黄金の羊亭新館

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第8話【再誕ー前篇ー】

【成長と報告】

GM  では、ゲームをはじめる前に成長報告を。

リネール  私は《幻覚》が21レベルになりました。

ディック  使い勝手が格段に上がったのう*1

ジェイル  《錠前師》と《鍵開け》を覚えたぞ。これで盗賊の真似事も可能だ。

GM  (ほう、今回のシナリオを知っているかのような成長だな。)

ルミノール  《勇気》を覚えました。これで恐怖症の対象に会っても大丈夫です。

 

 他のメンバーも細々と技能を取り、本編が始まる。

 

GM  さて、前回・・・人によっては前々回以上になる*2月光蝶事件からだいたい8巡り。街は徐々に復興し、事件の被害の数字も出た。赤の月の神殿爆破事件から、月光蝶による虐殺までで、街の人間は1000人以上が尊い命を落とした。

ジェイル  1000人・・・実感がないな。

ディック  一人の死は悲劇やが、100人の死は他人事やからな。

リネール  ヒンメルとは、二度と会いたくないですね。

ディック  命と言えば、リューリックはん。そろそろ、子どもが生まれるんちゃうか?

リューリック  おお、そうですね。

ダンテス  待て、子どもとは何のことだ?

リネール  あなたが神殿で缶詰になっている間に、リューリックさんの結婚は終わったのですよ。

ダンテス  な、何!? なんということだ! リューリックをからかう、最大のチャンスを逃してしまうとは・・・

リューリック  あんたが結婚式に来られないで、本当にホッとしたよ(笑)。

GM  子どものことだったよね。たしかに、後半年ほどで生まれる。男か女かは・・・サイコロで決めよう。赤いサイコロの目が大きかったら女の子、青いサイコロの目が大きかったら男の子。6のゾロ目が出た場合のみ双子ってことで。

リューリック  (ころころ)6のゾロ目です(笑)。

ディック  これはもう運命やな(笑)。ルナルの英雄は双子やと決まっとるで。

GM  英雄と言えば、月光蝶事件のことで、シャストア新聞にこんなことが書かれている「哀れ。リューリック・カーナーはミュルーンの傀儡?」。600人の野盗のまえで、ミュルーンに糸で操られている、リューリックのイラスト付き。

一同  (笑)

ディック  むぅ・・・リューリックはんを英雄に仕立て上げようとしたんやが、裏目に出たか。

リューリック  私としては、肩の荷が下りてありがたいですよ。

ルミノール  ところで、今回サクラさんは?

GM  修行の旅に出たまま、行方知れずだ。

ダンテス  彼女は重度の方向音痴だからな(苦笑)。

GM  そんなこんなで、事件の爪痕は街中に残ってはいるが、ぼちぼち平穏な生活が戻ってきたといったところで、君たちに名指しの依頼が来る。

ジェイル  ほう。

GM  <中継都市>から南に歩いて2巡り。<交易の港>アストリアの北東にある、『フォーシーズン研究所』の副所長、ハルという人からだ。依頼内容は直接会って話がしたいとのこと。返信用の手紙になっていて、受けていただけない場合は、手紙を送り返してほしいとのこと。

ディック  以前名指しの依頼んときは騙されたでな(セッション3参照)。今度は裏を取ってから受けるかどうか決めんとな。

GM  裏なら簡単に取れるね。副所長のハルさんは、所長のツェンバー氏の娘らしい。経歴に特別に怪しいところはない。

リネール  真っ白ってことですか?

GM  いや。特に目を引くような、邪悪なことはやっていないと言う意味だ。

ダンテス  美人なのか?

GM  調査によると、かなりの美人。

ダンテス  では悪人ではないですね(笑)。行きましょう。

ジェイル  俺は、この依頼受けてもいいと思うがな。

ディック  そうやな。あまり疑心暗鬼になる必要もないやろ。一応、他に依頼はないか聞いときたいんやが。

GM  漆黒の少女の探索・・・というか、捕まえた者には賞金3000ムーナとか書かれているね。なんでも絡んできた連中の全身の関節を粉々に砕いて、その連中が賞金をかけたらしい。

リネール  そして、彼女を捕まえようとした他の連中も同じ目に合い、賞金の額が増えた・・・と(笑)。

GM  Exactly(そのとおりでございます)。前回の事件の重要参考人でもあるしね。他にも翼人の山賊が・・・

ディック  それは戦力的に却下やな。あの姉ちゃんにはもう関わりたくないし、やっぱり研究所に行こか。

リューリック  では、私は義父と上司に、遠出する許可を得てきます。

ルミノール  妻子持ちの公務員は大変ですねぇ(笑)。

GM  君にも妻はいるだろうが。もっとも、ドワーフの世界は女尊男卑で、君は修業してこいと言われ冒険者やってるんだが。

リネール  ルミノールさん結婚していたのですね。

ルミノール  気楽な単身赴任ですよ(笑)。

ディック  リネールはんにも、追いかけてくる女の子がおるんやろ?

リネール  断じて、あいつとは、そういう関係ではありません。

GM  まあ、その話は置いておいてだ、ヤルキーガー神官は相変わらず「よきに計らえ」で終わるし、カーナー家は「シャストア新聞に書かれた汚名を返上して来い」とのこと。

リューリック  この依頼、達成しないと帰られないかも(笑)。

 

【悪夢の再会または再開】

GM  では、乗り合い馬車に乗って一巡り。件のフォーシーズン研究所に到着する。研究棟は三つあって、依頼主のハルさんは第一研究棟にいるはずだ。

リューリック  では、行ってみましょう。

GM  入口は透明な硬いもので出来ている。分かりやすく言えばガラスだが、この世界では稀なものだね。

ディック  金のかかった研究所やのう。

ジェイル  古代遺跡をそのまま使ったんじゃないのか?

GM  ジェイルくん正解。入口を入ると、広いロビーになっているね。なにやら騒がしいけど。

リューリック  騒がしい?

GM  うん。武装した変なじいさんが、警備員らしき人と問答している。

ディック  禅問答か・・・色即是空

GM  違います(笑)

じいさん  ここの研究所に<悪魔>がいることはわかっとるんじゃ! ワシが退治するから中に入れろ!

警備員  言いがかりも程々にしろ。いくらなんでも<悪魔>がいるなどと、侮辱するにもほどがある!

GM  多勢に無勢。じいさんは研究所の外にほっぽり出される。

ジェイル  今回の依頼は、あのじいさんを倒すことかもな。

リネール  研究所の中に、本当に<悪魔>がいればそちらを退治すべきですね。

GM  そんなことを話していると、ロビーに一人の女性が現れる。肩まである髪を明るいオレンジに染めた、白衣の美女だ。

ダンテス  (すかさず)お嬢さん。今夜私とディナーなどいかがですか?

ハル  くすっ。情報通りの方ですね。依頼が終わりましたら、ディナーでもランチでもお付き合いいたしますわ。

ダンテス  さあみんな、さっさと依頼を終わらせよう(笑)。

ディック  この姉ちゃん、なかなかやるな。

GM  この若さで研究所の副所長だからね。親の七光りだけで、この地位にいるわけじゃない。

ハル  依頼の話をさせていただきますので、応接室へご案内いたしますわ。あ、研究員B、応接室にお茶をお願い。

研究員B  分かりました。

ディック  ビーカーに入ったお茶がでてきたりして(笑)。

GM  ロビーを出ると、廊下が左右に広がっている。ハルさんは、右側に君たちを案内するが、反対側からダンテス先生以外は見知った顔がやってくるね。

ルミノール  誰ですか?

GM  背中が大きく開いた青白いドレス、同色の長い髪は後ろでロールにしている。冷酷そうな笑みをたたえているが、とびきり美しい顔の女性だ。

一同(ダンテス除く) ・・・・・・

リネール  ま・・・まさか・・・

ディック  いや、外見だけや分からんで。よく似た別人かも。

GM  うん。ヒンメルだね。

一同(ダンテス以外)  やっぱりか~!!

リネール  何故こんなところにいる<悪魔>め!(剣を抜く)

ルミノール  リネールさん落ち着いて!

リネール  やばいよ~。剣抜いちまったよ~。殺される~(半泣)。

GM  では、ヒンメルはニコっと笑って・・・

リネール  私から見ると、邪悪な笑みで見つめられたのと変わりありませんよ~。

ヒンメル  ほほほ。わらわを<悪魔>呼ばわりするとは、面白い奴じゃのう。

ハル  ヒンメル先生、お知り合いですか?

ヒンメル  いや、人違いであろう。しかし、あまり良い行動とはいえんぞ。心の狭い奴ならば、名誉毀損でお主を訴えることもある。

ディック  (ボソッと)その外見、その口調で人違いのわけないやろ。

リネール  あんたは、心が広いとでも言うのか!

ヒンメル  さてのう。

ダンテス  おい。誰なんだ?

ディック  それは後で説明するで。ダンディはん。間違ってもこの女を口説こうなんて思うんやないで。

ダンテス  そうはいかん。こんな美人を放っておいては男が廃る。お嬢さん、今夜、私とひと時のアバンチュールなどを楽しんでみてはいかがですか?

ヒンメル  ほほほ。それもいいかもしれんが、わらわも忙しい。また、今度の機会とさせてもらおう。

GM  ヒンメルは君たちが行こうとしていた方向へ向かい、角を曲がる。

リネール  た・・・助かった・・・

ディック  無茶するんやないでリネールはん。もしここであれを使われたら、何が起こるか分かったもんやない。

ハル  あの、ヒンメル先生とはどういったご関係で?

リネール  いえ、以前ちょっとね。それより、何故、彼女を先生と呼ぶのです?

ハル  この研究所のオーナーです。また、ヒンメル先生はあらゆる知識に精通しておられますからね。様々な方面のオブザーバーとして活動しておられますから。

リューリック  何かの目的で、ここに侵入したわけではなさそうですね。

ディック  何か企らんどったにしても、ワイらにはどうしようもないで。

ダンテス  みんな、何を怯えてるんだ? あんな美人が悪いことを企むわけがないだろう(プレイヤーは笑)

リネール  知らない方が幸せなことも、あるものですね。

ジェイル  まったくだ。

 

【研究所は血で染まる】

GM  では君たちは応接室に案内された。どっと疲れている君たちを見て、ハル副所長は心配してるけど?

リネール  いえ、気にしないで、依頼内容を話してください。

ハル  はい。依頼内容は、地下研究施設の調査です。

リューリック  また地下かよ。

ルミノール  私も《勇気》を覚えましたから、大丈夫ですよ。

ディック  地下研究施設には何が?

ハル  父の研究所があります。最近父は、ろくに上に顔も出さず、地下へ篭もりっきりなのです。しかも、何の実験をしているのか分かりません。しかし、父が篭もってからと言うもの、地上の研究所では大型パワーストーンから給与される魔力が断たれることも多くなり、停電や研究の停止、出入り口が開かなくなってしまうこともあるのです。

ディック  せやけど、調査やったらワイらより適任もおるやろ。ワイらを指名した理由はなんや?

ハル  それは・・・

GM  ハルさんは口篭もるね。

リネール  私たちは以前、名指しで依頼してきた相手に騙されたことがあります。依頼内容に秘密や裏があるならば、申し訳ありませんが、この依頼を受けるわけには行きません。

ハル  ・・・分かりました。全てお話します。実は、父が<悪魔>と契約していると言う可能性があるのです。

ディック  そりゃ物騒やな。

ハル  まさか、いくらあの父でもそこまでは・・・と思いたいのですが・・・

リネール  複雑な家庭の事情がありそうですね。

ハル  父は<悪魔>関係の書物を入手していたのです。地階にある廃棄所に、他の父の研究書類と共にあるのを、見つけてしまったのです。

GM  と、言うところで、突如絶叫が響き渡る。恐らく廊下の反対側だね。

リューリック  駆けつけましょう。ハルさんはここで待っていてください。

ダンテス  私もここに残りましょう。

GM  では、絶叫が響いた場所へ駆けつけると、3人の死体があるね。ロビーで騒いでいたじいさんと、それを止めようとしていた警備員だ。じいさんは喉を切り裂かれ、警備員は全身ナイフのようなものでずたずたにされているのと、大型の刃物でバッサリ斬られているのがある。

リネール  首をバッサリって・・・ツウィン兄弟か? 確か、奴等を雇っていたヒンメルがこの研究所にいましたね。

ディック  奴等とは、もう関わり合いになりたくないのう。

ルミノール 「診断」してみますが?

GM  首の傷は、ツウィン兄弟のような鋭利な刃物のものとは明らかに違う。もっと切れ味の悪いものだ。大型の刃物は両手剣だね。

リューリック  わ、私じゃないぞ(首をブルブルと振る)。

ディック  そんなことは分かっとるわい。

リネール  じいさんが研究所への侵入に成功し、二人の警備員がそれを追ってきたところで事件にあった・・・として、犯人はどこへ行った?

GM  君たちが来た方向とは逆に、まだ道は続いてるけどね。あと、気付くことは、周辺の血の量が明らかに少ない。と、そんなことをやっていると、突如研究所内に警報が響き渡り、アナウンスが流れる。

アナウンス 緊急事態発生。これより、主要な扉を通るにはマジックパスカード、またはパスワードが必要になります。繰り返します・・・

ディック  なんちゅ~金のかかっとる研究所や。

GM  <悪魔>戦争時代の遺跡を、そのまま使っているからね。ほとんどが当時からあった機能だ。で、そこいら中から扉が閉まる音が聞こえる。応接室のダンテスさん。ハルさんの顔色が急に変わったかと思うと、部屋を飛び出す。

ダンテス  ハルさんどこへ?

ハル  3階のモニター室へ向かいます。あなたは、ここを動かないで下さい。

ダンテス  しょうがない。従おう。

リューリック  これは・・・閉じ込められましたね。

ルミノール  死体の状況も気になりますが、まずはロビーに行ってみましょう。

GM  ロビーの扉は開く。しかし、入口は分厚い鉄の壁に遮られているね。分かりやすく言えば防火シャッターみたいなものだ。受付と、残り二人の警備員は右往左往している。

ジェイル  そこのお前ら。マジックパスカードを持っていないか?

受付  ランクCパスならありますが、これでは大した場所へは行けません。一般研究員ならBパス、警備主任や副所長でしたら、ランクAパスを持っているはずです。

ディック  Cパスを貸してもらえんやろか?

GM  快く渡してもらえる。

受付  私たちでは、何がどうなっているのかわかりません。トラブル解決のプロにお任せします。

リネール  では、ハルさんのいる応接室へ向かいましょう。

GM  応接室の扉を開けようとすると、声がする。

声  現在この扉を開けるには、ランクB以上のパスが必要です。

リネール  大声で中に呼びかけましょう。ハルさん、内側から扉を開けてください。

ダンテス  ハルさんならもういないぞ。何とかここから出してくれ。

ジェイル  《鍵開け》の呪文で、この扉をこじ開ける。

GM  ランクBパスの扉は、君の魔力と五分の<魔法の鍵>がかかっている。

ジェイル  何度かかければ成功するだろうな。(ころころ)ファンブルしたぞ(笑)。

GM  呪文ファンブル表は、一週間の間使用した呪文を忘れる?

一同  (爆笑)

GM  今回ジェイルが《鍵開け》覚えるって言ったときには、シナリオ短縮できそうだって思ったんだけどな(笑)。

ダンテス  中途半端な期待をさせるな! 早く私をここから出してくれ!

ルミノール  しょうがありません。地道にパスカードを探しましょう。

リネール  研究所の見取り図はないのか?

GM  ロビーにある。応接間の横の階段からは、研究員の私室が並ぶ場所へと向かう。死体がある通路から奥に進めば、研究所が並んでいる場所へ上る階段と、地下へ行く階段があるね。階段に行かないで右に曲がれば警備員室がある。死体の側の部屋は給湯室と、事務室だ。

リネール  まずは手近で行ける場所から行きましょう。

ディック  ほな、給湯室やな。

GM  給湯室に入るのに、パスは必要ない。ここに特に怪しいところはないね。

ディック  ほな、次は事務室やな。

GM  事務室にも人はいない。研究員のものと思われるバッグがあるが、鍵がかかっているね。

リネール  私が「鍵開け」を試みてみます。(ころころ)失敗。

GM  じゃあ、君の技術じゃあ開けられないタイプのものだね。

リューリック  壊すか?

ディック  中に何が入っているか分からんで、まずは放って置こう。行き詰まったら壊せばええ。

ルミノール  次は研究所のある、二階に行きましょう。

GM  すると、研究室の一室から女性の声がする。

リネール  大丈夫ですか? 閉じ込められたのですか?

声  おお、その声は先ほどのエルファではないか。

リネール  ・・・戻ろうか?

ディック  いや、あの姉ちゃんがこの騒ぎの犯人かもしれん。会ってみるべきやな。ワイも正直怖いが。

ヒンメル  鍵は開いておるぞ。中に入るが良い。

リネール  恐る恐るドアを開けます。

GM  薄暗い部屋の中には、西ネクロス島の立体模型のようなものが置かれている。そこの近くにあるイスにヒンメルが腰掛けているね。その隣の壁には、漆黒の少女がもたれかかっている。

ルミノール  月光蝶事件の重要人物が勢ぞろいですね。

リネール  この研究所での異変は、あんたの仕業なのか?

ヒンメル  さて、何のことやら。ただ、わらわがこのような遠まわしな手段を使うと思っておるのか?

リューリック  それはあるな。

ルミノール  では、誰の仕業なのですか?

ヒンメル  それは分からん。

リューリック  パスカードとかは持っていませんか?

ヒンメル  あるぞ。ランクSのパスが。

ジェイル  いきなりショートカットできそうだな。

ディック  せやけど、貸してくれなんていうたら、どんな要求されるか分かったもんやないで。

リューリック  けど、パスがなければ調査は進みませんよ。

ディック  聞くだけ聞いてみるか。ヒンメルはん。そのランクSパス貸してもえらえんやろか?

ヒンメル  部外者にこれを貸すわけにはいかんのう。使いたいのであれば、わらわがお主らに同行するとしよう。

GM  ヒンメルが仲間に加わった。

一同  ・・・・・・。

ルミノール  今一瞬、ドラクエの呪いのテーマが流れたような気がしました。

ディック  まあ、心強い仲間には違いないで。(ボソッと)核爆弾を抱えとるようなもんやがな・・・

リネール  <悪魔>と手を組むことになるなんて・・・

ヒンメル  ほほほ・・・。緊急事態じゃ。<悪魔>だのエルファだの、細かいことを気にしておる場合ではないぞ。

リューリック  正論のようなそうでないような・・・。

 

 一方その頃、ダンテス先生は・・・

 

GM  突如、応接室の扉が開いたと思うと、人が入ってくる。全員女性だ。

ダンテス  ほほう。

GM  一人は金髪縦ロールの少女。美人だけど目つきが悪くて高慢そう。そして、メイド服をきた女性がその隣りにいる。こっちも美人だが、表情が暗いね。そしてもう一人は、君が今まで見た中でも、最も美しい女性だ。

ダンテス  それは素晴らしい!

GM  透き通るような白い体、完璧に整ったボディライン、そしてつぶらな瞳。そう。例えるならば、湖上の白鳥の如し。つーか、白鳥。

ダンテス  ミュルーンですかい!

GM  で、その3人は君たちに気付くね。

美少女  おお、ようやく人がおったわ。まったくどうなっておるのだこの施設は。わらわを呼び出しておいて、このような事故か事件かを起こすとは。

メイド  サンディ様、落ち着いてください。

美少女(以下サンディ)  うるさいぞシェリー。これが落ち着いておられるか。わらわはとっとと帰って、茶が飲みたい。

研究室のディック  プチヒンメルみたいな奴じゃのう。

同じくルミノール  二人を対話させてみたいですね(笑)。

GM  断じて却下する(笑)。

ダンテス  これはこれはお嬢さん。ちょうど良いところに来てくださった。ここにお茶がありますゆえ、どうぞお飲みください。

サンディ  おお、気が利くのう。

ダンテス  貴女を人目見た瞬間から、私は貴女の召使です。

サンディ  ほう。それはいい心がけじゃ。ならば、わらわに仕える証として、これを飲むがいい。

GM  小瓶に入った液体を渡される。

ダンテス  一気に飲みます。

遠くのジェイル  おいおい。

GM  では、ダンテス先生には一時的に「熱狂/サンディ」の特徴がつく。

一同  (笑)。

ダンテス  サンディ様、私は貴女のしもべ。どこへなりともお供いたします。

サンディ  よし。ならば、この研究所の探索に出発じゃ!

ダンテス  はは!

シェリー  待ってくださいサンディ様~。

GM  あっという間の出来事に、ミュルーンのニーチェは反応できなかった。そんな彼女を、ただ見守ることしか出来なかったわけで(北の国から風)。

遠くからリューリック  事態は思ったより深刻かもしれませんね(笑)。

 

【共演または狂演】

GM  じゃあ、話を研究室の連中に戻そう。ヒンメルが君たちに付いて行くことにすると、漆黒の少女は立ち上がり、部屋を出て行く。

リネール  あなたは協力してくれないのですか?

漆黒の少女  ・・・我は群れるのが嫌いだ。

ディック  あかん、この娘精神が破壊されとる(笑)。

ルミノール  懐かしいネタですねぇ(笑)。

リューリック  ネタは置いておいて、これからどうします?

リネール  研究所で何が起きているのか知りたいですね。ヒンメルさん。それを調べるのに、何かいい場所を知りませんか?

ジェイル  おまえ、さっきと態度が違うぞ。

リネール  しょうがないでしょう。怖いんだから。

ヒンメル  三階に、研究所内部を《魔法の目》でモニターしている部屋がある。そこへ行くには、一旦研究員の私室の方へ抜けねばならんがな。

ディック  ほな、そこに向かうで。

ルミノール  (研究所の地図を見て)途中に所長室がありますね。先にこっちに寄りませんか?

ディック  そうやな。

GM  じゃあ、所長室に行くのね。ランクAパスが必要だが、ヒンメルが持っているので簡単に開く。中には4人ほど人がいる。一人は、全身包帯の怪しい男で、両手用ソードブレイカーを背負っているのが特徴。壁を背に立っているね。その隣りにいるのは、クールな顔つきの美女。大鎌を持っているのが特徴だ。

リネール  鎌か。ルナルでは鎌を有効に使う信仰はありませんから、珍しい装備ですね。

GM  農耕神にして死神の異名を持つ、ローデスと言う名の、サリカの協力神の信者ではないかと思われる*3。他の二人は、片目のミュルーンと、美形なシャストアの兄ちゃんだ。シャストアの兄ちゃんは、君たちを見ると話し掛けてくるね。

兄ちゃん  いや~。助かったよ。所長に呼ばれてこの研究所に来てみたのはいいが、所長は部屋にいないは、閉じ込められるはで散々だったぜ。まあ、礼は言っておくぜ。

GM  4人はぞろぞろと部屋を出て行こうとするね。

ディック  ちょい待ち。せめて名前だけでも教えてくれんか?

兄ちゃん  俺はウィリアム。こっちのミュルーンがエッジで、包帯がアーレス。鎌持ったのがイリアだ。あ、そっちは名乗らなくてもいいぜ。覚える気ねぇから。

ジェイル  フン。むかつく野郎だ。

ルミノール  所長室を探索したいのですがね?

GM  うむ。探索するならば、メモと小さな鍵、それに絵画の後ろの隠し金庫が見つかる。

ジェイル  金庫に拾った鍵を使ってみる。

GM  ピッタリ合うね。金庫の奥にはランクSのパスが入っている。

リューリック  いらね~。

ディック  いや、二手に分かれたときのためや。もらっておこう。

ルミノール  メモにはなんて書いてあります?

GM 古代神聖語で、「更なる深き場所へ行くには、知恵と対をなす神の指で数えるべし」。

ディック  今は意味がわからんが、覚えておこう。ほな、モニター室へ行くで。

GM  ヒンメルの案内で、その部屋はすぐに見つかる。中から扉を叩く音と、ハルさんの苦しそうな声がする。

ハル  誰か・・・誰か開けてくだ・・・さい! 化物・・・が!

GM  鋭い嗅覚を持つシグレ(ジェイルの使い魔)なら気付くが、血の臭いがするね。

リューリック  パスを使って急いで開けましょう。

GM  部屋の中はスクリーンみたいなものが四隅に張ってある。本来は白いであろうそのスクリーンは、何かで赤く染まっている。扉が開いたときに、ハルさんは廊下に転がり込む。心臓を押さえていて、肩にも傷を負っているね。

ルミノール  私が呪文で癒しましょう。

リューリック  中に他に何かいませんか?

GM  両手剣を構えた、漆黒の装甲に覆われたゲルーシャがそこにいる。

ディック  漆黒の装甲・・・ガーゼットかいな?

GM  そっくりだね。もっとも、頭部が割れてそこから膿のようなものが滴り出ているが。

ディック  ガーゼットのゾンビかいな。だれや、こんなもん作った奴は。

GM  その問いに答える者はなく、ガーゼットゾンビは不気味な咆哮を上げ、君たちを見つけ襲い掛かってくる。

ディック  理性の欠片もあらへんな。迎え撃つで!

GM  さて、じゃあ一番早いヒンメルだが・・・

一同  月光蝶はやめて~~!!

ヒンメル  安心せい、別の技を使う。(ボソッと)あれは、今使うのは危険すぎる。

リネール  何か言いましたか?

ヒンメル  いや。行け飛蝶剣!

GM  ヒンメルが投げた二本のナイフは、勝手にガーゼットゾンビを攻撃しはじめる。

ディック 《踊る武器》か。高級なもんもっとるな。

 

 しかし、「剣」とは名ばかりのナイフでは、ガーゼットの装甲に傷一つつけられない。

 リューリックはガーゼットに接近し、攻撃が効かないことが分かっているディックは待機

 

ディック 空さえ見えれば、落雷が使えるんやけどな。

 

 ルミノールもガーゼットに接近。リネールは持病の「痙攣発作」を起こしているハルを守るように前に立つ。

 ガーゼットの魔法抵抗値と防護点の高さを知っているジェイルは、リューリックに《怪力》の集中を開始。

 ガーゼットゾンビは近づいてきたリューリックに全力攻撃。今回は、脳や重要機関が存在しないため、防御を捨て暴れ回っても安全である。

 ヒンメルは飛蝶剣が通じないため、ナイフを手元に戻す。

 

ディック  他に役に立つ補助呪文とかはないんかい。

ヒンメル  精神操作系、情報操作系は全て使えるのじゃがのう。奴に知能はなさそうじゃ。

リネール  うわぁ・・・。敵に回すと厄介なタイプですね。相手が人じゃない場合能力は半減しますが。

 

 実際は他にも使えるが、それはPCたちには知る由もないこと。結局、ジェイルの《怪力》でパワーアップしたリューリックの地道な攻撃により、わりとあっさりガーゼットゾンビは動かなくなった。

 

リューリック  防御を考えない相手なんて、こんなものですね。

GM  動かなくはなったけど、傷は徐々に再生している。

リネール  燃やしておきましょう。灰になればさすがに生き返られないでしょう。燃え移らないように細心の注意をしながら、火をつけます。

GM  うむ。警戒しているなら火事になったりはしない。しばらくしてガーゼットゾンビは灰になるが、それでも少しづつだが再生していっているんだなこれが。

ジェイル  所長室に水槽があったよな。そこへ持っていって水の中に灰をぶち込み《水浄化》をかける。

GM  さすがにそこまでやられると消滅せざるをえんな。ところで、ヒンメルの姿がいつの間にかなくなっている。

ルミノール  おや?

ディック  よかったやん。ワイらもうSランクパスはもっとるんやで、あいつといつまでも一緒におる必要はない。

ハル  ランクSパスがあるのですか? それがあれば、研究所地下へ行くことが出来ます。お願いします。私の権限で、あなたたちにこの研究所内で自由に動く権利と、研究員に協力を要請できる権利を授けまから、どうかこの異常事態を解決してください。

ディック  まかしとき。

リューリック  地下には所長がいるのですよね。

ルミノール  何か知っているといいのですがね。

リネール  ハルさんは応接室にいてください。いつでも部屋から逃げ出せるよう、警戒は怠らないように。

ハル  分かりました。

ディック  ほな、研究所地下へ向かうで。

GM  どのルートを通って向かう?

リネール  2階研究室の前を通っていった方が近いですね。そちらから行きましょう。

GM  するとだ、階段の踊り場から、さっき所長室で会った男の声がする。

ウィリアム  アーレスいつまでもすかしてんじゃねえぞ。いい加減俺らに協力しろや!

GM 次にその下からくぐもったような声が聞こえる。恐らく全身包帯男の声だろう。

アーレス  協力? 貴様らはいつも俺の仕事に勝手に付いてきて、何もせずしておきながら、報酬だけはもらっていただろうが。貴様らこそ、俺に協力してもらいたいものだな。

ウィリアム  うるせェ! 俺らの言うことをきかねぇんだったら、この女を殺すぜ!

リネール  穏やかではないですね。足を忍ばせて近づきましょう。

ディック  同じく。

ジェイル  俺も近づこう。

GM  階段の踊り場の壁に、イリスが磔にされている。意識は失っているようだ。その心臓にエッジの槍が向けられ、血走った目のウィリアムが色々まくし立てているね。

アーレス  奴に取り憑かれたか愚か者が・・・。貴様ら二人揃ったところで俺には勝てん。それすらも忘れたか。

ウィリアム  だからこっちには人質がいるんだよ!

ディック  微妙に情けないやつらやな。

ジェイル  もう少し近づけば、俺の《凍傷》の有効射程になるな。

リネール  私も《幻覚》が集中無しで使えます。飛び道具は誰か使えますか?

ルミノール  私が持っています。

GM (わざとらしく時計を見て時間を確認している)

リネール  こっちに来て下さい。《幻覚》で気をそらしたところを、ジェイルの《凍傷》と飛び道具で狙い撃ちしましょう。ジェイルはミュルーンを、ルミノールさんはシャストアをお願いします。相手の体制さえ崩せば

GM  時間かけすぎだ。アーレスはものすごい疾走を見せ、踊り場まで一跳びで駆けつける。初撃でミュルーンを切り倒すが、ウィリアムのサーベルがイリアの喉を切り裂く。次の瞬間には、ウィリアムも切り伏せられているが、イリアからは生命の息吹は感じられない。アーレスは事切れたイリアを壁から降ろし、抱きかかえて階段を上がってくる。

一同  ・・・・・・

リューリック  あの・・・

アーレス  そこのファウン神官。略式でいい。葬儀儀式を行ってくれ。

ルミノール  分かりました。(十字を切る)

アーレス  礼を言う。

GM  アーレスは、イリアを抱えて奥へ行ってしまう。

リネール  ・・・・・・。

ディック  リネールはん、自分を攻めてもしょうがないで。

ジェイル  それにしても、お前がここまで人を助けるのに一生懸命になるのも珍しいな。

リネール  いや、ぶっちゃけ好みだったんですよ、彼女。

一同  ・・・・・・。

 

【次なる犠牲者は?】

GM  では、君たちは地下一階まで降りてくる。その途中にあったはずの、じいさんと警備員の死体がなくなっているね。

ルミノール  誰かが片付けた、ということにしておきましょう。

リューリック  で、ここが例の研究所地下か?

GM  今のところ、ランクSパスは使っていないから、さらに地下に続く通路でもあるのだろう。

リューリック  地下一階の構造はどうなってます?

GM  通路左にドアが2つ。T字路になっていて、左と真っ直ぐに進む通路がある。真っ直ぐの道の奥には、さらに扉があるね。

ディック  手近な所で、手前のドアを開けてみるで。

GM  倉庫と言うか、物置だね。そんなことをしていると、奥にあった通路左のドアが開く。

ジェイル  誰だ?

ダンテス  私ですよ。

ディック  ダンディはん無事やったか。

GM  その隣りには、焦った感じのシェリーもいる。

ダンテス  私のことより、サンディ様を知らないか? 少し目を離した隙にいなくなってしまってな。

ディック  それはまずいな。こんなところに一人でおったら、何があるか分かったもんやないで。

シェリー  一階と地下で行ける場所はもう調べました。でも、どこにも見当たらないのです。

リューリック  となると、二階か。探しに行きましょう。

 

 サンディを探しに研究所二階へ戻る一行。しかし、彼らはここで大きな判断ミスを犯しています。

 

ルミノール  会議室には、まだ入ったことありませんよね。

リューリック  開けてみます。

GM  この部屋に鍵はかかっていない。中は長いテーブルとそれを囲むように椅子が置いてあるね。中では漆黒の少女と包帯男アーレスが壁にもたれかかっている。テーブルクロスかなんかで巻かれた、イリアの死体もあるね。

ジェイル  無意味に緊張感のある部屋だな(笑)。

ダンテス  失礼。ここに金髪縦ロールの少女が来ませんでしたか?

アーレス  知らんな。だが急いだ方がいいぞ。早くしないと、奴の餌食になるのは目に見えている。

リネール  この事件の犯人を知っているのですか?

アーレス  誰が呼び出したかは知らん。だが、何がここでおきているのかは分かる。

GM  とか言っていると、漆黒の少女は部屋から出て行こうとする。

リネール  どこへ行くのですか?

GM  漆黒の少女は君を無視して出て行こうとする。

リネール  さすがに道を阻みますよ。あなたも何か知っているのじゃないですか?

漆黒の少女  ・・・静かな場所を探すだけだ。

リネール  あ、そういうことですか。道を開けます。

GM  漆黒の少女は去っていった。

ディック  今回はあの娘さんは本当に何も知らなさそうやな。となると、頼りは包帯の兄ちゃんだけか。

ダンテス  そんなことより、サンディ様が!

ディック  そやな。アーレスはん。最後に一つだけ聞きたいんやが、何であんさんこの事件について詳しいんや?

アーレス  15年前にも同じ事件があった。このパターンはあの時と同じだ。恐らく同一の存在が黒幕だろう。

ディック  なるほど。それだけ聞いたらサンディさんを探しにいくで。

GM  (ふ~ん、敵の詳しい情報は聞かないのね。)

 

 研究室の並ぶフロアを一通り探すも、サンディは見つからない。次に向かった研究員の私室では、争ったような形跡はあれど、争った人物がどこにいるかが分からない部屋が多いことに気付くも、サンディは見つからない。

 

GM  では、副所長さんの部屋だが、漆黒の少女が椅子に座って船漕ぎしているね。

リネール  そういえば、ヒンメル・・・さんがどこへいったか知っていますか?

漆黒の少女  ・・・姉上ならば、もう研究所を出た。

ジェイル  姉妹かよ!

ディック  どうやって出たんか分かるか?

漆黒の少女  ・・・姉上の魔力をもってすれば、あの程度の結界など容易く破れる。

リューリック  で、あなたは何をしているのですか?

漆黒の少女  ・・・・・・

ジェイル  ヒンメルに置いてかれたんじゃないか?

リネール  ひょっとしてこの人、あきらめモード入ってる?

漆黒の少女  もういいだろう。我は五月蝿いのは嫌いだ。

ディック  そうやな。そろそろ出ようか。

ダンテス  ああ、サンディ様は今どこに・・・

ディック  ひょっとしたら地下に行ったんかも知れへんな。そうなると、シェリーはんを連れて行くわけにはいかんで。

リューリック  シェリーさんは、応接室で待っていてもらいましょう。サンディさんは、我々が責任を持ってお探しします。

シェリー  分かりました。お願いします。

ディック  シェリーはんを応接室まで連れて行くで。

GM  応接室には、ハルさんと一緒に、超美人なミュルーン少女がいるわけだが。

ディック  はうぁ!(突然サイコロを振って)大丈夫や、今は発情期やない(笑)。

 

 一行はハルに事情を話し、シェリーを応接室で預かってもらうことにする。

 

GM  では、君たちに、美少女ミュルーンのニーチェが話し掛けてくる。

ニーチェ  あんさんら、ウチの兄貴の仇知らへんか?

リューリック  兄貴?

ニーチェ  ドタタ言うんやけどな。8巡りほど前に殺されてもうたんや。

一同  ・・・・・・。

ディック  さっきまで実はその仇と一緒におったなんて、言うわけにはいかんなぁ・・・

リネール  教えたところで、兄貴の二の舞になるのがオチですからねぇ。

ニーチェ  こう見えても兄貴譲りの槍の達人や。兄貴の我慢強いところや、反射神経がいいところや、足で槍をさばく技術はないけど。

GM  その分外見がいいわけだ。

ニーチェ  とにかく強さには自信あるで。ウチのこと心配して仇の場所教えんのやったら、そんな心配はいらん。

ディック  (そっぽを向いて)すまんが、仇のことは知らんなあ。

ニーチェ  そうか・・・残念やなあ。兄貴は最期に、アヒルのミュルーンと一緒におったらしいんやが、鳥違いか・・・。

ディック  心が痛むのぅ・・・。せやけんど、同族を見殺しにするような真似はでけへん。

リューリック  でも、槍の達人なのはありがたいですね。ここでハルさんとシェリーさんの護衛をしていてもらいましょう。

GM  それについては快く承諾する。もともと、ニーチェはここの警備員として雇われていたから、副所長を守るのも仕事のうちだ。

ルミノール  警備員と言えば、ロビーにいた受付と警備員はどうしたのでしょうかね?

GM  確かめるためにロビーに行ってみるなら、誰もいない。争ったような形跡はあるけどね。

ディック  ここもかいな。何が起こっとるんやろ。

リューリック  それを確かめるためにも、早く地下に行きましょう。

 

 そんなわけで、再び地下一階へと向かう一行。通路を左に曲がったところに、ランクSパスが必要な扉を発見したが、先にまだ行っていない地下の部屋を調べることに。

 

GM  通路の奥にある部屋は、ランクAパスの提示を求められるね。中に入ってみると、巨大な地下書庫になっている。天井に送風機なんか取り付けられた、立派な図書室だね。中には、猫を連想する顔つきの少女と、白髪のドワーフウィザードらしき人、それに研究員らしく白衣を着ているが、結構筋肉のついた金髪碧眼の中年男性がいる。

白衣の男性  いや、助かりました。私やアイ君が持っているランクBパスでは、ここを開けられなくてね。おっと、俺の名前はカイン。この研究所の元所長、ヒッター氏の助手をしている。

GM  と言って、ドワーフウィザードを手で示す。

リューリック  こちらも挨拶をしましょう。

ヒッター  君たちは、この研究所で何が起こっているのか知っているかね?

リューリック  現在調査中です。危険ですので、上の応接室に行っていてもらいたいのですが。

カイン  わかった。そうさせてもらう。ほら、行くぞアイ。

アイ  眠い~。あと少し・・・

一同  (笑)

カイン  スマンな、こいつ夜行性なもんだから。こいつが起き次第、応接室に向かうとするよ。

ルミノール  できるだけ急いでくださいね。

カイン  わかっている。

ディック  ほな、ワイらは地下二階に急ぐとするか。

一同  おう!

 

 一体この研究所では何が起こっているのか?研究所地下で冒険者たちを待っているものは?

後編へ続く

*1:21レベルで習得している魔法は、集中時間が半分になり、集中中の詠唱や動作が必要なくなる。

*2:リプレイにはしないが、単発的シナリオを数回こなしている

*3:オリジナルデータです。