黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

ROUND2「敗北 そして修行」

今行くからね

メイア  我の名はメイア。お前たちを頼らせてもらう。

ウィル  まさかとは思ってたけど、本物なのか? 本物だったら、さっきのゲルーシャ如き一撃で光に・・・

GM  こらこら、プレイヤー知識で考えないように。

イカ  前のキャンペーンに登場したキャラかしら。だとしたら、あたしは本当に知らないわ。ところで、ホーセスの目の治療師はみつかった?

GM  見つかったけど、治るまで4巡りはかかる。なので今回で退場。(←プレイヤーの都合が悪くなった)

イカ  それで、メイアさんだっけ? さっき立ち去ろうとしてたけど、行く当てはあるの?

メイア  <輝く拳>団に知り合いがいたはずだ。そこか、フォーシーズン研究所に姉上がいた記憶があるから、そこへ行こうと思っている。

GM  <輝く拳>団は君たちも知っている。様々な格闘技を教えたり習得したりする格闘家の集団だ。

ブレッド  この人の姉さんには、PL的には会いたくないです(笑)

イカ  ちょっと待って。今の言い方変じゃない? 「記憶がある」ってどういうこと?

ウィル  まさか、また記憶喪失ネタ?

GM  ネタとか言うな(苦笑)

メイア  分からん。何かを忘れていることは間違いないのだがな。

イカ  《忘却》の魔法?

ウィル  一度、魔術師かペローマ*1に診てもらったほうが良いかもしれませんね。

ポイズン  で、どうすんだ?考えるのはお前たちの役目だぜ。

イカ  できれば情報が集まりやすい所に行きたいわね。子どもたちやメイアさんを守るにしても、<覇道会>を攻めるにしても。

ブレッド  <輝く拳>団の本部でしたら、守るには最適だと思います。

ウィル  でも、<輝く拳>の幹部たちって、地球防衛隊みたいになりそうで嫌だなぁ。「馬鹿な? 俺たちの奥義が通用しない?」とか(笑)

イカ  それ以前に、あの組織って実力ピンキリよ。オーガーを素手で殴り倒す奴もいるけど、体操に来てるおじいちゃんとかもいるし。

 

 一行は相談の結果、人も多く、魔術師も住み、かつメイアの姉もいるというフォーシーズン研究所へと向かうことにする。

 

ウィル  鉄道馬車では足が着きますからね。できれば研究所までは安全を確保したいので、徒歩で向かいましょう。

GM  研究所まで十日ほどかかるのだが、その途中メイアは奇行が目立つ。岩を殴って手を怪我したり、池に足から飛び込んでびしょ濡れになったり。

ブレッド  何をやっているのですか?

メイア  分からん。何か思い出せそうな気がしただけだ。

ウィル  岩を素手で割ったり、水の上に浮いたり、失った記憶の中ではできた行為とか?

イカ  まさか。伝説の龍闘士じゃあるまいし。

ポイズン  何かは知らんが、無茶すんもんじゃねぇぞ。あんたは俺みたいにタフじゃねぇんだからな。

メイア  ああ。

GM  (襲撃者が来るかの判定を何度か行い)10日後。徒歩だったのがよかったのか、それともただの運か、君たちは何事も無く研究所に辿り着く。広い敷地の中に、いくつかの白い大きな建物が立っている。周囲を歩く人たちは白衣を着ているから、君たちは目立つね。君ら以外の来客もいるけど。

ウィル  メイアさん。あなたの姉の名前は?

メイア  ヒンメルだ。

イカ  受付で、ヒンメルという研究者はいないか聞いてみるわね。

GM  ヒンメルは、ここの研究所のオーナーらしい。建物1つ丸々使って、独自の研究をしている。アポは直接研究棟へ行って取ってきてくれだとさ。

ブレッド  場所を聞いて、行きましょう。

 

HEY! COME ON COME ON

GM  では、ヒンメルの研究棟。体育館並みの広さを持つ建物で、中も広い。

ブレッド  勝手に入っていいのでしょうか?

GM  安心しろ。広い空間の中で、テーブルを囲んでいる5人の女性がいるから。2メルー近い大女に、杖を持ったレスティリらしきエルファ。翼人の女性と、無表情な少女。それと、この世のものとは思えない美しい女性。

ポイズン  ほう。

GM  完璧に整ったボディライン。大きくつぶらな瞳。純白の肌。そう、例えるなら湖上の白鳥の如し。てゆーか白鳥。

ウィル  ミュルーンですか(笑)

GM  で、その中の大女が君たちに気付く。

大女  あんたたち、ココに何か用かい?

ポイズン  ここのオーナーに会いに来た。怪我したくなかったらそこをどきな。

ブレッド  いきなりケンカを売らないで下さい!

ウィル  私たちは、オーナーの妹を・・・

大女  面白いじゃないか。ヒンメル先生に会いたければ、あたいたち親衛隊を倒してみな。

ポイズン  望む所だぜ(ニヤリ)

イカ  そっちも人の話を聞きなさいよ(苦笑)

ウィル  全員女性なのですよね。ヒンメルさんって、そっち系の人なのでしょうか?

GM  面白ければ、老若男女美醜問わずなんでもOKな人。ま、それはともかく。

大女  あたいらは5人、そっちも5人。総当たり戦ってのはどうだい?

ポイズン  いいだろう。

ブレッド  無駄な戦いはしたくないのですけどね・・・

イカ  (溜息ついて)これも修業の一環ってことにしときましょ。

白鳥  そうと決まれば(護符を取り出して)。あーあー、ホンジツハセイテンナリ。今から研究所東棟で異種格闘戦行うで~。興味ある奴は見に来いや~。

ウィル  (横から)見物料は一人たったの3ムーナ!お子様は1ムーナだよ~。

白鳥  お、にいちゃん考えるやないか。気に入ったで。

ウィル  お金儲けのチャンスは逃しませんよ。

白鳥  でも、放送したのはウチやからな。儲けは7・3やで。

ウィル  もちろん、私が7ですよね。

白鳥  なに言うてんのや。ここは・・・

イカ  はいはいはいはい。お約束の話は置いといて、さっさと始めましょう!

白鳥  銭の話を置いとけとはどういうことや!

ウィル  そうですよ! 今の言葉、いくらライカさんでも許せませんよ!

イカ  へ? あ・・・その・・・・・・スマン。

一同  (笑)

 

 その後の交渉で、儲けは半々に分けることに決まる。何人集まるかをサイコロで決めさせた所・・・

 

ウィル  3D6×10人で、160人。たくさん集まりましたね。

イカ  意外と娯楽が少ないのかもよ、ここの研究所。

ポイズン  (ウォームアップを終えて)何でも良いさ。さあ、一番手出てきな。誰であろうと相手になるぜ。

大女  たいした自信だね。じゃあ、エタン相撲のリーベ。相手になるよ。

ブレッド  いわゆるモンゴル相撲ですね。どんな技が見られるのか、楽しみです。

GM  リーベさんは、観客の中にいる「母ちゃんがんばれ~」と叫んでいる子どもたちに手を振って答えたりしている。

ポイズン  いいのか? 子どもたちの前であんたは地べたに這いつくばることになるんだぜ?

リーベ  さて、それはあんたの方だよ。仲間の前で恥をかく覚悟はできたかい?

白鳥  ほな、ラウンド1、ファイトや!

 

 開始の合図と同時に、巨体に似合わぬスピードで動いたポイズンは、リーベにドロップキック。しかし、この攻撃は受けられた挙句、体当たりの判定で負けてしまい、ポイズンは一人で転倒。そこにリーベの四股踏み攻撃が繰り出される!

 

リーベ  ほらほら、8点の「叩き」だよ!

ウィル  素手格闘家の癖に、なんてパワーですか。

ポイズン  その程度、俺の筋肉鎧の前には無力よ!

 

 ポイズンは倒れたまま蹴りを放つが、逆に「受け」られ、ダメージ投げで返されてしまう。

 

リーベ  必殺、脱穀スープレックス(笑)!

ウィル  おお、ポイズンが空を飛んだ(笑)

GM  (ころころ)おしい。もう少しで脳から落せたのに。

ポイズン  ダメージは大した事無いが、倒れたままじゃ不利だな。何とか起きあがらねぇと・・・

 

 膝立ちになったポイズンに、リーベはぶちかまし攻撃(体当たり+ダメージ)を仕掛けるが、なんとポイズンは相撲取りの突進に耐え切る。反撃とばかりにチョップの嵐をお見舞いし、リーベにダメージを与える。負けじと掌底で反撃するリーベだが、タフさでは劣るため打撃戦では不利。気絶ダメージまで追い込まれる。

 

イカ  GURPSで、「喰らって耐える」格闘家の戦いってのも珍しいわよね(笑)*2

GM  しかし、このままじゃまずいな。いちかばちか、ポイズンの首に「組みつき」だ。

ポイズン  お? 捕まっちまった。いや、今がチャンス。喰らえ毒霧!

リーベ  しまった、卑怯な!

ポイズン  なんとでも言いな。俺はヒールなんだよ(ニヤリ)

リーベ  だがこの状態なら目が見えなくとも関係ない。奥義、合掌ひねり!

GM  首を支点にポイズンをブン投げる! 首に「叩き」の11点ダメージね。

ポイズン  筋肉鎧でダメージを減らして(ころころのころころ)くっ、それでも気絶ダメージだ。

 

 こうなってくると、もう運の勝負。ふらつく頭を押さえながら、ポイズンは何とか膝立ちになり、リーベはそれに組み付こうとするが、振り払われる。その後ポイズンは何とか立ち上がり反撃しようとするが・・・

 

ポイズン  生命力判定失敗。なんてこった!

白鳥  勝者~、ミセスリ~ベ~。

リーベ  言うだけあって、手強い相手だったね・・・

GM  勝ち名乗りを受けたリーベさんもぶっ倒れる。

ウィル  今のは、両者KOですか?

白鳥  一応、勝ち名乗りまで立っとったんやし、リーベはんの勝ちやろ。ほな、次はウチが行くで。相手は誰や?

GM  白鳥のミュルーンは、チェインメイルとスピアで武装

ウィル  チェインメイルでしたら、私に任せてください。あなたの相手は私がします。

白鳥  ほう、そらええな。勝った方が儲け総取り何てどうや?

ウィル  見栄っ張りとしては受けるべきでしょうね(笑) 良いでしょう。その賭け、乗ります。今の話、観客全員が証人ですよ。

イカ  負けても知らないからね。

ウィル  その時はその時ですよ。どうせ泡銭ですしね。

白鳥  ほな、槍の達人、ニーチェ・ビューティテイル。行くでぇ~。

ウィル  あ、ニーチェって、月光蝶篇にでてきた・・・

ブレッド  そう言えばいましたね。美少女白鳥ミュルーン。

ニーチェ  ほな、ラウンド2、ファイトや!

ウィル  槍の長さはいくつで構えています?

GM  1だね。

ウィル  でしたら、こちらは距離を2に保ちましょう。相手が長さ2に持ち替えたら、懐に入ります。

ウィル  フェンシング使いは、武器のリーチの変更に時間かからないから有利よね。

GM  甘い。

ニーチェ  槍の達人にはこういう技もあるんや。槍ファーントで長さを1伸ばして攻撃するで!

ウィル  そう来ますか。しかし、その攻撃はレイピアで「受け」ました。そのまま【突き返し】*3を(ころころ)失敗。

ニーチェ  おっとそうやった。フェンシング使いに迂闊に手ぇだしたらあかんのやったわ。

ウィル  この分じゃ、向こうも【突き返し/槍】とかも持っていそうですね・・・

 

 カウンターに警戒し、足払いやマントでの攻撃*4で牽制を続けるウィルとニーチェ。お互い有効打がでないまま、5ターンが過ぎる。

 

ニーチェ  やっぱリーチ短いと不利やな。長さ2に持ち替えるで。

ウィル  チャンス!隣接ヘクスに飛び込んで、ファーント!

GM  おっと、それは後退して「受け」させてもらおう。普通に後退できたらつまらんから、敏捷力の即決勝負と行こうか。成功度は6。

ウィル  しまった。その手がありましたか(ころころ)ダメです。負けました。

GM  ならばそのまま突き返しでウィルの右腕を狙おう。

ウィル  マントで「受け」(ころころ)ダメです。

ニーチェ  8点の刺しやで。

イカ  そのダメージじゃ、右腕使えなくなったんじゃない?

ウィル  ええ。降参しても良いですか?

介抱中ポイズン 情けねぇな。例え両腕がつかえなくても、足があるだろうが!

ウィル  確かに「格闘」技能は持っていますが、槍の達人に喧嘩で勝てるわけがないでしょう(苦笑)

ニーチェ  降参はかまへんで。これで入場料は全てウチのモンやな。それと、これでうちらが2勝や。もうそっちは後が無いで。

ブレッド  負けられませんね。次は私が行きましょう。

イカ  頼んだわよ。あんたの方があたしより強いんだから。

GM  奥では、翼人とエルファがなにやら相談している。

翼人  悪いが、今回は勝ちに行かせてもらう。こっちは、我等の中でも最強の、カルシファード無刀武術使いイヴが相手だ。

GM  イヴと呼ばれた無表情な少女は、両手に盾部分のないシールドバトン。つまり、トンファーを持っている。

 

 この戦いは勝負にならなかった。ブレッドの軽拳をトンファーで受けたイヴは、そのまま関節技に持ち込みブレッドの右腕を砕く。そして、軽く押されたブレッドは、派手に転倒。起き上がろうとしたところ・・・

 

GM  視覚チェック。

ブレッド  全然ダメです。

GM  だったら、君には一瞬イヴが消えたように見えた。次の瞬間、いつの間にか目の前に来ていたイヴが、君の心臓目掛けて手刀を振り下ろす!

ブレッド  うわ!?

イカ  まさか、絶掌ルール使ってるの?

GM  そして寸止め。ただし、鎧は鋭い刃で切られたような痕が残る。

ブレッド  降参しましょう。勝負になりません。

イカ  おーい、あんたが降参するとこっちの負け確定するんだけど?

リーベ  ああ、勝っても負けても関係ないよ。ヒンメル先生今不在だし。

イカ  それを早く言え!

ポイズン  俺は戦いを楽しめたから、関係ないぜ。

ブレッド  イヴさんでしたね。また、手合わせお願いできますか?

GM  その言葉に返事もせず、イヴは去っていく。

 

目覚めろ大地よ

リーベ  詳しいことは、ヒンメル先生の一番弟子、リネールに聞くといいよ。今、呼び出すから。

GM  リーベが通信装置に呼びかけると、奥から全身刺青のエルファが出てくる。

エルファ  何か用ですか?

ウィル  リネールさんですね。(メイアを指して)この人が目に入りませんか?

エルファ→リネール  メメメメメメイアさん!(土下座して)何か御用でしょうか?

一同  (笑)

イカ  あんたは、この人(メイア)のこと知っているのね?

リネール  ある程度は。

イカ  だったら教えてちょうだい。この人記憶喪失・・・とまでは行かないけど、記憶が薄れているみたいなの。

リネール  とは言われましても、先生の妹ということは知っていますが、私も過去に何があったとかは全く・・・

ポイズン  岩を殴って怪我したり、水の中に飛び込んだりしてたが?

リネール  ええ、メイアさんは岩ぐらいは素手で割れますし、水の上に立つことくらいはできますよ。

ポイズン  おいおいマジか。

イカ  でも、今はできないと。

ウィル  単純に記憶が無いというだけではないのかもしれませんね。せっかく大きな研究所にいるのですから、魔術師に診てもらうというのはどうでしょう? プレイヤー的には無駄だと思いますけど(笑)

リネール  では、私が紹介状を書きましょう。

 

 一行はリネールからもらった紹介状を持って、研究所別棟のノイマンという魔術師の青年に会い、事情を説明する。

 

ノイマン  まずは、この子の記憶喪失が魔法的なものでないか調べれば良いのじゃな。

ウィル  お願いします。

ノイマン  任せておきたまえ。(呪文の集中に入り)ぬぉぉぉぉ!?なんじゃこの反動はっ!?

ウィル  あ、やっぱり(苦笑)

ブレッド  何があったのですか?

ノイマン  強力な魔法の結界が張られておる。わしの魔力ではとても破れん。

イカ  メイアさん、何か心当たりはありませんか?

メイア  ・・・姉上からもらった指輪があるが、これのせいかも知れぬな。

GM  ちなみに、左手の薬指にはめています。知ってかしらずか(笑)

ノイマン  確かに、その指輪からとてつもなく強い魔力を感じるな。

ウィル  この指輪のせいで、敵に位置がばれるようなことはあるのでしょうか?

ノイマン  超広域の魔法感知能力で感知に反動をある場所を探すことができれば別じゃが、指輪自体は情報系や知識系魔法を防ぐもののようじゃ。それはありえんじゃろ。

イカ  指輪を外した状態で、もう一度お願いできますか?

ノイマン  うむ(呪文の集中に入り)ぬぉぉぉぉ!? なんじゃこの反動はっ!?

一同  あんたはそれしか言えんのかっ(笑)!!

ノイマン  いや、しかし、この子から放たれるエネルギーは何じゃ? 人間ではありえんぞ。

ウィル  人間じゃないとすると、トロールとか?

ノイマン  いや、そんなレベルではない。銀の小神か小型の龍か、それとも<悪魔>か・・・少なくとも源人の子ではありえん。

ポイズン  源人ってのはなんだ?

ウィル  私たちルナルの住民ほぼ全ての先祖です。それこそ、多足のものやゴブリンまで、もとは源人と呼ばれる古代人を先祖に持ちます。人間というのは、双子の月を崇めた源人の子らのことを指します。

ポイズン  ほう。それは始めて知ったな。

ノイマン  すまぬが、わしでは手に負えん。ヒンメル先生が帰ってくるのを待ったほうが良いじゃろう。

ウィル  仕方がありませんね・・・

 

 一行はヒンメルの研究所に戻り、リネールに先生がいつ頃帰ってくるか訪ねるが、先生は気まぐれな性格ゆえ分からない。半年帰ってこないこともあるとの答えが返ってくる。

 

ウィル  安全確保は研究所までで十分だと思いましたが、少なくとも双子とメイアさんを安心して匿えるようになるまでは、<覇道会>にこちらの動きを知られたくはありません。

ポイズン  性にはあわねぇが、赤ん坊のためだ仕方がねぇ。

イカ  警備員の真似事ぐらいならできるし、しばらく厄介にならせてもらいましょう。

リネール  こちらはかまいませんよ。メイアさんを守るためでしたら、いくらでも協力します。

メイア  感謝する。

イカ  水臭いこといわないでよ。その代わり、ちょっと手合わせとかお願いできないかな?

 

 そんなこんなで、フォーシーズン研究所でヒンメル親衛隊やメイア、パーティ内で手合わせなどをしたり、研究所の警備に当たったりの日々過ごす一行。

 しばらくは何事も無い平和な日々が続いたのだが・・・

 

GM  あれから10日。君たちがヒンメル研究所の上部分。つまり、あの体育館にいると、突如研究所内に警報が鳴り響く。

警報 第一研究棟に侵入者あり。警備員はただちに第一研究所ロビーに向かえ。数が多いので注意されたし。研究員は速やかに研究所奥へ待避。

ポイズン  おっしゃ、行くぜ!

GM  ヒンメル親衛隊の内、ここを動かないよう命じられているイヴとニーチェを除く全員が、第一研究棟へ向かう。

リネール  メイアさんと私は、双子を連れて、ここの奥へ行きます。イヴさんもニーチェさんも来て下さい。

ウィル  念のため、ライカさんも一緒に行って。私とブレッドは、エル・インコと第一研究棟に向かいます。

イカ  分かった。

GM  では、第一研究棟ロビー。そこでは10人以上のドワーフの闘士が、警備員たちと戦っている。警備員たちはおされ気味だったけど、後ろから来た親衛隊のお陰で持ち直した感じ。

ポイズン  俺たちも行くぜ!

GM  と、そこに2つの影が立ち塞がる。格闘大会に出ていたドォンとボォグだ。

ポイズン  どきな。てめぇらじゃ役不足だ。*5

ドォン  舐められたものだな。

ボォグ  あの格闘大会では実力の半分も出していなかったのだが、それすら見抜けなかったか。

ウィル  そう言って倒されていくのはお約束ですよ。私たちは<一本角>を倒したのですからね。

ドォン  ほお。あいつをか。それは楽しめそうだな。

ボォグ  ならば、遠慮無く全力で戦うとしよう。

ウィル  おや? 意外な反応。てっきり、「奴は我等十二神将の中でも三下」という意見が出るかと思っていたのですが(笑)

GM  実際12人中ワースト3位の三下ではあるが 、そうは言わない。で、格闘大会では蹴撃術を使っていたドォンは、投破術の構えを。投破術を使っていたボォグは蹴撃術の構えを取る。

ブレッド  は?

ポイズン  どういうことだ?

ドォン  ボォグが言っただろう。あの大会では実力の半分も出していなかったとな。

ボォグ  得意技を封じて参加していたのだよ。

ウィル  なるほど。てっきり<悪魔>変身でもするかと思っていたのですがね。

ドォン  理解したようだな。ならば、<覇道会>十二神将が一人<猛牛>のドォン。

ボォグ  同じく<黒豹>のボォグ。

ドォン&ボォグ  参る!

 

 一方そのころ・・・

 

GM  研究所の奥も10メルー四方はある広い空間。さらに奥があるけど、関係者以外立ち入り禁止とある。

リネール  この部屋に通じる通路の隔壁を降ろしました。簡単には開けられま・・・

GM  と、リネールが言ったところで、部屋の入口が開けられる。そこには、格闘大会でブレッドを破った、ドワーフアルター老師が、4人の屈強なドワーフを引き連れている。

リネール  あはは。こんな力強そうな人たちがいたんじゃ、隔壁の意味ないですね~(苦笑)

イカ  笑ってないで、どうする気?

リネール  交渉ができる相手ならばいいのですがね・・・

アルター  ほほう。双子も黒い少女もこっちだったか。パイロンには悪いけど、手柄の独り占めができそうだねぇ。

リネール  あの、こっちの話は・・・

アルター  大人しく双子と黒い少女を渡せば、聞いてあげるよ。

イカ  ダメみたいね。メイアさんに戦わせるわけには行かないし、後ろの4人の実力は分からないけど、数じゃこっちが不利か。

GM  ちなみに、ニーチェもイヴも戦う気のようだ。

イカ  しょうがないわね。何とかアルターを引き付けておくから、あなたたちは後ろの4人をお願い。

イヴ 分かった。

ニーチェ  任せとき。筋肉達磨には負けへんで。

リネール  私はライカさんの援護に回りましょう。メイアさんは双子を。

メイア  ああ。

アルター  ほぉう。<覇道会>十二神将№3のあたしに挑もうってのかい。面白いね。相手になるよ。

 

 かくして始まった2つの場所での乱闘。まずは第一研究錬ロビー(以下ロビー)。第1ターンはお互い距離を詰めて終わり。ウィルだけは、自分にぼやけの集中に入る。

 ヒンメル研究所地下(以下地下)では、アルターはいきなり本気を出し、複数回攻撃ルールを使用した連続攻撃でライカを攻める。しかし、全力防御+受け流し動作を行うライカにダメージは無し。リネールはライカに《盾》の呪文の集中に入る。

 ロビーの2ターン。ポイズンはボォグ、ブレッドはドォンと対峙する。

 

ポイズン  <黒豹>だと? 偉そうな名前付けやがって。毒霧を喰らえ!

GM  それは上半身を狙った攻撃になるんだよな?だったら、ボォグは華麗なフットワークでそれを回避。そのまま一歩前進し、両手の手首を合わせ後ろに引く。

ボォグ  受けよ、応龍一八掌の1つ、螺旋龍!!

GM  そのまま波動拳の要領で両掌を突き出す。一瞬引く動作で大フェイント。その後、ダメージ修正アクションをガンガン加えた重要器官狙いの攻撃だ!

 

 絶掌ルールで作られた必殺技をまともに喰らったポイズンの巨体は中に舞い、3メルー後方へ吹き飛び転倒する。

 

GM  重要器官への「叩き」ダメージは、気絶判定もいるよ。

ポイズン  それは大丈夫だが、俺の筋肉鎧でもダメージを防ぎきれんかった。何てぇ破壊力だ・・・おもしれぇ!

GM  で、<猛牛>ドォンはブレッドに組みつき。

ブレッド  組み付かれました。何とか組み付き返しを・・・

地下のライカ  その状態なら膝蹴りのほうが良いわよ。上手くいけば相手を気絶させられるし。

ブレッド  でも、このままじゃ必殺投げとか喰らいそうで怖いのですよ。しかも組み付き返しは失敗しました。

GM  (振りほどかない組み付き返しじゃ、どちらにせよ次のターンで投げられるんだがなぁ・・・)

 

 ウィルは《ぼやけ》の集中を続ける。

 地下では、アルター婆さんはフェイントを絡めつつ、秘穴や経穴を狙った連続攻撃を行うのだが、全力防御、後退防御、【受け流し】*6で完全に守りの体勢に入ったライカは全くの無傷。さらにリネールの《盾》の呪文が飛び、ライカの回避率はより高くなる。リネールは続いて《倍速》*7に集中。

 ロビー第3ターン。転倒しているポイズンに対し、ボォグは計4発の軽い蹴りを連続して叩き込むという、応龍一八掌の一つ、風龍閃で追撃。ポイズンは耐え切れず気絶する。

 

ブレッド  竜巻旋風脚ですか~?

ウィル  これが、日本の格闘ゲームを参考にして開発したという(笑)

GM  技のモーションはそんな感じだ。終わった後に隙があるのもそのまま(笑)

ウィル  チャーンス!この距離なら、ファーントで狙えます。自分に《ぼやけ》をかけてから、全力攻撃で目を狙って命中!

GM  げ? それなりに可能性はあったんだが回避失敗。気絶した。

ウィル  よっしゃ、十二神将撃墜数2!

 

 続いて、ブレッドは、ドォンの抱え上げてから両の手を足で封じ、脳天を地面に叩きつけるという降龍一八掌奥義が一つ、ドラゴンドライバーで頭を割られ、死亡判定が必要なほどのダメージを受ける。なんとか命に別状は無かったものの、気を失ってしまう。

 

ブレッド  今度はキン肉ドライバーですか・・・(気絶)

 

 地下の第3ターン。受動防御値が上がったライカは、反撃に転ずる。とは言え、積極的に攻めることはせず、猫足立ちの構えを取り、相手が間合いに入ってきたらカウンターの一撃を加え、さらに追撃を仕掛けるという待ちの構え。受け流しと後退も健在の上、執拗にローばかりを狙ってくるため、アルターは【突き返し】もできず、有効打が出せない。

 ロビーでは気絶したブレッドに変わり、ウィルがドォンと一騎打ち。普段でかい口叩く割りに、実はやや気の弱いウィルはビビリまくる。そんなウィルにドォンは跳躍フェイントから相手の頭を掴み、そのまま首折に持ち込むという降龍一八掌が一つ、ドラゴンスパイラルを仕掛ける!

 

GM  跳躍フェイントは知力で抵抗だ。

ウィル  あの、私知力高いんですけど、何故わざわざ知力フェイントの技を?

GM  ・・・しまった。そうだった。

ウィル  余裕で見切りました。おお、中途半端な鶴の構えでドワーフが飛んできた(笑)

 

 あっさりよけられた上、着地判定でファンブル。隙だらけの所を例によって目を刺し貫かれ、<猛牛>ドォンもあっさり気絶しました。

 

ウィル  フッ。口ほどにも無いですね。

GM  技に頼りすぎた~!

ウィル  普通にどつきあえば、そっちの方が強かったでしょうからね(笑)

 

 さらに、地下での戦いも、打撃技では倒せないと踏んだアルターがライカに組み付いた直後、ライカの【頭突き】が炸裂。組み付きに両腕を使っていたアルターは防御に失敗し、脳へのダメージで気絶する。

 

イカ  (額を拭って)ふぅ・・・お休みなさい。

メイア  ・・・あ、双子が笑った・・・

 

怒り頂点なり

GM  ドォンやボォグ、アルター婆さんが倒れる頃には、他のドワーフたちもみな倒されている。

イカ  まさか、勝てるとは思わなかったわ。

ウィル  同感。しかも2人も。あ、エル・インコとブレッドは回復させておきますね。

ポイズン  ちっ、また負けちまった。トレーニングが足りねぇのかな。

ブレッド  私も修業が足りません。

ウィル  ドォンとボォグはふん縛って、他の連中の処置は研究員にお任せしましょう。

GM  近くの町のガヤン神殿に連絡して、護送してもらうつもりだそうだ。

イカ  そっちは任せましょう。あたしらは十二神将を3人も捕まえたんだし、<覇道会>の情報を聞きださないとね。

ウィル  簡単に脱出できないように、関節を縛っておきましょう。その後に回復させる。

GM  (ちっ)んでは、3人とも目を覚ます。

ドォン  不覚。まだまだ修業が足りん。

アルター  いやいや。見事なもんだねぇ。十二神将が3人も捕まっちまうとは。

ウィル  あなたたちに聞きたいことがあるのですが、答えていただけますか?

ボォグ  答えられることならば答えよう。だが、我らにも忠義がある。どのような拷問を受けようとも答えられぬことはある。

アルター  知らないから答えられないってのもあるね。

ウィル  今はそれでかまいません。

イカ  じゃあ、まずあんたたちの本拠地は?

アルター  よく聞かれるけど、そんなものは無いよ。強いて言うなら、カイエンがいる場所が本拠地になるのかね。

ブレッド  カイエン?

ボォグ  我等<覇道会>の会長だ。

イカ  カイゼルじゃないの?

ドォン  カイエン・ゼールバッハ。略してカイゼル様だ。

ポイズン  安直だな(笑)

アルター  風格あるし強いしねぇ。誰ともなくそう呼び始めたのさ。

ウィル  その男が、十二神将を束ねているわけですね。

アルター  そう。カイエンが十二神将№1さ。

ウィル  ところで、<覇道会>に黒い少女っています?

アルター  黒い? 何が黒いんだい?

ウィル  それが分からないのですよね。師匠も死ぬ間際なんだから、もっと分かりやすい情報教えてくれればよかったのに。

イカ  だいたい、黒い少女が何で、その子をどうすれば良いのかも分からないのよね?

ウィル  その通りですよ(笑) 次に、何故、双子とメイアさんを探しているのです?

アルター  メイアとかいう娘は、内に強い力を秘めている。双子はその力をカイゼルが手に入れるために必要なんだと。

 

 一行は他に、かつてカイゼルは鍛錬と称して、<覇道会>に降らなかった名のある格闘家を殺して回っていた時期があったという情報を得、ブレッド&ライカはカイゼルこそが師匠&兄貴分の仇に違いないという考えを強固にする。また、一二神将には腹心の部下が4人づつおり、そいつらは四十八士と呼ばれているという話を聞く。*8

 

GM  ちなみに、カイゼルの流派は、半我流の総合格闘技<覇道拳>だそうだ。様々な流派の動きを、見て盗んだらしい。

 

 <覇道会>本部が分からないことに落胆する一行だが、敵組織の幹部を人質にしておけば向こうが何らかの動きを見せる可能性が高いことから、三人を拘留したまま、時を過ごすことにする。

 

ウィル  個人的には、<覇道会>が動くより先に、メイアさんのお姉さんには帰ってきて欲しいのですが・・・

GM  んじゃ、誰かサイコロ振って。低い方がいいよ。

ポイズン  俺が振るぜ。(ころころ)15(笑)

ウィル  あちゃー。

GM  では、先の襲撃から3日後。君たちが研究所内をうろついていると、受付に見慣れない男がいる。

イカ  男?

GM  うん。かなりガタイのいい中年で、堀の深いナイスミドルな顔をしているが、左目は眼帯をつけている。南国少年パプワ君のマジック総帥みたいな感じかな?近づくだけでひれ伏したくなるような、強烈なカリスマを発しているね。

イカ  っ!? まさか・・・その顔に見覚えは?

GM  あるような気がする。

ウィル  敵の総大将が堂々と来た・・・のでしょうか?

ポイズン  早とちりはかまわねぇが、そいつが受付で何話してるかぐらいは聞こうぜ。

ウィル  そうですね。

  レディ。こちらにアルターと言う名の老ドワーフがいるはずなんだ。引き渡して欲しいのだよ。

受付 はあ・・・しかし、名簿にそのような方は・・・

イカ  <覇道会>関係者には間違いなさそうね。

ウィル  男に話し掛けましょう。アルターさんを引き受けて、どうするつもりですか?

  ん? なに。うちの組織の人員が不足しだしてね。優秀な部下を失いたく無いのだよ。部下のパイロンも<輝く拳>団に捕まってしまってな。

一同  (笑)

ポイズン  ところで、あんた名前は? 俺はポイズンって言うんだけどよ。

  ほう。最初に自分の名を名乗るとは、見かけによらず礼儀正しいな。私は・・・そうだな。ジェイクとでも名乗っておこうか。

ブレッド  偽名って言っているようなものですね(笑)

ウィル  しかし、ジェイクさん。ここにアルターという方はいないのですよ。申し訳ありませんが、お引取り願いませんか?

ジェイク?  分かった。いないのであれば仕方が無い。

GM  ジェイクと名乗った男は、出入り口に向かう。

ウィル  では、また縁があれば会いましょう。カイゼルさん。

GM  ジェイクは一瞬口元をわずかに歪ませ、そのまま立ち去る。

ウィル  あの男、間違いなくカイゼルですね。

ブレッド  状況証拠ではそうですね。

ウィル  いえ。あの男、アルターを部下と呼んでいました。アルターは組織の№3で、その上にはパイロンとカイゼルしかいないはずです。あの男はパイロンではなく、パイロンをも部下と言いました。とすると・・・

ポイズン  なるほどな。

イカ  ・・・・・・

 

子どもたちよ すまぬ~

イカ  さっきの男、プレッシャーで動けなかった。もっと強くならないと、兄貴の仇は打てそうに無い。

ウィル  緊張もプレッシャーの内です。仇敵に会ったのですからしょうがないことですよ。それに、一人で戦う必要はないはずですよ。

イカ  それもそうね。

GM  などと話していると、爆発音と共に研究所を揺れが襲う。

ブレッド  何事ですか!?

GM  研究所の外から声がする。さっきの男のものだ。

男の声  あ~あ~、ただいまマイクのテスト中。ホンジツハセイテンナリ。よし。研究所の諸君。私の名はカイエン・ゼールバッハ。格闘集団<覇道会>の会長である。

ウィル  あいつ、自分から名乗りやがった。せっかく、かっこつけて推理したのに!

イカ  そんなこと言ってる場合じゃないわよ。研究所から外の様子は?

GM  見られるよ。でっかい筒を載せた馬車が、10台ほど集まっている。馬車の上には、メガホン持ったさっきの男の他にも、ゴブリンやドワーフの姿も見える。魔術師風の奴等も何人かいる。

ウィル  筒って、まさか大砲?

GM  見た目はそんな感じ。10の筒の一つから煙は上がっている。

カイゼル  ここにある10の爆裂火球を放つ魔弾砲が、研究所に向けられている。怪我をしたくなかったら、アルター、ドォン、ボォグの3人をこちらに引き渡すのだ。

イカ  うわ。そう来るか!

ウィル  他の連中筋肉馬鹿ばっかりなのに、何でこいつだけこんな頭脳プレーをするんだよ!

GM  筋肉馬鹿じゃ組織のリーダーは勤まらんよ。

カイゼル  今から3分の一刻(30分)待とう。それまでに3人を引き渡さない場合、一斉攻撃を仕掛ける。

GM  ちなみに、最初の一撃で研究所の一角がぶっ壊れてる。その一角には幸い誰もいなかったので、今のところ人的被害は無い。

ポイズン  次の被害が出る前に、俺が・・・

ブレッド  止めてください。死にますよ。

ウィル  研究員の様子はどうです?

GM  美人所長のハルさんが、地下の避難所へ誘導してるが、かなりパニクってる。

ウィル  何とか時間を稼いでみますか。外に向かって言います。あなたたちの要求は分かりました。しかしあの3人を連れてくるには時間がかかりま・・・

GM  その瞬間、魔砲から火球が放たれる! (ころころ)おっと、人がいる部屋に命中。

カイゼル  (爽やかに)はっはっは。スマンな。手元が狂って時間前に撃ってしまったよ。

ウィル  くっ・・・交渉の余地無しか。

イカ  最悪。3人を解放するしかないわね。

ウィル  そうですね。ただし、3人には申し訳ありませんが、動けないように足と腕は砕かせてもらいます。

ボォグ  しょうがあるまい。我等は敗者なのだからな。

ドォン  しかし、カイゼル様がこのような卑劣な手段をとるとは思わなかった。

イカ  それでも、あなたたちは奴に従うわけ?

ボォグ  いや。我等は<覇道会>を抜け、佐野に下ることとしよう。

ブレッド  でも、今はあなたたちを奴等に渡す必要があります。

ドォン  それは覚悟しておる。手足が治り次第、折を見て組織を抜ける。

GM  ちなみに、アルターは黙り込んでいる。

ウィル  じゃあ、3人を大八車に乗せて、奴等に向けて押します。これで約束は果たした。退いてもらえないか?

GM  カイゼルと3人・・・というか、アルターが何か話している。

カイゼル  なるほど。研究所の諸君。すまないが気が変わった。双子の赤ん坊と、メイアと言う少女も渡してもらう。

ポイズン  チッ! もういい。俺はカイゼルに突撃するぞ!

イカ  あ、ちょっと待ちなさ・・・

ブレッド  的になるつもりですか!

ポイズン  もう遅せぇ!うおぉぉぉぉ!!

カイゼル  ほう。単身向かってくるとは、面白い奴もいるものだな。

GM  カイゼルは馬車から飛び降りる。そして、ポイズンに向かって疾走。視覚判定どうぞ。

ポイズン  失敗だ。

GM  では、カイゼルが一瞬君の視界から消えたと思うと、次の瞬間には君の懐に入られている。そして、至近距離で両の掌を合わせた掌底を放つ! 変則軌道をかけた疾走フェイントから、透過と吹き飛ばしの他ダメージ修正アクションをガンガンかけた、重要器官狙いの至近並列攻撃。名付けて・・・

カイゼル  覇王螺旋龍!

ポイズン  だめだ、よけられねぇ!

GM  ダメージは17点と14点。どちらも「叩き」ダメージだけど、防護点は無視。筋肉鎧は有効にしようか。

ポイズン  ぬぅっ・・・俺じゃなかったら死んでるぞ!

GM  さらに、8メルー吹っ飛んで、気絶判定を二回行ってくれ。

ポイズン  だめだ。気絶した。

イカ  ポイズンを一撃で!? って、最近気絶しまくってるけど(笑)

カイゼル  ふん。見かけ倒しか。さて、あと三分の一刻待つ。双子とメイアを渡してもらおうか。

ウィル  仕方がありません。メイアさんの所に行きましょう。

イカ  着いて行くわ。

GM  では、ヒンメルの地下研究所だ。メイアは無表情に、眠っている双子の頭を優しく撫でている。

ウィル  メイアさん。外の話は聞こえていましたね?

メイア  ああ・・・

GM  メイアは、双子をライカに渡す。

イカ  どうするつもり?

メイア  我は、奴等の手に下る。その隙に二人を頼む。

ウィル  良いのですか?

メイア  その子たちの・・・笑顔を守ってくれ。

イカ  ・・・分かった。

ウィル  リネールさん。《高速飛行》が使える人を呼んでください。

リネール  どうするつもりです?

ウィル  メイアさんが出ると同時に、双子を連れて裏側から逃げます。

リネール  でも、それでは奴等こちらを攻撃してくるのでは?

ウィル  そうか・・・だったら、ここにいないことを証明するために、奴等の前に出てから飛んで逃げましょう。

イカ  メイアも《高速飛行》で逃げた方が良いんじゃない?

リネール  残念ながら、《高速飛行》使いは一人しかいません。疲労も考えると、飛ばすのは一人が限界でしょう。

ウィル  メイアさん・・・

メイア  分かっている。

イカ  すぐには無理かもしれないけど、きっと助けに行くから。

メイア  ああ・・・待っている。

ウィル  後、ハルさんに、研究員の避難を急がせるように言いましょう。

 

 ライカとブレッドは、研究員の避難を急がせ、ウィルは魔術師に《高速飛行》をかけてもらい、双子を抱いたままメイアと共にカイゼルの前に出る。

 

カイゼル  賢い判断だ。さあ、3人をこちらに渡すがいい。

ウィル  分かりました・・・と言いたい所ですが、双子は渡せません。飛びます。

GM  それは予想していたのか、カイゼルは落ち着いている。そして、近くにいる魔術師風の小男に一言。

カイゼル  追え。

小男  承知。

 

 小男も自らに《高速飛行》の呪文を使い、ウィルを追う。鎧を着ていない小男と違い、ウィルは軽いとはいえ革鎧とシャストアのマントを着用しており、さらに双子を抱いているため、速度で小男に劣ってしまう。

 

ウィル  仕方がありません。森の中に身を隠しましょう。

GM  じゃあ、「偽装」判定を。

ウィル  いえ。《幻覚かぶせ》を使いましょう。

GM  ふむ。では、赤ん坊が泣かないか判定してもらおうか。反応判定の要領で、中立以上を出さないとなく。

ウィル  お願いです。泣かないで下さい。でりゃ(ころころ)7です(泣) あああ、良い子だから泣きやんで。お願い。

GM  泣き声に引かれて、後から着地してきた小男が君に近づいてくる。

ウィル  こうなったら打って出ます。レイピアに《ぶれる刃》をかけて、幻覚の中から不意打ちです! 全力攻撃ダメージ+2で、6点の「刺し」です!

GM  む? さすがにその攻撃は回避できなかった。小男は転倒はしたが、我慢強いから朦朧とはしない。反撃に仕込杖を抜いて、全力攻撃技能+4で重要器官を狙って命中。ダメージは6点。

ウィル  仕込み? しまった! (ころころ)ごめんなさいメイアさん。双子を守ることはできませんでした・・・無念(気絶)

小男  ふぅ・・・一瞬ひやりとしやした。全力攻撃で目でも狙われていたらやばかったですからね。ま、その礼にあんたの両足を使えなくしといてあげやしょう・・・って言っても、聞こえないでやんしょがね。

GM  で、研究所方面だが、メイアが拘束され、ウィルが飛び立ってしばらくすると、小男が泣いている双子の赤ん坊を連れて戻ってくる。

イカ  あのバカ。失敗したのね。助けに行かないと。

ブレッド  一人で無茶です!

イカ  悔しいけど、助けに行くのはウィルの方。飛んでいった方向から、どこに降りたかぐらい想像できるでしょ。

GM  まあ、近くに小さな森があるから、そこに隠れるぐらいは想像できるわな。では、まんまと双子とメイアを手に入れたカイゼルは、部下と共に馬車に乗って去っていく。

カイゼル  礼を言うよ研究所の諸君。これで、私の目的まで一気に近づくことができたよ。代わりにと言っては何だが、このダミーの砲台7つと、使ってしまった2本の砲台は君たちにプレゼントしよう。はっはっは。

イカ  ダミーですって?

気絶中ウィル   考えてみれば、あんな貴重な魔法の道具が、あんなにたくさん簡単に揃えられるハズがありませんからね。迂闊でした。

イカ  いまさら言ってもしょうがないわ。向こうのほうが何枚も上手だったんだから。そんなことより、あなたを探さないとね。

GM  ん。では、「生存/森」と「探索」と嗅覚の判定をしてくれ。

 

起て 起てよ 起つんだっ!!

 森の民の面目躍如と言った所か、ライカは3つの判定を全て成功させ、森の中で気絶しているウィルが出血ダメージで死亡判定が始まる前に発見する。

 ウィルとポイズンの傷を治し、一行は今後の行動を話し合う。

 

ウィル  動きたいのは山々ですが、私の足が動くようになるまでは、4巡りはかかります。

ポイズン  俺も内臓の損傷が激しいらしいぜ。悔しいがしばらく動けん。

イカ  (溜息)治るまで待つしかないか・・・

GM  んでは、研究所の修復を手伝ったり修業したりリハビリしたりしながら過ごすこと2巡り。突然ヒンメル研究所に、青い蝶が集りはじめる。

リネール  あ、マスター。お帰りなさい。

ヒンメル  うむ。出迎えご苦労。ほれ。土産の√7面体じゃ。

リネール  あ、ありがとうございます。そんなことより、大変です。メイアさんがさらわれたのです!

ヒンメル  (片手でリネールの首を締め上げ)詳しく話せ。

リネール  は・・・はぃぃ! でも、もっと詳しく事情を知る人たちがいますので、呼んでまいります!

 

 リネールに呼ばれた一行は、メイアの姉ヒンメルに事の顛末を詳しく話す。

 もちろん、双子の母を殺したのがウィルだと言うことは伏せたままで。

 

ヒンメル  おのれ、カイゼルめ。研究のため“あれ”を封印している時を狙ってきおったか、それとも偶然か・・・

ブレッド  は?

ヒンメル  いや。なんでもない。

ウィル  ところで、あなたの口ぶりからすると、あなたはカイゼルのことを知っているようですが、奴は何者なのです? 何故メイアさんと双子を狙ったのです?

ヒンメル  そうじゃな。協力を頼むためにも、話しておいたほうが良いじゃろう。カイエン・ゼールバッハ。かつて、<聖なる母の結社>の分派が生み出した、人工英雄候補じゃ。

一同  聖なる母の結社~!?

ウィル  まさか、ここでその名前が聞けるとは思いませんでした・・・

 

 <聖なる母の結社>。ルナルサーガのファンならば誰でも知っている秘密結社。1000年前の<悪魔>戦争末期に現れた英雄、<月に至りし>サンダミオンを再び世に出現させるため、サンダミオンの血を引くものを交わらせ、英雄の血に最も近い者を生み出し、人々を導いてもらおうと画策していた組織。目的のためには手段を選ばない独善性ゆえ、組織内外で反乱が起き10年程前に(表面上は)滅んでいる。(詳しくはルナルサーガシリーズのリプレイや小説をお読みください)

 

ヒンメル  その結社の中でも、ここ東ネクロス島支部は特殊での。サンディとミオ・・・もとい、サンダミオン復活は二の次にして、様々な英雄の血を掛け合わせることで、全く新たな英雄を作ろうとしておった。その中の一人が、伝説の龍闘士キルシアンと、<退かぬ者>の名を持つハオウの血を引くカイエン・ゼールバッハじゃ。

イカ  奴の目的は?

ヒンメル  単純じゃよ。「力」を手に入れること。

ブレッド  力?

ヒンメル  そう。<龍>のな。

イカ  確かに単純ね。ただ、その分説得なんかは無理でしょうね。する気もないけど。力を手に入れて、何をするつもりなの?

ヒンメル  それは本人に聞かんと分からんな。

ポイズン  力と、双子やメイアと何の関係が?

ヒンメル  <龍>の力を手に入れる儀式を行うのに、あの3人ほど適したものはおらん。メイアは最強の七大龍の一角、<白金の鋼鉄龍>の見ておる夢じゃからな。

一同  はぃぃ?

ヒンメル  <龍>は心臓と脳が一緒になっておる。<龍>の心臓が見ている夢が具現化したメイアは、<龍>の力の形の一つなのじゃ。メイアの力が弱まっていたと言うのは、恐らくカイゼルの奴めが、何らかの手段で心臓の動きを阻害させておるのじゃろう。

ポイズン  なるほど。本調子の時に素手で岩を砕くことができたって話も嘘じゃぁなさそうだな。

ウィル  では、あなたの妹と言うのは?

ヒンメル  血は繋がっておらぬ。あ奴はその存在ゆえ、研究対象として長い間ある研究所に拘束されておってな。その時出会い、義姉妹の契りを交わしたのじゃ。

イカ  スールだスール(笑)

ヒンメル  (ボソッと)まあ、研究のため拘束しとったのはわらわじゃがな。

イカ  あんたの仕業かっ(笑)!

ヒンメル  それはともかく。

ブレッド  さらりと流しましたね(笑)

ヒンメル  そして、あの双子は共感能力を持つ人工英雄候補。その共感能力で、<龍>の力を己が内に取り込もうとしておるのじゃろうな。

イカ  何故、あなたはそんなに詳しいの?

ヒンメル  双子の母は、わらわの娘じゃからな。

ウィル  ヤバイ。誰が止どめを刺したかは、死んでも黙っていよう(笑)

イカ  ところで、双子は誰の血を引いてるの?

ヒンメル  確か、テック・マーレンの血がどうこうと聞いたことがあるが、詳しいことは知らん。血が本人の資質に直接関係するわけではなじゃろうし、正直興味がない。・・・これで分かることは話した。お主らはどうするつもりじゃ?

ポイズン  もちろんカイゼルの野郎をぶっ飛ばし、双子を助ける。目的のために子どもを利用するなんて野郎は許せねぇ!

イカ  あたしは元々、カイゼルを追っていただけだけど。今は双子もメイアさんも助けたいと思ってる。

ブレッド  同じく。

ウィル  私は双子を守ると決めました。でも、今は足が・・・

ヒンメル  足がどうかしたのか?

GM  いつの間にか、君の両足は自由に動くようになっている。

ウィル  あれ?

ヒンメル  いつまでも松葉杖をつかれていては目障りじゃからな。お主らの覚悟は分かった。じゃが、あのカイゼルに勝てるか?

イカ  でも、やらなければなりません。

ポイズン  俺も負ける気はねぇぜ!

ヒンメル  じゃが、負ければ双子もメイアも助けられん。犬死になるぞ。

一同  ・・・・・・

ウィル  どうすれば、奴に勝てますか?

ヒンメル  簡単じゃ。修業して強くなればよい。

ブレッド  いや、確かにそうですが・・・

イカ  そう簡単に、あの超人より強くなるのは無理よ。

ウィル  修業している間に、カイゼルが儀式を終えてしまいませんか?

ヒンメル  安心せい。わらわの力で、儀式の進行を3年は遅らせてやる。取って置きの師範を紹介してやるから、そこに行くと良い。3年で今よりはるかに強くなれるじゃろう。今すぐカイゼルと戦いたいのならば、止めはせんがな。

ウィル  僕は、修行する方に一票入れます。

ポイズン  俺もだ。力不足は最近の戦いで散々思い知らされたしな。

ブレッド  同じく。

イカ  全会一致ね。

ヒンメル  よかろう。ならば出立の準備してくるとよい。わらわは紹介状を書いておく。

ウィル  分かりました。

ヒンメル  ところでそこのでっかいの。お主ひょっとしてメヒコ族の者か?

一同(ポイズン含む)  なにぃっ!?

ウィル  実在したのかメヒコ族。てっきりエル・インコの脳内の存在だと思っていましたが。

イカ  同感(笑)

ポイズン 俺もだ(笑)

 

精進が足りん

GM  では、出発の準備を終えた君たちがヒンメルの元に集まると、彼女は書状を渡してくれる。

ヒンメル  この書状を、今から転送する<龍>寺院の最長老に見せると良い。

ポイズン  転送?

ヒンメル  大型の転送陣を描いておいた。一瞬で全員が目的地に着けるぞ。

ウィル  私たち全員を? すごい魔力ですね。

イカ  帰りはどうすればいいの?

ヒンメル  歩いて帰るしかない。地図を渡しておこう。

ブレッド  何から何まで、ありがとうございます。

ヒンメル  その言葉はまだ早い。それに、全てが上手く行ったなら、その言葉を言うのはわらわじゃ。では、転送するぞ。

イカ  お願いします。

GM  ヒンメルが呪文を唱えると、周囲の景色が一瞬歪む。その後、森の中にある大きな道場らしきものの前に君たちは立っている。あ、ブレッドは見たことある場所だね。

ブレッド  え? まさか、私が修業していた<龍>寺院ですか?

GM  うむ。火竜山の頂近くにある、<龍>寺院だ。

ブレッド  でしたら話は早いですね。中に入って、最長老に会わせていただきましょう。

 

 一行は、ブレッドの案内で寺院内に入り、中で修行していたドワーフたちに事情を話して、寺院内の祠にいる最長老の元へと案内してもらった。

 

GM  白髪で髭もじゃだが、筋骨隆々なドワーフが目の前に座っている。ブレッドの記憶が正しいなら、君が修業していた十数年間、この老ドワーフがここを動いたことはない。

ウィル  ライブラの老師様ですか(笑)

最長老  よく帰ったなブレッドよ。師の復讐など諦めて、修行を続ける気になったか?

ブレッド  いえ。簡単に事情を説明します。そして、ヒンメルさんからいただいた書状を見せましょう。

GM  書状を読んでいる最長老の顔が見る見るうちに青くなっていく。

ポイズン  なんて書いてあったんだ?

最長老  なに。主らを修業させんかった場合、彼奴めがここを襲うとな・・・

イカ  脅迫かよ(笑)!

ウィル  こういうのは紹介状とは言いませんね(苦笑)

最長老  あの化け物の脅迫に屈せずいても、ろくなことにはならん。主らに、この奥の秘密の修業場へと入る許可を与える。

ブレッド  そんな場所があったのですね。

イカ  あたしとしては、ヒンメルさんと最長老の過去が気になるわ(笑)

最長老  (無視して)ただし、見事わしを動かすことができたらの話だ。全力で押してみよ。

ポイズン  いいだろう。ならば俺から、ドロップキック!!

イカ  それは押すとは言わない(笑)!

ポイズン  お? 外しちまった。次、頼むぜ。

ブレッド  無難に押してみましょう。柔道判定で5成功。

GM  その程度じゃびくともしない。

ウィル  ダメ元で、私も押してみましょう。体力で1成功。

GM  (ころころ)あ、不動の構えにファンブル。最長老はゴロゴロ転がって岩壁に激突。

ウィル  ・・・あれ?

最長老  み・・・見事じゃ。30年間ここを動かんかったわしを動かして見せるとはな。

一同  (爆笑)

ウィル  そんなに強く押したつもりはないのですけどね(笑)

最長老  わしが座っておった場所から地下へと行ける。そこにわしよりはるかに強力な龍拳士が住んでおる。その方に教えを請うと良い。

イカ  じゃ、進みましょう。

GM  では、天然の洞窟らしき道を進むこと半刻はど。地下にもかかわらず、光が入り、草が育っていると言う不思議なそして広大な広場に出る。壁は土のままだが、八本首の龍と戦っている白金の龍と、赤と青の龍や、光の固まりや無数の翼を持つ怪物の絵が描かれている。

ウィル  ここが、修業場ですかね?

イカ  この絵画には、どんな意味があるのかしら。

ポイズン  大方、古い言い伝えか何かだろう。

GM  その広場の中央付近に、ドワーフにしては大柄で、人間にしては小柄な、筋肉質で髭もじゃな男が座禅を組んでいる。

ブレッド  古代ドワーフ族?

イカ  あの、あなたは?

GM  とライカが話し掛けるために近づくと、座禅を組んだ状態からいきなり跳躍! 裂帛のかけ声と共に、強烈な飛び蹴りを放つ!

イカ  何とか「受け」た!

GM  だが、その破壊力はかなりのもの。2メルーほど後ずさってくれ。

イカ  クッ。腕が痺れる・・・

ウィル  いきなり何をするのですか!

GM  ドワーフは無言で構えを取る。龍闘技の典型的な構えだ。

ポイズン  問答無用か。面白れぇ。

 

 突如始まる拳と拳のぶつかり合い。4対1と言う状況にもかかわらず。謎のドワーフは広範囲に影響する絶掌奥義を繰り出し、一行を圧す。

 とは言え、一行も素人ではない。かなり大きなダメージを受けつつも、謎ドワーフを気絶寸前まで追い込んだ。

 

GM  謎ドワーフは構えを解く。

ドワーフ  なるほど。それなりの実力はあるようじゃな。それで、何故わしから教えを乞いたい?

ポイズン  ぶっ倒してぇ、強え奴がいる!

ドワーフ  よし。いいじゃろう。

一同  (笑)

イカ  そういう事は、戦う前に聞きなさいよ。

ドワーフ  何を言う。鍛える価値もない者の口先だけの言葉など、聞くだけ無駄じゃ。

イカ  なるほど。一理あるわね(苦笑)

ドワーフ  しかし、わしの修業は厳しいぞ。耐え切る自信はあるか?

ブレッド  耐えて見せます。私たちの目的を果たすためにも。

ドワーフ  その覚悟があるなら良し。早速修業を始めるぞ。

一同  はい!

イカ  ところで、修業の内容は?

ドワーフ うむ。よく動き、よく休み、よく食べる!

一同  (爆笑)

ブレッド  確かに、最高の修業方法ですね(笑)

GM  修業初日から、徹底的に疲れきるまで体を動かさせられる。ただし、体が壊れるような真似や、無理は絶対させられない。そして、疲れが取れるまで休ませられる。食料は、洞窟内にある田畑を耕しての自給自足。それも修業の内だそうだ。

ウィル  ひぃ・・・体力無いから辛いですよ・・・。

GM  後は謎の修行法として、座禅を組まされた後、謎ドワーフが背中から気を抽入するというものがある。

イカ  精神修業の類かしらね。

GM  では、皆の者、各能力で3回ずつ判定をして、成功した回数を記録してくれ。

一同  はーい(一斉にサイコロを振り始める)

GM  では、その回数に10をかけて。

ブレッド  ふむふむ。

GM  その数値だけCPあげるから、成長してね♪

一同  なにぃぃぃぃぃっ!!

ウィル  100CP近くパワーアップしますよ!

ポイズン  力がみなぎるぜぇ!

GM  あ、それに「達人の指導」の40CPを付け加えるように。新たな特徴を取ってもいいし、能力値を上げてもいい。ただし、肉体系技能は現在のレベル+2までか、15レベルの高い方まで。マンガ技能や、絶掌奥義、コンビネーションの習得も可能。時間はかかるだろうが、パワーアップ作業を始めてくれ。

一同  おう!

 

 一行は、どのようなパワーアップを果たすのか。そしてその力はカイゼルに通用するのか。答えは次回明らかに。

 

FINAL ROUNDに続く・・・

*1:青の月の知恵の神。この場合はその信者。

*2:GURPSでは特殊なルールを使わない限り、大半の格闘家は重い鎧が着れない代わりに防御判定が有利になる技術が多い。そのためかくとうタイプは回避に頼ったスタイルになりやすい。

*3:相手の攻撃を「受け」た直後に反撃を繰り出す、クロスカウンターやリポストと呼ばれる技。

*4:【突き返し】は突くではなく振る攻撃や、下半身を狙った攻撃には行えない。

*5:典型的な誤用だが、わざと言っている可能性もある。

*6:ダメージ時の衝撃に逆らわず跳ぶことで、ダメージを軽減する格闘動作。軽減できるのは叩き属性のみだが、アルターは関節技以外は叩き攻撃が多く、ダメージ自体は低いためライカとの相性は悪い。

*7:1ターンに2回行動できるようになる魔法。

*8:今ならきっとHDK48とか呼ばれていただろう。