黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第13話【いつか帰るべき場所へ】

【西南西に進路を取れ!】

ディック  さて、ワイらが経験したことが夢や幻でないなら、101日後に大破壊とやらが訪れるわけやが・・・。

リネール  ただの夢ならば良かったのですがね。念のため、私が「夢見」を行ってみますが?

GM  ふむ。じゃあ君はトリップした意識の中で、天を覆う青い蝶、それに襲われる人々。そして荒野と化した大地を見る。また、黒い球体のようなものに吸い込まれていく青い蝶。大破壊を回避した世界だろうか、双子が元気に遊んでいる姿も見る。君は「大破壊の恐怖」へ宿命を払ってくれ(笑)。

ルミノール  それはゲームが違います(笑)。

リネール  ネタは置いておいて、放っておけば大破壊が来る可能性があることは確かのようですね。

リューリック  ガヤン神殿に、大破壊のことを報告して、協力を求めることはできませんかね。

ジェイル  どうやって報告するつもりだ?「半年後ルナルは滅びます」ってか?

ディック  公の機関への報告は止めといたほうがええな。下手すりゃアルリアナの精神病院送りや。

GM  (上手く立ち回ればそうでもないがね。)

リネール  協力者はこちらで厳選するべきですね。下手なところの情報が漏れて、パニックが起こったり、大破壊を助長するような連中が出るような事態は防がねばなりません。

ディック  協力者に関しては、ワイに一人心当たりがあるで、その方に会うために、ワイはしばらく留守にさせてもらうわ。

ジェイル  誰に会いに行く気だ?

ディック  スマンが約束でな。その方の居場所は、人に教えてはあかんのや。

リネール  私はメイアさんを探すために、<輝く拳団>本部へ行ってみようと思います。会うことさえできれば、未来のメイアさんの手紙もあるので協力を求めることはできるでしょう。

リューリック  場所は分かるのか?

GM  <輝く拳>団は公然の秘密結社だから、知っている人は多いよ(笑)。

ジェイル  俺は・・・そうだな。ヒンメルについて調べるために、<魔道都市>マリクに行ってみる。

ルミノール  私は何をしましょうか?

ディック  やることないんやったら、スマンがこの町にとどまって情報伝達係を務めとくれ。しばらくは、各々独自の判断で動くことになるやろうで。

ルミノール  分かりました。

リューリック  では、私は・・・

リネール  リューリックは家にいてください。

リューリック  いや、でも・・・

ルミノール  子どもが生まれたばかりなのですよ。これ以上ふらついていたら、家主やリアナさんから何言われるか分かりませんよ(笑)。

ジェイル  それに、お前の役目は情報収集じゃない。

リューリック  ・・・分かりました。その好意に甘えさせてもらいます。

ディック  その変わり、戦いのときは役に立ってもらうで。

リューリック  任せてください。

ディック  それでGM。坑道の町リフにおった伯爵はんの新しい住居まで、何日くらいかかるん?

GM  ああ、なるほど。君がゲペルニッチ伯爵(セッション3に登場)に紹介した物件だな。1巡りに一度の定期船が出ている<傭兵都市>オグマまで、西南西に歩いて30日。乗り合い馬車を上手く乗り継いでも20日以上はかかる。

ディック  乗り合い馬車が見つからんかったり、定期船にタイミングよく乗れんでも、そこはミュルーンの健脚と飛行能力の見せ所や。ワイは水上に浮くこともできるしな。

GM  ふむ。ならば、ほぼ20日で行けるだろう。往復で40日か。

ディック  ほな、今のところ一番時間がかかるやろうワイが帰ってくる40日後に、一旦この街のカーナー家に集合ちゅうことで、解散。

一同  了解!

GM  しかし、見事にバラけたな。

リネール  大破壊の情報を持っているのは私たちだけですからね。下手な情報を流さない限り、襲撃される心配もないでしょう。

GM  たしかにそうだ。んじゃ、6日もあれば行き来できるマリクヘ向かったジェイルから処理だ。

ジェイル  分かった。できれば裏ルートから情報を入手したいな。

GM  裏ルートに話をつけることは可能だ。で、どんな情報が欲しいんだ? 今の君なら、裏の裏、闇ルートまで潜り込むことができるが?

リューリック  邪術師だからな(笑)。

ジェイル  (考えて)いや、闇ルートは怖いからやめておこう(笑)。

GM  あ、そう。(貴重な情報が手に入るのに。)

ジェイル  聞きたいことは、ヒンメルが研究していることと、ヒンメルという人物自身についてだ。

GM  (ずいぶんと漠然としてるな。)んじゃ、マリクにある裏タマットだ。

情報屋  何を調べているかは知らんが、悪いことは言わん、止めておけ。

ジェイル  あの女が危険なことは知っている。だが、こっちはどうしても知らなければならないんでな。

情報屋  いいだろう。ただし、高くつくぜ。

ジェイル  分かった。

 

 ここでジェイルが手に入れた情報で実があったことは、彼女は数十年に一度、自身の特殊能力を使って大量殺戮を行っていることと、同じく数十年に一度、西ネクロス島中部の中央砂漠に出向いているということであった。しかし、何故大量殺戮を行うのか、中央砂漠に何をしに行っているのかは、分からないとのこと。また、ヒンメルがそこに行っているかどうかは分からないが参考までにと、砂漠には黒の月の神殿があるという情報も教えてもらう。

 一方、メイアを探して<輝く拳>団本部に向かったリネールは・・・

 

GM  <中継都市>ジョルジュから歩いて二日。森の中に開けた場所があり、巨大な滝から流れる水が小さな湖を作っている場所に出る。その池の周りで太極拳に似た健康体操をしているお年寄りや、組み手をしている兄ちゃんたちがいる。滝の上からは気合の入った掛け声なんかも聞こえてくる。

リネール  メイアさんか黒服たちを探してみましょう。

GM  黒服たちならたくさんいる。あれは別にメイア親衛隊の服装というわけじゃなく、<輝く拳>団の正装だから(笑)。

リューリック  嫌な組織だ(笑)。

GM  一応、拳につけた太陽の紋章と黒い服には、闇を切り裂く、輝く太陽の拳って意味があるんだけどね。

リネール  だったら、誰でもいいので適当な人に声をかけ、メイアという人を知らないか尋ねましょう。

輝く拳団  (反応判定の結果は「良い」)メイアさんでしたら、たまに四拳聖のグラハム氏と手合わせをしにここに来ますね。

GM  四拳聖ってのは、輝く拳団の4人の幹部たちね。ちなみにDストライカーも四拳聖の一人。

リネール  まあ、強い奴=偉いっていう組織みたいですからね。で、なんとかメイアさんに会うことはできませんか?

輝く拳団  うーん・・・来られるのは不定期ですからねぇ・・・待つしかないと思いますよ。最近は頻繁に来られますから、30日も待てば現れるでしょう。

リネール  しょうがないから待ちましょう。

GM  んじゃ、お年寄りたちと健康体操をしながら待つこと三日、森のほうから漆黒の少女が姿をあらわす。

リネール  思ったより早かったですね。声をかけ・・・

GM  ようとしても、無視される。で、彼女は滝の近くにある洞穴に入る。すると、その洞穴を守るように三人の黒服が道を塞ぐ。

リネール  (黒服に)あの~、通していただけます?

黒服  ・・・・・・。

リネール  無視して通りましょう。

GM  すると、肩をつかまれて阻止される。

黒服  メイア様は湯浴みの最中だ。何人たりとも中に入れるわけにはいかない。

リネール  湯浴みの様子を想像すると、のぞきたいという気持ちが湧かなくもないですが、止めておきましょう(笑)。

黒服  我々だって覗きたい。覗きたいのだっ! だがしかし、過去メイア様の湯浴みを覗こうとして生きて帰った者はいない。

リネール  馬鹿かこいつら(笑)。

リューリック  しかし、覗いた者の死に顔は幸せそうだったりするんだろうな(笑)。

GM  いや。過去発見された死体は、原形を留めない位の状態になっているので、表情は分からない(笑)。それに、覗きに行ったまま、行方知れずの者のほうが多い。

リネール  そんな話は置いておいて、メイアさんが出てくるのを待ちましょう。

GM  しばらくすると黒服たちが道を開けるので、そろそろ出てくるのだろうな~と想像できる。実際、湯上り美人な様相のメイアが出てくるね。濡れた黒髪が色っぽい。

リネール  それは・・・かなりそそられるものがありますね(笑)。

遠くのリューリック  髪の長い人ってのは働かない人ですよ。

リネール  それで?

遠くのリューリック  ・・・いえ、何でもないです。

リネール  どきどきしながら、メイアさんに声をかけましょう。

メイア  ・・・・・・(無視)。

リネール  しょうがありません。前に回りこんで、未来のメイアさんからもらった手紙を見せましょう。

GM  一瞬、メイアの目が手紙のほうを向いたかと思うと、いきなり胸座をつかまれ、さっきの洞穴の方に向かって投げ飛ばされる。

リネール  うわ!?

GM  君が立ち上がろうとすると、メイアはすぐに君の首を右手で絞め、壁に押さえつける。左手には手紙が握られている。

メイア  貴様・・・このことをどこで知った?

リネール  信じられないかもしれませんが、未来のあなたからもらった手紙なのです!メイアさんに、未来で経験したことを全て話しますよ。

メイア  ・・・なるほど・・・。

GM  漆黒の少女は、君の首を絞めていた手を離す。

リネール  (首を押さえて)ケホッケホッ。それで、大破壊を事前に防ぐため、あなたに協力してもらいたいのです。

メイア  ・・・我には関係のないことだ。

リネール  ヒンメルさんも死ぬかもしれないのですよ。

メイア  ・・・・・・。

リネール  少なくとも、大破壊が起こった世界にヒンメルさんはいませんでした。青い蝶が消えてしまっていたということは、ヒンメルさんも消えたということなのかもしれないと、未来のあなたも言っていました。しかし、大破壊さえ回避すれば、あなたの姉が消えてしまうこともないはずです。

メイア  ・・・姉上を救うのであるならば協力しよう。

リネール  それで充分です。ヒンメルさんの無事が、そのまま大破壊の回避につながるわけですから。

メイア  ・・・いいだろう。それで、我は何をすればよい?

リネール  まずは、月光蝶の性質について教えてください。

メイア  知らん。

リネール  ・・・・・・。

メイア  ・・・・・・。

リネール  では、ヒンメルさんは何故、月光蝶を使い大量殺戮を行うのかを・・・。

メイア  知らん。

リネール  ・・・・・・。では、大破壊当日の護衛をお願いします。

遠くのリューリック  相変わらず脳筋ですね。

GM 彼女の知力は君の倍あるぞ。物知りであることと、頭の良し悪しは別だからね。

遠くのリューリック  まあ、運動バカは全て直感だけでものを考えられますからね。

リネール  それは世界中のスポーツマンに対する侮辱だぞ。お前がバカだからって僻むな。

GM 話し戻すぞ。

メイア  日が近くなったら迎えに来い。その日まではこの地に滞在することにする。

リネール  ええ。よろしくお願いします。洞穴を出・・・。

GM  たところで、君は大きな手で胸倉をつかまれ、持ち上げられる。つかんでいるのは、つんつん髪の大男。

リネール  こいつが噂のDストライカー!?

D  テメェ・・・メイア様に何を見せやがった!?あの方があんなに取り乱した姿ははじめて見たぜ。

リネール  わ・・・私も知らないのです!ただ、知人にメイアさんに話を聞いてもらうにはあの手紙を見せるようにって・・・

D  本当か?

リネール  本当です!

D  ・・・ならばいい。メイア様の弱みを握って脅迫しようとか思っているのじゃないようだ。

リネール  (ボソッと)そんなことをしたら、私は今ごろ月に逝っていますよ(苦笑)。 

 

 そんなことがありながらも、一旦ジョルジュへ戻るリネール。メイアから様々な情報を引き出せると期待していたようだが、結果は先の会話の通り。仕方がなく一足先に戻ってきていたジェイルや、留守番のルミノールと今後の方針を相談する。

 

ルミノール  未来で聞いた話ですと、中央砂漠から黒の月に向かって青い光が放たれたのが大破壊の始まりでしたね。

ジェイル  そして、ヒンメルは十数年に何度か中央砂漠へ出向いているらしい。

リネール  そして大破壊の原因は青い蝶。・・・話がつながったのはいいですが、具体的な回避手段はさっぱりですね(苦笑)。

GM  苦笑するのはかまわんが、大破壊まであと93日だ。

リネール  急がば回れという言葉もありますからね。基本に戻って、月光蝶について調べてみることにしましょう。話によれば、テック・マーレンと戦ったそうですから、伝承くらいは残っているでしょう。

 

 ほかにやるべきことも思い浮かばず、ジョルジュのペローマ図書館で調べ物をはじめる三人。丸一日かけて本を読みふけったところ、次のようなテック・マーレンの叙事詩を見つける。

 

月光蝶伝説】

GM  「その者もつは蝶の羽 蒼き翅持つ<悪魔>の子 母のはらわた食い破り 世に出て破滅を撒き散らす 迎え撃つのは赤き騎士 神より受けし赤き槍 (中略) <悪魔>の半身砕けるも 倒すに至らず封印す」だと。中略の部分には、月光蝶とテックの戦いが長々と記されていると思いねぇ。記述によると、蝶一匹一匹が<悪魔>で、本体に傷を負わせても飛び交う蝶が無事なら傷は蘇生していくとのこと。

ジェイル  つまり、全ての蝶を倒さないと、月光蝶を倒したことにはならないわけか。

リネール  しかし、「母のはらわた食い破り」・・・って、まさか受肉した<悪魔>か?

ルミノール  受肉

GM  大抵の場合、<悪魔>この地に現れるときは、仮の肉体しか得ておらず、本来の力は発揮できない。しかし、その状態の<悪魔>から生まれた子は本当の肉体を得ており、真の力を発揮できる。15年前、五王国に現れた黄金の姫は受肉した<悪魔>騎士で、半覚醒でもグラダス半島ぐらいは吹き飛ばす力があったらしい。

リネール  最悪の場合具現化したところを倒そうとか考えていましたが、相手が悪すぎますね。

ジェイル  ならばどうする?

リネール  当てはあります。もう一度<輝く拳>団の本部に行って来ますので、留守はよろしくお願いします。

ジェイル  じゃあ俺は、その間に月光蝶の弱点でもないか調べておきましょう。

GM  <悪魔>の書物を調べる時は、取り込まれないように注意した方がいいぜ。特に君は、<悪魔>に非常に近い位置にいるからな。

ジェイル  う・・・。だがまあ、本を調べた程度で<悪魔>化はしまい。

GM?  (それはどうかな、ククク・・・。)月光蝶の弱点を教えて欲しいか?

ジェイル  ? もちろんだ。

GM?  (これで1回目)じゃあ教えてやる。月光蝶に弱点はない。半身を砕くことができたのも、テック・マーレンが持っていたのが双子の神の加護を受けた武器だったからだ。

ジェイル  封印が解かれないようにするしかないようだな。まあ、ディックとリネールのあてとやらに期待するか。

GM  じゃあ、再び<輝く拳>本部に来たリネールだ。

リネール  メイアさんを探しましょう。

GM  広場でドワーフのじいさんと手合わせしているから、探すまでもないよ。

リネール  じゃあ、終わるまで待ちましょう。

GM  ドワーフのじいさんはかなりのつわものだ。君では目で追うのがやっとな鋭く重いパンチのラッシュをかけるが、メイアはそれをことごとく避ける。

リネール  「受け」るじゃなくて「避け」ているのですか?

GM  うん。んで、ドワーフの一瞬の隙をついて、軽い一撃を放ったかと思うと、屈強そうなドワーフが倒れる。メイアはその場から立ち去ろうとするが、君に気付く。

リネール  メイアさん、話したいことがあります。

メイア  ・・・・・・。

GM  無言だが立ち去る気配がないから、話を聞く気はあるのだろう。

リネール  できれば人気がないところがいいのですが・・・。

GM  メイアは何も言わず歩き出す。

リネール  ついて行きましょう。

GM  じゃあ、例の洞穴の中に入る。すぐ後について入ったのなら、黒服に止められることもない。メイアは手近な石に腰掛けて、君のほうを向く。

リネール  では、私が森を出なければならなくなった原因の小瓶を取り出しましょう。この中に入っている<悪魔>を倒して欲しいのです。

この場にいない一同  !?

リネール  このビンは、私の罪そのもの。本来ならば私が倒さなければ・・・

メイア  貴様の過去に興味はない。

リネール  分かりました。入っているのは<獣の悪魔>ですから、あなたの敵ではないでしょう。封印の札を外します。

GM  すると中から唸り声のようなものが上がり、ビンの口から不定形な「何か」が現れる。それは徐々に形をとり、2メルー強の黒いの人型甲殻類。右手にハンマーのような巨大な鋏、左手に切れ味よさそうな小さな鋏を持つ<獣の悪魔>だ。メイアはそれに近づいて行ったかと思うと、いきなり踏み込みから強烈な突きを放つ。その突きは、<悪魔>の腹部を突くが、効いた様子はない。しかし、メイアは<悪魔>など眼中にないかのように後ろを振り向く。

メイア  ・・・・・・。

GM  メイアの突きが入った場所から、<悪魔>の全身にヒビが広がり、砕ける。

リネール  な・・・何が起こったのですか?

GM  ルール的には<強打>による攻撃力上昇+<砕打>による弱点サーチ+弱点(重要器官)を狙った<秘孔>だ。よく見ると、メイアが踏み込んだ足元には、露出した岩面にもかかわらず、はっきりと足跡ととれるものが残っているね。

リネール  相変わらず無茶苦茶な強さですね。しかし、助かりました。これで月光蝶を封じることができるかもしれません。

GM  メイアは君に一瞥をくれた後、無言で立ち去る。

 

 そのころディックは、ゲペルニッチ伯爵の住む洋館に辿り着いていた。 

 

GM  シュータージェイク島は、西ネクロス島の最西端にある小さな島だ。

留守番ジェイル  確か、未来世界で「ずっと西にある緑豊かな島」ってのがあったな。ここのことか?

ディック  ありえん話やないな。まあ、今となっては確かめようもないが・・・

GM  シュータージェイク島に唯一ある村で聞いた話によると、洋館に新しい主が住み着いてからは、ぼろくて邪悪な雰囲気が漂っていた洋館は、見違えたように綺麗になり、常に洋館上空にあった暗雲も払われたとのこと。もっとも、人気の無い丘の上にあるので夜に来ればそれなりに不気味だろうがね。

ディック  ・・・あの伯爵はん、本当にヴァンパイアかいな。何でわざわざ苦手な太陽を見やすいようにするんかね?

留守番ルミノール  太陽が大丈夫になるような呪文でも編み出したのではないですかね?

ディック  洋館の地下にでもこもっとるんかも知れんがな。なんにせよ、行ってみるで。

GM  正門には鍵はかかっていない。しかし、大きなノッカーのある本館入口の扉は開かない。

ディック  ノッカーを叩いてみるで。伯爵はん、以前この物件を紹介したディック言うもんやけど、開けてもらえんか?

GM  すると、大きな音を立てて扉が開く。時間が時間なら気味の悪い光景だろうが、今は太陽の光がさんさんと降り注ぎ、小鳥の囀る真昼間(笑)。で、扉の向こうには異常に色白なメイドが一人。

メイド  (頭を下げて)ようこそいらっしゃいましたディック様。ご主人様がお待ちです。私の後について来てください。

GM  メイドは館の奥へと歩き出す。

ディック  ついて行くで。

GM  中庭には太陽の光が降り注ぎ、窓から外を見ると明るい光が見えるというのに、妙に薄暗い館の廊下をメイドは進む。何度か角を曲がったところにあるドアの前で、足を止めるね。

メイド  私はこれより先に入ることを許可されていないゆえ、この先の案内はできませんが、このドアの向こうに、地下へと通じる階段があります。そこを降りて、さらに地下にご主人様はいらっしゃいます。

ディック  あんがとさん。これ、とっといてぇな(チップを渡そうとする)。

GM  一瞬目を離した隙に、メイドの姿は消えてしまった。

ディック  ・・・むぅ。外見の様子はともかく、やっぱお化け屋敷なんやな。しゃない。先に進むで。

GM  階段を下り、説明書付きの上下に動く機械仕掛けの箱・・・要するにエレベーターに乗りさらに地下へと行く。

ディック  すごい技術やな・・・。

GM  ま、前キャンペーンで使った、いろいろいわく付きの建物だからね(笑)。エレベーターから降りると、そこは広間になっていて、赤い絨毯が敷かれている。その絨毯の先は登り階段になっており、頂上には玉座に座った一人の美丈夫が。

ディック  これは伯爵はん、ご機嫌麗しゅう。

ゲペルニッチ  ディックだったな。確か館を紹介してもらったとき、ここの場所は忘れるという契約をしたと思うのだが?

ディック  ヘェ、それがやむを得ぬ事情がありまして・・・。大破壊のことで、今ワイが知っとること、全てを話すで。

ゲペルニッチ  ほう・・・。あの娘、まだあのような危険なものを抱え込んでいるのか。

ディック  おや、知り合いでっか?

ゲペルニッチ  昔少しな・・・。それで、私にその大破壊を止める手伝いをして欲しいというのかね?

ディック  へぇ、その通りです。

ゲペルニッチ  契約により私が直接動くことはできんが、役に立つものを渡そう。

GM  ゲペルニッチが指を鳴らすと、半透明の幽霊みたいな奴が壷を持ってくる。

ゲペルニッチ  これは以前、ある強力な邪術師を封印していた壷だ。その邪術師は、引越しの際の手違いで世に放ってしまったが、封印の効力は健在。使い方は、その<悪魔>の真の名を呼べばよい。

 

 ちなみに、手違いで世に放たれた邪術師とは<猫耳>のフィーのことですが、PCたちがそれを知る術はありません。

 

ディック  ほな、遠慮なくいただきます。それで、月光蝶の真の名は分かりまへんか?

ゲペルニッチ  残念だが、それは知らん。ああ、それと、これを持って行け(指を鳴らす)。

GM  ゲペルニッチの背後から、人間ほどの大きさの、鉄製大蝙蝠が現れる。

ゲペルニッチ  それは私が開発した魔法生物。金属の鎧と融合し、防御効果を高め飛行能力を与えることができる。

ディック  そんな貴重なもんもらってええんでっか?

ゲペルニッチ  試作品なのでな。こちらも性能のテストをしたいのだよ。ただし、長時間こいつと融合した鎧を着ていると危険だ、気をつけたまえ。それと、乗っていけば歩くより速い。帰りにはそれを使うといいだろう。

ディック  なるほど。ほな、いただいて行きますわ。

ゲペルニッチ  では、これにて謁見を終了する。

GM  空間が歪んだかと思うと、君はガランとした地下室に立っている。君の側には鉄の大蝙蝠と、壷があるね。

ディック  ほな、蝙蝠に乗って帰りまっか。

 

【それぞれの決意】

GM  ディックが戻るまで、後15日はかかる。その間何かやっておきたい人は?

リューリック  私は、一度実家に戻りたいのですが?

GM  君の実家はシューターベック島だったな。定期便や乗り合い馬車に乗って、往復20日くらいか。

リューリック  だいたい、最初の予定でディックさんが帰ってくる時間と同じくらいになりますね。

移動中ディック  早く帰ってこれるという連絡する手段はないからのう・・・。

ルミノール  両親に子どもを見せに行くのですか?

リューリック  いえ、それは大破壊を回避した後にします。ただ、結婚してから一度も里帰りしていませんでしたからね。

ジェイル  ろくに家にもいなかった気もするがな(笑)。

GM  では、君が一度実家に顔を出してくると言うと、カーナー家の家主が君に言う。

家主  リューリック。最近の君はなにやら切羽詰ったような雰囲気を受ける。何かあったのかね?

リューリック  はい。詳しく言うことはできませんが、半年後に起こることで、どうしても失敗できないことがあるのです。

家主  わかった。詳しくは聞かない。だが、子どもたちを父親がいない子にすることだけは止めてくれよ。

リューリック  分かっています。リアナを悲しませるような結果に終わらせる気はありませんから。

家主  ならばよい。全力を尽くすのだぞ。

リューリック  はい!

 

 その翌日、リューリックは、一人離れ小島にある実家へと向かった。

 

GM  では、ディックが来るまでの10日、何かしたいことは?

リネール  <魔道都市>マリクに行って、<悪魔>を封印するような品物が無いか探しましょう。

ジェイル  そういうことなら、俺も手伝おう。

リネール  帰ってくるのは、やっぱりディックさんとの約束の日になるんでしょうね(笑)。

ルミノール  こちらからでは、ディックさんの様子は分かりませんからねぇ(笑)。

GM  じゃあ、まず先に実家に帰ったリューリックから処理しよう。ジョルジュを出て10日、君は懐かしの故郷の町に立っていた。

リューリック  成人と共に、ジョルジュのガヤンに入りましたから、帰ってくるのは3年ぶりになりますね。

GM  アンダーソン家は、この町の名家だ。道行く人々が君に声をかける。

町人A  おお、アンダーソンさんとこの、リューリック君じゃないかい。

町人B  ばっかだねえあんた。あそこの子は結婚したそうじゃないか。

町人C  そうかそうか、婿養子は大変だろうなぁ・・・。

リューリック  歓迎された結婚でしたから、それほどでもないですがね(笑)。挨拶もそこそこに、実家に向かいます。

GM  君の実家のまえでは、10歳そこそこの少年が庭はきをしている。

リューリック  見覚えは?

GM  君が知っている頃からはずいぶん大きくなったが、アンダーソン家の執事、ギーズ・フィッツマイヤー氏の息子ティース君だろう。ティースは君を見つけると、すぐに君だと分かったようだ。

ティース  (頭を下げて)これはリューリック様。お帰りなさいませ。

リューリック  ああ、ただいま。

ティース  さあ、どうぞ上がってください。リューリック様のお部屋は、昔のとおり残っております。

リューリック  それよりも、父さんに会いたいのですが、今はどこに?

ティース  旦那様でしたら、書斎におられます。

リューリック  じゃあ、書斎に向かいましょう。

GM  書斎には君の父親、リューク・アンダーソン氏がいる。突然の君の里帰りに驚いているようだ。

リューク  どうしたんだリューリック。急に帰ってきたりして。さては、結婚生活に疲れたか?

リューリック  いえ、そういうわけではないのですが・・・。

リューク  ・・・ふむ。なにやら大きなものを抱え込んでおるようだな。それで、決意を固めるためにここに来た。違うか?

リューリック  ・・・はい。その通りです。

リューク  詳しく話してくれんか?

リューリック  それはできません。ただ、止めなければならない相手がいる・・・それだけです。

リューク  ・・・ついて来い。

GM  リュークは書斎を出て、地下室に君を連れて行く。そして、地下室の奥から、一抱えもある大きな箱を持ってきて、それを開ける。中には、豪華な装飾がなされ、美しい輝きを放つ刀身を持った両手用ソードブレイカーがある。

リューリック  すごい・・・。剣に見惚れます。

リューク  このソードブレイカーは、かつてこの地の海賊たちを統一した男・・・わしらの祖先が使っていたものだ。これを貸してやる。

リューリック  しかし、家を継ぐことをやめた私が持っていくわけには・・・。

リューク  安心せい。アンダーソン家はお前の弟、リュカインが継ぐことになっておる。あ奴もワシも知能派、こんな大剣は持てん。ただし、お前のやるべきことが終わったのならば、お前の手で返すこと。分かったな。

リューリック  ・・・分かりました。

リューク  ならば持っていけ。海賊王の剣、キング・オブ・パイレーツをな。

GM  キング・オブ・パイレーツは、君の手にしっくりとなじむ。

リューリック  ・・・・・・。

 

 その晩、リューリックは家族と一夜を過ごし、翌日帰路へとついた。その間<魔道都市>マリクにて<悪魔>封印のアイテムを探していたリネール&ジェイルだが、そんな都合の良いアイテムがそうそう転がっているはずも無く、無駄な時間を過ごしていた。一足先にジョルジュに到着したディックも、行き違いになることを恐れジョルジュで待機。槍を新調するなど、装備を整える。そして10日後、大破壊まで後61日というところで一行は集合する。

リネール  まずいですね。半分近くが過ぎたというのに、調査に進展がありません。

ルミノール  そういえば、中央砂漠にある黒の月の神殿に行くまで、どれだけ時間がかかるのでしょうかね?

GM  調べれば分かるが、20日はかかる。

ジェイル  ってことは、実質後40日じゃねぇか。

ディック  正直、これ以上情報源になりそうなコネは無いしのう・・・。

リネール  ヤルキーガー神官の親戚で、ヤルキーガー・アルッスとかいないのか?

リューリック  それだったら、デキナイコトハ・ナイッスとかのほうが良いと思うぞ(笑)。

GM  オレニフカノウハ・ナイッスとかね(笑)。

 

 この後しばらくGMも含めた一行は、ナイッス家の一族として、様々な~~・ナイッスを生み出したが、本編には関係が無いのでカット。

 

ディック  それで、真面目な話、今後どうするか何か良い案はないか?

リネール  ・・・ヒンメルに会いにいきます。

一同  は?

リューリック  止めなければならない相手に会って、何をするつもりですか?

リネール  未来のメイアさんの思い違いでなければ、月光蝶の暴走はヒンメルにとっても予想外の出来事だったはずです。ヒンメル本人に大破壊を起こす気が無いのであれば、大破壊の回避には協力してもらえるのではないでしょうか?

ディック  なるほど。

ジェイル  しかし、どう説明するつもりだ?まさか、「未来の世界に飛ばされて、大破壊を見てきました」とでも言う気か?

ルミノール  それで良いと思いますがね(笑)。

リネール  ええ。彼女に一般の常識が通用するとは思えませんから(笑)。

GM  アストリアまでは一巡り3回の馬車が出ている。それに乗れば5日でいけるね。そこから研究所までは、歩いても半日かからない。

リネール  では、研究所に向かいましょう。2巡り後には帰ってきますので。

ジェイル  永久に帰って来れないような事態だけは避けろよ。

リネール  相手が相手ですからね。約束はできません(苦笑)。

GM  じゃあ、リネールはフォーシーズン研究所へ行くとして、他の面子は?

ディック  相談しとくで、先にリネールの方を進めといてくれ。

GM  分かった。では、リネールはフォーシーズン研究所に向かう途中に泊まった町を歩いていると、背後に気配を感じる。

リネール  ・・・クリークスか?

クリークス  ・・・よく分かったな。

リネール  何年君に追いかけられていると思ってるんだ?

クリークス  もう四年になるな。

リネール  クリークス、実は・・・。

クリークス  何も言うな。お前の決意に満ちた目を見れば、今お前が置かれている状況が少しは分かる。だが、忘れるな。お前を捕らえ、裁きの場に突き出すのは私だ。・・・他の誰にも殺されるな。

リネール  約束はできない。そして、もし私が帰ってこなかったら・・・。

クリークス  その先は聞きたくない。生きて帰って来い。そして私に捕まれ。それがお前の罪を清算する方法だ。

リネール  分かった。だが、死線を越えて帰ってきた私を簡単に捕まえられると思うな。

クリークス  それでいい。・・・本当なら、私は今この場で、お前を止めるべきなのかも知れないな。あの時も、お前たちを止めていればひょっとして・・・いや、そんな仮定に意味はないな。

GM  それだけ言うと、クリークスの気配は消える。

リネール  今回ばかりは感謝するよ、クリークス。

 

【悪夢との対談 そして・・・】

GM  では、ジョルジュを発って五日後の夕方ごろ、リネールはフォーシーズン研究所に辿り着いた。

リネール  受付にヒンメルさんの研究室の場所を聞きましょう。

受付  ヒンメル先生は別棟を丸々一つ研究所にしております。東棟へ行ってみてください。

リネール  じゃあ、行ってみましょう。東棟は見つかりますかね?

GM  すぐに見つかるし、中にも入れる。東棟の中はほとんど空洞になっていて、体育館のような建物だ。建物の奥には、ヒンメル第一研究所と書かれた扉があるね。

リネール  ノックしてみましょう。

GM  すると、中からヒンメルの声がする。

ヒンメル  リネールか。入るがよい。

GM  扉は音も無くスライドして開く。

リネール  入りましょう。

GM  扉の奥は、薄暗い空間になっている。何となく水族館を連想するのは、部屋の中央にある透明な筒の中を飛び回っている青い蝶が、部屋そのものを青く照らしているからだろう。

リネール  ・・・・・・帰る。

ヒンメル  待つのじゃ。

GM  いつの間にか、ヒンメルが君の隣りに立っている。

ヒンメル  せっかく遠いところから来た客に、茶も出さず返すのは失礼じゃろう。

リネール  いえ、お構いなく。今日は、聞きたいことと言いたいことがあってここへ来たのです。(ボソッと)お茶を飲んだら何されるか分かったもんじゃない。

ヒンメル  そう焦るな。わらわもお主も時間はたくさんある。茶でも飲んでゆっくり話そうではないか。安心せい。茶には睡眠薬しか入っとらん。

一同  (苦笑)。

リネール  思いっきり危険なものが入ってるだろーが!

ヒンメル  何を言う。睡眠薬は多量に摂取すると危険じゃが、適量ならば眠りを深くし疲れを取るのじゃぞ。

リネール  そういうことを言ってるんじゃなくて!

相談中ジェイル  だめだな。完全にヒンメルのペースにはまってる(苦笑)。

相談中ディック  さすがのリネールはんも、相手が悪かったみたいやな(笑)。

リネール  ・・・・・・頭冷やして出直してくる・・・。研究室から出ます。(ドアを開けようとする)

GM  ガチャガチャ。

リネール  あれ?(力いっぱいドアを引く)

GM  ガチャガチャガチャ。

リネール  鍵ぃ閉めやがったな!

一同  (爆笑)

ヒンメル  ほほほ・・・茶も振舞わぬうちに客に帰られるわけにはいかんからのう。

リネール  分かったよ、飲むよ! 飲めば良いんだろ畜生!

相談中リューリック  お、リネールがキレた(笑)。

相談中ジェイル  ヒンメルの方が何枚も上手だな(笑)。

GM  テーブルに出されたお茶は、色や臭いからして、そこいらで売ってあるものとは格が違うのが分かる。ヒンメルは君の対面に座り、君がお茶を飲もうとするのを楽しそうに見つめている(笑)。

リネール  (少し冷静になって)《幻覚》を使って、飲んだふりをしましょう。

GM  それくらいは予想の内だ。君の《幻覚》と、ヒンメルの《魔法感知》で勝負。

リネール  《幻覚》は達人の域に達しているのですが…ヒンメルのレベルは?

GM 28。基礎魔力*130だし。

リネール ふざけるなって言いたくなるレベルですね(苦笑)。(ころころ)負けました。

ヒンメル  そうまでして飲みたくないのか・・・わらわは悲しいぞ。

GM  一転して悲しそうな顔になるね。目に涙まで浮かべているよ。

一同  (笑)

リネール  分かりました、飲みます。飲みますよ。もうどうにでもなれ!(ティーカップを一気にあおる)

GM  じゃあ生命力に-6で判定。失敗すると、しばらく熟睡するから。

リネール  ・・・全然だめ。

相談中ディック  リネールはん、帰って来れんかもしれんのう(笑)。

リネール  笑い事じゃねぇぇぇぇ!

GM ちなみに、飲まなくても集中不要疲労無しの《誘眠》飛ばしてたから。

相談中ディック ここに来た時点で、リネールはんの運命は決まっておったわけか(笑)。

 

 一方その頃・・・

 

ディック  一つやること思い出したで。ニーチェを探したいんやが?

GM  ニーチェだったら、以前の銀の月の小神が暴れた事件の後、ジョルジュで用心棒稼業を営んでいる。

ディック  ほな、会いに行くで。

ニーチェ  お、ディックはん、どないしたん?

ディック  ニーチェはん、ワイと結婚してくれへんか?

リューリック  うお!? 直球ストレート!

ニーチェ  ええよ(あっさり)。

ディック  ほな、子ども生みに行こか。

ジェイル  早!

リューリック  これから死地に赴くかもしれない人が、子ども作ってどうするのですか!

ディック  心配するこたないで。ミュルーンの子育ては片親だけでするんが普通や。それに、これから死地に赴くことになるかもしれへんから、子孫を残そうとするんやろ。

リューリック  なるほど。

ディック  ちゅーわけで、10日ほど留守にさせてもらうわ。

一同  ・・・・・・。

リューリック  ・・・そういえば、ルミノールさんは家族に会いに行かなくても良いのですか?

ルミノール  もともと、修業して一人前になるまで帰ってくるなと言われていますからね(笑)。まあ、今回のことが無事終わったら、一度帰ってみるのも良いかもしれません。

ジェイル  決戦前にその話題は止めておけ。死ぬぞ(笑)。

ルミノール  そういうジェイルさんは、故郷に帰らなくてよろしいのですか?

ジェイル  今の俺が帰っても、カインの姿してたんじゃ、むこうは俺が誰か分からんだろう。それに、俺に故郷の設定なんてないからな(笑)。

リューリック  それならば仕方がない(笑)。

ルミノール  それで、今後のことですが、今大変なことに気付きました。

ジェイル  なんだ?

ルミノール  今、このパーティにはいつも作戦を立ててくれていたブレイン2人がいません(苦笑)。

リューリック&ジェイル  あ・・・。

GM  (こんな奴らに、この国は危機を救われようとしているのか・・・。)

ディック  あ、そうそう言い忘れたことがあるで戻ってくるわ。あんさんらの方で、月光蝶の真の名前について調べといてほしいんや。

リューリック  それはまた何のため?

ディック  <悪魔>を封印する壷をもろうてな。これを使うには<悪魔>の真の名を言う必要があるんや。あ、それと、町の外に待機しとる鉄蝙蝠を呼ぶで。

ルミノール  おや? なんですかそれは。

ディック  ある方から壷と一緒にもらうたもんでな。鎧に寄生して特殊能力を付与するそうや。そっちで面倒見といてくれ。雨水しのぐ場所に待機させとけばええで。

リューリック  分かりました。家の中に入れておきましょう。

ディック  ほな、真の名のことも頼んだで。

ジェイル  じゃあ、さっそく調べに行くか。

 

 しかし、<悪魔>の真の名前なんぞがそうそう分かるはずもない。ジェイルはまたも<魔道都市>マリクまで足を伸ばすも、分からぬままで10日が過ぎた。果たしてこんなことでルナルを大破壊から救うことができるのか?そして、ヒンメルの目の前で眠ってしまったリネールの運命やいかに!?

 

大破壊発生まであと51日

そして最終決戦へ

*1:知力+魔法の素質+記憶力。ただし公式ルールには無い造語。