黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第三話【遙かなる麗しの訪問者】

GM さて、今回は、PLDの新キャラと、久々に参加してくれることとなったPLFさんのキャラ紹介から始めます。お二人さん、自己紹介をどうぞ。

PLF(♀) はい、あたしはサリカ高司祭*1のルカラス・カリスティナ。ルカって呼んで。

カムイ なんか、あんたがサリカって、全然イメージできないんだが(笑)

 

 PLFの過去のキャラは、敵味方問わず蹴りまくる暴走アルリアナ、ハンマーぶん回すジェスタ少女と、アクティブなキャラばかりでした。

 

PLF→ルカ ほっといてよ(笑) 今年で25になるけど、若作りの「美人」よ。普段はアサギ色に染めたツインテールの髪をアップして、リング状にしているわ。

カムイ ほほう。(「美人」という言葉に反応しているらしい)

ルカ 不利な特徴は、「蛇恐怖症」、30以上のおじ様に対しての「好色」で「かんしゃくもち」。目立ちたがりって「強迫観念」持ってるから、忍んだりはできないわ。

カムイ 納得した、あんたのキャラだわ(笑)

ルカ うるさいわね(笑) あと、アーシェリ*2と同じで「困っている人を放っておけない」。善意じゃなくて、目立ちたいからだと思うけど(笑)

ダルシス 不利な特徴は、なぜそうなのかは、あまり問題ではないですからね(笑)

ルカ そんなわけで、得意のバトルファンと《音噴射》で、みんなを困らせる悪党たちをバッタバッタとなぎ倒してあげる!

一同 どこがサリカだ!!(爆笑)

ルカ 大丈夫よ、回復魔法や情報系魔法も使えるから。サリカの舞を踊りながらじゃないと集中できないから、こっそり魔法かけたりはできないけど(笑)(20%の限定として扱ってる*3

GM ま…まあ、期待してる(笑) では、PLDさん。

PLD 私はアレックス。略してアレクって呼んでくれ。弱きものを守るため、ジェスタ*4の神官戦士となった。

ダルシス 正統派っぽいですね(笑)

マック あの口調は止めたのか?(笑)

PLD→アレク 不評でしたからな(笑) プレイヤーの素で出てしまうのはどうしようもないけど。

カムイ てか、あのキタキタ親父と言うか、ムックみたいな口調は何なん?

アレク いや、意識したことは無いんですけど、たまに出てしまうんです(笑)

GM アレクは、昔、目の前で友人がアンデッドに殺されたから、アンデッドを許さないんだったよな?

アレク はい。その時のショックで酒におぼれて、今でも「アルコール中毒」(笑)

ダルシス 正統派だと思ったのに、崩れたわね(笑)

アレク いや、あまり真面目なキャラは演じる自信が無くて(笑)

マック 分かる(笑)

アレク あと、「不幸」なので、いざと言う時のデコイになれる(笑)

GM さて、自己紹介はこれくらいかな? では、本編を始める前に、ルカ。

ルカ はいはい。

GM 君がわざわざ財産にCP払って手に入れた、両手にある魔法のバトルファン。これが、どのような経緯で君の手に渡ったか、そのシーンを始める。今年の初め、君が高司祭への昇進が正式に決定した日、君は、風邪をひいてダウンしていた母に呼ばれた。

ルカ お母様、大丈夫ですか?

ルカ母 医者の話では、私の風邪の完治には、後、2,3日はかかるとのことです…ごほごほ!

ルカ そんな、お母様、しっかりなさって!

GM ルカの母は、遠くを見るような視線で話し始める。

ルカ母 思えば、私はお前に高司祭になって欲しいばかりに、ずいぶんと辛い目に合わせてしまった…

ルカ そんなことはありませんわお母様! 私は、あなたに育てられ、とても幸せでした!

ルカ母 私ももう長くない… あと、2,30年生きられるかどうか…

ルカ 弱気にならないでお母様!

ミスティ 会話がかみ合ってない(笑)

ルカ母 お前に、渡したいものがあります…

GM と言って、ルカの母は二振りのバトルファンを、抜身のまま布団の中から出す。

ルカ これは?

ルカ母 私の父が、カルシファードのお土産に買ってきた、カリスティナ家に伝わる、大切な魔法のバトルファン、「朱雀」と「青竜」…

カムイ 買ってきたのか伝わってんのか、どっちだよ(笑)

ミスティ どっちにしても、大切なものを無造作に布団の中に入れないで(笑)

ルカ母 これを使って、若いころの私のように悪党どもをギッタンギッタンにしてやりなさい…

ダルシス この母にして、この娘ありか…

GM ルカ母は、君の頭をなでながら言う。

ルカ母 お前は本当に立派になった…これで… ゴホッゴホッ!

ルカ お母様!

ルカ母 これで、安心して南の島にバカンスに行ける…

ルカ お母様まで行ってしまわれたら、私はどうすればいいの!?

ミスティ までってことは、お父さんは、もう行ってるのね(笑)

ルカ母 お前はもう、一人で大丈夫。…少し話し過ぎました…なに、2,3日眠れば大丈夫…

GM と言って、ルカ母は寝息を立てて眠りについた。

ルカ お母様あああーー!!

GM てなことがあって、君の手には赤と青の二振りのバトルファン、「朱雀」「青竜」がある。…効果はそれぞれダメージ+1と技能+1だけなんだけどね。

一同 (爆笑)

カムイ いや、普通に強いけどさ、なんでそんな大層な名前を(笑)

ルカ (遠くを見つめて)お母様、私がこのバトルファンで、敵をケッチョンケチョンにするところを、南の島から見ていてください!

マック しかしあのおっかさん、なんであんなに弱弱しかったんだ?

GM 風邪でダウンしていたって言っただろう(笑)

ルカ でもその時に風邪を移されて、高司祭昇進記念のパーティーを休まなきゃならなくなったこと、一生恨みますわ、お母様…

ミスティ ルカ(のPL)さん、相変わらずテンション高いですね(笑)

ルカ ハイテンションがあたしの信条!

GM そんなわけだから、みんな遅れるなよ!

一同 おおー!

 

第一章【3つの出会い】

GM では、本編を始める。前回から引き続きの4人は、友人である新キャラ二人が昇進し、久しぶりに『跳ねる飛び魚亭』に来たからパーティーをしようという流れになった。

ダルシス 強引ですね。

GM 時間もあまりないからね。いや、言いたいことは分かる。最初のあれも時間の無駄だったって(笑) ともかく、パーティーの買い出しにカムイとソニアが出かけたところから始まる。

ミスティ あう…2人だけとか危なすぎます。わたしも行きますです。

カムイ 危ないってどういう意味だよ姉さん。

ミスティ 言わなきゃわかんない?

カムイ 分かります、はい(しょぼん)

GM さて、一通り買い物を済ませた君たちは、近道をしようと裏通りを歩いている。

カムイ 何かあっても、裏通りのチンピラ如き、俺一人で十分だ。あ、姉さんもソニアさんも、荷物俺が持つよ。

GM さて、店まであと半分くらいってところで、右手奥の道から女性の美しい悲鳴が聞こえる。

アレク 美しい悲鳴って何ぞ?

GM 「美声」持ちの悲鳴ってこと。

カムイ 女性が危ない! 荷物持ってダッシュ

ダルシス こういう時は投げ捨てるもんじゃないの?(笑)

カムイ いや、捨てたら後で姉さんに怒られるから(笑) 今は鎧は着てないだろうし、23キロまでなら軽荷で走れるし。

GM さすがに、そんなに重くは無いから無荷でいいよ。

カムイ じゃあ、移動力8.25*5だ。

ミスティ わたしも行きます。でも移動力5*6(笑)

ソニア 大丈夫、私は4です*7

GM ソニアも続く。まあ、ついて行っても何もできんけど。

カムイ 俺のかっこいいところを、見ていてくれれば良いんですよ。

ミスティ 他の女の子に、鼻の下伸ばしてるところも見られるだろうけどねー。

GM では、一足先についたカムイの目の前には、この場に合わないドレスのような服装の、14.5歳の栗色の髪と瞳の、はかなげだけど、気品のある美少女が4人のチンピラに囲まれている。

チンピラA(アレクのPL) へっへっへ。ちょっとくらい良いじゃねえかねーちゃんよぉ!

チンピラB(マックのPL) 俺たちと遊ぼうぜー

少女(ルカのPL) やめてください! 私にはやらなければいけないことがあるのです!

GM ご協力感謝する(笑)

カムイ (チンピラを無視して)女性の手を取ります。お嬢さん、大丈夫ですか?

GM いつの間に!?(笑)

ダルシス さすが移動力8.25(笑)

GM えー、では、チンピラも驚いていると、君が来た反対側の道から、「テメェらその人を放しやがれ!」ってな感じの、少年の声がする。こっちもなかなかの「美声」だ。…で、この状況だとカムイに殴りかかるんかね?(笑)

カムイ 空手で「受け」る。(ころころ)成功。

少年 俺のパンチを止めやがった!?

GM と、驚いてる少年だけど(ごそごそとルナルサーガリプレイ第二部下巻を取り出して)こんな顔ね。

一同(ミスティ除く) ノイエェェェ!?

GM そう。ちまたで噂の不良少年、ノイエ・シュナイト君*8だ。

ミスティ え? 知らないのわたしだけ?(←彼女は小説版ルナル本編しか読んでいない)

GM あとで、上下巻貸してあげるよ。

カムイ 受けはしたけど、良いパンチだ。さすが、噂のノイエ・シュナイトだな。

少年→ノイエ 何!? …そういうあんたは、もしかしてカムイ・レグリアスか?

カムイ あれ? 知ってるの?

ノイエ おう。闇タマット『闇の十字架』本部にたった4人で殴りこんで潰した、『ミスティア・レグリアスとその一党』だろ? ここいらじゃ有名人だぜ?

ミスティ なんでわたしがリーダーみたいに?(笑)

カムイ 俺を顎で使ってるからじゃないか?(笑) あれ? 4人ってことは、ウォルフはやっぱり闇タマット扱いなのか?(笑)

ダルシス そう報告したからね(笑)

GM チンピラたちは、「カムイとノイエってあの…?」「カムイって言ったら女好きで有名だぜ? じゃあ、この女はあいつのスケ?」「兄貴、こいつらには逆らわない方が良いですぜ」とか言ってるが?

カムイ お前ら、俺の女に手を出そうって言うのか?(笑)

チンピラ (反応判定して結果は「悪い」)くそ! こいつら倒せば、俺たちの名も上がる! 行くぜてめえら!

GM とか言いながら、剣を抜く。

カムイ (刀を抜きながらかっこつけて)どうやら、死にたいらしいな。

ミスティ いや、本当に殺しちゃだめだよ?

カムイ 分かってるって(笑) 華麗に武器だけ落として、女の子にかっこいいところを見てもらう作戦さ。せっかく買った通常の質のカルシファードブレードの試し切りだが、テメエらじゃ役不足*9

GM いや、だから切るなって(笑) 向こうが抜いたら、ノイエも剣を抜くね。

ノイエ 抜いた以上は手加減できねーぞ、分かってんだろうなテメーら!

 

 2秒後

 

チンピラ (2人剣を折られて)チクショー覚えてやがれ!(逃走)

カムイ もっとインパクトのある捨て台詞は思いつかないものかね。

ノイエ (中指立てて)おとといきやがれ!

GM ミスティとソニアもそろそろ追いつくかな。

ミスティ 体力8でダッシュはきついぃ~…

ソニア 私もです…

カムイ 2人は後回しにして、女の人に声をかけます。お怪我はありませんか、お嬢さん。

少女 え…ええ、大丈夫です。助けていただき、ありがとうございました。

カムイ (かっこつけて)当然のことをしたまでです。

ノイエ (美少女を見てちょっと顔を赤らめて)えっと、ここは君みたいな人が来るところじゃないんだけど、どうしたんだい?

少女 私は、あるものを探してこの町に来たのですが、右も左も分からなくて…

カムイ 道に迷っているうちに、あいつらに囲まれたわけか。

ノイエ こんなところで立ち話もなんだし、(カムイに)なあ、あんた。

カムイ なんだ?

ノイエ この近くに、お前の店があっただろう? そこに行かないか?

カムイ そんなことまで知ってるのか。別にかまわねえと言うより、美人が来てくれるのは大歓迎(笑) ノイエも悪い奴じゃないのはよく知ってるし、大丈夫だろう。

ミスティ じゃあ、何があったか話を聞きつつ帰りますです。

カムイ そうだ。お嬢さん、あなたの名前は?

少女 (一瞬迷って)…ナル…と言います。理由あって性は名乗ることはできませんが、どうか理由は聞かないでください。

カムイ まあ、気にはなるが無理に聞こうとは思わんさ。

ミスティ わたしは、色々聞いちゃうかなぁ(「好奇心2L」)。

ナル ごめんなさい、どうしても、言えないんです…

ミスティ ふぅん… 話す気になったら教えてね?

GM ナルさんは、それにはうつむいて無言で返す。で、帰ってみると宴会の準備は終わってるわけだが。

カムイ 準備できてるんだったら、はじめちまうか。(「直情」)

ミスティ 宴会しながらでも話は聞けるからね(笑)(「お祭り好き」)

カムイ じゃあ、ルカとアレクの昇進祝いと、ナルさんやノイエとの出会いを記念して、乾杯!

一同 乾杯!

ノイエ おいおい、その前に…

ルカ まあまあ、ノイエ君も固いこと言わずに飲みなさい(笑)

ノイエ お…おう。

ルカ いやー、でもここで君に会えるなんて嬉しいなぁ、とか言いながら抱き付いちゃおう。

ノイエ うわ、こら何をする離せ!

GM 君、「好色」は30過ぎ限定じゃなかったのか(笑)

ルカ ノイエ君好きはプレイヤ~(笑)

GM さよか(笑) ナルさんは、状況に戸惑い気味だね。

ダルシス プレイヤーとしてはナルさんに声かけたいけど、自分「冷淡」*10ですから…(笑)

アレク ナルさんだっけ? 酒がダメなら、ジュースもあるよ。

ミスティ 何か思いつめてるみたいだけど、せっかくだから楽しもうよ。

ルカ そうそう。笑顔は力になるわよ!

GM そこまで言われると、ナルさんの表情が少し軽くなる。一緒に話したりしてると、少しだけど微笑んでもくれるようになるね。

カムイ じゃあ、場も和らいだところで、話を聞いてみようか。

ミスティ 探し物なら協力しますよ(ニコ)

GM (反応判定して5、5、6の「最高」。ミスティの笑顔は女性にも有効か(笑))

ナル ありがとうございます。(祈るように)サリカ様、このような優しい方々に巡り合せていただけたこと、感謝いたします。

ルカ 一人優しくない人というか、鳥がいるけどね(笑)

マック 何を言う。ボクは金さえくれれば誰にでも優しく接するぞ(笑) そういえば、この人どんな服着てる?

GM (誰も該当地域の「地域知識」は持ってなかったからこっそり知力-4判定)ルカとミスティには、ナルさんが着ている服は、ソイル選王国の上流階級の人が着るような、高級なものだと分かる。今は汚れやらでボロボロになってるが。

マック 上流階級ってことは貴族かなんかか? それならなんでもしますよ(笑)

ダルシス 金さえくれれば卑屈になる…と言った方が正しそうね。

GM 残念ながら、マックにはこの人の服はボロ布にしか見えない。

マック じゃあ、話を聞く必要はないな。フライドチキンでも食っていよう。

GM PCになるミュルーンは金には汚いけど、情には厚いって奴が多いんだけどな(苦笑)

カムイ しょうがないんじゃないか? こいつは昔、50ムーナで依頼されて自分の両親を殺したという設定が…

マック 無いわ!(笑)

ミスティ 一瞬信じかけた(笑)

ダルシス そんなことより、ナルさんの話の続きを聞きましょう。

ナル 私は、ある手紙を探してバドッカに来たのです。このような紋章が付いた手紙ですが…

GM と、言って出された紙には、簡略化された獅子の紋章が描いてある。「紋章学」か知力―6で判定。

ミスティ (ころころ)あ、1ゾロです!(嬉)

GM ほほう。じゃあ、細かいところまでわかるな。この紋章は、ソイル選王国で、現在国王を勤めている大貴族、ハルシュタット家の第3王子、ミヒャエル・ハルシュタット家の紋章だ。

ダルシス ソイルって言うと、何年かに一度、6人の大貴族の中から国王を選ぶ選挙がある国ですね。

GM そうそう。バドッカとは隣接してる国。

ルカ その手紙には何が?

ナル 詳しいことは分かりません。ただ、手紙には私の兄の死の真相が描かれているらしいのです。私の家は、兄の死を不名誉なものとして秘密裏に処理しようとしているのです。優しい兄だったのに…どうして…

GM ナルさんは声を殺して泣き始める。

ルカ 泣かないでナルさん! あなたがお兄さんを信じてあげなくてどうするのよ!

カムイ 手紙が見つかれば全てが分かるんだろう? だったら何も心配はいらない。俺たちが見つけて来るからな。

ナル それでは…

ミスティ わたしたちに任せてください(ニッコリ)。

ノイエ 俺も手伝うぜ。飛びつらら団*11総員で探してやるよ。

ナル ありがとうございます…ありがとうございます…

マック (何か言いかける)

ダルシス (指を鳴らす仕草をしながら)今、いくら出すとか言ったら、全力で《死の手》をかけてあげますね。

マック や…やだなぁ。そんなこと言うわけないじゃないか(冷や汗)

ナル もう一つお願いがあるのですが…

カムイ なんでしょう。

ナル 私の家の者が、私を連れ戻そうとしているらしいのです。できれば、その方たちからの護衛もお願いしたいのです。

アレク それくらいなら、お安いご用。弱きを守ることが、ジェスタ様の教えだ。

カムイ そういう奴らが来たら、できるだけ無傷で、追い返せばいいんだな?

ナル はい。大したお礼もできなのに、こんなことを頼んでしまって… せめて、これを受け取って下さい。

GM ナルさんはイヤリングを外して、君に差し出す。

ナル 父は安物だと言っていましたが、今、私お金持っていませんから…

カムイ じゃあ、遠慮なくもらっておくか。

ダルシス これで、契約成立ですね。

GM 小さな宝石が付いたイヤリングだが、価値を知りたければ「宝石屋」か知力-6ね。

一同 失敗。

GM じゃあ、言われた通り安物にしか見えない。

カムイ ノイエ、片方はお前の報酬だ(ノイエに投げる)

ノイエ (受け取って)おう、サンキュー。

ダルシス ナルさん、泊まる場所は決まっていますか?

ナル いいえ。

ダルシス でしたら、ここに泊まっていってください。その方が守りやすい。

GM あくまで仕事優先なのが「冷淡」らしいな(笑)

カムイ 泊まってもらえるなら大歓迎だ。

ミスティ カムイの夜這いからも守らなきゃだから、みんなでわたしの部屋に泊まろう(笑)

カムイ がーん(笑)

GM シティーハンターかよ(笑) あ、宿泊代は、ノイエが払うと言ってくるが?

カムイ さすが「義務感/子供」の持ち主

マック 「義務感」持ってるからって、そこまでするかぁ?

カムイ 「義務感」持ってるからそこまでするんだよ。

GM 本気でそのロール続けるなら、マックは「義務感」買い戻してくれ。前にも言ったけど、金くれる奴だけが友達なんてのを認めたら不利特徴の意味がないし、それだけなら「強欲」で十分。

マック 分かった。CP使ってないから買い戻しておく。

GM 人のために金を使っているのを見て、バカバカしくなったんだろうな(笑)

マック これで、これからは友人のことを気にかける必要はなくなるわけだ(笑)

ダルシス そもそも、今までも録に気にかけたことなかったでしょうに…

GM つまり、現状維持。

ルカ それより、話もまとまったんだし宴会の続きをしましょう!

ミスティ 賛成ー!

GM では、お酒を飲んだり、ごちそう食べたり、隠し芸見せたりで、時は過ぎていく。

ミスティ じゃあ、隠し芸しまーす。練習中の《幻影》(実際覚えたわけでは無い)で、殺人現場の再現!

アレク やめーい!(笑)

カムイ ナルさんだけじゃなく、ソニアさんにもアピールしておかなきゃな。ソニアさん、あなたの手料理、最高です。

ソニア ありがとうございます。でも、カムイさん、誰に対してもそういう事言いますよね?

カムイ う…誰にでもじゃないですよ? 美しい人限定です。

ダルシス 私には、あまり声かけませんよね?。

ミスティ わたしもー(かなり酔ってる模様)

カムイ いや、ミスティは姉さんだし、ダルシスさんはデートに誘うと、関節極めて来るじゃないか(笑)

ダルシス そう言えば、出会った時も後ろから話しかけてきたあなたを投げ飛ばしたんだっけ。それが今じゃ、冒険者仲間になってるのよね。

GM そんな出会いだったのか(笑)

ソニア 不潔です。

カムイ ガーン!(本日2度目)

ルカ まあまあ、あたしが慰めてあげるから。

カムイ ありがとうございます、ルカさん。俺のことを分かってくれるのは、あなただけです…

アレク たしか、ルカさんは30歳以上じゃないと眼中にないのでしたな(笑)

カムイ いくら俺が老けてるからって、それはあんまりだー(笑)

GM おじさんじゃない。俺はこれでも15なんだぜ(笑)(CV檜山修之) ところで、ナルさん楽しそうだけど、疲れて見えるよ。

カムイ じゃあ、俺が部屋まで送って…

ミスティ げしっ!(カムイを殴る)

ダルシス 私が送りますよ。

GM では、ナルとダルシスが2階に上がってからしばらくすると、酒場に人が入ってくる。柔和で魅力的な顔だけど目つきの鋭いナイスミドルな男性だ。

ルカ キャー! どうぞおじ様、こちらに座って下さい!

ナイスミドル これはどうも、ご丁寧に、ところで、この店がミスティア探偵団の事務所と伺ったのですが。

ミスティ 探偵! カッコいい響き… 冒険者止めて探偵になろうかな。

GM やることはあまり変わらないような(笑)

ルカ ミスティアちゃんはこの子だけど、探偵事務所ではないですわよ、おじ様。

ナイスミドル そうなのか? ヤン・クレード殿からそう聞いてきたのですが。

アレク 何を考えてるんだ、あの人は(笑)

マック てことは、この人もガヤン?

GM 多分ね。ソードブレイカー下げてるし。

カムイ 探偵じゃないけど、冒険者稼業はやっている。ガヤンが俺たちに何か依頼でもあるのか?

ナイスミドル ええ。神殿ではなく、私個人の頼み事ですが。おっと申し遅れました、私はドーン・オーフェンと言います。

ルカ ドーン・オーフェン…素敵なお名前…(うっとり)

GM (こっそりころころ)ミスティとルカは、ドーンの言葉の訛り具合が、ソイル選王国のものだと分かる。着ている服や装飾品は、かなり高価なものだ。

ミスティ (素面に戻って)カムイに耳打ちします。

カムイ もしかしたら、この人がナルさんを連れ戻そうとしている人かもな。

ミスティ でも話だけは聞いてみようよ。

カムイ そうだな。受けるかどうかはその後で決めよう。

ルカ 何を言っているの! おじ様の依頼を蹴るなんて、あたしは許さないわよ!

ダルシス はいはい、ルカさん落ち着いて。

GM いつの間に戻ってきた(笑) で、話だけでも聞くんだな?

カムイ ああ。

ナイスミドル→ドーン この男を探してほしいのです。名前はベルナード。

GM と言って似顔絵を見せてくれる。ねずみ男みたいな貧相な男をイメージしてくれ。

ドーン この男が、数日前にバドッカにいるという情報を得てここに来たのですが、急用ができてしまいまして。報酬は前金として1000。成功報酬で3000を約束します。

マック そんなにくれるんだったら喜んで受けるぞ! 早速捜査開始だ!

ダルシス あなた一人で行って来てください。しかし、依頼の二重取りなんかして大丈夫?

カムイ だよなぁ。

ルカ さっきは、断るのは許さないって言ったけど、考えてみたら両方引き受けるなんて、おじ様に不誠実なことはできないわ!

ドーン おっと、そうか、私の前にも仕事を受けていたのですね。これは失礼しました。

カムイ 先の仕事が終わってからなら引き受けられるが?

ドーン いや、こちらもあまり時間が無いので、他を当たってみますよ。

マック えー? 一巡りくらい待ってくださいよー!

ダルシス あなたは少し黙って下さい。すいません、ドーンさん。話だけさせて帰すなんて。

ドーン いえ、そちらの都合を確認しなかった私に非があります。それと、今の話は口外無用でお願いします。

GM と言って、100ムーナ金貨を置いて、ドーンさんは去っていく。

ルカ ああ、おじ様…行ってしまわれるのですね…

カムイ じゃあ、今日はもう遅いからこれでお開きだな。

ダルシス 明日から捜査開始ですね。

 

第二章【手紙を追って】

GM では翌日。まずは、「アル中」「くいしんぼう」「お祭り好き」、酒好きなどの癖の持ち主は、全員生命力か「社交」技能+3で判定だ。失敗すると二日酔い。

ダルシス 成功しました(「くいしんぼう」。完訳版で名前が変わったから、グルメの妄想から変更)

アルク 久々に気持ちのいい朝だ…(「アル中」)

ミスティ ギ…ギリギリ平気…(「お祭り好き」)

GM ノイエやナルさんも起きてきた。

カムイ ところでGM、うちらの中で、ナルさんに一番近い体型の人は?

GM (データを見比べて)ダルシスかなぁ? 明確に身長体重は書いて無いけど、体力9は同値だし*12

マック え? ダルシスさんて体力9なの? もっと大女だと思ってた(笑)

ダルシス 私はテクニックで戦うから。でも、細身なのでスリーサイズは合わないでしょうね。

カムイ それくらいは、敵…というか、ナルさんの家の者を誤魔化すためだし我慢してくれ。

ダルシス ああ、そういうことね。だったら服を貸すわ。

ナル ありがとうございます。わがままを聞いて下さるばかりか、服まで用意していただいて。

カムイ じゃあ、俺が着替えの手伝いを…

女性陣 げし!(殴る擬音)

カムイ ぐはあ!(吹っ飛ぶ)

アレク カムイの奴、今回殴られてばかりだな(笑)

 

 ナルの着替え…と言うか変装を終えたPCたちは、捜査を開始する。まずは、ナル本人の聞き込みから。

 

ルカ 手紙が無くなった経緯は?

ナル 兄の家の使用人が持ち出したと聞いていますけど、それが誰なのかまでは…

ミスティ 昨日ドーンさんが言ってた、ねずみ男だったりして。あ、今のは口には出さないから。

ダルシス なんにせよ、まずは情報を集めないと。

カムイ じゃあ、俺と姉さんは裏タマットに行ってみるよ。

マック ボクは伝令ギルドに行ってくる。で、そのまま仕事行くから合流は夜ね。

アレク 私は、ジェスタの防壁警護の人に会ってこよう。もしかしたら、件のねずみ男を見た人が居るかも知れない。まだ、ねずみ男と使用人が同一人物と決まったわけでは無いですが。

ダルシス 私とルカはそれぞれ神殿に寄りつつ、町へ聞き込みに行きましょうか。

ルカ そうね。ノイエ君は、飛びつらら団の仲間たちと、情報収集お願いね。

ノイエ おう。任せとけ。

ナル あの、私も連れて行ってはいただけませんか?

カムイ 確かに家に一人にさせとくのも危険だよな。

ミスティ せっかく服も変えたんだし、連れて行ってあげようよ。

カムイ じゃあ、俺たちと行きましょう。

ルカ あんたと一緒だと別の意味で危ない(笑) あたしたちと行くわよ。

ミスティ 大丈夫だよ、カムイはちゃんと手懐けてあるし。

カムイ 俺は犬か(苦笑)

アレク 犬よりは猪のような気が…

カムイ なんか言ったか?

アレク いいえ、何も?

 

 結局、ナルさんはダルシスとルカに付いて行くことに。

 

ルカ あたしは、またドーンおじ様に会いたいけど、今あの人に会ってしまうと、ナルさん連れて行かれるのよね(笑)

GM いや、まだそうと決まったわけじゃないぞ(笑)

ミスティ もしかしたら、ナルさん全然関係ない遊び人で、バドッカに遊びに来ているだけかも知れないし(笑)

ダルシス 可能性の話なら、私たちを騙そうとしている闇タマットかも知れませんよ(笑)

カムイ なぁに、美人に悪人はいないから大丈夫、大丈夫(笑)

GM そんなこと言ってるから、ミリス(第一話)に出し抜かれるんだよ(笑) それはともかく、まずはマックから。

マック 伝令ギルドに行って、休んでるミュルーンに話しかけるぞ。最近ソイルから来た手紙に、獅子の紋章が入ったものを見たって話聞かない?

ミュルーン さあなぁ。いちいち、手紙の紋章なんて確認せんからなぁ。

GM じゃあ、マック。噂話表をサイコロを一つ振るのだ。

マック (ころころ)5。

ミュルーン あ、そうそう。ソイルゆーたら、ついこの前、第3王子だかのミヒャエルっちゅーもんが死んだって話や。事故っちゅー話やけどな。なんでもその際に、無くした手紙に、財宝のありかを書いとったっちゅー話やで。

マック お前本当にミュルーンか(笑)

GM うるせい、俺は関西人じゃねーんだよ(笑)

マック 財宝のありかが書いてある手紙かぁ。

 

 ダルシス&ルカ&ナルは、町でソイル選王国の話を聞いて回り、「ミヒャエルの残した手紙は呪いの手紙だった」という噂話を聞く。

 アレクは、手紙を持った奴は知らないが、ねずみ男(最早だれも名前で呼ばない)と人相の合う男を2日前に見たという話を聞く。

 

アレク こんな簡単に見つかるなら、ドーンさんの依頼も受けてもよかったかもな。

カムイ まだ見つかったわけじゃないんだろ?

GM 裏タマットに行ったミスティとカムイだけど、急に行って手が空いている人がいるかどうか、「裏社会」で判定ね。高司祭だから+3で。

ミスティ 目標値18ですから余裕ですね。(ころころ)あう…17。自動失敗*13です(笑)

カムイ 姉さーん(笑)

ルカ ファンブルじゃないだけマシよ(笑)

GM じゃあ、今は忙しくて相手ができないから、また午後から来てくれだと。

 

 そして、午後。

 

ミスティ (ころころ)うぇぇぇ!? 18ぃ!?

一同 (爆笑)

アレク ルカさんが余計な事言うから(笑)

ルカ あたしは関係ないわよ(笑)

ミスティ 幸運使います! (ころころ)成功!

情報屋 おう、ミスティちゃんか、久しぶりだな。聞いたぜ、闇タマットを潰したんだってな?

ミスティ ボスには逃げられちゃいましたけどねぇ~ 今日は、ある手紙の情報が欲しいです。獅子の紋章が入った手紙なんですが…って言いつつ、100ムーナ渡します。

情報屋 それなら、2日前にねずみ顔の男が持ち込んできたな。手紙の中身を確認させなかったから、怪しいんで追い払っちまったが。

ミスティ その人が他の組織に手紙を持っていくとしたら、どこでしょうか?

GM ミスティも知っているかもしれないから、「地域知識」と「裏社会」で判定して。

ミスティ 両方成功です。

GM じゃあ、『闇の千の目』か『蜘蛛の網』ってところが思いつく。どちらも、上流階級のスキャンダルを利用して金を稼いでいる闇タマットだ。

マック 新聞社もない世界でスキャンダル?

GM スキャンダルってのは、良くない噂や不正のことを指すから、新聞が無くても言葉はあるよ。そもそも、この世界にはシャストア新聞ってのがある。

情報屋 ミスティちゃんも知ってるだろうけど、最近、『蜘蛛の網』の行動が活発になっているという情報もあるからな。恐らく、そっちだろう。

ミスティ 『蜘蛛の網』について、わたしは何か知ってます?

GM 最近になって頭角を現してきた、『蜘蛛』の名を冠する闇タマットの一つだね。主な活動内容はさっき言った通り。

カムイ 『蜘蛛』の総大将が〈鉄の姫〉だったか?

情報屋 よく知ってるな。その通りだ。

アレク 冗談じゃない! 私は降りるぞ! あんな化け物倒せるか!

GM おい、ジェスタ様の教義はどうした(笑) それに、出さないよ、〈鉄の姫〉(笑) いや、出したとしても最終形態は出さないから(鉄の姫変身後データはリプレイ3部下巻参照。強い!*14

ミスティ その「蜘蛛の網」のアジト場所、分かりますか?

カムイ できれば、俺らが払える範囲の情報料で教えてくれ(笑)

情報屋 教えてやってもいいが、時間がかかる。ああ、金は要らんよ。

カムイ 俺たちに殴り込みでもして欲しいってことかね…?

情報屋 それは、俺の口からは言えないねぇ。

 

 明日、使いの者を『飛び魚亭』によこすと言われたミスティたちは、裏タマットを後にし他のPCたちと合流。

 次の行動を起こそうにもまだ情報不足な上、もう夜なので今日は寝ることに。

 闇タマットと関わりがある可能性が出たため、ミスティの部屋に、ナル、ソニアも含んだ女性陣全員が泊まり、ダルシス、ルカ、ミスティが交代で見張りに。ノイエも加えた男性陣は部屋の外で交代で見張りをする形に。

 

GM では、今日は何事もなく朝が来た。

マック 散々作戦練って寝たボクたちって、何やってたんだろう(笑)

アレク いつ蜘蛛の襲撃があるかわからないから、警戒するに越したことないぞ。

カムイ 俺たちが何か嗅ぎ回ってることに気付いたら、消しにかかってくるかもしれないからな。

ダルシス さて、今日の行動ですが…

ルカ あたしは、ノイエ君と一緒に行動したい(笑)

 

 カムイとミスティは、裏タマットからの情報屋を待つため、『飛び魚亭』で待機。ダルシスは事件に闇タマットが関わる可能性があることを報告にガヤン神殿へ向かう。その後ルカ、ナルと合流し、再び町へ情報収集。アレクとマックも町へ向かうことに。

 

ダルシス とりあえず、ログナー神官に報告しましょう。相手が闇タマットと分かればガヤン神殿も動いてくれるかもしれません。前回のことを思うと無理かもしれませんが。

カムイ 俺ら4人だけでアジトに突入したもんな(笑)

GM まー、それ以前に、まだ確証があるわけじゃないし、正確なアジトの場所も分からないのに機動部隊は動かせないとのことだ。

ダルシス 逆を言えば、正確な場所が分かれば機動部隊は動かせるのですね。

ログナー ああ、それは約束しよう。相手は傾きかけていた『闇の十字架』ではなく、『蜘蛛の網』だからな。

 

 その後、町で噂話でもいいからと情報を集めに行った一行だが、嘘か真かわからないような情報しか入ってこない。

 一度、亡きミヒャエル王子の悪口を言った男に対し、ナルさんが激怒したくらいである。

 

ダルシス 落ち着いてください、ナルさん。世の中、人の悪口しか言えない心の貧しい人もいるのです。

悪口を言った男 んだと!? 人がせっかく話してやったってのに!

GM とか言って掴みかかってくるが?

ダルシス 逆に掴んで関節を極めます。

悪口を言った男 あだだだだー! す…すまん悪かった! 悪口言ったこと謝る!

ナル あ…あの、ダルシスさん、そこまでしていただかなくても…

ダルシス はい? ただ事実を言ったら、こいつが掴み掛かってきただけですよ?(PLは笑)

ルカ それにしても、碌な情報が無いわね。やっぱり、裏タマットの情報を待つしかないかしら。

アレク ただ、暗殺か事故死かは分からないけど、第3王子ミヒャエルが死んだのは事実。手紙があるのも、事実のようですな。財宝のありかが書いてあるのか、呪いがかけられているのか、〈悪魔〉が封印されているのかもわかりませんが。

ルカ そのミヒャエルの手紙が、ナルさんが探している手紙と同じものなのかしら?

ダルシス 紋章も同じですし、そう考えるのが妥当でしょうね。

アレク だとすると、ナルさんは間違いなくあの人ですなぁ。

ミスティ あの人?

GM 赤いハチマキ付けた、日本人の格闘家のことではないぞ。

ミスティ ?(こっちのネタも分からなかったみたい)

カムイ (無視して)もしナルさんがあの人なら、何が何でも守る必要があるな。ルナルの歴史が変わっちまう。

ダルシス (同じく)ノイエが死ぬのもまずいわね。

GM (誰も突っ込んでくれないので、ショックを受けて突っ伏している)

マック おーい、GM、起きろー(笑)

GM (立ち直って)プレイヤーとして相談するのは良いけど、君たちは、未来のルナルでノイエとあの人がどうなるかなんて知らないってことは、お忘れなく。

ミスティ ?(話について行けないでいる)

GM ミスティのPLには、後でリプレイ2部貸すから(笑)

ルカ あたしも分からないんだけど?

GM 分からないなら、それでいいよ。さて、そんな事を話していると、裏口からノックが聞こえる。

ミスティ はーい、すぐに出ます。

GM では、戸口に見知らぬ男が立っていて、裏タマット式の手真似の合図をする(なんかよく分からん手の動きをする仕草)

ミスティ じゃあ、こっちもピコピコっと(同じく手を動かす)

アレク なんですか、その擬音は(笑)

GM では、男はうなずいた後、ミスティに紙を渡して闇の中へ去っていく。

ルカ 無意味にカッコいいわね(笑)

アレク (覗き込んで)紙には何と?

GM 暗号だらけで、ミスティ以外にはよく分からんね。タマット高司祭のミスティは知力+1で判定して。

ミスティ (ころころ)ふぁんぶる。

一同 (大爆笑)

ダルシス いや、ここでこの情報分からないってヤバいでしょ!?(笑)

カムイ いや待て姉さん、「幸運」だ! 脱線して無駄話してたから、さっき使ってから一時間経ってる!(笑)

ミスティ あ、本当だ。

ルカ 今までの無駄話は無駄じゃなかったのね!(笑)

ミスティ 振り直しの前にサイコロ変えます。さっきから出目が悪すぎる。「幸運」使って成功(笑)

GM では、暗号を解読して地図と照らし合わせると、港区の倉庫に三つの印が付く。また、殴りこみかけてくれるなら、表タマットも傭兵団を数組派遣してくれるそうだ。

ダルシス では、その情報を持ってガヤンへ行きましょう。

マック 裏タマットの情報をガヤンが信用するかなぁ?

ダルシス 「裏タマットからの情報です」などと言わなければ大丈夫でしょう。もっとも、私「正直」なので全部言ってしまうかもしれませんが(笑)

ミスティ あわわ! じゃあ、わたしが行きますです。表タマットからの情報ってことで(笑)

 

 『蜘蛛の網』アジトの場所と傭兵部隊が動くことをログナー神官に伝えたミスティ。ログナーは、明日早朝までに機動部隊の編成をしておくと約束してもらえる(やはり反応判定「最高」)

 PCたちも突入の手伝いを約束し、合流後、作戦を練る。入り口が三か所あるため、一番ガヤン&タマットの投入人数の少ない入り口から入り、彼らが『蜘蛛の網』と戦っているどさくさに紛れ、ねずみ男(既にGMすら本名忘れてる)を探し手紙を奪取することに。手紙をガヤンに押収されてしまっては、こちらが手に入れるのに時間と手間がかかるからだ。

 ノイエも、飛びつらら団の中で、高い戦闘力を持った奴ら、リーシャ*15やパグワ*16らと共に、タマットと同じ入り口から突入する。

 そして、ナルさんだが…

 

ナル どうか、私も連れて行ってください!

ダルシス そういうと思ったけどね。…プレイヤーは(笑)

カムイ 相手が相手だからなぁ。

ノイエ 大の大人が、女の子一人守れねえなんて情けねえこと言ってんじゃねえよ。今までだってそっちの子(ミスティ)を守って来れたんだろ?

カムイ 大の大人って、俺、お前より一つ年下だぜ?

GM ノイエはリプレイ2部時点で16だから、今は君が一個か二個上くらいじゃないか?

カムイ ああ、そうか。お前と一つか二つしか違わんぜ?

ミスティ わたしはその姉でーす。双子だけど。

ノイエ 嘘…?

GM ナルさんもびっくりしてる(笑)

カムイ 初めて、この設定が役に立ったな(笑)

ミスティ 役には立ってないよ(笑)

ノイエ えーっとだな… だああ! とにかく! 男なら、女の子一人くらい守ってやるぐらい言えねーでどうするんだ!

カムイ そうか、頑張れノイエ!(笑)

アレク 君ならできる!(笑)

ルカ ノイエ君かっこいー!(笑)

ノイエ は?

ダルシス ほら、ナルさん。ノイエ君があなたのこと守ってくれるそうですよ。

ナル 足手まといにならないよう頑張りますので、よろしくお願いします。

ノイエ えーっと… よっし、任せとけ!

一同 (笑)

 

 と、言うわけで、ナルはノイエに同行することに(NPCに押し付けたとも言う)

 

第三章【闇からの襲撃者】 

ミスティ じゃあ、明日に備えてもう寝ます。ぐーぐー(寝息)

カムイ 昨日と同じ方法で見張りを立てるぞ。最初は、マックとノイエ。次は俺とアレクな。

ダルシス ミスティさんは眠ってしまったので、こちらは、私、ルカさん、ミスティさんの順番で。

GM オッケー。他には?

ミスティ (起きて)あ、男性陣とナルさんとソニアに《幸運付与》しておく。(何度かサイコロ振って)全部成功。

カムイ ありがとう姉さん。

ルカ 他には特にないわね、寝るわ。

GM (おや、《持続光》はかけないのね)で、夜は更けていくんだが(ころころ)ミスティが見張りになったタイミングで、窓が外から蹴破ろうとする音がする。

ミスティ 大声で叫びます。敵襲でーす。

GM なんか気の抜ける叫びだな(笑) 女性陣は、自動で起きていい。ただし、生命力か意志力に成功しないと、朦朧状態。

ダルシス 意志で成功。ナルさんを守る位置に立つ。

ルカ あたしも意志で成功。バトルファン広げて、ミスティちゃんの前に立つわ。

GM ナルさんもソニアも起きたな。男性陣は聴覚判定。起きていれば+3.眠っているなら-2だ。

アレク&カムイ 聞こえた!

マック グーグー(失敗)

GM おお、ノイエも起きて、すかさず部屋に入る。

カムイ フル装備していていいか?

GM 起きている組はね。寝ていた組は、クロースアーマー以上を着ていると防護点分疲労したままだ。

ダルシス まあ、クロースでもあるだけマシでしょう。

アレク 私達も部屋に入りますぞ。

GM 窓を壊して入って来るのは四人いるんだが、共通点は長身痩躯で耳が長い。そして、瞳のない漆黒の目をしているところ。

一同 ゲルーシャ!*17

GM 入ってきたゲルーシャのうち、一番小さい奴は、全身に口があり気持ちの悪い笑い声をあげる。全員恐怖判定だ。

ダルシス し…失敗! 8ターン朦朧してます!

GM 他は成功か。つまらん。

アレク 3人で前に出るぞ!

カムイ 言われるまでもないぜ。

ノイエ おう!

ゲルーシャ キョーッキョッキョッキョ!(奇怪な笑い声のつもり) 大人しくその娘を渡してもらおうか!

ルカ え? あたし?(笑)

ゲルーシャ 違う!

ミスティ じゃあ、わたし?(笑)

ゲルーシャ お前もちがーう!

ルカ 敵はあたしたちじゃなくて、ナルさんを追ってきたのよね?

ダルシス 私かも知れませんよ?(笑)

アレク いや違うでしょう(笑)

GM お約束のボケは置いておいて、戦闘開始だ。この部屋暗いから、行動にはマイナス5ね。

ダルシス しまった、《持続光》かけてなかった。しかも私朦朧してる!

ミスティ すぐに《覚醒》で起こしますね。《幸運付与》の維持があるから厳しいけど。

GM その前にイニシアティブだ。

 

 イニシアティブで先手を取ったのはGM。ノイエとゲルーシャでさらにイニシアティブをとったところ、ノイエが先攻となった。

 

GM ノイエの判定は、寝ているマックにやってもらおうか。

ルカ 嫌! ノイエ君のサイコロはあたしが振る! くたばれ化け物と言って、目の前の口だらけゲルーシャを攻撃するわ! (ころころ)クリティカル(爆笑)

GM なにいいい!!?

ルカ (ころころ)クリティカル効果は14ね。

アレク 四肢を狙っていたら使えなくなる、他は2倍ダメージでしたなぁ(遠い目)

ルカ ダメージは2Dで11点。倍にして22点ね(大爆笑)

GM ぐはぁ! こいつダメージボーナス無い体*18なんだが…

カムイ あまり関係ないな。気絶するんじゃねーの?

 

 カムイの予想通り、口だらけこと『血啜り』あっさり気絶。うーむ、ダイス変わってもノイエはノイエという事か。しかし他の3匹も黒の月に魂を売った怪人ゲルーシャ。そう簡単にはやられはしない! …はず。

 

GM 残りは、体毛のないゲルーシャと女ゲルーシャ、蜘蛛みたいな6本腕のゲルーシャなんだが、体毛のないゲルーシャの周りに闇が広がっていき、前に出ていた3人をすっぽり包むぞ。

アレク これが、噂に聞く特殊能力、「闇の賜りもの」!

GM (サイコロで目標を決めて)アレク、聴覚判定を。

アレク (ころころ)ダメです。

GM では、女ゲルーシャの蹴りが命中。男にしか分からない痛みの9点ダメージだ。

一同(アレク除く) (一瞬の間の後大爆笑)

アレク な…なんてとこ蹴りやがるんだ! 悪魔かこいつは!?

GM 悪魔だよ、こいつらは(笑) あれに生命力の半分以上のダメージを受けると、我慢強くても朦朧する。さらに、生命力判定に失敗すると、片方が使えなくなるよ。

アレク 付与してもらった幸運使って成功! ミスティ様、感謝しますうううう!!

 

 何とか片方が使えなくなることは免れたアレク。しかし、蜘蛛のような腕のゲルーシャ、『土蜘蛛』に、カムイが組み付かれてしまう。やはり、闇の中で「闇視」*19を持つゲルーシャを相手にするのは圧倒的に不利…のはずなのだが…

 

カムイ 6本の腕を振りほどくのは難しそうだな… 組み付かれているなら、暗闇の修正なしで蹴れないか?

GM いいよ。ただし、部位は狙えないし、組み付かれてる-4はかかる。膝蹴りやひじ打ち以外の格闘動作も使用不可。

カムイ もともと蹴打術は近接された時用だから、格闘動作は覚えていない。どうせ闇の中じゃ防御できないから全力攻撃で(ころころ)よし、命中!

GM (ころころ)あれ? 防御失敗してる。

カムイ ダメージは…

GM まあ、待って。どこも狙えないなら、せっかくだしランダム命中部位表*20を使おう。

 

 ここでコードネームは11番*21がさく裂…となれば面白かったのだが、そうはならず。

 …代わりに重要器官に最大ダメージが入って、一撃で気絶したんだけどな!

 

GM 余計なことするんじゃなかった…

カムイ 覆いかぶさろうとしたところに、みぞおちにカウンター気味に膝が入った感じか(笑)

 

 アレクは闇から外に出るため後退。ミスティはダルシスのために《覚醒》に集中。ルカは、バトルファンを広げ、最初の恐怖判定で朦朧としているルカとソニアを守る位置に移動。

 2ターン目。ノイエも後退し、闇の外に出る。女ゲルーシャこと『種砕き』は、カムイの11番も蹴るが、チェインメイル装備かつ生命力13を誇るカムイには、大した効果は無い。最大ダメージが出ても生命力の半分以上のダメージを与えられないのだ。

 アレクは闇の中から投げられた『闇造り』のナイフを「止め」損ね、さらに負傷。ダルシスはミスティの《覚醒》で目を覚まし《持続光》の集中。ミスティは続いて《倍速》の集中に入る。ルカはアレクに《大治癒》の集中に入る。

 ここでようやくマックも目を覚まし、膝立ちになり槍を拾うのだが、次のターン。

 

GM 階下から、武装した4人組が押し入って来るよ。

マック よっしゃ、こいつら倒せば、ボクがヒーローだ!

 

 しかし、闇の中、鎧も着ず盾を構える暇もなかったミュルーンが、4人を相手にまともに戦えるはずもない。利き腕を切られ、3ターン後に生命力が-に突入。高い「意志の強さ」を持つため気絶こそしないものの、あっさり取り押さえられる。鳥だけに。

 その間、『種砕き』は闇から脱出したカムイを追撃しようとするが、姉の《倍速》の援護を受け、《持続光》でペナルティのなくなったカムイのフェイントからの「昇竜」二連で両足を切り裂かれ、次のターン、念入りに両腕も使えなくされた後の「降竜」を受け死亡する。 

 

ルカ これが飛天御剣流奥義、九頭竜閃(笑)*22

カムイ 流派が違う(笑)

 

 『闇造り』は形勢不利と悟り逃げようとするが、覚えたての自身の《闇視》、ルカの《倍速》、アレクの《鎧》を受けたダルシスに組み付かれ、《死の手》で気絶させられた。

 

アレク あまり、活躍できなかった…

ダルシス いえ、アレクの《鎧》が無かったら、あいつのナイフで気絶ダメージに入ってた。助かったわ。

アレク おお、感謝されるのは嬉しいですな(笑)

 

 その頃、マックを倒した襲撃者のうち2人は部屋に入り込みルカを襲うが、「青竜」のボーナスも含めるとバトルファン技能16かつ、サリカの舞16レベルで、受動防御*23抜きで「止め」の目標値が10を誇るルカは、2人の攻撃を軽く捌く。それどころか、一人は反撃とばかりにダメージ+1のバトルファン「朱雀」で殴られ朦朧。もう一人はアレクとノイエに背面から攻撃され死亡する。

 

ルカ お母様の形見のバトルファン…早速役に立ちました…

一同 死んでない、死んでない(笑)

 

 さらに《倍速》かかった2人に接近されては、もうなす術もない。

 しかし…

 

襲撃者C そこまでだ! これ以上戦う気なら、この鳥の命は無いぞ! 返して欲しければ、その娘をこちらに渡せ!

マック うおー! 離せ―! でも振りほどき失敗。

ルカ 分かった。あたしがそっちに行ったら、鳥を放しなさいよ。

襲撃者D お前じゃない!

ダルシス じゃあ、私が。

襲撃者C お前もちがーう!

ミスティ その間に《集団誘眠》集中してていい?

GM いいよ。

ミスティ 成功度6です。

襲撃者C&D (ばたっと倒れる仕草をして)グーグー(いびき)

 

 こうして、襲撃者C&Dと、ゲルーシャ『闇造り』は捕えられてしまった…結構強めに設定してあったのにね。

 PCたちは捕えた一匹と3人を尋問しようとするが…

 

GM ゲルーシャは舌を噛んで自殺する。

マック 舌噛んでも死なないらしいよ?

GM そんな話も聞いたことあるけど、こいつは死ぬの。これも「闇の賜りもの」(笑) まあ、生きていても金で雇われただけで、何も知らないんだけど。人間の襲撃者も同じ。

ダルシス なぜナルさんが狙われたのかは、プレイヤーは想像つくけど、キャラクターには分からないわね(笑) この場所もばれているなら、移動した方が良さそうね。こいつらを突きだすついでに、ガヤン神殿で泊まらせてもらいましょう。

カムイ 賛成だ。

 

 ガヤンに泊まるのはノイエは反対したが、ナルさんもいるからと説得。日が昇るころまでガヤン神殿で休ませてもらった。

 

第四章【抜剣!】

GM では、翌朝早朝。集合場所には30人を越えるガヤンやタマットの傭兵、飛びつらら団のメンツがいる。君らが突入する場所だけでこの人数だから、総員だと100人超えているだろう。リーシャや、ヤン・クレードもいるね。

カムイ たしか、リーシャって「魅力的」だったよな。声でもかけて…

ミスティ (カムイの耳を引っ張っる仕草をして)はいはい、今はそれどころじゃないよ。

カムイ いててて…

GM あんたらの身長差だと、ミスティはかなり背伸びしないと耳に届かなさそうだな(笑) さて、突入前に情報があるんだけど、『蜘蛛の網』のボスはボルクス。浅黒い肌の、いかつい髭面の男。

ダルシス 覚えておきましょう。けれど、私たちの目的は、ねずみ男の持つ手紙であることを忘れないように。

GM 後、最近凄腕のカルシファード剣士を護衛に雇ったらしい。目つきの鋭い、オールバックでポニーテールの黒髪の美形。

カムイ ほう。そいつは楽しめそうだ。

ミスティ 早速目的忘れてるし(笑)

GM ガヤンやタマットの方は、突入準備できたみたいだ。

アレク こっちもOKですぞ。

カムイ いつでもいいぜ。ノイエもいいよな?

ノイエ おう! 飛びつらら団、いくぜえええ!!

ガヤン機動隊 ガヤン機動隊抜剣! 『蜘蛛』どもを一掃するぞ!

タマット傭兵 野郎ども、ガヤンに後れを取るなよ! 突撃!!

 

 PCたちは当初の予定通り、ナルの護衛はノイエらに任せ、見張りや護衛たちと突入部隊の戦いを無視し奥へと進む。

 

カムイ こういう場合、目的の物は最深部にあるのがセオリーだからな(笑)

GM しかし、廊下を遮るように3人の男たちが待ち構えている。装備はスピアにミディアムシールド、クロースアーマーだ。

マック それくらいなら軽い軽い。

 

 彼の言うとおり、この戦いは2秒で片が付いた。しかし、相変わらずフェイントもかけず槍を振り回すだけのマックは、一度も攻撃を命中させられず。

 

カムイ (刀を突き付け)テメエらのボスはどこにいる!?

タマット ひええ!? この先の2つ目の角を左に曲がって、その先の角を右に曲がって、左側の3つ目のドアの先です!

ダルシス では、そこに向かいましょう。

GM 言われた通りに進むと、2つ目の角を曲がったところで、黒髪のオールバック、髪を後ろで結んでいる美丈夫が、タバコを咥えて壁にもたれかかっている。

アレク 例の剣士だな。

ルカ お年は?

GM 20半ばくらいかな。

ルカ うーん、5年後に期待(笑)

カムイ ルカさん、こんな時に何言ってんだ!

ミスティ カムイがそれを言う?(笑)

男 カムイ・レグリアスだな? お前の仲間がここを嗅ぎ回っていると聞いて、ここで雇われれば会えると思っていた。俺の名は、ディオス。ディオス・スレイズだ。

カムイ お、目的は俺か。しかし、どっかで聞いた名前だな(笑)

GM ライバルキャラと設定して、思いついたのがあいつだったのよ(笑) ともかく、ディオスは名乗りつつ、タバコを捨てて刀を構える。有名な刀術なので、流派知識+3で判定してみて。

カムイ 俺の持ってる数少ない知力技能だな(ころころ)成功だ。

GM 〈天狼刀牙流〉という、突き主体の刀術だ*24。現実で言うと、新選組が使っていたやつに似ている。

カムイ ポニーはともかく、黒髪オールバックで新選組ってあいつか!

ルカ いやーん! 超好み! 本物だったら年齢的にも超オッケーなのに!

カムイ ルカさん、シリアスシーンが台無しになるから、ちょっと黙ってて(笑)

ミスティ ?

GM そこに、るろ剣全巻並んでるから、後で読ませてもらいなさい(笑)(この日はカムイのPLの部屋でプレイしている)

カムイ (刀を構えて)なぜ俺に会いたかったかは、聞くまでもないな。姉さんたちは、先に行って。こいつは、俺が相手をする。

マック 全員で一斉にかかれば…

ディオス 俺はどちらでも構わんぞ。

カムイ プレイヤー発言だけど、止めといた方が良いと思うぞ。多分、実力は俺と同格かそれ以上。まずは俺の周りから潰そうとするだろうし、レベル22以上のフェイントの後、容赦なく喉やら重要器官やら狙ってくるだろうし。

マック カムイ、任せた(笑)

ミスティ カムイ、勝てるの?

カムイ 大丈夫だよ、姉さん。俺の戦法も似たようなもんだし(笑) それに、早く行かないとボスに逃げられる。

ダルシス しかし、通してくれるのでしょうか?

ディオス 行きたければ行け。契約は、敵戦力の排除だ。カムイの相手をすることは、それに反していない。

アレク 分かりました。カムイ、死ぬなよ?

カムイ おうよ。

ミスティ あうう… ごめん! やっぱり心配だから、わたしは残りたい!

カムイ ありがとう。でも、手出しは無用だよ、姉さん。

 

 ミスティ、カムイを除く一行は、2人と別れ奥へ進む。

 

GM さて、2人の戦闘は他の戦闘シーンと同時進行にしたいので、先に行った組を進める。ディアスのいた通路の先を右に回って目的のドアが見えるところで、見覚えのある2人組がドアを蹴破っているね。

ダルシス ナルさん、意外と攻撃的ですね。

GM 違う(笑)

ルカ ノイエ君! 他のみんなは?

ノイエ 見張り連中と戦ってくれてる。

ダルシス 部屋の中の様子は?

GM いかつい髭面の男と赤、青、黄、緑、桃色の5色の鎧を着た5人組がいるね。装備はいかつい男がスケイルアーマーで、他はヘビーレザー。武器は共通で、スピアとミディアムシールドだ。それに、ねずみ男もいる。

ダルシス ガヤン神殿だ。お前たち全員その場を動くな!

マック そこのねずみ男! 財宝の地図が入った手紙をこっちによこせ!

ダルシス ああ、やけに積極的だと思ったら、それが目的でしたか(笑)

 

 ロールプレイとしては実に正しい。他のPCから信用されるかどうかはともかく(笑)

 

ボルクス ええい、小癪な鳥と小娘め! お前たち、やってしまえぃ!

ねずみ男 どどどどーするんですかボルクスさん! 私、こんなところで死にたくないですからね! 私が死んだら手紙渡しませんからね!

ボルクス ええい! 五月蠅い!(槍で突く)

ねずみ男 ゲヘッ!?(貫かれて死亡)

ルカ ああ…なんてことを…

 

 ここまでGMの一人芝居

 

ダルシス 馬鹿な奴だ。

GM で、五色の戦士が前に出たところで戦闘開始。ミスティはしばらく暇になるだろうから、ノイエを使ってくれ。

ミスティ はーい。

ルカ ああん! あたしがノイエ君使いたかったのに!(笑)

GM あんたが使うと、サイコロ運まであいつみたくなるから使わせん(笑)

ダルシス (イニシアティブをとって)私からですね。五人もいては組み付いている余裕はなさそうです。《死の手》で普通に触る。赤に命中して13点。

GM げ!? いきなり生命力がマイナスに…

ノイエ(ミスティのPL) まずは相手の実力知りたいから、黄に普通に攻撃。(ころころ)クリティカル。

GM なんでだー!?

一同 (爆笑)

 

 ノイエの魂はサイコロに宿るのだろうか? いきなり戦力2人気絶。さらに、槍使いは体力低いと踏んだアレクの体当たりで青が転ばされる。こいつらは、技能は高いし数も多い。さらにはボルクスが手紙を手に入れて逃げるまでの、5、6ターンの時間稼ぎができれば勝ちなのだけど、いきなり旗色悪くなってきた…

 敵側の攻撃は全て防がれ、青は膝立ちに。ボルクスは懐から赤い小瓶を出して終わり。マックは普通に攻撃して「止め」られる。ルカはボルクスを攻撃するため《電光》に集中。

 そして、カムイvsディオスだが…

 

カムイ まずはフェイント! いまいち。成功度8。

ダルシス それでイマイチですか…

ディオス ふ… その程度期待値で見切ったぞ。

ルカ 刀技能18もあるのね。

ディオス こっちもフェイント。11だ。

カムイ まずいな…おっと、1しか効いて無い。

アレク なんつー人外レベルの戦い(笑)

ミスティ たぶん、わたしには2人が何やってるのかわからない(笑)

マック 達人同士が睨みあって動かないシーンだね、間違いなく(笑)

カムイ この戦い先に動いたサイコロ運が悪かった方が負ける!

 

 2ターン目、緑をダルシスが《死の手》を発動し組み付いて朦朧としたところを、ノイエがトドメと言う連携で倒す。盾も槍もかなりのレベルの五色の戦士も、高レベルの柔道家の組み付きは簡単には対処できない*25

 

ノイエ やるな、ガヤンのねーちゃん!

ダルシス あなたもね、さすが噂の不良少年。

 

 アレクは「準備/斧・メイス」に失敗し、せっかく相手が膝立ちなのに、チャンスを逃す。(←前のターンは体当たりだったはずだから、何かのミス?)

 ボルクスは、赤い瓶を投げる。それは「不幸」なアレクの前に落ちて割れ、中から炎をまとい浮遊する、巨大な頭蓋骨が現れる。

 

アレク モンスターカプセルでしたか。

GM このターンは動けないが、次のターンを楽しみにしているがいい。

 

 マックは…まあ、何も言うまい…。

 そしてカムイたちは、目に見えない殺気を放ちあってフェイント合戦を続けている。

 

カムイ 次もフェイント。(ころころ)成功度11だ。

ディオス む…4見切り損ねた。

カムイ 4か。行けるかな…? いや、刀18なら、反射神経もあるとして受動防御合わせて「受け」は15。-4でも後退されると14だからまず当たらないか。

GM 行けるかと一歩踏み出そうとしたら、ディオスもわずかに下がって無理だと気付いた感じかな。

 

 一見地味な戦いだが、どちらも一撃くらうとアウト(喉や脳、重要器官に軽く命中させられるうえ、攻撃力も高い)なため、緊張感がすごいすごい(笑)

 しかもカムイは、ディオスのフェイントを8も受けてしまう。

 

ダルシス さて、次のターンね。頭蓋骨の方が強そうだけど、多分触ると火傷するよね(笑)

GM 俺に触れると、火傷するぜ? 文字通りな。

アレク 先にゴレンジャーを倒してください。盾もありますし、そう簡単には負けません。

ダルシス 分かった。任せるわ。

 

 ノイエ&ダルシスはさっきと同じコンビネーションで青も撃破。アレクは、頭蓋骨は叩き攻撃に弱いと踏んで、武器をジェスタメイスに「準備」し直し攻撃。そんな設定は無かったのだが言われてみるとそうなので、叩きダメージを倍にして計算。一撃でHPの半分を持っていく。

 

アレク 簡単に負けないどころか勝てるかも…?

GM では、燃える頭蓋骨のファイヤーブレス。(オープンダイスでころころ)…あ。

アレク またクリティカルですかー!

カムイ あんたもうオープンダイス止めてくれ。必ずクリティカルしやがる(笑)

GM そう言われてもなぁ… 特別な効果は特にないが、ダメージは3D…

アレク 「頑強」はあるけど、ヘビーレザーで3Dはきついなぁ…

GM (またオープンでころころ)

ダルシス 1、1、2で4ですね(笑)

カムイ 前言撤回。ダメージダイスだけオープンにして(笑)

アレク ふぅ、助かった… しかし、油断は禁物ですな。

GM 相手のクリティカルは油断とは関係ないと思う(笑)

ダルシス ところで、ナルさんはどうしてます?

ナル 皆様のお邪魔にならないよう、応援しながら全力防御しています。

ルカ 回復魔法とか使えないの?

ナル 途中で手に入れた、謎のキノコを投げることはできますが…

ノイエ ピーチ姫か(笑)

ルカ なんのキノコかわからないなら、投げるの止めて(笑)

 

 キノコは冗談として、ボルクスは自分に対し側面を向いているマックに槍を投げる。盾の受動防御が無い方向からの攻撃をマックは回避できず大ダメージを負う。ルカは《電光》を最大サイズに。

 

カムイ まずいな、-8は「受け」る自信が無い… 仕方ない、〈昇竜〉! フェイント4点にこの技の効果で、合計能動防御-6だ!

ディオス 中々渋い技を使うじゃないか。

GM ここは後退して(ころころ) あ、あぶねえ、ギリギリだけど「受け」たぞ。ディオスは余裕で受けたような、涼しい顔していようか(笑)

カムイ ああ、やっぱり無理か!

ディオス ならばこちらは貴様の左腕を貫いてやる! ファーント扱いの〈狼牙壱式〉!(オープンでころころ)

カムイ だからオープンは止めてって…おい!

ミスティ (声を震わせて)これ…クリティカルじゃありません?

GM 出目は6。近い腕狙いは‐2だから、クリティカルだね。ダメージは8点の刺し。

カムイ ダメだ、左腕が使えなくなった。千切れてはいないけど…

ミスティ カムイ! すぐ《大治癒》を!

カムイ 手出し無用と言ったはずだよ、姉さん!

ミスティ でも…でもぉ…!

ディオス どうした、カムイ。姉君の言葉に甘えてはどうかね?

カムイ 調子に乗んなよ!

ミスティ …《大治癒》の集中待機をしておく。絶対カムイ怒るけど、死なれる方が絶対嫌だから。

カムイ しかしこの状態でどう勝つか… よし、蹴打術で組み付く!

GM は?(コミック全巻部屋にある奴が、あの技を知らないわけがなかろうに…)

カムイ (わざとらしく)この間合いなら、突きメインのお前の攻撃は使えないだろう!

GM あ、使えってことね(笑)

カムイ どうせ負けるなら、必殺技使われて負けたい(笑)

GM ならば、ご期待に応えよう

ディオス 確かに、〈天狼刀牙流〉は突き主体。この間合いでは真価は発揮できん。だが!

GM ディオスは上半身を大きく引き、ばねのみで密着状態から突きを繰り出す! 重要器官狙いの全力攻撃ダメージ+2で…

ディオス 〈狼牙零式〉!!

カムイ かかったなディオス! 負けるなら奥義でとは言ったが、今負けるとは言ってない! その攻撃は空手で「受け」て反撃させてもらうぜ! 

ディオス なにいいい!?

 

 流派知っていたんだし、零式があることはキャラも知っていてもおかしくない。予想外の頭脳プレーである。

 しかし、カムイはここでまさかの「受け」に失敗。ディオスの刀はカムイの胸を深々と貫いた!

 〈狼牙零式〉は、原作と違いあくまで武神降臨の格闘動作「近接武器戦闘」のため、威力は通常攻撃と変わらない。しかし、ダメージ+2の上、刺しに弱いチェインメイルのカムイには、7点の刺しは十分致命傷だった。

 

カムイ 死亡判定入った。まあ、生命力13あるし一回くらいなら… (ころころ)げ!? 16!? …死んだ…

一同 えええええ!?

ミスティ 待ってカムイ! 幸運! 夜に付与した幸運、まだ使ってない! 一日経ってないから残ってる!

カムイ おお、そうだった。(ころころ)14の…(ころころ)ふぅ、13。なんとか生きてる。(ころころ)ああ、でも気絶した。出目悪いなぁ。

 

 …この幸運のことを空手の「受け」の時に思い出していれば、カムイは勝っていた可能性あるんだよな。紙一重の勝負だった。*26

 

ディオス 〈狼牙零式〉を予測し、あの状況から反撃を試みようとするとは、恐ろしい奴よ。だが俺の勝ちのようだな。中々楽しかったぞ。どれトドメを刺してやろう。

ミスティ 《大治癒》かけてから、カムイの前に立つ! 殺しちゃダメぇ!

ディオス ほう。次はお前が相手をしてくれるのか?

ミスティ そんなの絶対に勝てないよぅ! でも、カムイを殺したらわたしは絶対に許さないから!

ディオス …フン。まあいいだろう。貴様の勇気に免じて殺さないでおいてやる。気絶も戦力排除にはなるだろうかしな。カムイ、貴様の姉君に感謝することだな。

GM と、言いつつ去っていく。

ミスティ (超冷静になって)じゃあ、後ろから《集団誘眠》。成功度8。

GM へ? あ、はい。抵抗できない。眠った。

一同 (爆笑)

ミスティ (絶対零度の声で)今、あなたを殺すのは簡単だけど、カムイを見逃してくれたし、カムイはきっと自分で決着付けたいだろうから殺さないでおいてあげる。

アレク ミスティちゃん、怒ってる?

ミスティ 当たり前だよ。無茶したカムイにもね。

ルカ カムイ君がこの子に逆らえない理由、分かった気がする(笑)

ミスティ じゃあ、パワーストーンも使って、カムイに《大治癒》と《小治癒》2回ずつと、《覚醒》かけて、起きてもらう。

カムイ 目を覚まして負けたことに気付くわけだな。で、眠っているディオスを見て、状況理解して、姉さんに食って掛かろうとするだろうけど…

ミスティ ものすっごくいい笑顔で、カムイを見てます(笑) ゴゴゴゴゴ…(無言のプレッシャー)

カムイ あ、この笑顔の姉さんには、絶対逆らっちゃいけない(笑) ディオス、勝負は預けたぞ! さあ、みんなを助けに行こう!(笑)

GM けど、ボルクス達との戦闘には間に合わんだろうな。

 

 さて、カムイたちが戦っている間、もう一方の戦闘はどうなっていたか。

 ダルシスの組み付きとノイエ、マックの攻撃を、桃はサイコロ運で防ぎきる。アレクは頭蓋骨を攻撃するが、とどめを刺すには至らず。

 ボルクスは、ねずみ男の懐に手を入れる。

 

ダルシス 残りは一人です、ノイエ君はボスを止めに行ってください。

ノイエ おうよ!

マック 待て! 財宝の手紙はボクのものだぞ!

 

 ルカは、ようやく最大サイズになった《電光》の狙いを付けて放つが…

 

ボルクス 膝立ちだけど(ころころ)盾で「止めた」。

ルカ なんで~! 4ターンも使ったのに!

カムイ ほんと、射撃呪文って使えねーな。(←毎ターン撃てたと分かるのは、この3年ほど後)

ルカ やっぱりあたしは殴った方が強いわね!

マック ボクに《大治癒》かけてくれー!

ルカ 距離があるから無理。

 

 5ターン目。ダルシスの組み付きを、桃は再び回避。「格闘」技能は15あるので、不利ではあるが勝てないレベルではない。ノイエはボルクスに近づく途中、攻撃範囲内にいた頭蓋骨を攻撃していきトドメを刺す。

 

アレク とどめを持っていかれたー! しかも、邪魔だと言わんばかりにぞんざいに(笑)

GM ボルクスはねずみ男の懐から手紙を取り出すね。次のターンに、隠し扉から逃げる予定だったけど、ノイエに追いつかれるな。

 

 マックはふらつく足ではノイエに追いつけず、ルカはとりあえず、ボルクスのところへ走る。

 6ターン目。ダルシスはようやく桃に組み付きつつ《死の手》でダメージを与え、ノイエはボルクスに体当たり。見事転倒させる。残ったメンバーもボルクスのところへに向かう。

 さらにその後、ダルシスは追撃の《死の手》で桃色の息の根を止める。

 

ダルシス あら、殺しちゃいましたか。

GM そりゃ、(2Dと3Dで)合計25点食らってるからな(笑)

 

 残ったボルクスはタコ殴りにされる。

 

GM あ、気絶した。

ダルシス とどめを刺す必要はないでしょう。

マック よっしゃ、今のうちにボクは手紙を…

GM いや、今の負傷だと、立っているのがやっとだぞ。

ルカ あたしは治してないわよ。疲労もきついし。

マック じゃあ、ミスティさんに…

ミスティ わたしはこの場にいないよ?

ノイエ(まだミスティのPL) 俺がボルクスから手紙を奪うぞ。獅子の紋章は?

GM 男の血が付いてしまっているけど、ナルさんが見せてくれた紋章と同じものだ。

ノイエ じゃあ、ナルさんに渡します。これが、探していたものだろ?

ナル ありがとうございます。これで、どうして兄が死ななければならなかったのかが、分かります…

GM と言いながら、ナルさんが手紙の封を切るとだな、異様な瘴気の黒い煙が立ち上る。

ルカ なになになにー!?

 

 その煙から出てきたのは、全長3メルーはあろうかと言うでっぷりとした青黒い巨人。

 全身が蟹の甲羅のようなものに守られ、顔は爬虫類を連想する。本来胸がある場所に3本目の腕が生え、全ての腕の先はやはり蟹に似た巨大な鋏が付いている。そして、全身から紫色の腐汁をしたたらせているこの怪物は、間違いなく〈悪魔〉の一種であろう。

 

GM (おどろおどろしい感じでゆっくりと)その〈悪魔〉の登場に呆然としているナルさんに、鋏の一撃が…

ノイエ (言葉を遮って)庇います!

GM OK。ただし、急なことだし盾は構えられない。「よけ」はできないよ。

ノイエ 構わない! 剣で「受け」(ころころ)ああ、失敗してる!

GM 大丈夫、庇ったなら攻撃はナルさんじゃなくて君に当たるから。(ころころ)鋏で殴って13点の叩き。

ノイエ 13!? ヘビーレザーで2点止めるけど… (ころころ)ダメだぁ気絶した!

ナル ノイエさん!

ルカ うそ!? ノイエ君が一撃で!?

アレク ルカさんはマックを回復してください! 2人じゃちょっときつそうなんで。

カムイ 俺はまだ着かないのか?

GM 1D+2ターン後にしようか。

カムイ (いっころ)5ターン目か。

GM ミスティはさらに2ターン後で。

ミスティ はーい。*27

GM じゃあ、イニシアティブだ。

 

 先手を取ったのはダルシス。アレクは自分に《盾》を使うため集中すると宣言したため、一人で悪魔に近づく。

 巨人相手に関節技は効かないだろうと、《死の手》を発動させて触れるのだが…

 

ダルシス 命中して12点。

GM 中々痛いね。でも、触れるってことは手に腐汁が付くってこと。と言うわけで、手に5点ダメージだ。

ダルシス (冷静に)まずいわね。ガヤンネットでも準備しようかしら。

GM じゃあ、〈悪魔〉の行動だ。まずは、体からこの部屋全体を覆い尽くす、どす黒い瘴気を放つ。全員生命力で抵抗。失敗すると1D-3ダメージだ。もちろん気絶している人たちもね。

一同 ぎゃああ!?

ルカ あたし、そういう攻撃には弱いのよー! (ころころ)ほら、失敗。しかも3点受けた。

 

 ダルシスも抵抗できなかった上、3本の腕の攻撃を一つ「よけ」損ね、10点のダメージを受け次のターンに気絶。マックもこのタイミングで気絶する。

 何とか集中を維持し、《盾》をかけたアレクは〈悪魔〉に接敵。ルカも瘴気の中呪文の集中を維持し、ダルシスよりは近いマックに《大治癒》をかけるが、瘴気のダメージで生命力は-のまま。その瘴気は、ノイエを引っ張り安全圏へ避難しようとしているナルさんの生命力をも奪っていく。

 

ルカ あたしも前に立ちたいけど、疲労と痛みでほとんど動けないのよね。とりあえず、ナルさんとノイエ君のカバーに入るけど。

GM カバーするなら、後ろの2人の瘴気のダメージは半分になるようにしようか。

アレク こんな奴一人でどうせいっちゅうんじゃ!

カムイ あと3ターン頑張ってくれ!

GM さて、アレクが叫んだのが聞こえたのか、「大丈夫か!」「助けに来たのネ」の声と共に3人が部屋に入って来る。

アレク また敵の援軍!?

GM いや、ヤン・クレードと、ドーンさん、それに、リーシャだね。

ルカ おじ様!?

アレク た…助かった…?

GM で、だな。ドーンさんは、傷ついたノイエ君を引っ張っているナルさんを見て驚いている。ナルさんも。ドーンを見て驚いているね。

ドーン ア…アナルダ様! どうしてここに!?

ナル ドーネル! あなたこそどうして…

アレク やっぱりか? やっぱりそうだったのか!?

ルカ アナルダって…ああ、ノイエ君と駆け落ちしたお姫様!!

GM それは、未来のルナルの話だ。ここで君たちが負けてナルさん…いや、アナルダ姫が殺されるようなことになれば、未来は変わるぞ。さて、長かった手紙編、最終決戦開始だ!

 

 3人の助っ人は来たものの、この〈悪魔〉はかなり強い。しかし、アレク、ヤン(ダルシスのPL)、ドーン改めドーネル(マックのPL)で囲みこみ、三つの鋏の攻撃を分散させることで、集中攻撃による大ダメージを防ぐ。瘴気によるダメージは防ぎ様がないのだが、3人とも我慢強いため、耐えることが可能だ。リーシャは我慢強くないため、ルカと共にアナルダとノイエのカバーに入っている。

 3人の攻撃はサイの目も走り、ハーフプレート並みの装甲を持つ〈悪魔〉のHPを順調に削っていく。

 そして、5ターン目。

 

ヤン 「切り」の8点! 3点貫いて4点ダメージだ!

アレク 11点の「切り」! 9点ダメージはかなり大きいだろう!

GM うむ。体力14の使う斧はさすがに痛いな。残りHPが一桁になったぞ。

カムイ そこに俺が駆けつけるわけだ。

アレク あああ、また良いところを持って行かれそうな…(笑)

カムイ 相手が悪魔ってことは見て分かるよな? じゃあ、遠慮はしねえ、全力で〈竜破墜天〉! 当たればダメージは期待値11点だ。この技は初見で見切るのは難しいぜ?

GM なんか君が期待値ダメージだすの珍しいな(笑) そもそも、こいつ固い代わりに回避は低いから(ころころ)ああ、やっぱりだめだ。

 

 竜が天空から獲物を狩るがごとく躍りかかった、カムイの大上段からの一撃で、〈悪魔〉は消滅をはじめた。

 

ルカ ふぅ。なんとかなったわね。

GM しかし、消滅しつつある〈悪魔〉から、一段と強い瘴気が放たれる。全員生命力判定ね。失敗したら防御無視で3Dダメージ。

一同 うわあああああ!?

 

エピローグ【そして伝説へ…】

GM ガヤン神殿や傭兵団、君たちの活躍で「蜘蛛の網」は壊滅。応援に来たサリカ神殿の人たちによって、君たちの傷は癒された。

ルカ みんなボロボロだものね。

ミスティ わたしは無傷でした。

カムイ しかし、ドーンさん…いや、ドーネルさんか。あの手紙は何だったんだ?

ドーン→ドーネル う…うむ。ここまで関わらせてしまって、何も知らせず帰ってもらうわけにもいかないか。ただ、これから言う事は口外しないようお願いしたい。

マック 大丈夫、大丈夫、ボクたち口固いから。

ダルシス お前が一番信用ならん。

ルカ それよりも、ナルさんも近くで聞いてるんじゃない?

ナル→アナルダ 教えてください、ドーネル。兄の死の真相を…

カムイ ナルさんに聞く気があるなら、一緒に聞くべきだろう。ドーネルさん、話してくれ。

 

 ある日、ハルシュタット家第3王子ミヒャエルが、私室で不審死しているのが見つかった。大量のパワーストーンを使った《過去視覚》やナーチャの《降霊術》によって調べたところ、なんとミヒャエルは第一王子ゲーレン宛の手紙に、〈悪魔〉を封じて送ろうとしていたことが明らかになった。

 だが、封印が不完全だったため、その〈悪魔〉はミヒャエルを殺害。ミヒャエルは最後の力を振り絞り、〈悪魔〉を手紙に再封印する。しかし、一部始終を見ていた召使のねずみ男にその手紙は盗まれ、今回に至る。

 

ドーネル 陛下はなんとかミヒャエル様の死の真相を隠そうとなさったのですが、噂が広がるのを止めることはできませんでした。

ダルシス 間違った噂の一つを聞いたアナルダ様は、兄の死の真相を知るためにバドッカに来たのですね。

ドーネル 私も、元はねずみ男NPCすらこの呼称が定着)を追ってバドッカに来たのですが、ベルンクースから、アナルダ様が館を抜けバドッカに向かったという連絡が入ってな。

GM ベルンクースってのは、アナルダ姫が治めている町の名前ね。

カムイ て、ことは、あんたが俺んちで依頼の話してた時、目的のナルさんは2階にいたわけか。なんて間抜けな(笑)

ドーネル それを言わんでくれ(苦笑)

ルカ おじ様を悪く言うのは許さないわよ! ぷんぷん!

ミスティ えっと…ナルさんはどんな顔してますか?

GM ちょっとうつむいた感じで黙って聞いている。「心理学」持ってるミスティなら、一生懸命泣くのを堪えているのが分かる。

ミスティ えっとぉ、ナルさん、なんて言えばいいか分からないけどね、無理しなくていいと思うよ?

アナルダ ええ、大丈夫ですよ。ありがとう、ミスティさん。

GM と、言いながら笑顔を向けてくれるけど、間違いなく無理をしているねぇ。

ミスティ GM、ここって、他のガヤンや傭兵の人たちからは、かなり離れた場所ですよね?

GM え? そりゃね。

ミスティ 周りに人は?

GM 君たちとドーネルさん以外は、ドーネルさんが手配した高級馬車の御者くらい。

ミスティ (ガープスマジックで確認して)…できるだけ、広範囲に《集団眩惑》。パワーストーンも使えば半径15m位まではかけられるけど、いい?

GM え? 良いけど?(この子も行動の予測ができんな。)

ミスティ うん。幸運も使って成功度7。これじゃ誰も抵抗できないでしょう。次に、ナルさんには《覚醒》かけます。ナルさん、今から一分間だけなら、ここで泣いても誰も気づきません。わたしも見ないふりします。だから、無理しないでください。

一同 おおう!

GM な…なるほど、そういうことね。そう言われると、ナルさんはうるっとした後、兄の名を呼びながら、大声で泣き始める。

ミスティ 顔は見ません。でも、ずっとナルさんに触れています。

 

 一分後、涙を拭いたナルは、ミスティの方に笑顔を見せる。その笑顔は、幾分か自然なものになっていた。

 

ミスティ 良かったですです(ニッコリ)

カムイ くそう! 俺も魔法が使えたら、ナルさんの好感度大幅アップだったのに!

ルカ 使えても、あんな方法思いつかないわよ(笑)

GM そもそも、君たちには何が起きたかもわからない。いつの間にか時間がすっ飛んだ感覚だ。こう言うとキングクリムゾン(笑)

マック そんなことより、ナルさん守ったんだから、お金くらいくれてもいいんじゃない?

ダルシス あなたは、今回ほとんど役に立ってないんだけど?

GM まあ、マックの言う事ももっともだ。ドーネルさんは、今は持ち合わせがないけど、今回の礼は必ずすると約束してくれる。この世界はミュルーンの伝令ギルドを利用した小切手もあるしね。そんな事を話していると、ドーネルはナルさんに馬車に乗るように促し始める。

カムイ ナルさん。機会があったら、またうちに寄ってくれ。いつでも歓迎するぜ。

ダルシス あなたねぇ、相手は王族なんだから、敬語くらい使いなさいよ。

カムイ めんどい。

アレク 五文字ー(ガビーン!)

アナルダ いえ、今まで通り接していただけた方が、私もうれしいです。本当にありがとうございました。

GM と言ってお辞儀をしてから、ドーネルさんと馬車に乗る。そして、馬車は出発する。

ミスティ (手を振りながら)ナルさんまたねー。

ノイエ(GMに戻って) よし、決めた!

カムイ 何をだ?

ノイエ 俺は不良を止めるぞカムイ! そして、アナルダ様に仕える騎士になる!

カムイ おう。行って来いよ、ノイエ!

ルカ ルナルの未来は、あなたの肩にかかってるのだから!

ノイエ なんだよそれは、大げさだな(笑) じゃあな、世話になった!

GM ノイエは、君たちに手を振って走り出す。

ミスティ カムイは良いの? ナルさん、すごく美人だったけど?

カムイ 人の恋路の邪魔をして、馬に蹴られて地獄に落ちたくはないんでね(笑) それに、騎士とかめんどくさそうだし。

 

 カムイたちの活躍で、本人が望んだ結末ではなかっただろうが、少女の願いは叶えられた。そして、この時彼らが出会った二人がどのような未来を迎えるか…それは、ルナルサーガリプレイ第2部および、ルナルジェネレーションズFをご覧ください。

 

第三話【遙かなる麗し訪問者プリンセス】ー終ー

第四話【雨降る森の魔術師リサーチャー】へ

*1:思い出を司る青の月の神。信者は医者や看護師、教師など。

*2:アーシェリカ・クレード。ルナルジェネレーションズシリーズの主人公の一人。

*3:この頃はまだ呪舞の素質(-40%)は無かった。

*4:境界線を司る青の月の神。信者は消防士や防衛隊など。

*5:100メートルを余裕で11秒切る速度。

*6:100メートルを16秒弱。

*7:100メートルを20秒超。ただ、4は足が不自由でもない限りありえないレベルの数字なので、実際は4.5くらいはあると思われる。

*8:前回も書いたが、ルナルサーガリプレイ二部の主人公

*9:典型的な誤用だが、セリフのパロディ元も誤用しているので問題ない

*10:相手の感情を、ほとんど気にしない不利特徴。

*11:ノイエがリーダーのストリートチーム

*12:公式のナルさんのデータでは8なので、勘違い。

*13:目標値が17以上の場合は、出目17はファンブルではなく自動失敗。出目18は目標値に関係なくファンブルとなる

*14:今見ると、大きさの割には弱いのが分かる。

*15:ルナルサーガリプレイ2部のPC。

*16:ルナルコンパニオンズのサンプルキャラ。

*17:〈悪魔〉に魂を売った、邪悪な種族の一種で、様々な特殊能力を持つ怪人。

*18:「切り」は抜けたダメージが1.5倍。「刺し」は倍になる。このゲルーシャは、その効果がなくなる体を持っている。

*19:ゲルーシャが共通で持つ特殊能力。完全な闇の中でも見渡すことができる。

*20:攻撃がどこに命中したかをランダムで決める表。

*21:アレクがさっき蹴られた場所。

*22:この時代にニコ動画あればオトリヨセーになってたかも。

*23:鎧や盾を装備することによって得られる回避値のボーナス

*24:自作データなのでルールブックには載っていない

*25:組み付きに対しては、通常の防御判定ではなく、素手格闘技の技能同士の即決勝負で勝つ必要がある。

*26:さらに、腕のダメージは生命力の半分で止まることを忘れていると思われ、実際はカムイは死亡ダメージに到達していない。気絶判定に「幸運」を使っていれば、隙だらけのディオスに反撃できていた。

*27:疲労が限界のはずなので、実際はもっと遅くなる。