り。君はある日、研究所のオーナーにして所長代理のヒンメルから、応接室に呼び出される。

新キャラ  呼ばれたのでしたら行きましょう。調査依頼ですかのう。

ヒンメル  おお、来たか。今日、おぬしを呼んだのは他でもない。いつも通り、研究対象の現地調査依頼じゃ。対象は<狂乱の傀儡子>ドーリー・コッペリウスの創った自動人形DOLL。

新キャラ  ほう。それは、わしの研究テーマでもありますな。

ヒンメル  今、<看護都市>レナに、ザインという少年がいる。そやつの連れのルイーネという少女が、ドーリーの最高傑作。おぬしにはそのプロトドール・ルイーネの観察および護衛、それにルイーネを狙う邪術師シャルルと、そやつが創った量産型ドールの調査を頼みたい。

新キャラ  分かりました。しかし、ずいぶんと頼まれてしまいましたな。

ヒンメル  なに。ザインと一緒に行動しておれば、全て同時に行えるのじゃ。難しいことではあるまい。そうそう、おぬしの弟子でもあるアージスもザインの仲間じゃ。

新キャラ  ほう。久々に、アージスにも会えるというわけじゃな。では、ルイーネ殿について、ヒンメル殿が知っておることを教えていただきたい。

GM  じゃあ、ザインたちが今まで行った冒険を事細かに説明しよう(笑)

新キャラ  説明されよう。なるほど。人造生命といえど、人と変わりがないようじゃな。これは注意して調査せねば、少女を傷つけてしまうことになりそうじゃ。

ヒンメル  <看護都市>の知り合いに、おぬしに協力するよう依頼してある。まずはそ奴に会うが良い。

 

 こうして、新キャラはお供のクレイゴーレム「ドンダム」、使い魔の三毛猫「キティ」と供に<看護都市>レナへ・・・

 

GM  前回からすでに10数巡り。ナバールもまだ問題は多いが一端は落ち着き、季節は春になった頃。<看護都市>レナは、今、一つの噂で持ちきりになっている。<最北都市>ナバール政権交代は、たった一人の少年によって成されたという噂だ。

ザイン  それは誇大解釈しすぎだってば!

アージス  噂には尾ひれが付くものさ。実際俺は何もやっていない(笑)

ジーク  しかし、都市国家一つ転覆させておいて、お前本当に「誠実」か?

ザイン  僕は僕の信念で動いただけだよ。

GM  ルール的に言うなら、「誠実」は、間違っていると思った法律は当局に乗り込んででも正そうとするみたいだからね(笑) で、新登場の君はどうする?

新キャラ  まずは協力者に会いに行くとするかの。

GM  では、薄暗い酒場の個室。君の向かいには、2つの白いリボンと黒のツインテールが印象的な美少女が座っている。その少女はレインと名乗る。

レイン  あなたが、研究所から派遣されたルイーネの護衛兼DOLLの調査に来た人ね。じゃあ、この紹介状を持って、ワルキューレという酒場にいる私の兄、ザインと合流してちょうだい。

新キャラ  ほう。ザイン殿の妹君か。

レイン  ついでに言うと、ルイーネの姉。だから、もしもルイーネをただの実験材料として見るなら・・・

新キャラ  それは大丈夫じゃ。ルイーネ殿の話ならばすでに聞いておる。思春期の少女を傷つけるような真似はせん。

レイン  そう? だったらいいけどね。

 

バナナはおやつに入りません

 

 一方、パオラの森で長い療養生活を送っていたジーク、他の仕事で<看護都市>から出ていたカガヤもワルキューレに集まっていた。

 

ジーク  最近、負けが込んでいるせいで、戦士としてやっていく自信がなくなってきた。せっかく「動物共感」も持ってるんだし、ジョッキーでも目指してみるかな。

カガヤ  だったら、こっちに戻ってくるより、パオラの森の近くにある<快楽都市>ミディアへ行くべきだったんじゃない? あそこには競馬場があったわよ。

ジーク  今はガヤンの仕事があるからな。本気でジョッキーになりたくなったら、ガヤン辞めてミディアに行く。

ザイン  そういえばGM、前回手に入れたマゾニア・ラフレシアの像と、ポロの拳骨はいくらで売れましたか?

GM  像に関しては1D-1×1000に5000を足したもの。ポロの拳骨は300×3Dムーナだ。

アージス  (いっころ)よし6! 像は10000ムーナで売れた。

ザイン  ポロの拳骨は4800ムーナ(笑) 計14800ムーナ。これは2人で山分けだね。

ジーク  賽の目まで操るとは、「強欲」&「けちんぼ」パワー恐るべし(笑)

GM  ちなみに、前回の報酬は、ザインは組織の活動の一環だったので0。アージスには1000ムーナ入る。

アージス  これで所持金が2万を越えた。これだけ金があるなら、魔法屋へ行こう。大型のパワーストーンを買うぜ。

ザイン  僕も魔法具店の店先で、ウィンドウにへばりついて、飾ってある大型のパワーストーンをもの欲しそうに見ていよう(笑)

GM  買わないのか?

ザイン  だって高いし。

アージス  20点のパワーストーンが欲しいのだが?

GM  さすがにそれは難しいな。「商人」技能-5で判定して、成功したら値段が1D倍のものしかないことにしよう。

アージス  それはかなり厳しいな・・・

 

 とか言いながら、技能判定はばっちり成功させ、1Dの目も1でした。

 

カガヤ  どうして、このGMがマスターするゲームじゃ、物欲が絡むとみんな出目が良くなるんだろうねぇ(笑)

GM  それはこっちが聞きたいわい(笑) ところで、魔法具屋の外にザインがいるが?

アージス  (ため息)俺が前使ってた、10点のパワーストーン貸してやるよ。

ザイン  ホントか? サンキュー!

アージス  貸すだけだからな。

GM  では、昼過ぎに2人が外で買い物をしている間、ワルキューレでは。他メンバー2人と、ザインが出かけていて退屈そうなルイーネがいるわけだが・・・

カガヤ  昼でもいいからお酒飲んでる。スピリタスとか強い奴。ルイーネも飲む?

ジーク  こらこら(苦笑)

GM  (ルイーネの生命力判定をして)げ? ファンブル。ルイーネ一口飲んだだけでぶっ倒れた(笑)

カガヤ  わぁぁ? ごめんルイーネ。責任持って看病する。マスター、二階の部屋借りるね。

GM  そんなこんなでバタバタしていると・・・

ジーク  カガヤさん一人が、勝手にばたついていただけだと思うがな(苦笑)。

カガヤ  まあ、気にすんな(笑)。

GM ワルキューレの入口が開き、見たことのない男が入ってくる。

ジーク  外見は?

新キャラ  ごま塩色の髪に、皇帝髭を生やした長身じゃが痩せた魔術師風の男じゃ。パイプをくわえておる。となりには、クレイゴーレムを連れ、猫を肩に乗せておる。(ジークに)お主がザイン殿かな? わしは魔術師のノイマンというものじゃが。

ジーク  俺はザインじゃない。ジークムンド・カーナーだ。

新キャラ→ ノイマン  ほう。カーナー家というと、ジョルジュの名家の。

GM  いや、さすがに知らないんじゃないかな? 別にカーナー家は市長をやっているわけでもないし、ピンポイントでジョルジュの地域知識でも持っていない限り。

ノイマン  む、そうか。

ザイン  僕たち、帰ってきてもいいですか?

GM  どうぞ。

ザイン  ただいま。あれ、その人は?

アージス  ノイマンさんか? 何でこんな所に?

ノイマン  おお、アージス。久しぶりじゃのう。

ジーク  知り合いか?

アージス  ああ。研究所時代に、いくつか呪文を教えてもらった。

ジーク  ザイン。この人はあんたのこと探してたみたいだぜ。

ザイン  僕を?

ノイマン  うむ。わしはフォーシーズン研究所から派遣された、魔術師のノイマン。そして、こっちがクレイゴーレムのドンダムと、使い魔のキティじゃ。

ドンダム  まっ

キティ  ニャー。

ノイマン  ザイン殿に、妹君からもらった紹介状を渡しましょう。

ザイン  読んでみよう。

GM  「シャルルやドールの調査に協力してくれる人だから信用できるよ」だそうな。

ザイン  簡潔にまとめすぎ(苦笑) あいつが言うんだから信用できるんだろうけど。それにしても、研究所か。嫌な感じがする。

ノイマン  あ、勘違いしないで戴きたい。わしはルイーネ殿をどうこうしようというつもりではない。

ザイン  それならいいけど・・・そういえばルイーネは?

ジーク  さっき倒れた。今2階でカガヤさんが看病してる。何故倒れたかは言わない(笑)

ザイン  じゃあ、血相変えて2階へ行こう(PLは笑) ルイーネッ!

カガヤ  あ・・・ザイン。・・・ごめん。

ザイン  何で謝るんだよ! ルイーネはどうなったんだ!?

カガヤ  いや、お酒飲ましたら、倒れちゃった。

ザイン  酒?

カガヤ  うん。

ザイン  ふぅぅ・・・思わせぶりなこと言うから、驚いたじゃないか(PLは笑)

ジーク  俺は、お前のその反応が見たかったんだよ(笑)

 

青の遺産

GM  そんなこんなで、現在とある患者の治療を依頼されて忙しいルミノール先生以外は、全員「ワルキューレ」に集まったわけだ。

ザイン  皆揃ったなら、そろそろいいかな。ブラウからもらった地図を出そう。

カガヤ  これは?

ザイン  ナバール陥落の際手に入れたんだ。邪術師シャルルの研究所の場所の一つが書かれている。もっとも、おおまかな場所しか分かんないけど。

ノイマン  ほう、シャルルか。わしの目的の中に奴の調査も含まれておる。探すのであれば協力いたしますぞ。

アージス  俺はシャルルを殺すと決めたからな。奴を追うのなら手伝わせろ。・・・報酬は出るのか(笑)?

ザイン  報酬出すのは僕じゃなくて市長だけどね。

GM  正確に言えば、都市の予算の中から捻出される<白い影法師>の活動資金からだ。ちなみに、邪術師シャルルは連邦中で指名手配されることになった。

ジーク  だったら、俺も手伝おう。ま、役に立つかどうかは分からんがな。

カガヤ  悪の魔法使いの研究所を探索か・・・わくわくするよね(笑)

ノイマン  ところで、地図の具体的な場所は分かりますかな? わしは「方向感覚」と「地域知識/西ネクロス島」、「ランドナビゲーション」技能を持っているのじゃが。

GM  うむ。中央山脈と呼ばれる、島南部を東西に分断している巨大な山脈の中で、最も登りづらいとされている場所の一つだ。ちなみに、中央山脈は「龍の墜ちた山脈」とも呼ばれ、龍と銀の月の戦争時代、最強の七大龍の一体、<白金の鋼鉄龍>が墜落した山といわれている。洞窟を掘ればパワーストーンが取れたりするし、古い遺跡も多い。

ザイン  きっと、1000点を越える大型パワーストーンが取れるとか言う噂があるんだろうなぁ。

ノイマン  そのようなものを見つけて財を成したという人物の噂も多いのでしょうな。しかし、実際そのような人物にあった人はいないと(笑)。

GM  その通り。んで、その山脈に挑む人々たちが集まるのが<冒険都市>カイン。

ザイン  僕たちもまずはそこに行こうか。

カガヤ  ルイーネはどうするの?

ルイーネ  私・・・この街にいたくない・・・

GM  人の口に戸は立てられぬもの。ルイーネが人間じゃないという噂は街中に広まっている。全員が全員ではないが、ルイーネに対する街の人の反応は冷たい。

ザイン  僕たちと一緒に旅した方が、ルイーネのためかもしれないね。市長に許可もらえたら、一緒に行こうか?

ルイーネ  うん!

GM  では市長宅。

ヴァイス  正直、また離れてしまうのは辛いですが、今の街の状態はルイーネによい影響を与えることはないでしょうね・・・

ザイン  では?

ヴァイス  ルイーネをよろしくお願いします。私は何とか街の状況を改善させてみます。ですから、どうかこの街に帰ってきてください。

ザイン  はい。しょうがないけど、市長元気ないね。

GM  まあ、2度も自分の娘を守れなかったんだからねぇ。

ザイン  でも、街のことで僕にできることは何もない。シャルルを倒して、後の憂いを断つだけだ。

ノイマン  そのためにも、まずは中央山脈の研究所ですな。

 

 一行は、<冒険者都市>までの旅支度を整え、<看護都市>を後にする。その際、サリカの孤児院に多額の寄付をしていたジークは、子どもたちから手製のペンダントをもらった。

 

GM  サリカの保母さんは、魔法の素質を持った子が作ったものなので、何らかの魔法の効果があるだろうとのこと。

ノイマン  では、わしが《魔法分析》で調べてみよう。

GM  低レベルの《体力回復》がかかっている。持っていると、疲労が8分ごとに回復するようになる。

アージス  微妙な効果だな(苦笑)

ジーク  もらったもんは持っておこう。こういうどうでもいいアイテムを手放すと、命を落す可能性があるとディックが言っていたからな。

GM  (あの超高級石ころのことかな?)そんなこんなで馬車に揺られて2巡り。

ザイン  え? お金かかるのに馬車で移動してるの?

ジーク  お前はまたそれか。

カガヤ  なぜかお金余ってるから、私が立て替えとくね。

ザイン  ありがとうカガヤさん。

ノイマン  ドンダム(ノイマンの作成したクレイゴーレム)の馬車賃は高くなりますかな?

GM  いや。ルナル世界のゴーレムは人間サイズだから通常運賃。で、君たちは2巡りで<冒険者都市>カインに辿り着く。ドリーマーが集まる街なだけあって、ミディア同様活気があるが治安の悪い街だ。

アージス  儲け話には事欠かなさそうな街だな。人ごみは嫌いだが。

ザイン  財布にはチェーンをくくりつけておこう(笑) ルイーネ、はぐれないようにね。

ルイーネ  うん。

カガヤ  私は「お祭り好き」だから、出店があるたびふらふら寄って行く(笑)

ノイマン  肉の焼ける不快な匂いがしますな。肉など体の害にしかならんでしょうに。(と言いつつタバコをふかす)

ジーク  マテやおっさん。タバコも害にしかならんぜ?

ノイマン  何をおっしゃる。タバコを吸えば気分がすっきりするのじゃぞ。

ジーク  典型的なヘビースモーカーだな(笑) そういや、俺もお祭り好きだった。出店でも見て回ろう。

GM  んじゃ、ジークとカガヤは意志判定。失敗すると皆とはぐれる。

 

 ここで、ジークがはぐれてしまうが、《方向探知》が使えるメンバーが3人もいては、合流は簡単。一行は出店で買ったものを食べつつ、適当な酒場兼宿屋に入り、長旅の疲れを癒すことにする。

 

黒き森への挑戦

 

 翌日、一行は中央山脈に挑むための準備を始める。

 

カガヤ  登るのが難しいのなら、プロの登山家でも雇う?

GM  ああ、ごめん。登るのが難しいのは武装した冒険者であって、登山家からしてみれば初心者でも十分登れるレベル。もちろん登山用道具は必要だが。

ザイン  あ、その手の道具は、僕が一通り持ってる。

アージス  俺やノイマンも空が飛べる。山登りだけならば簡単だろう。

ノイマン  ならば、後は防寒具ですな。わしの荷物のほとんどはドンダムに持たせますぞ。

ドンダム  まっ

ザイン  便利だなぁ。

ノイマン  それと、研究所の場所も含めて、地図の場所周辺の情報を集めねばなりませんな。

 

 ノイマンは、様々な冒険の集うタマット神殿や冒険者ギルドへと向かい、中央山脈の情報を入手。

 その情報によると、地図の場所は窪地になっており、湿地帯の深い森が広がっているという。自然発生した様々なモンスターも暮らしている危険な場所な上、遺跡が見つかったという情報もないため、あまり人が訪れることのない地だとのこと。また、森の中にはライカンスロープの暮らす村と、ムーンマンの集落があるという。

 

ノイマン  2つの集落の場所も、聞けましたぞ。

ザイン  ライカンスロープ*1やムーンマンは、迫害されたり狩られたりしたから、辺境の地に逃げたんだろうね。

ジーク  ムーンマンってのはなんだ?

ノイマン  仮面を着けたような顔以外は人間によく似た種族じゃな。ムーンマンの周辺はマナが濃くなるゆえ、戦争の道具として乱獲されたのじゃ。知能はあるから、交渉は可能じゃ。

カガヤ  情報屋でも研究所の場所は分からなかったんでしょ? だったら、どちらかの村で聞く必要があるわね。どちらも気難しい種族な気がするけど。

 

 一行は相談のすえ、魔術師3人も連れてムーンマンの集落へ向かうのはいらぬ誤解を与える可能性があると判断し、ライカンスロープの村へ向かうことに決める。

 翌日、中央山脈奥地へと向かった一行は、特に事故や悪天候や空飛ぶモンスターに襲われることもなく、3日かけて窪地にある深い森へと辿り着いた。ちなみに、「高所恐怖症」のザインは、始終アージスの《勇気》の呪文にお世話になりっぱなしだった。

 

GM  むぅ、つまらんな。一人ぐらい落ちて大怪我しろよ。

ザイン  嫌だ。高いところから落ちるのは、小さいころ散々経験したから。

カガヤ 君の小さい時、何があったのよ。

ザイン 僕の母さん、僕を抱いたまま「八艘跳び」*2したり、「強打」*3で高い高いしたり、おかげで何度死に掛けたか・・・

ジー お前の高所恐怖症って、それが原因なのか?

ザイン 多分ね。

一同 (爆笑)

ノイマン  今明かされる脅威の真実じゃな(笑) さて、湿地帯の案内はわしがしよう。「方向感覚」が狂っとるようなことはないですかな?

GM  それはない。んじゃ、何度か遭遇チェックでも振ってもらおうか。

 

 一行は、ドンダムを先頭に、遠くで「啼き蛙」ことゲルルルク*4の声が聞こえ、不死身の泥人間ダムラー*5一匹があてもなく彷徨い、大型肉食植物歩行樹が蠢く不気味な森の中を抜けていく。

 

ザイン  ダムラーが集団で襲ってこなかったのは助かったね。あいつ力は強くはないけど厄介だから。

アージス  マゾニア・ラフレシアはいないのか(笑)?

GM  あんな金の成る花そうそう出すかい!

ザイン  ちぇっ。

GM  (なんか、どんどんザインの本性が見えてくるような気がする・・・)

 

 途中、下を通りかかった犠牲者を、釣鐘状の蔦で捕まえ窒息させ養分にする植物型モンスター「首吊りの樹」ことハンギアに、先頭を行くドンダムが捕らえられるが、そもそも息をしていないゴーレムは窒息などしない。ドンダムが吊り下げられている間、他のメンバーはハンギアを飛び道具で攻撃。全く犠牲を出さず危機を乗り切った。

 

ノイマン  (釣られているドンダムを降ろし)ご苦労じゃったなドンダム。

カガヤ  ドンダムのお陰で、助かったわね。

ドンダム  まっ

GM  さて、窪地に入って2日。そろそろライカンスロープの村だ。

ザイン  堂々と近付こうよ。変に足忍ばせたりすると、逆に怪しまれると思うから。

ノイマン  同感ですな。

GM  それ以前に、嗅覚、聴覚、視覚のいずれかで判定をどうぞ。

カガヤ  多分私の聴覚7成功が一番良いわね。

GM  ふむ。すると、樹上から僅かな物音がする。

カガヤ  待ってください。私たちは怪しいものじゃありません。

GM  すると、樹上に複数の影が現れる。(サイコロ振って)17人ほどいるね(笑)

アージス  ファンブルしたな(苦笑)。

樹上の影  「私たちは怪しいものです」っていって近付く奴なんているものかよ。

カガヤ  それもそうね(苦笑)

樹上の影  納得するなよ。で、一応聞いてやるがあんたたちは何者だ?

ザイン  邪術師の研究所を探してここまで来たと素直に言いましょう。そして、ここの近くにそのような建物がないか尋ねます。

GM  代表、反応判定を。

ジーク  じゃあ俺が(ころころ)15だ。

樹上の影  ふーん、悪い奴じゃなさそうだな。

GM  樹上の影の一人が飛び降りてくる。

カガヤ  わお。

GM  飛び降りたのは、眼光は鋭いが、わりと線の細いイケメン。

孤高の荒鷲  俺は「孤高の荒鷲」。この集落の代表の一人をしている。名前から分かると思うが、ワーイーグルだ。

ノイマン  と、言うことは、残りの代表は4人ですな(笑)

GM  正確には5人。銀色の狼も加わったから。ちなみに、初代代表はイーグル、シャーク、パンサーの3人。

ノイマン  うむ。それは素晴らしい。

カガヤ  ネタなのは分かるから、早く話し進めて。

GM  これは失礼。

孤高の荒鷲  それで、怪しい建物の話だったな。それだったら知っている。ここより南の山の斜面に、かつて俺らやムーンマンの墓場があったんだが、斜面の一角が崩れて塔みたいなものの一部が顔を出している。

アージス  そこの可能性は十分にあるだろうな。

ザイン  ありがとうございます。

孤高の荒鷲  なに、良いって事よ。変わりと言っちゃぁなんだが、俺たちの村の中には入らないでくれ。お前ら純血の人間を憎んでいる奴は多いからな。

ザイン  分かりました。

孤高の荒鷲  そういえば、5日前にも同じ事を聞きに来た三人組がいたな。学者1人と付き人風2人。

カガヤ  その人たちにも今の場所教えたんですか?

孤高の荒鷲  いや。態度でかかったから、むかついて追い出した。ムーンマンの集落へ向かっていったな。

ザイン  GM、ここからムーンマンの集落までどれくらいかかります? あと、ムーンマンの集落から遺跡まで。

GM  ムーンマンの集落までは2日。そこから遺跡までも2日になる。

ザイン  ここから遺跡に向かえば、向こうで鉢合わせの可能性もあるね。何者かは分からないけど、注意しないと。

カガヤ  そうね。今のところ私たちは、ムーンマンの集落に行く必要はないんだし。

GM  (あらら。プロフェッサーと愉快な仲間たちは出番なしか。)

ノイマン  ところで、GM。

GM  何?

ノイマン  初代代表以前に、象とお友達の、パイナップル好きな人がおりませんでしたかな?

GM  どうも黙り込んでいると思ったら、そんなこと考えとったんかい(笑)

 

 ちなみに、設定では、その人、この集落の住民のご先祖様となります。

 一行は、村の外で一泊休ませてもらい、翌朝遺跡に向かって出発する。相変わらずモンスターたちの気配はするも、特に襲われることなく、その日の夜目当ての遺跡らしきものを視認する。

 

GM  窪地になっている岩肌の一面が禿げ、確かに塔のようなものの一角がのぞいている。「建築学」と「歴史」があれば、おおよその年代は特定できるが?

アージス  どちらもないな。

ノイマン  「歴史」ならありますがな。

GM  んじゃ、「よく分からないが遺跡」だ。

 

 一行は見張りの順序を決め、遺跡の見える場所で野営を行う。

 

ザイン  ノイマンさんの《安眠》があるから、野営はかなり楽だね。

ジーク  睡眠時間が半分で良いんだからな*6

ノイマン  派手な呪文も悪くはないんじゃが、冒険者魔術師の真骨頂はこういった便利な呪文ですからな。

ザイン  (頷いている)

アージス  嫌味言われている気がするのは気のせいか?

GM  では、恐らく最後の遭遇チェック。目は小さい方が良いからね。

ジーク  俺が振ろう。(ころころ)ファンブル

一同  (爆笑)

GM  さらに1D6だ。これも小さい方が良いよ。

ザイン  ちょっと待って、僕が振・・・

ジーク  (聞かずにサイコロを振る)6(爆笑)

GM  では、見張り組みその2、カガヤとノイマン。-4で視覚チェック。

カガヤ  うわぁ、すっごい嫌な奴が来そう。(ころころ)一応成功。

GM  じゃあ、ほのかな薪の明かりに誘われたのか、半透明の宙に浮いた、人型の黒い霧が君たちに近づいてくる。君たちを囲みこむように、六つ蠢いている。

就寝中ザイン   げ!? まさか、ダークシャドウ!? そういえばこの辺は昔、ムーンマンやライカンスロープたちの墓場だったって言ってたっけ。

ノイマン  「神秘学」判定は成功ですぞ。

GM  うむ。ならば、あれは間違いなく死者が残した恨みの固まりがアンデットモンスターと化した怪物、ダークシャドウ。霊体を切り裂くような効果でもない限りは、魔法の剣でもこいつに物理攻撃は無効。ただし、火や強い光に弱い。攻撃方法は接触しての生命力吸収だ。

カガヤ  ならば、《閃光》に集中。

ノイマン  長めの薪を拾い、構えましょう。そして、大声で叫びますぞ。「モンスターが出たぞー!」

ジーク  (ナレーション口調で)しかし、羊飼いの少年の言葉を信じるものは誰もいなかった(笑)

ザイン  (ため息)あんたにサイコロ振らせるべきじゃなかったよ。

GM  就寝組みは生命力判定で目を覚ますかどうか。目を覚ましたら意思判定をして、朦朧から回復してくれ。意思判定は熟練度を加えて良いから。

一同  目が醒めた!

GM  (ころころ)あ、ルイーネは寝てる。

ザイン  おいおい(苦笑)

ノイマン  こいつらに武器は効きませぬぞ。光か火で攻撃してくだされ。

 

 アージスは《閃光》の集中に入り、ザインは《持続光》の棒を構える。ジークは薪から火の付いた棒を持ち、影たちを迎え撃つ。

 第1ターン。真っ先に影に取り込まれたのは、アージスの使い魔、梟のドロップとカガヤ。不覚にもアージスは使い魔を退避させるのを忘れていたのだ。しかも、負傷を共有しているためドロップのダメージはアージスにも及び、呪文の集中が途切れる。カガヤは生命を吸収されながらも、集中を続ける。他のメンツは各々手にした道具で影を攻撃し、微小ながらダメージを与えた。

 第2ターン。2体の影に取り込まれ生命吸収されつつも、カガヤはまたも集中の維持に成功。アージスは朦朧から立ち直れない。このターンでさらにジークが影に取り込まれてしまう。ザインは奇跡的な出目で、ノイマンは《瞬間回避》で影の攻撃を避け続ける。

 そして、第3ターン。

 

カガヤ  維持はできた、《閃光》!

GM  あ、集中中にダメージ食らったら、維持できてて我慢強くても、発動には-3ね。

カガヤ  え? じゃあ、失敗してる? いや、ラッキーダイスを使って(ころころ)成功!

 

 この《閃光》により、至近距離で浴びたダークシャドウの一体が消滅。もう一体も存在のほとんどを失う。ノイマンジーク、ザインと戦っている3体も大きなダメージを受けたが、ドロップを取り込んでいる影は、距離が離れていたせいでダメージは無し。

 

アージス  やばい。死ぬ。いや、俺がじゃなくてドロップが。

GM  別に、使い魔が死んでも自分が死ぬわけじゃないぜ?

アージス  使い魔がいなくなると、CP総計が減るんだよ!

 

 とは言え、他のメンバーも目の前の影を相手にするので手一杯。なんとか、全ての影を消滅させたころには、ドロップは死んでしまっていた・・・

 

カガヤ  皆、大丈夫?

ジーク  俺は死亡判定入った。誰か回復してくれ。

アージス  ドロップが早々に死んでくれたから、俺自身は気絶ダメージだ。

ノイマン  負傷はないが、疲労がひどいわい。(《瞬間回避》で逃げつづけた)

ザイン  ただのランダム遭遇判定だったのに、何て強力な敵が出てくるんだ。しかも、ルミノールさんがいないときにアンデットだし。

ジーク  それに関しては運が悪かったとしか言いようがないな。

一同  お前が言うな!

 

探検・冒険・僕らの遺跡

 

 一行は傷を癒し、翌日まで休んだ後、窓らしき場所から塔の一角に入る。塔の中は暗く、先頭のカガヤが構えている10フィート棒の先に灯した《持続光》の光を頼りに、奥へと進む。

 

GM  右側に開けっ放しの扉があって、奥には棺らしきものが散乱している。正面にも大きな扉があるが、こちらは閉まっている。

ノイマン  《遠耳》の呪文を使ってみるかの。薄い壁程度ならば、向こう側の音が聞こえるはずじゃ。

GM  ならば、棺のいくつかからはガサガサと動く音が聞こえる。扉の奥からは、唸るような声が聞こえるね。

アージス  唸り声か。近付きたくないな。

カガヤ  同感。左側の部屋に行きましょう。くれぐれも棺に触れないように。

GM  と思って、左側の部屋に入ろうとすると、10フィート棒の先端が、音を立てて焼け焦げる!棒を持っているカガヤさん、1D-3点のダメージを受けて。革鎧の防護点は有効。

カガヤ  だったらダメージは無し。でもびっくりした。

ノイマン  なるほど。線を抜けようとすることで発動するトラップじゃな。

ジーク  感心するのはいいとして、どうする?

カガヤ  唸り声の主が何者か分からないのは怖いけど、正面の扉に行きましょう。

GM  君が扉に近づくと、突如扉をぶち破り巨大な何かがカガヤを襲う!

カガヤ  とっさに刀を抜いて「受け」ます!

GM  「戦闘即応」を持つ君ならできる。ただし、サイコロ一個振って6なら刀が折れる。

カガヤ  6分の1か・・・え?折れた!

ザイン  ええ?

カガヤ  あ、いや、ラッキーダイスがもう一つあったから使う。(いっころ)よし、折れなかった。

GM  で、衝撃で君は後方に吹っ飛ぶ。

ジーク  扉からは何が出てきたんだ?

GM  巨大な拳だ。それが引っ込むと、まつげがキュートなつぶらな瞳を持った一つ目の巨人が、君たちのほうを見ている。

一同  サイクロプス~!?

ザイン  何でこんな化け物がここに?そもそもどうやって入ったんだろう?

アージス  小さなころから、でかくなるまでここで育てられたとか(笑)

ジーク  ボトルラビットじゃねーんだから・・・

ノイマン  今の食料とかはどうしとるのかのう。

 

 実はこのサイクロプス、精巧にできたゴーレム。正確な呪文を唱えれば動きが止まるのですが、呪文を知っている人物は今ごろムーンマンの集落で生贄になりそうになっているところである。

 

ジーク  で、どうする?俺はサイクロプスを相手にしたくはねーぞ。

アージス  俺かノイマンなら《瞬間移動》で向こう側にいけるな。

カガヤ  向こうに行ってどうする気?

アージス  それが問題なんだよな・・・

ザイン  (ルールブックで確認して)《変形》の呪文なら、「両手で掘って取り除けるほどの速度で壁や扉を取り除ける」って書いてある。壁、分厚いですか?

GM  いや、せいぜい10メルチ(10センチ)

ザイン  じゃ、掘ります。呪文の発動は成功。

GM  じゃあ、つつがなく人一人が通れるほどの穴が掘れた。

ノイマン  棺に何が入っとるか分からんから危険じゃな。《魔法の目》と、ドンダムに先行させよう。

ドンダム  まっ

GM  部屋は10メルー四方ほど。さっきも言ったが、棺のような黒い箱がたくさん転がっている。

ノイマン  中身が気になるのう。ドンダム、少しだけ開けてすぐに閉めてくれ。わしがその隙に《魔法の目》で見る。

GM  一瞬見えた中には、骨も肉もないが内臓と眼球だけで動いている物体。それがギロリとドンダムを睨んだ。恐怖判定どうぞ。

ノイマン  むっ!(ころころ)成功じゃが、気味の悪いものを見てしまった。なんらかの邪悪な実験の失敗作かの。

カガヤ  それがこの部屋全体に・・・かなり嫌かも。

ザイン  シャルルとは限らないけど、邪術師がいる可能性は高いね。

ノイマン  部屋には他に扉などは?

GM  奥に一つ。

ノイマン  ドンダム、開けてくれるか?

GM  じゃあ、ドンダムがノブを回した途端、奥から爆炎が!ダメージは4Dで(ころころ)21点ね。クレイゴーレムのHPは?

ザイン  (ルールブックを読んで)HPは20点。防護点は0だって。

アージス  って事は・・・

 

 ドンダム、爆砕。

 

ノイマン  のぉぉぉぉ!! ドンダァァァァム!!

GM  ところで、爆発に巻き込まれて棺のいくつかが倒れて、中から何かが出てきているが?

カガヤ  げ?

GM  ほとんどもものは動けないが、一匹だけ君たちに近づいてくる。巨大な胎児の顔と蛆虫の身体、無数の人間の手を蠢かせながら、全身から腐臭を漂わせている化け物。君たちを見てニヤリと笑うね。

ジーク  それは・・・かなり気持ち悪いな。

ザイン  トラップのあったドアの前に移動しよう。

GM  蛆虫が境界線を通り抜けようとすると、トラップが発動する。全身焼け焦げながらも前に進もうとするが、半ばで黒焦げになって動かなくなるね。

ザイン  ルイーネの目は塞いでおきます。

カガヤ  他に特に何もないなら、奥に進みましょう。

ノイマン  ドンダムの欠片を拾っておきますぞ。うう、済まんドンダム。せめてヘビーレザーでも着させておけば・・・

GM  サイズや外観の問題があるから、完全オーダーメイドになるけどね。ちなみに、爆発トラップはノブのひねり方にコツがあったようだ。

アージス  全く、手の込んだ罠を。

ジーク  陰湿な邪術師らしいぜ。

 

 仲魔の一人を失った一行は、警戒を強めながら奥へと進む。

 部屋の奥は通路になっており、右側の手前と奥にドアがあった。ノイマンとカガヤは《遠耳》と罠発見を行うが、特に怪しい物音は聞こえなかった。

 

GM  手前のドアは何もない通路へ、奥は机が一つあるだけの殺風景な小部屋になっている。

ジーク  俺が机を調べてこよう。何かがあったときは、俺の方がタフだからな。

GM  (ちぇっ、一人だけか)机の中には何もない・・・と思った瞬間、入口が上から降りてきた何かに封鎖される。

ジーク  え?

ザイン  まさか、ヴォーラー?

GM  さらに、壁や床が液体を流し始め、部屋全体が揺れる。立っているには敏捷力-3ね。転ぶとまともに動けないよ。

ジーク  げ、転んだ。

ノイマン  動植物知識は成功じゃ。間違いなくコイツはヴォーラーじゃな。

 

 ジーク救出のために、一行は生壁ことヴォーラー*7への攻撃を開始する。しかし、ダークシャドウを呼び寄せたプレイヤーへの恨みからか、全員全くダメージが振るわない。結局、最も多くのダメージを与えたのは、何とか立ち上がりナイフを振り回していたジーク本人。脱出したころには、生命力が半減していた。

 

ジーク  お前ら、ひょっとして俺のことが嫌いか?

カガヤ  そんな事はないけど、別に好きでもない(笑)

ノイマン  つまり、どうでもいい奴ということじゃな(苦笑) わしが傷を治しておこう。

アージス  次は通路の方か。間違いなく罠だよな。

ジーク  俺はもう行かんぞ。あんな目に会うのはコリゴリだ。

ザイン  じゃあ、僕が行こう。

GM  一歩通路に足を踏み入れると、足音が通路全体に異常な大音響で響き渡る。生命力判定に失敗すると、朦朧して転倒する。通路の外では何が起きているか分からない。

ザイン  抵抗は成功しました。でも、これはたまらない! 通路から出ます。で、皆に説明します。

ノイマン  大音響の罠か。しかし、これだけとは考えづらいのう。《魔力視覚》でも使ってみるかの。

GM  すると、20メルー程の通路の真中に、線に対して引いてある魔法のトラップがある。

ノイマン  ふむ、《魔法の目》でも飛ばしてみようかの。

GM  目は線を越えようとしたあたりで焼け焦げて落ちる。君の視力も一瞬だが奪われる。

ノイマン  目が、目がぁ!

カガヤ  ムスカごっこは良いとして、私は石でも投げてみる。

GM  石は何事もなく、通路を抜ける。

ノイマン  魔力を持ったもののみに反応するわけじゃな。とすると・・・

 

 ノイマンの発案は、魔法の品物と音を立てる金属は全てを外し、それらを《他者移動》*8で奥に飛ばす。人物はドンダムの欠片を耳栓代わりに耳に込め、足音を立てないよう一人ずつ通路を進み、奥で武装するという作戦。最初に戦力的に最も前線維持能力の高いザインを先に進ませる。

 

ノイマン  ルイーネ殿は、《瞬間移動》で向こうへ行ったほうがいいかもしれんのう。

ルイーネ  うん。そうする。

GM  《瞬間移動》は余裕で成功。・・・おっと、身体感覚に失敗。

ノイマン  ほほう。それはバランスを崩して倒れそうになりますな(意味ありげにザインを見る)

ザイン  (すかさず)抱き支えます。

GM  じゃあ、ちょっと驚いたけど、そのまま猫のように甘えよう。

ルイーネ  えへへ~。

ザイン  ちょっとかわいいかな~って思っちゃった。頭撫でていよう。

一同  (笑)

 

 続き、カガヤ、ジークと、つつがなく大音響を立てる通路をクリア。しかし、魔力の塊であるウィザードのアージスに対して、通路途中の電撃の罠は発動する。

 

カガヤ  これくらいは予想しておくべきだったわね。

GM  ダメージはまず6点ね。

アージス  革鎧だから、まだ朦朧とはしない。このまま突っ切る!

GM  しかし、大きな足音を立てると朦朧&転倒判定だ。

アージス  失敗。ラッキーダイスを使って(ころころ)成功だな。

ジーク  無駄なところで貴重なアイテムを。

アージス  くそ。俺も《瞬間移動》しておけばよかった。

 

 最後に残ったノイマンも、《瞬間移動》で通路奥の小部屋に移動。全員無事(?)に通路を抜けた。

 

白金の遺物

GM  小部屋で君たちが装備を整え休んでいると、通路の反対側のドアがゆっくり開く。

ザイン  斧を構えて警戒します。

GM  すると、2人組みの男が顔をのぞかせて叫ぶ。

男1 こいつら、裏口から来やがった!

男2 急げ! とっとと報告するぞ!

アージス  この研究所の護衛みたいだな。

ジーク  今のうちに霊薬を飲んでおこう。

 

 ジークとザインは<戦士>、カガヤは<筋力>の霊薬を飲みパワーアップし、効果時間が切れるまえに、急ぎ足で奥へと向かう。

 

GM  小部屋を抜けた通路をしばらく進むと、広くて真っ白な部屋に出る。どことなく手術室を連想するが、ベッドはない。その代わりに三つの人影がお出迎え。男2人に女1人だ。さっきの奴とは違う。

ザイン  シャルルはいる?

GM  いない(少なくとも外見上はね)

ジーク  お前ら、何者だ!

男A  貴様らに名乗る名はない!

ジー  ロム兄さんだ! 気をつけろ、奴は天空宙心拳を使う。

GM  使わん使わん(笑)

男A  侵入者は排除して、実験材料に使う。それがここの掟。行くぞ二人とも!

男B&女  よっしゃ!

3人  (ポーズをとって)変身!!

一同  へ?

GM  正面の男は、4本の腕にメイス、アクス、ピッケルを構えたカブトムシ型の怪人、右の男は右手に鋭い針を持った蜂の怪人、女は蝙蝠怪人に変異する。

ザイン&カガヤ&ノイマン  スティニア異形兵!?*9

ザイン  なんで30年も昔のロートル技術を使ってんだよ!

カブトムシ怪人  フッ! 優秀な技術は古かろうが新しかろうが使うもんだぜ。

アージス  同感だ。

蜂怪人  そして俺たちはその優秀な技術が生み出した超人。覚悟しろ!

 

 問答無用で襲ってくる怪人たちを、一行は迎え撃つ。カガヤたちの言うとおり、怪人たちはルナルサーガ三部作を通してPCたちを苦しめたスティニアの異形戦士。その力の前に、一行は苦戦する・・・と思ったのだが・・・

 

カブトムシ怪人  あ、2連続ファンブって武器落とした。

ジーク  お、フェイントかけてクリティカル直前。成功度は12。

蜂怪人  5しか見切れない・・・

蝙蝠怪人  あああ、攻撃喰らって朦朧しちゃった~。

ザイン  あれ? 見かけ倒し?

怪人たち 戦術的撤退だ!

カガヤ  あ、こら逃げるな!

 

 逃げるなといわれても逃げる3匹。途中蝙蝠怪人がカガヤの刀のさびになる。しかし、その犠牲によりカブトムシと蜂は涙をこらえつつも戦力を立て直すため逃げ切ることに成功。PCたちは追撃をかける前に、ノイマンとアージスの援護呪文でさらにパワーアップ。ザインも自分自身に防御呪文をかける。

 

GM  2匹が逃げた先も、さっきの部屋と同じようになっている。部屋の人影は4人になっているがね。ちなみに、新たに現れた2匹はすでに変身済み。蚤怪人が2匹、天井に張り付いている。

ザイン  さっきの戦いで分かっただろう。君たちでは勝てない。降参するんだ。

カブトムシ怪人  舐めるなよガキ。今度はちょいとばかり卑怯な手段を取らしてもらうぜ。

GM  そう言ったカブトムシの手の一つにはミディアムシールドが(笑)

ジーク  うわ、最悪。

GM  さらに、カブトムシは全身が帯電し始める。

ザイン  やっぱりタディオ*10の親戚なのか。

GM  ちなみに、蜂男は何かを異常な勢いで飲んで、投げ捨てている。

ザイン  バルゼーの親戚で異常な勢い・・・まさか、《倍速》?

カガヤ  あまりプレイヤー知識でものを考えないように。

GM  ま、この場合はすぐに能力の正体分かるから、別に良いがな。なんにせよ、怪人たちは再び君たちに襲いかかってくるよ。

ノイマン  交渉の効かん相手は、倒すのみじゃな。

ジーク  ははははは! 今度は楽しませてくれよ!

 

 先手を取るのは素早い蚤怪人。天井を疾走しPCたちに接近する。ジークは蜂男と対峙するため前に進み、ザインは待機。カガヤは移動後蚤男Aを攻撃するも外れ。残りの怪人もPCたちに接近。アージスは《倍速》、ノイマンは《集団誘眠》に集中する。ルイーネは、目の前で突き刺し用グレートソードブレイカーを抜かれたため、恐怖で5ターンの間朦朧する羽目になった(彼女は先端恐怖症である)。

 

GM  蚤怪人の番だね。ジークとアージスに「飛び蹴り」。しかも、蹴る瞬間にアクロバットな動きをするから、フェイントと同じ要領で見切ってね。

ノイマン  《瞬間回避》には関係なかろう。

GM  いや、うちの話じゃ《瞬間回避》や《鉄の腕》にもフェイントは有効にしている。消えるタイミングってのは重要だと思うから。

ノイマン  ならば、《瞬間回避》で敵のフェイントも見切ることができるというわけじゃな?

GM  呪文を知っていることと、実戦経験があることはまったく別なんで関係ない。(ころころのころころ)両方命中。

ジーク  蜂怪人の相手もしたいし、「受け」は温存する。蹴りは喰らった。

GM  じゃあ、最大ダメージの14点。

ジーク  マジか!? 今は、ライトプレートしか着てねぇってのに(ころころ)転んだ。

GM  アージスも喰らった? じゃあ、ダメージは(ころころ)最低の4点(笑)

アージス  その程度ならかすり傷だな。

ジーク  納得いかねぇ・・・

GM  んで、蚤怪人は蹴りの衝撃を利用し天井に着地。天井は高いから、長さ2以上の武器じゃないと届きそうにないよ。蜂怪人は大振りでジークに攻撃を攻撃するが・・・外れ。

ジーク  脳天かち割ってやるよ。そうすりゃ動かなくなるもんなぁ!

 

 しかし、お互い魔法と霊薬で技能レベルが異常に上昇している者同士。蜂怪人は盾を持っているため、ジークは有効打が出せない。ザインはカブトムシ怪人と一騎打ち。技能レベルは劣るがパワーと手数は蜂怪人を上回るカブトムシ。しかし、何故か異常に賽の目が悪く、3回攻撃のほとんどが当たらない上、ザインの攻撃は面白いように喰らってしまう。

 

ザイン  あ、でもダメージは5点(笑)

GM  その程度じゃ、強化外骨格の表面を削る程度だね。

 

 カガヤは一人で蚤怪人2匹を相手にしようとするが、天井を変則的に動き回る怪人を捉えることができず、怪人の一方を後方の魔術師へ接近させてしまう。

 

GM  んじゃ、蚤怪人Bはアージスに組み付こう。

アージス  だめだ、捕まった。

ノイマン  チャンスじゃな。ここまで近ければ、《集団誘眠》を外すこともなかろう。アージスは後で《覚醒》で起こせばよかろう。

ザイン  あれ?《集団誘眠》の集中時間って、最低でも6秒かかりますよ?

ノイマン  む、そうなのか? しょうがない、集中を続けよう。

 

 ついでに、《覚醒》は範囲呪文なので、組み付いている蚤怪人を眠らせたまま、アージスだけを起こすという行為は不可能。

 ジークと蜂怪人の人外魔境技能による、頭部や目狙いの一撃必殺対決は、《倍速》がかかっている分蜂怪人の方が有利。しかも、ジークは盾を持っていない。魔術師たちは接敵してきた蚤怪人に注意が向きすぎ、ジークのピンチに気付かない。壊れたジークは周囲に助けを求めない。

 ザインとカブトムシ怪人は相変わらず賽の目が悪くちちくりあいを続けている。

 

GM  カブトムシ怪人の体当たり(ころころ)外れ。

ザイン  その体力で体当たりされたら間違いなく負ける。僕の攻撃は当たったけど(ころころ)また5点(泣)

 

 PC側で押しているのは、デンプシースライサーこと<血車>で、蚤怪人Aに着実にダメージを与えているカガヤだけ。

 

GM  んで、蚤怪人Bは口にある吸血管で首を刺し、血を吸わさせてもらう。

アージス  これはやばいか?

ノイマン  わしに考えがある、案ずるな。《集団誘眠》を解除して、フルパワーの《間抜け》*11に集中じゃ。

 

 そして次のターン、ノイマンの《間抜け》が発動する。

 

ノイマン  成功度は5じゃ。

GM  抵抗失敗。知力は5まで落ちた。

ノイマン  これで、本能のままに行動する以外のことはできんじゃろう。格闘動作などもってのほかじゃ。

GM  うむ。ならば、本能のまま吸血行為を続けさせてもらおう。

ノイマン  ・・・意味がなかったのう。杖で殴るか・・・

 

 カガヤが蚤男Aの首を跳ね落し、ノイマンの杖と、吸血されながらも放ったアージスの零距離《飛ぶ剣》は、蚤男Bに着実にダメージを与える。ルイーネが意識を取り戻し、ザインとカブトムシ怪人は、相変わらずじゃれあっている。

 そんな中・・・

 

ジーク  ウザイ。いい加減当たれよ。

GM  んなこと言われても、正面からフェイントと攻撃繰り返すだけで勝てるようにデザインされた相手じゃない。それ、こっちの一回目の行動、フェイントが14で効いてるぞ。2回目の行動は、目を狙って攻撃だ。

ジーク  見切りは全然ダメだ。4点しか見切れなかった。後退して「受け」(ころころ)失敗した。

GM  ダメージは4点。脳に抜けるから4倍して16点ね。

ジーク  (ころころ)死んだ。

一同  え?

ノイマン  おぬしの生命力は12じゃろう? 16点のダメージでは死なぬはずじゃが?

死亡ジー  最初の飛び蹴りで9点喰らってんだよ。お前らが気付いて回復呪文かけてるか、ルイーネが朦朧としてなかったら死ななかったのによ。

カガヤ  それは完全に責任転換ね。

GM  いや、連帯責任だな。そんなことよりどうする? 蜂怪人は魔術師たちに向かうぞ。

カガヤ  アージス。先に蜂を片付けるからちょっと待ってて。

ノイマン  奴の目突きは強力じゃが、吸血のダメージは少量じゃ。頼む。

アージス  自分が刺されてるんじゃないからって、気楽に言って。

 

 しかし、いくらカルシファードブレードの使い手でも、霊薬の効果で異常に技能レベルが上昇している蜂怪人を相手にしては長くは持たなかった。しかも、この期に及んでも魔術師たちは蚤怪人へ注意を向けている。暗夜血風流奥義<血車>は、高い能動防御と盾の受動防御の前に全て回避されてしまい、接敵して2ターン後にはジーク同様目を貫かれ、カガヤは気を失う。

 しかし、この2ターンは実に有益なものであった。

 

GM  じゃ、ルイーネが蜂怪人の前に立ち塞がろう。

ザイン  は? 馬鹿は止めろルイーネ! かなう相手じゃない!

ルイーネ  大丈夫だよザイン。《他者転移》!

ノイマン  なるほど、一旦遠くへ飛ばし、戦力から外すわけじゃな。

GM  そういうこと。では発動判定(ころころ)あ。

気絶中カガヤ   クリティカルしてるわね(笑)

GM  蜂怪人は抵抗の余地なく転移させられた。うーむ。呪文使ったら疲労で倒れるシーンがやりたかったんだが(笑)*12

 

 この一撃(?)で、戦いの流れは完全にPC側に傾いた。蚤怪人は零距離《飛ぶ剣》のダメージが蓄積し、とうとう気を失い、残ったカブトムシ怪人も後方から魔術師3人の援護を受けたザインにより倒される。

 

ノイマン  まずはカガヤ殿の回復じゃな。

GM  カガヤは生命力判定して。失敗度が大きいと、失明するから。

気絶中カガヤ   4成功。

GM  だったら《大治癒》で十分治せる傷だ。ジークにはルイーネが駆け寄って回復呪文をかけるが、効果はない。

ザイン  確か、未完成品だけど<復活>の霊薬あったよね?

アージス  あれは確かルミノールが持っているはずだ。

死亡ジー  意味ねーじゃん。

気絶中カガヤ  今度からそういう貴重なアイテムは、パーティー共有のものとして、活動拠点に置いておくことにすべきね。

GM  ま、何にせよ死体を完全に保存するには《保存食》の呪文でも使わない限り無理だ。しかも、人間大のものにこの呪文かけるにはすごいエネルギーが要る。

ノイマン  つまり、ジーク殿は蘇られないわけじゃな。

死亡ジー  心残りが無いわけじゃないが、危険な仕事やってたんだ。この結果もしょうがないことだ。

ノイマン  せめて、グレートソードブレイカーを形見として持っていくかの。

ザイン  カーナー家にも知らせなければなりませんね。

 

PROJECT“EVE”

 

 一行は、傷を癒し、疲労を回復させた後、遺跡のさらに奥へと進む。

 

GM  奥・・・というか隣の部屋だね。先の2つの部屋と似たようなものだが、この部屋には実権用具などがたくさん置かれている。部屋の中央のベッドには、赤黒いものが張り付いている。棚には本が並べてある。

カガヤ  ここで、あの気味の悪いモンスターを作っていたのね。

ザイン  棚の本を取ってみます。

GM  本は古代神聖語を始め、カルシファード語やルークス語、<悪魔>語なんかで書かれている。

ノイマン  ルークス語と古代神聖語ならば、わしでも読めますな。

ザイン  ルイーネは?

GM  あ、全部読めるわ。本は「スティニア異形兵団について」や「不老不死生命体実験記録」、「DOLL計画記録」などがありますね。

ザイン  DOLL計画は、ルイーネには読ませない。取り上げます。

ルイーネ  あ。

ザイン  でも、これでシャルルが関わっている研究所なのはほぼ間違いないことが分かった。

カガヤ  異形兵団の記録が気になるわね。

GM  グラダス半島五王国の、30年前グラダス半島で起こったスティニア戦争の時、白金の姫が作り出した技術との事。戦争利用できないかと考えたけど、かつてのスティニアでは黄金の姫という超絶なカリスマのお陰で人員が腐るほど集まったけど、一邪術師が軍隊クラスの異形を創るには気が遠くなるほどに時間が必要になりそうだったので、数体趣味で創った以外は破棄した計画だと。

アージス  その数体が、あいつらか。

カガヤ  他の本は?

GM  ほとんどが、人工的に創り上げた新種のモンスターを戦争利用し、お金をもうけてさらに実験しようという計画書。ほぼ全てが邪悪な魔術を用いたり、<悪魔>力を借りたりする代物だがね。失敗した実験なんかには、最後の方に悪態が書いてあるけど。

ザイン  お金が目的なのか、新生命を作ることが目的なのか。

カガヤ  両方なんじゃない?

ノイマン  では、DOLL計画の本を読みますぞ。

GM  大体他のものと同じ。DOLLやサイバー装備の創り方なんかも書いてある。プロト・・・ルイーネさえ見つかれば、DOLLの起動はもっと楽になるのにとかの愚痴もあり。

ザイン  他に気になることは?

GM  どうやら、シャルルのDOLL計画、イヴプロジェクトって名前つけてたみたいだけど、その最終目的は、一体のプロトドールの意思を数体に瞬時に伝え、一糸乱れぬ動きで指揮できるようにすることが目的だったらしい。

ノイマン  コンピューターのように正確な判断力と、それに完璧に従う兵隊。しかも外見は子ども。確かに実現すれば有用な兵器になるじゃろうな。

ザイン  意思を伝える手段に、頭に被る大仰で変な機械を使ったりして(笑)

GM  いや、意志伝達手段は具体的には書いてない。ただ、その実験について、<魔道都市>マリクの魔術師の協力者を得たと書かれている。

ザイン  名前は?

GM  ワ・ガッハ、イワーネ、コデア、ルゥの4人。

一同  (笑)

ノイマン  覚えやすい名前じゃのう(笑)。

アージス  ゴクドーくんじゃねぇんだから(笑)。

GM  ちなみに、4人のチームではなく、個別に協力してくれているとの事。正確には、金をちらつかせて協力させたみたいではあるが。

ザイン  これが、シャルルの尻尾を掴む手掛かりになれば良いけど・・・

ノイマン  どちらにせよ、<魔道都市>マリクに行ってみるべきじゃな。

 

 一行は、さらに他の部屋も探索し、邪悪な霊薬いくつかと、念じることで、刀剣類ならば自在に形を変えることができる魔法の短剣<水のチェルンファスト>を入手する。

 

ザイン  刀剣類を使えるのはカガヤさんだけですね。あなたが使ってください。

カガヤ  私が見つけたんだし、最初からそのつもりよ(笑)

 

 そして、建物の構造からこのまま進めばサイクロプスのいた部屋へ辿り着くことに気付き、もと来た道を戻り遺跡から脱出する。

 

GM  では、森の中で野営しているとき。火の番をしているザインの側にルイーネがやって来て、君の横に座る。

ザイン  眠れないのか?

ルイーネ  ・・・うん。

ザイン  ・・・・・・。

ルイーネ  ・・・ジーク、死んじゃったね。

ザイン  ・・・うん。

ルイーネ  ・・・ザインは?

ザイン  ん?

ルイーネ  ザインは死なないよね?ずっと一緒にいてくれるよね?

ザイン  ・・・・・・これは口に出さないけどさ。僕はルイーネのことは好きなんだと思う。けど、僕は娘か妹としてルイーネが好きなんだ。自立できるまでは一緒にいるつもりだし、守ってあげたいとも思うけど、ずっと一緒にいるつもりは無い。それにこんな仕事やってると、いつ死ぬかなんて分からないから約束もできない。でも、これを言うとルイーネが僕から離れていく気がして怖い。だから・・・僕は何も言えない。

GM  黙っている君を見て心配になったのか、ルイーネは涙目になりながら君に擦り寄ってくる。

ザイン  いつかは今思っていること言うべきだろうけど、多分今はそのときじゃない。だから、今は、ただ頭を撫でてあげることしかできないよ。

 

 仲間の死を乗り越え、舞台は<魔道都市>マリクヘ・・・

 

カガヤ  ・・・あれ?そういえば蜂の異形は?

GM  あ、今ごろはサイクロプス(型ゴーレム)の餌食(笑)

ノイマン  確かに、インパクトのある場所でしたからな。《他者移動》で飛ばすには最適でしょう(笑)

 

オチもついたところで、次回「魔術師たちの街」へ続く

*1:獣に変身する病。狼男などの伝承で有名

*2:武術の達人のみが使える、跳躍距離が3倍にする技能。メイアは自身の身体能力の高さから、助走なしの高跳びで30メートルほどジャンプできる。

*3:達人のみが使える、一時的に体力を倍増させる技能。物を投げる距離や速度にも影響する。

*4:鳴き声で獲物を催眠状態にしておびき寄せ、丸のみにする巨大蛙だが、催眠状態になる条件や催眠状態の回復判定等の説明がルールブックに書いてない。

*5:生気を吸い犠牲者そっくりに姿を変えることができる泥人間。核を破壊しない限り泥がある場所では体が再生すると書かれているが、具体的な再生速度、全身の泥を一気に吹き飛ばしたらどうなるか、生気を吸う方法、犠牲者への変身がいつまで保つのか等の記述が全くない。

*6:安眠の魔法の効果は「睡眠による疲労や負傷の回復速度が倍になる」であって、「必要な睡眠時間が半分になる」は拡大解釈のハウスルール。

*7:犠牲者を体内に取り込み、消化液で溶かし栄養にする生きた壁。

*8:自分以外の者や物を《瞬間移動》させる魔法。

*9:ルナルサーガシリーズに登場する、スティニアという国が作った怪人。動物や昆虫と人間を掛け合わせたような姿をしている。彼らが敵として登場したシリーズは、ゲーム内時間で30年前のことである。

*10:ルナルサーガリプレイ第2部の中ボスの一人である、カブトムシ怪人。

*11:対象の知力を下げる魔法。

*12:魔法の発動にクリティカルした場合、術者は疲労せず、対象は抵抗できない。