黄金の羊亭新館

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第7話【死に損ないどもの砦】

 

【本日は三人】

GM  さて、今回の物語だが、今日は君たち三人しかいない。

ルミノール  まあ、先日街で起こったことを考えれば、皆が集まれないのはしょうがないですね。

GM  うむ。ダンテス先生はまだ自宅療養中だし、ディックは伝令の仕事が忙しい。サクラは前回の負けがショックだったのか修行の旅に出た。リネールはクリークスから逃げている。

 

 もちろん、実際はリアルでプレイヤーの都合がつかなかっただけです。

 

リューリック  ディックさんがいないのは辛いなあ。

ジェイル  お前はディックの傀儡だからな(笑)。

GM  で、最近街にはいくつかの依頼書が出回っている。

ジェイル  内容は?

GM  一つは最近発見された遺跡の探索。依頼主はランディ・ショーンズというペローマの冒険学者。

リューリック  転がる岩に追いかけられてそうな人ですね(笑)。

GM  次に猫探しの依頼。依頼主は、金持ちの老人。そして、漆黒の少女の捜索。最後に、アクトー商会というところから護衛依頼が来ている。

ジェイル  懐かしいなアクトー商会。

リューリック  一回名前が出ただけじゃん。依頼はいいとして、ガヤン神殿の仕事はどうなっていますか?

GM  月光蝶で本神殿が半壊したからね。このところ街の治安維持なんかは連邦軍がやってるんで、正直ヒマ。

リューリック  じゃあ、何か依頼を受けた方がよさそうですね。

ジェイル  俺は遺跡の探索が気になるな。

ルミノール  私もです。

リューリック  実は私もですよ。全会一致なので、遺跡の探索に出かけましょう。依頼主のランディさんに話を聞きに行きます。

GM  ランディさんは、ペローマ神殿の研究所にいる。外見は俳優のハリソン・フォード似のナイスミドル。

リューリック  そのまんまじゃん(笑)。

GM  変に凝る意味は無い(笑)。で、ペローマにしては珍しく、身なりや部屋の整頓はしっかりしている。君たちが部屋に入ると、椅子を勧めて話し掛けてくる。

ランディ  君たちが、遺跡探索の護衛に来てくれる冒険者だね? 僕がランディ・ショーンズだ。よろしく頼む(手を出す)

ルミノール  (握手しながら)私はルミノールです。早速ですが、遺跡の簡単な説明と、報酬のことをお聞きしたいのですが。

ランディ  拘束期間は往復の移動で6日、調査に4日の10日間。報酬は前金で一人100。成功報酬は遺跡内で金銭的価値のあるものが見つかり、それが学術的に価値が無いものならばそちらに譲る。

ジェイル  成功報酬に運が絡むが、条件としては悪くないな。遺跡そのものにも興味はある。

ランディ  遺跡そのものは、およそ350年前、メディウス帝国*1末期のものだろう。先日の雨で、その一画が地上に顔を出したんだ。

リューリック  出発はいつですか?

ランディ  今のところ、遺跡の場所は私しか知らないが、遺跡荒らしに場所がばれる可能性は十分ある。できれば明日には出発したい。

リューリック  分かりました。では、今日中に準備を整えておきます。

ランディ  頼んだぞ。

 

 一行は、非常食、ロープ、30フィート棒などを買い込む。ジェイルは大型のパワーストーンを欲しがり、リューリックに買ってくるように命令口調で頼むが、リューリックは「商人」技能の判定にファンブル。1600ムーナという超高級の石ころを入手することになる(笑)

 

リューリック  捨てるのももったいないですから、私が持っておきましょう。

ジェイル  そんなの持って、どうするつもりだ?

リューリック  家宝にしましょう(笑)

 

 この世界には《持続光》という便利な呪文があるのでカンテラや松明は不用。ジェイルのパワーストーン以外に、必要なものは皆揃えたことになる。

 

【探索と骸骨と

GM  では、ランディ氏と一緒に馬に乗って三日、歩いて一日のところから森に入る。

ランディ  僕から離れないように。この辺にはケラ・ケラが出るから、道を外れると危険だ。

リューリック  ケラ・ケラ?

GM  「動植物知識」があれば知っている。森に住む猿の仲間で、腕が長く尻尾の先に目があるのが特徴。

ジェイル  だ、そうだ。

ルミノール  変わった生き物ですね。一度見てみたいです。

GM  よく目を凝らすと、木々の間にそれらしき生き物が見えるね。警戒はしているようだが、そっちから手を出さない限り何もしない。

リューリック  出しませんよ。

GM  で、そんなことをしていると、山の斜面に塔の一角みたいなものが見えてくる。

リューリック  あれが遺跡ですか?

ランディ  そうだ。今では地中に埋まっているが、かつては砦だったようだ。塔の窓から中に入れる。

リューリック  じゃあ、隊列を決めて入りましょう。

 

 「罠」発見技能を持つランディと、「暗視」を持つルミノールが先頭に、ジェイルを挟んでリューリックがしんがりという隊列で一行は進む。一旦塔を下まで降り、途中、正面入口は、土によって出入り不可なことが発覚する。

 

GM  正面入口から振り返ると、そこにはメイドの肖像画が飾られている。綺麗な人だね。

ルミノール  ここに住んでいたメイドさんですかね?

絵画  いえ。私はさる魔術師に描かれ、魔法的な魂を吹き込まれた者です。ここにはその魔術師の遺品として運ばれてきました。

リューリック  しゃべった?

絵画  ようこそ。あなた方はえっと・・・だいたい300年ぶりのお客様ですわ。

ルミノール  ずいぶん適当ですね(笑)。

絵画  申し訳ございません。長年眠っておりましたので、時間感覚の機能がなくなってしまったようです。

ジェイル  なるほど。それで、あんたはこの砦に詳しいのか?

絵画  いえ、私はここから動けませんので。お客様への挨拶と、退屈なさらないように歓談させていただくことが仕事ですから。

リューリック  ランディさん、この絵画に学術的価値は?

ランディ  微妙だな。当時の記憶でもあれば話は別だが。

絵画  それはさっぱり・・・最後の記憶は、この砦が土に埋まるところですが、その理由も分かりません。

ジェイル  何故この砦が地下に埋まったのかは知らんのか?

絵画  申し訳ありません。

リューリック  学術的価値はなさそうですね。帰りに持って帰りましょう。

絵画  まあ、私をここから出していただけるのですか? ありがとうございます。

リューリック  じゃあ、また後でくるから。

ルミノール  基本的なことを聞き忘れていましたけど、ランディさんはこの砦が埋まった理由を知っていますか?

ランディ  その調査も兼ねての探索だ。メディウス帝国末期の記録は、内乱のゴタゴタで、ほとんど残っていないからな。

 

 一行は遺跡の奥へ進むが、しゃべる絵画のほかには魔法の鍵のかかった部屋があった以外、大した収穫も無く大広間らしき部屋に着く。

 

GM  大広間の奥には、上りと下りの階段がある。

ジェイル  まずは地下に行こう。

リューリック  地下で思い出した。なぜ私はこんな狭いところにいられる!?(「閉所恐怖症」)

ジェイル  俺が《勇気》の呪文をかけてやってるから、安心しろ。

ルミノール  今度私も、その呪文覚えましょう。

GM  では、下に行くんだね。しばらくすると階段の奥から声がする。

声A  まだ踏み込みが甘いぞ!

声B  はい!

声A  そんなもんじゃ実戦では生き残れない! 考えを改めろ!

声C  隊長! 自分らもう死んでます!

声D  それに、300年以上も土の中です。いまさら実戦があるとは思えません!

声A  口答えするな~!

声C  隊長! 棍棒で殴られると自分ら砕けるであります!

リューリック  ・・・漫才集団か?

ルミノール  シャイニング・サンに反応はあります?

GM  うん。

ルミノール  叩くと砕けるということは、スケルトンですかね。警戒しながら進みます。

GM  すると、広い部屋で、ボロボロの藁人形相手に槍を振るっているスケルトンが三人。指揮している上等な装備のスケルトンが一人いる。・・・お、スケルトンリーダーは君たちに気付いた。

ケルトン隊長  む! 何者だ!?

ジェイル  人に名を尋ねるときは、自分達から名乗れ。

ケルトン隊長  これは失礼した。しかし、我々は死とともに名を忘れた。名乗ろうにも名乗れん。やることも無いので、300年以上こうして演習を続けている者だ。

ジェイル  地下なのになんで時間がわかるんだ?

ケルトンC  あ、自分「時間感覚」の能力持ってるっス。

ルミノール  何故成仏しないのですか?

ケルトン隊長  月に還りたくても、地下にいるアンデット・ソーサラーの呪いのせいで、それもできない。

ルミノール  アンデット・ソーサラーですか。

ジェイル  強いのか?

GM  ルナルの多くの種族に漏れず、能力はピンキリ。しかしたいていは強い。下手をすれば下級ヴァンパイアなんぞより強敵だ。

ケルトン隊長  あんな奴を軍師として採用したばっかりに、砦は土砂に埋められ、我々はこうして死ぬこともできず。将軍は狂った悪霊と化してしまった。

リューリック  急展開だが、そいつが全ての元凶か(笑)。ルミノールさん、こいつらだけでも成仏させることはできませんか?

ルミノール  やるだけやってはみますがね。

ケルトン隊長  おお、お主ファウンの神官殿か。できるのならば頼むが、あの邪術師の魔力は強いぞ。

ルミノール  《死人祓い》でいいですよね。(ころころ)クリティカルです。

GM  おお! ならば、不思議な光がスケルトンたちを包む。

ケルトン隊長  おお・・・これで、ようやく我々も楽になれる・・・

ケルトンA  ファウンの神官殿。このご恩は、来世でお返ししますから。

ルミノール  無理はしなくていいですよ(笑)

GM  スケルトンたちは粉々に崩れ去った。

ルミノール  安らかに眠ってください。

リューリック  さて、後は地下にいるアンデット・ソーサラーですが・・・。ランディさん、倒してしまってもいいですね。

ランディ  ああ、憂いは断っておいたほうが調査はしやすい。もし情報が聞き出せるなら話は別だがな。

ルミノール  死んだ邪術士から、まともな情報が聞き出せるとは思えませんね。

ジェイル  それは会ってみてから判断すべきだな。

リューリック  じゃあ、奥に進みましょう。

 

【死に損ないの主たち】

GM  うむ。演習場からさらに階段を下りると、調理場兼食堂のような場所に出る。井戸みたいなのはあるが、そこで行き止まりだね。

ルミノール  井戸に入りましょう(即答)

GM  おのれドラクエプレイヤーめ(笑) 予想通り、井戸の底は空間になっている。その奥にある扉からは光が漏れている。

リューリック  剣を抜いて、奥に入ります。

GM  扉の奥は両手剣を振り回せるほどの広い部屋になっているね。《持続光》の光が、部屋の中を照らしている。そして、その光を反射して輝く水晶球を覗き込んでいるのは、不気味なオーラを放ちボロボロのローブを着た骸骨。骸骨は身動き一つせず話し出すね。

骸骨  一組目の侵入者か。ワシの本を狙ってきたのだろうが、そうはいかん。貴様らも、我が呪いで安らぎなき死を与えてくれる!!

ジェイル  一組目ってことは、他にも誰か入ってきたんだな。それに、本ってのは何のことだ?

GM  骸骨は聞く耳持たない。杖を構えて襲いかかってくる。

リューリック  やるしかないな。リュードくん! ファイアの準備だ!

リュード  言い忘れてたけどなブラザー。今の剣は、以前のハードブレイカーほど魔力がないからな。燃えるまで以前の倍の時間がかかるぜい。

GM  具体的に言うと、4秒な。しかも、発動値が以前より下がっている。

リューリック  まあ、仕方がない。リュードくんには集中を続けてもらって、私は切りかかります。

ルミノール  弱体化はしましたが、シャイニング・サンの威力を見せましょう。

 

  まずはリューリックが、どうせ呪文は抵抗しか出来ないのだからと、防御を捨てた全力攻撃。しかし、骸骨は軽く受け流す。ランディは骸骨から杖を奪い取ろうと、得意の鞭を振るうが、逆に鞭を骸骨に奪われてしまう。ルミノールはシャイニング・サンを振るい、骸骨にダメージを与える。いつもなら《凍傷》を放つジェイルだが、相手の抵抗値が高いと勝手に判断し、リューリックに《倍速》の集中を開始する。骸骨は何らかの呪文に集中。

 リューリックは骸骨の呪文を妨害するため、再び全力攻撃。しかし骸骨は、杖により回避値はそれなりに高く、死蝋化した皮膚と、呪いによって生じる高いHPのおかげでなかなかタフ。しかも、アンデット化した邪術師は、攻撃を受けた痛みで呪文の集中が途切れることはない。ランディは短剣を準備し斬りつけるも、ダメージが通らない。ルミノールは頭部を狙って攻撃するが、もともと脳などはないため無意味。ジェイルは《倍速》のための集中を続ける。骸骨は《死の手》を杖にかけ、隙だらけのリューリックを攻撃。気絶させるにはいたらないものの、大ダメージを与える。

 

GM 鎧の防御能力は一切無効で、抵抗もできない。

リューリック なんですかその強力な呪文は~!

 

 大ダメージを受けながらも、どうせ《死の手》を回避するのはほぼ不可能と、リューリックは相変わらず全力攻撃。ランディの短剣はまたもダメージが通らない。ルミノールはリューリックへの《大治癒》へ集中し、ジェイルは《倍速》の最後の集中に入る。

 この後リュード君が《火炎武器》の発動に成功した以外、膠着状態が続く。リューリックの攻撃は杖で受け流され、ランディの攻撃は通じない。ルミノールは《凍傷》などの攻撃魔法で傷ついたリューリックを癒すために忙殺され、ジェイルは《倍速》の発動を失敗。

 しかし、二度目の《倍速》に失敗したジェイルが放った、八つ当たりの《凍傷》が骸骨に大ダメージを与える。

 

ジェイル  おや? 効かないと思ったのだが。

GM  そう思うのは君の勝手だけど。しっかり効いてる。しかも、抵抗値は低そうだ。

リューリック  じゃあ、私は全力防御で《死の手》回避に賭けよう。せっかくリュード君が燃えたのに攻撃が当たらん。

GM  う~ん・・・そうなると脆いなぁ・・・

 

 GMの呟き通り、《凍傷》の連発を受けた骸骨はわずか3秒で凍り漬けにされ、砕け散った。一行は骸骨がいなくなった部屋を探索する。

 

GM  金目のものと言えば、水晶球だね。あとは、8点分のパワーストーンに、邪悪な霊薬がいくつかある。奥の祭壇に飾ってあった、盾に二頭の龍が巻きついているという表紙の本もなかなか高級そうだ。

ジェイル  これが、骸骨の言っていた本だろうな。

ルミノール  盾に龍ですか? 私の「紋章学」の知識にこのようなものはありませんか?

GM  (ころころ)残念ながら無い。ランディ氏はどこかで見たことがある気がするが、思い出せないそうだ。

リューリック  じゃあ、研究室へ持って帰って調べてもらいましょう。ランディ氏に渡します。

GM  そうそう。霊薬の中には<復活>が一本入っている。

リューリック  売るか持っているか悩むアイテムだな(苦笑)。

ルミノール  私の教義的には、こんなもの売ってしまえですが、冒険を続けていると何が起こるかわかりませんからね(笑)。持っていましょう。

リューリック  あとは将軍だが、地下にはいないみたいだね。もう一組、この遺跡に入った連中もいるみたいだけど。

ジェイル  平和的に話し合えればいいんだがな。

ルミノール  一旦上へ向かいましょう。

GM  では、上へ上っていくと、上下の階段が別れていた大広間で、もう一組の冒険者(仮)と鉢合わせする。

リューリック  何故、(仮)?

ルミノール  ただの遺跡荒らしの可能性もありますからね。

GM  もう一組の冒険者(仮)は、拳闘士らしきドワーフと、ピッケルを持った下半身が黒牛のギャビット。それに黒猫を連れた魔術師風の男だね。

ジェイル  ギャビット?

GM  万色の彷徨いの月を崇める、下半身が獣の種族だ。ケンタウルスみたいなのをイメージしてもらえばいい。

リューリック  あなたたちは?

ギャビット  俺たちはこの魔術師の護衛さ。どうやらあんたたちも、遺跡の研究者の護衛みたいだな。

ドワーフ  あんたら、ここの遺跡で本を見かけなかったか?

リューリック  ええ、見ましたよ。今は後ろのランディさんが持っています。

ジェイル  馬鹿野郎! 正直に言う奴がいるか!

リューリック  だって、私「正直」ですから・・・

ギャビット  痛い目を見たくなかったら、そいつを渡しな。

ジェイル  それは、俺たちに対する挑戦か?

ルミノール  そんな高圧的に出られては、渡そうと思っていても渡したくなくなりますよ。

GM  (予想はしてたけど、PCもNPCもこの面子じゃ力押しになるわな。)

ドワーフ  面白え。だったら力ずくで奪ってやるぜ!

リューリック  ランディさんは下がってて。

GM  (お、そりゃラッキー)では魔術師の上の黒猫は、一声鳴くと姿を消す。ドワーフはボクシングの構えを取り、ギャビットはピッケルを軽々と振り回すね。

ルミノール  すごい怪力ですね。

ジェイル  力だけじゃ、戦いに勝てないことを教えてやる。

 

  この戦いはかなりあっさり決着がついた。命知らずなドワーフは防御を捨てたジャブからアッパーの連係を放つが、ルミノールにあっさり見切られ、脳にシャイニング・サンを叩き込まれ気絶する。魔術師もジェイルの《凍傷》の前に2ターンで戦闘不能。怪力を生かしてリューリックに襲い掛かるギャビットは、最初の頃は圧していたが、二人がフリーになったことにより三対一で戦う羽目に。バーサークのおかげで《凍傷》への抵抗値は高いものの、防御を省みなくなったところに、ルミノールの脳狙いシャイニング・サンの一撃で気絶する(ルールミス。脳を攻撃されても、バーサーカーは死ぬことはありますが、気絶はしません)。

 

GM  ムゥ・・・ルミノール氏には<働き者(レイバー)>の称号以外に<脳砕き(ブレインクラッシャー)>の称号を与えよう。

ルミノール  いただきましょう(笑)。気絶した人たちは、死なない程度に傷を癒しておきますね。

ジェイル  さて、後は黒猫がどこへ行ったかだが・・・

GM  すると、後ろの方でなにやら呻き声がしたかと思うと、ランディ氏がいなくなっている。床には血が飛び散っており、深深とナイフが刺さっているね。

リューリック  しまった! まさか、あの黒猫が魔法使いの本体だったのか?

ジェイル  俺としたことが、基本的なトリックに引っかかっちまったぜ。

一同  ・・・・・・

リューリック  じゃあ、遺跡の探索を続けようか。

GM  おい! それでいいのか?

リューリック  良くはないですけどね。ランディさんを探そうにも手掛かりがありませんし。

ジェイル  そういうわけだ。

GM  (ナイフ落ちてるのになぁ・・・。*2

 

 多少心が痛みつつも、ランディ抜きで遺跡の探索を続ける一行は、砦最上階で上等そうな鎧を着ているが、すでに砕けている5本腕のスケルトンを発見する。

 

ルミノール  どうやら、彼が将軍みたいですが・・・

ジェイル  手が五本もあるのは、どういうことだ?

リューリック  ルミノールさんやジェイルに分からないことが、私に分かるものか。

GM  先にこっちに来ていれば何か分かっただろうけどね。彼はすでに、君たちがさっき戦った冒険者に倒されている。

ルミノール  将軍の部屋を探索しましょう。

GM  すると、隠し収納床の中に綺麗な鍵が入っている。

ジェイル  きっと、魔法の鍵がかかった部屋でつかうのだろうな。後で寄っていこう。

 

 魔法の鍵で開けた部屋の奥は宝物庫となっており、通常より軽い魔法の盾と防御力が高く軽い鎖帷子がまだ使えるため持って帰ることに。もちろんしゃべる絵画も回収。

 街に帰った一行は、取得物の分別を行う。

 

GM  じゃあ、盾とパワーストーン、<復活>の霊薬、しゃべる絵画以外は換金するんだね。計算するからちょっと待ってて。

リューリック  絵画は私の家の玄関に飾っておきましょう。

ジェイル  客が逃げないか?

ルミノール  慣れれば名物になりますよ(笑)。

絵画  ここが私の新しい職場なのですね。よろしくお願いしますご主人様。

リューリック  こちらこそな。

リュード  HEYシスター! 俺のこともよろしく頼むぜ!

ジェイル  しゃべる器物の多い家だ(笑)。

GM  計算終了。手数料なんかも差し引いて、9850ムーナだ。

リューリック  なかなかの金額ですね。微妙に納得のいかない終わり方ですが・・・。

ジェイル  あの黒猫。今度会ったらたたじゃおかねぇ。

 

ジェイルの歯ぎしりを聞きながら、次回へ続く

*1:当サイトのリプレイオリジナル設定。600~300年程前、この島と周辺の島々を支配していた帝国。

*2:《方向探知》という、所有者の居場所を探す魔法がある。