黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第7話「梟が堕ちる日」

★空のメッセージ

GM  さて、成長申告をどうぞ。

ヒスミ  体力が15になりましたー! ユズキぃ、また1メルチ身長が伸びたよー。

ユズキ  体力+1で1メルチと言うことは、僕がお嬢を追い抜くには体力20必要・・・

イングリッド  無理だから諦めなさい(笑) 私は、《瞬間移動》覚えようかと思ったけど、《嵐》を覚えてみたわ。

GM  あの呪文も、使いこなせば優秀な防御魔法になるからな。

イングリッド  それだけが目的じゃないけどね。

GM  ユズキは?

ユズキ  僕の技能、知力系がメインなのに、知力がそんなに高くないんですよね。今計算したら、知力を上げれば、技能を1つずつ上げるより安いCPでほとんどの技能が上昇するんですよ。

イングリッド  20CP貯める気なの?

ユズキ  それもいいかなーって。

GM  ま、今後どうするかはともかく、今回は貯めるってのもありだよな。

ユズキ  そうします。

GM  さて、それではゲームを開始しよう。

ユズキ  僕はいつも通り、ぶら下がり健康棒にぶらさがりつつ、任侠っぽい言葉の練習してます。

イングリッド  慣れてくると、この光景も風流よねぇ・・・(かこーん)

レベッカ  そう?

メイベル  小説のネタには使えそうにないなぁ。

イングリッド  あら、メイベル。セリフがあるのも久しぶりね(笑)

ヒスミ  (ユズキと一緒にぶら下がり)ユズキぃ、これ、足がつくからつまんないよ?

ユズキ  お嬢にそれ以上大きくなられたら困るので、それくらいが丁度いいのですよ(笑)

イングリッド  そういえば、ルイーネちゃんたちって何してるの?

GM  毎日、どこかに出かけて行ってる。地図に印がうってあるんだけど、どうも街中の闇市も含めて食料を扱っている店を回っているみたいだ。でも、食糧を買って帰ってきたことは無い。

イングリッド  何してるのかしらね?

GM  聞こうにも、ほとんど家にいない状態だ。

ユズキ  なるほど。ザインが街中にいるなら、どこかで食料を調達する必要があります。きっと、その場所を探しているのですよ。

GM  ぴんぽーん。

イングリッド  あの子たちも大変ねぇ。

GM  そんな話をしていると、ファンシースキーな門番のおじいさんが慌ててやってくる。

ユズキ  おや? どうしました門番さん。

門番  あ、ユズキさん、大変です! <梟の爪>構成員を名乗る男が、白旗持ってやって来たんです。

一同  何!?

 

 門の前には、たしかに白旗と小包をもった男がいた。

 一行は、その男が武器を持っていないか調べ、拘束した後地下牢に連れて行き、そこで話を聞くことに。

 

ユズキ  さて、何が目的でここに来たのですか? 返答次第では・・・(撃鉄を起こす)

<梟>の男  (いきなり頭を下げて)お願いです! 俺らを、助けてください!

一同  はい?

<梟>の男  その小包の中に、音声再生の魔法具が入っています。それを聞いてください。

GM  小包の中には、確かにテープレコーダーみたいなマジックアイテムが入っている。

イングリッド  《危険感知》をかけているけど、危険は?

GM  マジックアイテム自体には危険は感じない。

イングリッド  なによ、その妙な言い回し。

ヒスミ  危険がないなら、再生してみます。

GM  マジックアイテムから、声が発せられる。

ヒンメルの声  ほほほほほ。久しぶりじゃのう、イングリッド

イングリッド  お・・・お母様!?

ユズキ  え? なんで<梟>の男が、ヒンメルさんの声が入ったレコーダーを?

ヒンメルの声  それがじゃのう。実質おぬしらが潰した<梟の嘴>の何人かが、<梟の爪>に吸収されてな。そやつらがおぬしらに報復するため、まず家族から狙うという外道な手段に出てのう。わらわはそやつらに捕まってもうたのじゃ。うう・・・かわいそうなわらわじゃ(嘘泣き)

イングリッド  黙れこのトンチキがぁぁぁぁ!  闇タマット如きがお母様を捕まえられたら誰も苦労せんわぁぁぁぁ!!

ユズキ  イングリッドさん落ち着いて!

イングリッド  ぜぃぜぃ。

ヒンメルの声  そうは言っても、現に捕らえられておるのじゃから仕方がないじゃろう。

ヒスミ  これ、音声再生機じゃないですよ(笑)

ユズキ  この人のことですから、こちらの反応を完璧に予測して声を吹き込むくらいはできそうですが(笑)

GM  ちなみに、再生機からは別の声も聞こえてくる。

エリィの声  わぁ、おっきなツボですぅ(よじよじ)

男の声  あああああ・・・それは時価100万ムーナ(約2億円)の壺・・・

リネールの声  良い壺ですね。でも、これは偽者です。こっちの本物と交換しましょう。

男の声  いま、何もないところから壺が出てきたように見えましたが・・・

リネールの声  はっはっは。そんな細かいこと気にしてるから、あなたは出世できないんですよ。

ヒスミ  傍若無人です(笑)

ユズキ  <梟>の男に、どういうことか聞いてみましょう。

<梟>の男  途中までは、その方の言っている通りです。あんたらに報復しようと、研究所に兵隊連れて行ったんですが・・・

イングリッド  返り討ちにあった上に、報復され返されたわけね。

<梟>の男  ええ。まさか、うちの本部の場所を知っているなんて・・・

ユズキ  本部って、どこの?

<梟>の男  <梟の爪>の。

一同  (爆笑)

ヒスミ  何もしなくても、壊滅してくれました(笑)

ヒンメルの声  いやいや。物事はそう簡単にはいかんぞ。

イングリッド  どういうことです?

ヒンメルの声  さっきも言ったじゃろう。わらわは捕らえられておるとな。場所を教えるから、助けに来てくれ。

GM  高級住宅街の住所を教えてくれる。

イングリッド  また、お母様のはた迷惑な暇つぶしが始まったみたいね(苦笑)

ユズキ  ヒンメルさん。これが罠でないことを確認したいので、一度こちらに来てもらえますか?

ヒンメルの声  仕方が無いのう・・・

GM  目の前に、ヒンメルが転移してくる。

ヒンメル  これで満足か? わらわは囚われの身じゃから、もう戻るぞ。(消える)

一同  (笑)

ユズキ  はい。これで、このマジックアイテムが音声再生機でないことも確認できました(笑)

ヒンメルの声  なお、助けに来るのはヒスミ、ユズキ、イングリッドの3人。今日中に助けに来ぬ場合、自力で脱出するために街1つ壊滅させる程度の破壊力はある、ちょっとした魔法を使う気じゃから、そのつもりで。

ヒスミ  いつのまにか、街の命運を背負っちゃいましたー!?

イングリッド  分かりました。助けに行ってあげますから、そこで大人しく待ってなさい!

ヒンメルの声  お主には、口の聞き方というものを教える必要があるようじゃのぅ。

イングリッド  分かりましたでございます! 助けに行ってやって差し上げやがりますから、お首をお洗いになって大人しくしてやがってくださいませ!

一同  (笑)

ヒンメルの声  ま、そういうわけじゃ。待っておるぞ。もちろん、わらわを助けた暁には報酬を払うぞ。お主の姉の情報とかな。

イングリッド  ヴァイオラの?

GM  レコーダーのからの音が止まる。

ヒスミ  イングリッドさん、お姉さんがいたんですね?

イングリッド  え? ええ・・・

ヒスミ  じゃあ、私のお姉さんでもあるんだ。わーい、また家族が増えるぅ。

イングリッド  そ・・・そうね・・・。ちょっと話が急すぎて、反応に困っちゃったわ(笑)

ユズキ  さて、すごく間抜けな状況ではありますが、この街の平和のためにヒンメルさんを助けに行きませんか?

ヒスミ  もちろんですよ(笑)

イングリッド  じゃあ、また出かけることになるけど、レベッカ、メイベルのことをよろしくね?

レベッカ  ええ。お土産よろしく。

イングリッド  じゃあ、話に出てきた壺をもらってきてあげるわ。

ヒスミ  お父様に出かけてくるって言っておかなきゃ。

 

 一行は、ゴウケンイングリッドの母親が街に来ているから迎えに行くと説明し、最低限の準備だけ整えヒンメルが指定した場所へ向かった。

 

GM  <風龍会>の本部からは歩いて小一時間。街中にありながら庭付きの大きな家だ。さすがに<風龍会>本部には劣るがな。

ユズキ  そんなに大きいと、目立ってしょうがないでしょう(笑)

ヒスミ  入っちゃっていいのかなぁ?

GM  さて、最後尾にいるイングリッド。視覚判定。

イングリッド  視覚は高くないのよね。成功したけど。

GM  おや? 地面に映っている君の影。翼が生えているように見えるのは気のせいかな?

イングリッド  ・・・銀龍姫?

銀龍姫  あらぁ? ばれちゃったぁ。

イングリッド  前回の途中からすっかり忘れてたわ(笑)

ユズキ  今度の目的は何ですか?

銀龍姫  うふふ。私が教えると思うぅ?

ユズキ  こういう手合いは、無視した方がいいんでしょうけど、何を企んでいるのか分からないので無視するのも怖いんですよね・・・

ヒスミ  ヒンメルさんは私たち3人だけで来るようにって言ってたけど、銀龍姫連れてって大丈夫かな?

ユズキ  連れて行ったんじゃなくて、勝手について来ただけですよ。

イングリッド  その理屈が通用する相手だったらいいんだけどね(苦笑)

銀龍姫  そんなに邪魔ならぁ・・・

GM  銀龍姫は、イングリッドの影と同化する。

銀龍姫  ここで大人しくしててあげるわぁ。

一同  ・・・・・・

 

 一行は不安を抱えつつも、ヒンメルが<梟の爪>本拠地と言う屋敷の中へ足を踏み入れた。

 

GM  玄関は吹き抜けホールになっていて、2階への階段と、左右と正面にドアがある。そして、左右のドアから霧が出現し、ホール中央に集まる!

霧島長女(以下長女)  ほーっほっほっほっほ! よく来たわね。

イングリッド  霧島3姉妹ね。あなたたちとの決戦のために《嵐》の呪文を覚えたのよ。覚悟しなさい。

霧島次女(以下次女)  あら? それは怖いわね。でも、残念だったわね。

イングリッド  残念?

長女  そうよ。あなたたちは・・・

次女  私たちと・・・

 

JANKEN DE BATTLE!

長女&次女  してもらうからよ!

一同  ・・・・・・はい?

長女  あら? じゃんけんも知らなくて?

ユズキ  いえ、そうではなく、なんでじゃんけん?

次女  ヒンメル様が、そうしろとおっしゃられたからよ。

イングリッド  何? あんたらお母様に従ってるの?

長女  ええ。わたくしたちは、長いものには巻かれろ主義なのよ。

次女  ギーレンも強かったけど、ヒンメル様にはかなわないわ。

イングリッド  なるほどね(笑)  分かったわ。受けて立ちましょう。勝負の形式は?

長女  3対3の勝ち抜き戦よ。あなたたちが勝てば、ここを通してあげる。

ヒスミ  負けたらどうなるのです?

次女  なんでも、あなたたちは<風龍会>本部に送還されるらしいわね。

イングリッド  なるほど。何度も負けると、タイムリミットが来るってわけね。

ユズキ  結構深刻ですね。

イングリッド  負けなきゃいいのよ。じゃあ、私から行くわ。

長女  こちらはわたくしがお相手いたしますわ。

銀龍姫の声  (突然)その女、パーを出すつもりよぉ。

一同  ・・・・・・

ユズキ  じゃんけんの時、先に何を出すかって考えるものでしょか?

GM  人によると思うよ。実際僕は、考えてから出す。

ヒスミ  相手の出す手が分かる儀式してからなら、私も何を出すか決めます。

ユズキ  なるほど。なんであれ、今の言葉で、考えが捕らえられてしまったのは事実です。イングリッドさん気をつけて。

イングリッド  あなた、パーを出すつもりでしょう?

ヒスミ  イングリッドさん?

長女  な・・・何故それを!? まさか、心を読んだの!?

イングリッド  (ニヤリ)じゃんけんぽん(パー)

長女  ぽ・・・ぽん(グー)

イングリッド  ふっ。私の勝ちね。なんでも計算ずくで考える奴がよく陥るミスよ。

ヒスミ  さすがイングリッドさんです!

長女  ・・・ほ・・・ほーっほっほっほ。いいでしょう。今回はわたくしの負けにしておいて差し上げますわ。

イングリッド  よし。これで2連勝。

長女  ええい! 前回は引き分けだって言ったでしょうが!

イングリッド  はいはい。そういうことにしておいてあげるわ。

長女  きぃぃぃぃ! 覚えてらっしゃい!

一同  (笑)

次女  じゃ、次は私が相手になるわ。

イングリッド  銀龍姫は何も言ってこない?

GM  うん。

イングリッド  じゃあ、正攻法で行くわよ。じゃんけんぽん(パー)

次女  ・・・・・・ぽん(すごくおそだししてチョキ)

イングリッド  ・・・・・・ちょっとあんた。

次女  あら? おそだし不可なんて言ったかしら?

一同  (白い目で次女を見る)

次女  仕方が無いわね。次からは無しにしといてあげるわ。でも、今回は私の勝ちよ。

イングリッド  次は「あ、UFO!」とかやるつもりでしょう?

次女  ・・・・・・(いきなり酒を飲み始め)へっ! どうせあたしの作戦なんてそんなもんですよーだ。べらぼーめ。

一同  (笑)

GM  他にも、ぐーちょきぱーのパーフェクトの手とか、小学生レベルの裏技を多数用意しておりました。

イングリッド  やっぱりね(笑)

3女  姉さん、ああなったらしばらく戻らないから、私が相手するね。

ユズキ  ではこちらは僕が相手になります。あ、僕はグー出しますから。

3女  (コクリと頷く)

ユズキ  じゃんけんぽん(ホントにグーを出す)・・・ってしまった!

3女  (パー)

ユズキ  3女はこっちが言うこと絶対信じると思って嘘ついたのに、どうして正直にグーを出すか自分!

ヒスミ  ユズキ、かっこ悪ぅ(笑)

ユズキ  ひぃぃ! お嬢にバカにされた? こうなったら、幸運使ってでも勝ちます!

GM  あ、幸運使えば、自動で勝利できる。

イングリッド  そりゃそうよね。3回やり直せるんだから。

ユズキ  もったいないところで、「幸運」を使ってしまいました(泣)

 

 こうして、一行は辛くもじゃんけん勝負を制した。

 

長女  ヒンメル様は正面のドアのずっと先、地下室にいるわ。

3女  (すごく棒読みで台本らしきものを読みながら)でも、ここで負けておいた方があなたたちは幸せだったわよ。本当の地獄はこの先だから。

GM  そう行って、霧島3姉妹は姿を消した。酔いつぶれた次女を置いて。

一同  (笑)

ヒスミ  毛布くらいは、かけておいてあげましょう。

 

Black Jack 黒い詐欺師とチンチロリン

 

 一行は、霧島3姉妹の言うとおり正面のドアを通って先に進む。

 

GM  廊下の先には3つのドアがあるね。それぞれに、ブラックジャックの間、神経衰弱の間、ポーカーの間と書かれている。

ユズキ  ブラックジャックの間に行くきましょう(即答)

イングリッド  そうね。ユズキのPLは、ブラックジャック得意だし。

GM  (ニヤソ)

ヒスミ  ドア開けるねー。

GM  そこは、南の海に浮かぶ小島だ。

一同  は?

GM  島の中央にはテーブルが置いてあり、テーブルの前では全身刺青の怪しいエルファがタキシード着て、トランプを切っている。

ユズキ  リネールか(笑)

イングリッド  じゃあ、この風景は幻覚?

GM  ちなみに、入ってきたドアの他に2つのドアが並んでいる。

イングリッド  どこに入っても、この部屋に来たわけね(苦笑)

リネール02  ブラックジャックの間へようこそ。

ヒスミ  もし神経衰弱のドアから入ってきたら、「神経衰弱の間にようこそ」になってた?

リネール02  もちろんですよ。

一同  (笑)

リネール02  さて、こでは私とブラックジャックで勝負をしてもらいます。(ユズキに)そこのあなた。私がイカサマをしていないことを証明するために、カードを配ってもらえませんか?

ユズキ  え? 僕ですか?

GM  その代わり、君(ユズキのPL)が親のリネールをやってくれ。

イングリッド  うわ。このGM、ブラックジャックじゃユズキのPLに勝てないって分かってるからって、卑怯な手を(笑)

GM  ええい、うるさい(笑)

ユズキ→リネール02  分かりました。GM、僕が手を抜いてわざと負ける可能性があるって考えてます?

GM  いや。君のブラックジャックに対する情熱が、それを許さないはずだ。

リネール02  う・・・確かにそうですけど・・・。でも、考えてみればブラックジャックの親って、機械的に計算することしかできないので、不利なんですよね・・・

GM  なお、カードの山がなくなった段階で、勝ち数の多い方が勝者とする。

リネール02  それって、私が無茶苦茶不利ですよ(苦笑)

 

 リネール02の言うように、ブラックジャックの親は、合計が17以上になるようにしつつドボンにならないようにすること以外は、機械的にカードをめくる以外することが無い。

 2対1という状況も不利に拍車をかけ、ヒスミ&イングリッドは特に危なげも無くリネールを撃退する。

 

リネール02  私の負けのようですね。

ヒンメルの声  なんじゃ。お主のことじゃから、《幻影》を使ったイカサマ位するかと思ったんじゃがな。

リネール02  それは、ブラックジャックに対する冒涜です。

ヒンメルの声  さよか。

イングリッド  お母様、後いくつこんな試練があるの?

ヒンメルの声  ほほほ。たくさんあるから楽しみにしておるがよい。

GM  ヒンメルの声はフェードアウトしていった。

リネール02  では、このドアから先にお進みください。

GM  リネールが指を鳴らすと、部屋にかけられていた幻覚が消える。

イングリッド  じゃあ、遠慮なく先に進ませてもらうわ。

ヒスミ  次の試練は何かなー。

 

 一行は、ブラックジャックの間の奥にあった地下への階段を下りる。

 

GM  その先も部屋になっており、メイド服のおちびちゃんがいる。

エリィ  こんにちはです。ここでは、私とチンチロリンで戦ってもらいます。あなたたち全員が私よりいい目を出せば、あなたたちの勝ちですよ。

ユズキ  今度は今度で、すごく僕たちに不利ですね(苦笑)

エリィ  これに勝てばヒンメル先生は1時間ウィズ様に会わせてくれると約束してくれました。ウィズ様ぁ、すぐに会いに行きますからねー!

ユズキ  イングリッドさん。正直、この条件での勝ち目は低いです。分かっていますよね?

イングリッド  ええ。まかせて。

エリィ  では、私から行きますね。えい! やた! 5、6、6!

イングリッド  その瞬間に《風》!

 

 びゅおおおお(擬音)

 

エリィ  あああ! お碗がぁー!

ユズキ  あらら。お椀からサイコロが落ちてしまいましたね。じゃあ、僕たちが椀から落とさなければ、僕たちの勝ちですね。(サイコロを振って)大丈夫でした。

イングリッド  私も余裕。

GM  ヒスミは敏捷力判定。失敗すると落とす。その上でサイコロを振ってもらおう。

イングリッド  そういえば、この子「そそっかしい」とか持ってたわね(笑)

ヒスミ  判定は成功です。えい! 大丈夫です。落としませんでした。

エリィ  (呆然としている)

ユズキ  じゃあ、僕たちの勝ちですから、先に行かせてもらいますね。

エリィ  ・・・・・・せっかく・・・せっかくウィズ様に会えるチャンスだったのに・・・(右手を構える)

GM  女の子の右手に、なんかとんでもないエネルギーが集まりだす。

エリィ  ごごごごごごご(効果音)

イングリッド  さ、早く行きましょう!

ヒスミ  そ・・・そうですね!

 

 一行は、必要以上に急ぎ足で次の部屋に向かった。

 

Fight! Fight! Fight!

GM  さて、次の部屋は地下闘技場のようになっている。そこには二の腕に牛の刺青を持ちシャストアのマントとレイピアで武装した髭の中年と、額に黒豹の刺青を持ったレベッカによく似た男、それに、ギター持ったバーン先生がいる。

ユズキ  え? 何でバーン先生がここに?

バーン  よう! なんだ、俺の歌をバックに決闘したいって奴はお前らだったのか。

イングリッド  決闘?

髭の中年  ここを抜けたくば、この男の歌が響く中私たちを戦闘不能にしみせよ。・・・と、いうのがあの女が貴様らに出した課題だ。

ユズキ  あなたたちはそれに従うのですか?

レベッカ似の男  俺らも、まだ死にたくないんでな。

ヒスミ  イングリッドさん。あの人・・・

イングリッド  知ってるわ。でも、レベッカとは関係ないはずよ。(ボソッと)研究所の中には、同じ顔の人間なんてたくさんいたわ。

ヒスミ  え?

イングリッド  いいえ。なんでもないわ。

バーン  ま、そういうわけだ。ギンギンに飛ばすぜ! 俺の歌を聞けぇーっ!!

GM  なお、この戦いではBGMにバーンの歌う呪歌がランダムで流れる。歌の効果は敵味方両方に平等に有効なんで。また、1ターン1秒ってのは無視する。では、戦闘開始!(CDの再生を押す)

ユズキ  (曲の出だし聞いて)突撃ラブハート!

GM  今の部分だけで分かるとは、さすが。じゃあ、全員バーサークしてくれ。

一同  ぎゃああああ!

ユズキ  お前にラヴハァァァァァッ!!

GM  よく分かってるじゃないか(笑)

 

 いきなり全員バーサークした状態で先手を取るのは髭の中年。全力移動後2回攻撃でヒスミにレイピアを突きつける!

 

GM  外れて、当たり。しかもダメージ3点。

ヒスミ  あう。チェインメイルなので、ちょっとだけ痛いです*1

ユズキ  てめぇ・・・ よくもお嬢をっ!

イングリッド  あら。ユズキくん任侠っぽい言葉使えるじゃない(笑)

ヒスミ  ユズキ、かっこいいよ(笑)

ユズキ  そ・・・そうですか?(照れ)

ヒスミ  照れてる場合じゃないよぉ(怒)

ユズキ  ご、ごめんなさい。

GM  次は、レベッカ似の男の番だ。いきなり刺青の力アートマを発動。影と同化することのできる黒豹だが、今はバーサーク中だから獲物を殺すことだけ考えよう。全力攻撃敏捷+4でユズキに体当たり。

ユズキ  うわ? よけられませんでした。しかも転倒。

ヒスミ  ユズキ、かっこ悪ぅい(笑)

ユズキ  そりゃ無いですよお嬢・・・(泣)

 

 そのタイミングで、曲が変わった。

 

ユズキ  この曲はDYNAMITE EXPLOSION!

イングリッド  名前から想像するに、爆発でも起こる?

GM  くくく・・・バーンの行動順が回ってくるのが楽しみだぜ。これだけ密集していれば、誰の足元で爆発が起こっても被害甚大だ。

ヒスミ  ひぃぃ!

ユズキ  その前に決着をつけましょう。目の前の黒豹に「陽光撃弾」・・・あ、クリティカル。

GM  ま、どうせ全力攻撃後だから「よけ」られなかったけどな。

ユズキ  あ、クリティカル効果は14。四肢を狙っていた場合は通常ダメージですが、それ以外はダメージ2倍です。

GM  げ?

イングリッド  さすが、スーパーモードね(笑)

ヒスミ  ユズキ、やっちゃえー!

ユズキ  ダメージは倍にして28点(爆笑)

GM  ほとんどフルダメージじゃねぇかよ! えっと、こいつ実は光の攻撃でダメージが3倍になるから、84点ダメージ?

ユズキ  並の人間なら即死してますね。

GM  HPは20あるから自動死亡じゃないけど・・・

イングリッド  死亡判定3回ね。

GM  生きてる・・・生きてる・・・おお、生き残った。「瀕死」にもなっていない。でも、降参しよう(笑)

 

 そして、クリティカル表やら死亡判定やらで時間をかけていたため、そのタイミングでまた歌が変わった。

 

GM  ち、爆発は無しか。次は何の曲だ?

バーン  キィィィン、キィィィン、キング・ゲェイナァ♪

ヒスミ  えぇぇぇぇ!?

イングリッド  何でいきなりキングゲイナー

GM  この歌、歌ってる人、歌バサラと同じ人だよ。

イングリッド  へぇー(笑)

ヒスミ  (両腕を上下にふりながら)この歌を聞くと踊りたくなりますぅ(笑)

GM  察しの通り、突然踊りだしてしまう。肉体を使った行動には全て-6のペナルティだ。

ユズキ  <表裏のコイン>襲撃の時の歌は、これですね(笑)

ヒスミ  (両腕をふりながら)でも-6程度なら当てられます。全力攻撃で両腕を狙って、命中!

GM  ふふふ。引っかかったな。こいつはリポストの達人・・・

イングリッド  全力攻撃したのに?

GM  う・・・しまったそうだった。

ヒスミ  ズバズバッと、15点と13点です。

GM  お嬢もお嬢で、何でそんな高いダメージ出すんだよ(笑)

イングリッド  致傷力は3Dなのにね(笑)

GM  うーむ。こいつの能力、牛の刺青ににらまれることで、赤いマントに攻撃したくなるってものだったんだが・・・

ユズキ  最初に突撃ラヴハートがかかったのは、こっちにとって幸運でした。

GM  とにかく千切れ飛ぶほどじゃなかったけど、両腕が使えなくなった。

髭の中年  降参していいか?

ユズキ  そうしてください。

ヒスミ  (両腕をふりながら)あの、GM。そろそろ手が疲れてきたんだけど?

GM  いや、PLは踊らなくていいんだよ(笑)

 

 一行は戦闘不能になった2人からギーレンや<梟>の情報を聞き出そうとするが、ヒンメルからしゃべることを禁じられていたらしく2人からは「ギーレンの配下には蝙蝠の刺青もいたんだが、逃げられた」という話しか聞けなかった。

 

イングリッド  まあ、蝙蝠だしねぇ(笑)

バーン  やあ、歌った歌った。じゃ、あんたらもこの先大変だろうが、がんばれよ。

GM  そう言って、バーンは君たちが来た方へ去っていった。

ユズキ  すっきりした顔しやがって(笑)

 

 一行はヒスミの傷を治し、さらに奥へと進む。そこには・・・

 

銀龍鬼  我が名は銀龍鬼。我が主の命により、汝らの力試させていただく。我が太刀・・・見事さばいてみせよっ!!

GM  銀龍鬼が3つに分身し、君たちに切りかかってくる!

イングリッド  問答無用か!

ヒスミ  刀を抜いて、後退して「受け」! 成功!

ユズキ  後退して、「よけ」! 成功!

イングリッド  喰らったら死ぬ・・・(祈りを込めてサイコロを振って)・・・って、失敗!?

GM  じゃあ、8点の「切り」。

イングリッド  気絶ダメージ入ったけど、思ったより大したことない?

ユズキ  分身してたから、攻撃力も減ったのかもよ。

GM  その通り。

銀龍鬼  3人中2人か・・・まあ良いだろう。先に進むが良い。次が最後の関門だ。

GM  銀龍鬼は、マントを翻し立ち去った。

ユズキ  その前に、イングリッドさんに「大治癒弾」を撃ちこみます。

気絶イングリッド  弾、間違えないでね(笑) ところで、銀龍鬼がここにいたことについて銀龍姫は何も言わなかったの?

GM  まあ、ヒンメルのところに送り込む時点で捨石確定していたものだからな(笑)

 

 一行は、ひたすら奥へと進む。

 

GM  そこには、灰色の髪をオールバックにした眉毛はないが渋い顔の中年。ギーレン・ローマがいる。

イングリッド  あんたが、最後の関門?

ギーレン  そのようだな。

ユズキ  哀れですね。<梟の爪>の党首ともあろう人が。

ギーレン  そうだな。だが、配下の監視もできぬような者が組織の党首では、遅かれ早かれこうなっていたであろうよ。

ユズキ  よく分かっているじゃないですか。

イングリッド  お母様を襲ったのは、部下の暴走だったのね(苦笑)

ユズキ  あなたに、1つ聞きたいことがあります。なぜ、<表裏のコイン>のドンの子であるあなたが、<梟の爪>の党首などになったのですか?

ギーレン  「声」と戦うためだよ。

ヒスミ  「声」・・・ですか?

ギーレン  アートマを持ったものの宿命だ。いずれ貴様らにも奴の「声」が聞こえるだろう。あの「声」の主に対抗するには力が必要だったのだよ。父の持っていたような甘い力ではなく、より強大で好戦的な力がな。

ユズキ  よく分かりませんが、いずれにせよその目的ももうおしまいですね。

イングリッド  で、どうするの? 正直、私達はあんたの刺青の力・・・アートマが何か分からないし戦いたくはないんだけど。

ギーレン  我が能力は「融合」。

ヒスミ  教えてくれました。意外と紳士です。

イングリッド  「融合」?

ギーレン  「フュージョン」と言ったほうが分かりやすいかもな。他者と融合することで、様々な力を習得したり能力を飛躍的に上昇させることができる。

イングリッド  それってつまり、1人じゃ意味のない能力ってこと?

ギーレン  そうなるな。

ヒスミ  ダメじゃん(笑)

ユズキ  投降しませんか? こっちとしても、あなたの情報は欲しい。

ギーレン  それはできんな。例え醜い足掻きと言われようとも最期まで抵抗させてもらうぞ。ミディア投極術大会4位の実力、見せてやる。

イングリッド  4位って、また微妙ね(笑)

ヒスミ  でも、この街で4位はすごいです。

GM  この街のTOP3は、国の大会でも確実に上位に行くからね。

ユズキ  (銃を構えて)わかりました。こちらも全力で相手をします。いくら優れた腕を持っていても、銃には勝てないでしょう(笑)

GM  ギーレンがニヤリと笑うと、彼の影が後ろに大きく伸びる。そして、そのまま全長3メルーの竜の形を取る。

イングリッド  それがあんたの切り札?

GM  そして、その竜は大きく口を開けてギーレンに襲い掛かるんだが、ギーレンは気付いていない。

ヒスミ  志村ー、後ろー(笑)

ギーレン  (振り向いて)何!?

影の竜  バク! もしゃもしゃ・・・ごっくん。げぇっふ!

GM  ギーレンは、驚愕の表情のまま影の竜に食われた。

ユズキ  な・・・なんだこいつ?

GM  影の竜の横に、銀龍姫が現れる。

銀龍姫  あらぁ、だ・め・よ、影竜ぅ。ちゃぁんと刺青は残しておきなさぁいって言っておいたのにぃ。

影の竜  (口の中に手をいれ)おぇ!

GM  影の竜は、爪のような刺青が彫られた足を吐き出した。

銀龍姫  ふふ・・・うふふふふ・・・あはは・・・あはははははははは♪ やったやったぁ♪ 手にいれたわぁ、フュージョンのアートマぁ♪

GM  銀龍姫は、無邪気な笑い声を上げながら小躍りする。

イングリッド  最初からそれが目的だったのね。

銀龍姫  うふふふふ。そうよぉ。<梟>の幹部連中って中々ガード固くってねぇ。見つけるだけでも難しかったんだからぁ♪

イングリッド  その刺青、特殊な針が無いと使えないって知ってる?

銀龍姫  もちろんよぉ。これのことでしょうぅ?

GM  銀龍姫の指に、細かな装飾がされた、漆黒の針が摘まれている。

ユズキ  <朝焼けの梟>から奪った?

銀龍姫  こんなアイテム、私なら複製することくらいワケないわぁ。

イングリッド  じゃあ、ウィル先生が探している7本以上あるってことね。

ユズキ  あの、せめてギーレンが死んだ証に首だけでももらえませんか?

銀龍姫  いいわよぉ。影竜けしかけてあげるから、がんばって倒して奪ってみなさぁい。じゃあねぇ(消える)

ユズキ  しまった、やぶへび?

影の竜  シギャアァァァァァ!!

GM  影の竜は、咆哮をあげて襲い掛かってきた!

ヒスミ  こいつ、剣で切れるの?

イングリッド  分からないけど、光には弱そうね。最大サイズの《持続光》に集中するわ。

GM  さて、ここからは戦闘ターンで処理しようか。

 

 第1ターン

 意外とすばやい影の竜は、鉤爪を光らせヒスミに攻撃を仕掛けてくる。しかし、大振りだったためはずれ。

 ユズキは「陽光撃弾」を影の竜に叩き込んだ。

 

影の竜  ギャオォォン!!

GM  なんか、効果絶大みたいだ。具体的には抜けたダメージが3倍。

ユズキ  よし、思ったとおり光には弱い。

イングリッド  なんとかなるか?

GM  このメンバー、3人中2人が光関係の能力持ってるからねぇ。でも、そう簡単には行かないよ。

 

 ヒスミは一応大太刀で切りつけてみるが手応えなし。イングリッドは直視できないほどの輝きを放つ、魔法の光をヒスミの刀に灯す。

 第2ターン

 密集していた一行に対し、影の竜は闇のブレスを吐き出す!

 

ユズキ  しまった!

GM  生命力-2で抵抗。失敗すると、目が見えなくなるよ。

イングリッド  目が、目がぁぁぁ!(失敗)

ヒスミ  ユズキぃ、目が見えないよぉ!(失敗)

ユズキ  僕は抵抗しました。お嬢!(成功)

イングリッド  (目を押さえながら)ユズキくんが無事なら、まだ何とかなるか・・・

 

 さらに影の竜はヒスミに組み付き、噛み付き攻撃を行う。

 

ユズキ  さっきのブレス、瞬間発動の妖術扱いか*2

ヒスミ  目が見えないのでよけられませんー!

GM  ダメージは8点の「切り」ね。噛み付きは物理ダメージだから。

イングリッド  この言い方だと、物理以外のダメージもありそうね(苦笑)

ヒスミ  痛いけど、まだ大丈夫ですよーっだ! でも早くこいつやっつけて助けてね(笑)

 

 お嬢のピンチにスーパーユズキくんと化したユズキは、影のブレスの射程外に逃れつつ放った3D-3の「陽光撃弾」で12点とか言う大ダメージをたたき出し、影の竜のHPを一気に削る。

 ヒスミは組み付いている影の竜を柄で殴ってみるも、やはり手応えなし。

 

GM  魔法の光によるダメージは受けてるけどね。

ヒスミ  向こうが触れるのに、こっちが触れないなんてずーるーいー!

GM  ずるいもなにも、そういう体なんだし。(←実際は部分的に非実態になって攻撃をよけられたかどうかの判定は行っている)

ヒスミ  あうぅ・・・

 

 イングリッドは、もう1つ最大サイズの光の球を精製する。この光の球も影の竜の存在に徐々に影響を与えている。

 第3ターン

 

GM  (にこやかに)必殺技でも使ってみようかなー。

ユズキ  (にこやかに)使わなくてもいいですよー。

GM  だめ。使う。影の竜の表面が揺れ動いたかと思うと、無数の黒い針が出現する。それを広域に一斉発射! よければダメージ半分になるから、頑張ってよけてね。あ、ヒスミに被害は無いから。

ヒスミ  わーい。でもこのままじゃ食べられちゃうよぉ(泣)

イングリッド  《嵐》の呪文を防御魔法として使えない? 風で針をそらせたいんだけど。

GM  OK。認めよう。

ユズキ  (ころころ)あ、クリティカルで回避しました!

GM  おお。ならば目にも止まらぬ華麗な動きで無数の針を回避した。目にも止まらないのに華麗なってのも変だが。

イングリッド  さすがスーパーモード発動中なだけはあるわね。

GM  なお、射出された刺は壁に突き刺さっている。3Dダメージくらいはありそうだ。

ユズキ  ひぃい!?

イングリッド  (額をぬぐって)喰らってたらただじゃすまなかったわね。

 

 さらに、影の竜はヒスミの体を爪で引っかく。防護点は有効だが、疲労点に3D+2のダメージが入る非常に厄介な攻撃だ。

 

ヒスミ  うわぁ!? いきなりFPがマイナスになっちゃった!

ユズキ  第4版ではFP0以下になったら、HPにもダメージ入ります。この攻撃はかなり凶悪ですよ。

ヒスミ  解説してないで助けてー!

 

 そして再びスーパーユズキくんの番が回ってきた。

 

ユズキ  お嬢を放せー! 15点ダメージ(笑)

一同  (爆笑)

GM  本当にスーパー化してるよな君の出目(笑) で、その攻撃で、影の竜は急速にしぼんで行く。後にはギーレンのばらばらになった死体が残るね。パーツごとに分かれているので、頭を探すのは簡単。

イングリッド  頭だけ拾っておきましょうか。

ユズキ  お嬢、大丈夫ですか!? 今「大治癒弾」を撃ちますからね!

ヒスミ  ユズキぃ、疲れたし痛いし目が見えないよぉ。えぐえぐ。

GM  あ、盲目の効果は10秒で切れるから、もう目は見える。

ヒスミ  わ、まぶしい!

イングリッド  普通はそうなるわね。

ユズキ  とにかく、今すぐ「大治癒弾」と「治癒」の霊薬を・・・

銀龍姫  あらぁ? もうやられちゃったのぉ?

ユズキ  今度はなんの用です?

銀龍姫  うふふ。影竜を迎えに来たのよぉ。(手を掲げ)祈りぃ、ささやきぃ、詠唱しぃ、念じよぉ。

一同  (一斉に)おおっと!

GM  言うと思った(笑) だが、残念なことに呪文は成功した。影が集まり、消滅したはずの影の竜が再び現れる。

ヒスミ  あうぅ・・・次は勝てる気がしないよぅ・・・

イングリッド  勘弁してよ・・・

銀龍姫  じゃあ、帰りましょぉ。影竜ぅ。目的のものは手に入ったんだしねぇ。

GM  影の竜は銀龍姫の影の中に吸い込まれる。

銀龍姫  じゃぁねぇ。ばぁいばぁい。また、会いましょぉ。

GM  銀龍姫は姿を消した。

ユズキ  た・・・助かった・・・

イングリッド  あいつ、あんな化け物を影の中に飼ってるっていうの?

ユズキ  あいつは目的を果たしたみたいですし、もう僕達には関わってこない・・・と思いたいんですけどねぇ(泣)

ヒスミ  だったらいいなぁ(泣)

イングリッド  泣いたって仕方が無いわ。ここが最後の関門だったみたいだし、早くお母様のところへ行きましょう。

 

いでよヒンメル! そして願いをかなえたまえ!

GM  さて、ギーレンの間からさらに進むと、そこにいるのは高級なソファに横たわり、ティリンとクリークスに扇いでもらっているヒンメル先生がいる。

ユズキ  むかつくくらいくつろいでますね(笑)

イングリッド  約束どおり助けに来たわよお母様。

ヒンメル  ほほほ。苦しゅうないぞ。

イングリッド  私は約束を守りました。今度はお母様が約束を守ってください。お姉さまの情報を教えて。

ヒンメル  (起き上がって)まあ、そう急くな。まずは報酬の話をしようではないか。

ユズキ  あ、本当に何かくれるんだ(笑)

ヒンメル  うむ。おぬしらの願い、どんな願いでもわらわが聞ける範囲内で、1人3つまで聞いてやろう。

ヒスミ  聞くだけ?(笑)

ヒンメル  ちっ、気付いたか。わらわがかなえられる範囲内で、どんな願いでも1人3つまでかなえてやろう。かなえられぬものや、あまりに面倒な願いは諦めてもらうぞ。そして、もちろん揚げ足は全力で取るからそのつもりでな。

ヒスミ  やっぱり(笑)

ユズキ  ここは1つ「とにかくプラス修正の付くもの」が欲しいとでも言ってみましょうか(笑)

GM  お前は、どこのマンチキンだ(笑)

ユズキ  今のは冗談として、僕から行きますね。この魔銃に魔弾射出時の疲労を肩代わりしてくれるエネルギーを6点付けてください。エネルギーチャージスピードは、正常なパワーストーンと同じで。

ヒンメル  よかろう。(指を鳴らして)これで、お主の一つ目の願いはかなったぞ。ただしその銃、撃った瞬間壊れてしまうがな。

ユズキ  しまった! 揚げ足取りどころか、余計な付加効果つきですか! あ、僕は少し考えてますので、他の方お先にどうぞ。

イングリッド  《大祈願》の呪文を使ったときのように、私の知力を1上げることだけしてください。

ユズキ  なるほど「だけ」は便利かもしれません(笑)

ヒンメル  よかろう。1年後おぬしの知力は1上がる。

イングリッド  ちっ、期限付きか(笑)

ヒスミ  なんか、めんどくさそうー。私はパスしようかなー。

ユズキ  あ、僕の次の願いは決まりました。この魔銃を壊れないようにだけしてください。今すぐに。

イングリッド  なるほどね(笑)

ヒンメル  つまらぬ願いじゃのう。ま、仕方があるまい。(指を鳴らして)これで、おぬしの魔銃は例え溶岩の中に捨てようとも壊れることは無い。

ユズキ  よっしゃ! で、最後の願いですけど、少しこっちに来ていただけますか?

ヒンメル  ・・・なんじゃ?

ユズキ  (ヒンメルに耳打ちして)1年ぐらいかけて、僕の身長がごく自然に171メルチに伸びるようにだけしていただけませんか? 体重が不自然に増えたり減ったりすることも無く、あくまでごく自然に身長がのびたように見えるように。

一同  (笑)

ヒンメル  (ニヤソ)よかろう。1年後を楽しみにするとよい。

ユズキ  ♪~♪~(上機嫌でスキップ)

ヒスミ  ユズキ、なんか楽しそー(笑)

イングリッド  ねえ、ユズキくん。

ユズキ  なんですか?

イングリッド  いま、ヒスミの身長172あるって知ってた?

ユズキ  ・・・・・・しまったぁぁぁぁ!?

一同  (爆笑)

ヒンメル  ほほほ・・・

イングリッド  まさかお母様、ここまで計算してた?(笑)

ユズキ  (肩を落として)173って言っておけばよかった・・・

イングリッド  いや、まだ伸びると思うわよこの子は(笑)

ヒスミ  今日のユズキって、面白いー(笑)

 

 ヒスミは2度の失敗をしながらも、愛用の大太刀を「確かさ+1で決して折れるたり壊れたりすることの無い」ものにしてもらった。

 イングリッドは「炎の姫」の腕輪をパワーアップさせるアイテムを望んでみたが、もらったアイテムは1回しか使えない代物だったり、100年経たないと使えないものだったりした。

 

GM  思ったより欲がないなみんな。

イングリッド  強力すぎる武器とかもらうと、次のセッションから怖くなるからね(笑) ・・・しまった。「お母様の愛が欲しい」って言えばよかった(笑)

ヒンメル  さて、これで全員の願いはかなえたな。では、さらばじゃ。

イングリッド  ちょっと!(笑) まだ、ヴァイオラの話を聞いてないわよ。

ヒンメル  ちっ。しょうがないのう。おぬしの姉、ヴァイオラのことを知りたければ、火竜山の研究所へ行くといい。

イングリッド  火竜山の研究所? そこって、私たちが逃げてきた場所じゃない。ヴァイオラがそこにいるの?

ヒンメル  行ってみれば分かる。そうそう(ヒスミに)おぬしの母、イーリスも生きておるぞ。そこに行けばその話も聞けるじゃろう。

イングリッド  イーリス?

ヒスミ  え? お母様って、イーリスって名前だったの?

イングリッド  驚くのはそこ?(笑)

ユズキ  僕も初めて知りました(笑)

GM  そりゃそうだ。初めて言ったからな。

イングリッド  私たちにナンバー以外の名前付けてくれた人もイーリスって名前だけど、ひょっとして同じ人?

ヒンメル  さて?

イングリッド  それも研究所に行けば分かるわけね。ヒスミは、お母さんに会いたいとは思わないの?

ヒスミ  うーん・・・物心ついたときから、お母様いなかったからなぁ。生きてるって言われても実感がないなぁ。組のみんなが家族だったから全然寂しくなかったし・・・

ユズキ  お嬢、今の言葉、組のみんなが聞いたら、泣いて喜んでくれますよ(思わず涙)

ヒンメル  ほほほ。イーリスも哀れじゃのう。

ヒスミ  でも、イングリッドさんはそこに行くつもりなのですよね?

イングリッド  もちろんよ。正直、あなたたちに協力していたのもヴァイオラたちの情報が欲しかったってこともあったから。

ユズキ  うちは広域の裏タマットですからね。

ヒスミ  でしたら、私たちも一緒に行きますよ。今までイングリッドさんには何度も助けてもらってますし、恩は返さなければなりません。

イングリッド  手伝ってくれるの?

ヒスミ  はい!

ユズキ  渡世の仁義です。

ヒンメル  他に、何か聞きたいことでもあれば答えられる範囲で答えてやるぞ。

ユズキ  あ、そうだ。アートマを彫る針のありかとか、分かりませんか?

ヒンメル  これのことか?

GM  ヒンメルが針箱のようなものを開けると、その中には装飾された金の針が何十本と入っている。

イングリッド  全部本物?

ヒンメル  何を持って本物とするかはしらんが、オリジナルの7本を模してわらわが作ったものじゃ。効果はオリジナルとまったく変わらんぞ。

イングリッド  なるほど。森が封印していたってのがオリジナルの針ね。お母様ならそこいらの天才魔術師が開発したもの程度コピーするのは容易いわ(笑)

ユズキ  よろしければ、6本譲っていただけませんか? その針を探さなければ故郷に帰れない人がいるのです。

ヒンメル  いいじゃろう。持って行くがいい。

ユズキ  ありがとうございます。あとで、ウィルさんに届けてあげないと。

GM  それって、ウィルの使命の根本的解決になってないんじゃ(笑)

ユズキ  くだらない使命で家族を縛る方がよほど罪です。7本針を封印すれば危険がなくなると思い込んでいるような自己満足どもは、偽者封印して悦に入っててもらえばいいんですよ。実際針はここにたくさんありますし、銀龍姫も持っているのですから。

イングリッド  確かにね(笑)

ヒンメル  さて、わらわは帰らせてもらうとするかな。まだ<梟の爪>の残党狩りもせねばならぬし。

ユズキ  徹底的にお願いしますね。

ティリン  やっと帰れるよぉ。

クリークス  腕が疲れた・・・

GM  等等言いながら、ヒンメルファミリーは《集団瞬間移動》でお帰りになられました。

イングリッド  じゃあ、私たちも帰りましょうか。今日は本当に疲れたわ・・・

ユズキ  組のものをここに呼びましょう。家捜しすれば、<朝焼けの梟>に関する新たな情報が手に入るかもしれません。

 

 一行は<風龍会>本部へ帰還し、事の顛末をゴウケンに知らせる。

 

ゴウケン  いやいや。外国人組織の怖いところは、怖いもの知らずというところだな。まさか、あのヒンメルに手を出すとはな。

ヒスミ  お父様、ヒンメルさんのこと知ってるの?

ゴウケン  面識は無いが、裏の世界じゃ有名人だよ。

GM  イーリスのことは話さないの?

ヒスミ  本当に生きているのかどうか確認したわけじゃないので、下手に教えてぬか喜びさせたくないです。

GM  なるほどね。

ヒスミ  それと、お父様。イングリッドさんがお姉さんを探す旅に、私たちも協力したいのです。

ゴウケン  なぜ、そこまでする必要がある?

ヒスミ  渡世の仁義です。

ゴウケン  行って来るがよい(即答)

一同  (笑)

ゴウケン  ユズキよ、あの時に渡した霊薬、まだしっかり持っておるだろうな?

ユズキ  もちろんです。

ゴウケン  では、ヒスミを頼んだぞ。

ユズキ  まかせてください!

 

 そして、<梟の爪>本部跡を<風龍会>が探索したところ、幽閉されていたドン・ラブン・ローマとその息子2人が発見された。

 

ユズキ  信用も組織力も下がっていますし、これで<表裏のコイン>は我々に頭が上がらないはずです(ニヤリ)

ヒスミ  <梟>の活動資金もたくさんもらっちゃいましたしねー。

ユズキ  もはや、この街に<風龍会>の敵は無い!

イングリッド  油断してると、外来組織に痛い目に会わせられるわよ(苦笑)

 

 <梟の嘴>に続き、なし崩し的に壊滅させられた<梟の爪>

 そして、出てきたと思ったら殺された<梟の爪>首領ギーレン・ローマ。

 <風龍会>はかつてないほどの力を手に入れた。

 しかし、フュージョンの刺青を奪って消えた銀龍姫にギーレンの言う「声」。

 厄介な敵と正体不明の存在がまだ残っている中、一行は新たな目的のために旅支度を始める。

 

ヒンメル  ほほほ。チンチロリン勝負は残念じゃったなエリィ。

エリィ  ヒンメル先生ぇ! あいつらずるしたんです! 私が勝ってたんですよぉ! えぐえぐ。

ヒンメル  まあ、そう泣くな。約束ほどの長さではないが、ウィズに会わせてやろう。

エリィ  本当ですか!?

ヒンメル  うむ。30秒だけな。

一同  (笑)

エリィ  ひどいぃぃぃぃ! 30分ならまだしも、30秒なんてぇ! ・・・・・・それもこれも、あの眼鏡の女のせいだ。・・・眼鏡の女が嫌いって、癖に付けておこう。

イングリッド  これからは夜道にも気をつけようかしら(苦笑)

 

次回へ続く

*1:しつこいようですが、刺しに弱いチェインメイルは第3版のルールです

*2:第3版の頃は、炎の息や目から怪光線といった特殊攻撃に余分にCPを払い「瞬間」という増強を行うことで、1ターンに特殊攻撃+通常行動の二回行動を行えた。第4版では特殊攻撃も通常行動の一種に統合され、二回以上攻撃するには攻撃回数増加という特徴をとるという形になった。