黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第5話「“火”の黒竜」

そのころのベッツ

GM  さて、前回遺跡に行った組の前に、前回不在だったベッツがその間何をやっていたかをプレイしよう。

ベッツ  分かりました。

GM  ベッツは帝国に死体の回収を頼んだ所、OKが出た。君は今、魔道戦船<白虎>に乗って、地中を移動している。

ジャン  地中移動する戦艦といえば、轟天号ですね。

GM  そんなイメージにしたいのは山々だけど、銀色なだけで見た目は<朱雀>と変わらない。サイズも10メルー程度。

ベッツ  それにしても、よくこんなものに乗せてくれましたね。機密の固まりみたいなものでしょう?

GM  それに関しては、船長のネルソン氏はこう言う。

ネルソン  ふはははは! 帝国の技術はすばらしいだろう!

一同  (笑)

ベッツ  自慢したいだけですか・・・

GM  さて、そんなこんなで船に揺られて半刻もしないうちに、<白虎>は目的の地下空洞に着いた。

ネルソン  さて、主砲用意だ。化け物どもを薙ぎ払い、ベッツくんの死体を回収する。

ベッツ  ちょっと待ったー!

ネルソン  何を待つ必要がある? どうせ相手はこちらの言葉も分からぬ化け物だ。とっとと駆逐するに限る。

ベッツ  私の死体が巻き込まれたらどうするのですか!? それに、ここの多足のものの中には群島語が理解できる者もいます。私が話をしてきますよ。

ネルソン  ふん。まあ、いいだろう。そんなことせずとも、主砲で一掃できるのになぁ。

ベッツ  これだから、なまじ力を持った奴は困るんですよ・・・

 

 その後、多足のものと話をつけたベッツは、自分の死体を回収。二度と来るなと怒られながら、地下空洞を後にした。

 

ネルソン  では、君の死体は<玄武>の冷凍保存装置に入れておくとしよう。手柄を立てファーン様に気に入られても、体が腐っていては意味がないからな。

ベッツ  お願いします。では、私はマリクへ戻りましょう。

 

そのころ地下遺跡

GM  では、遺跡組み。

ジャン  レイツェルさんが死んでしまいましたね・・・

ロジャー  なんとか生き返らせられないかのか? 復活の霊薬とか、うちの研究所に置いてなかったのか?

GM  あったとしても、ここから研究所まで1時間で行って戻ってくることは・・・あ、できるわ。

ロジャー  何!?

GM  今のエリィには、100点分近い使い捨てのマナエネルギーが宿っている。技能レベル15の《高速飛行》ならば、自前の疲労点も含めて、時速144kmで40分は飛べる。治癒の霊薬で何度か疲労を回復させれば、1時間は飛べるだろう。エリィは感覚的にそれが理解できる。

エリィ  すごいです~。ロジャーさんに言いましょう。

ロジャー  GM、研究所までの直線距離は?

GM  60kmほど。地上を行くと、山越えか迂回ルートを行く必要があるから、もっと遠くなるけど。

ロジャー  エリィ、頼めるか? 俺の手紙と、住所を渡しておく。スターライト研究所のメアリーか所長に見せてくれ。

エリィ  任せてください。

 

 一行は、急いで地下の防衛装置を切り、ゴーンに外への道を作ってもらった。

 

エリィ  では、行ってきます!

GM  ぱひゅーん(擬音)

ロジャー  俺たちは俺たちで、できることをする。ジャン、ゴーン、この遺跡を探索するぞ。

ジャン  分かりました。

GM  まずは、スターライト研究所へ向かったエリィから。

エリィ  緊急事態です! メアリーさんか、所長さんに会わせて下さい!

メアリー  あら? あたしがメアリーだけど、どうしたのお嬢ちゃん。

エリィ  緊急事態なのです! これを読んでください!(手紙を渡す)

メアリー  何かしら? あら、ロジャーから? (手紙を読んで)・・・って、何ですってぇ!?

ベッツ  おや? どうしましたメアリーさん。

メアリー  レイツェルさんが、死んだって・・・

エリィ  私でしたら、魔法で遺跡まで飛んで行けます。復活の霊薬はありませんか?

メアリー  残念だけど、無いわ・・・

エリィ  じゃあ、もう助からないのですね・・・私は先に遺跡に帰っています。

ベッツ  私たちも行きましょう。何ができるわけでもありませんが、人手はあったほうが良いでしょう。

メアリー  そうね。もともと、遺跡には行くつもりだったし。

 

 そのころ、遺跡内の研究所を探索していたロジャーたちは・・・

 

GM  「探索」技能で判定ね。6成功以上なら時間内に復活の霊薬見つかるかもよ。

ロジャー  幸運を使って・・・だめだ、成功度5。

GM  霊薬はあった。けど、残念ながら探すのに時間がかかりすぎた。エリィを見送ったりしてたタイムロスが仇になったな。

ロジャー  仕方がないか。危険は覚悟の仕事だったんだ。せめて、遺跡の外に運んでおこう。

ジャン  俺が背負いますよ。

 

 レイツェルを遺跡の外へと運び、エリィと合流した一行は、スターライト研究所から人が来るのを待ち、一夜を過ごす。

 翌日、研究所の所員やベッツと合流し、レイツェルを埋葬した後、遺跡内の研究所の本格調査に乗り出す。

 

ロジャー  あ、そうそう。ここの遺跡にヤシャがいるから、気をつけてくれ。

メアリー  ヤシャ? それってすごく危険じゃない。《地中視覚》の呪文が使える人に、探してもらわないと。

 

 スターライト研究所から送られてきた研究員たちと共に遺跡の探索を行った所、メディウス帝国時代の様々な書籍の他、大量の魔法の薬、魔法具、研究資料などが見つかる。最初の目的でもあった、「迷いの森」に入るための薬も発見する。また、魔方陣の部屋に描かれていた方陣は、異世界の者を呼び寄せたり追い返したりするものであることが発覚した。

 

ロジャー  八本首の龍・・・まあ、ハトゥルだろうけど、奴を封印したり、“なにか”を呼び出した魔方陣だったわけだな。

GM  異次元系の呪文は、転送系呪文には違いないからね。死霊系でもあるけど。他に、研究所の中央に100メルー四方を越えるぶち抜きの部屋があって、その部屋の床一面には異次元移動ではない超巨大な転送の魔法陣が描かれていた。

ロジャー  ここで造った、何かを運んだ? まあ、今考えてもわかるものじゃないだろうから、それが何だったか調べるのは研究者に任せよう。

メアリー  さて、目的のものも手に入ったし、ここの研究所は他の人に任せて、あたしたちは、マリクに戻りましょう。ロジャーくんたちには、遺跡発見者としてボーナスも出るってさ。

ロジャー  半分は、レイツェルの家族に送るか。いるのか知らないけど(PLは笑)

エリィ  魔法都市でしたら、時空を越える手段が見つかるかもしれませんね。着いて行きます。

ベッツ そうだ、ロジャーさん。こちらの方は?

エリィ 魔術師のエリィです。よろしくです。

ベッツ いえいえ、こちらこそ。私はベッツ・マクファーソン。この鎧はただの趣味です。

エリィ ・・・は?

GM ベッツは鋼の錬金術師のアルフォンスみたいな姿をしているのだ。

エリィ えーっと、中身は?

ロジャー 魔術師に誤魔化しても無駄だろう。もちろん空だ。

ベッツ もちろんとか言わないで下さい(泣)

ロジャー まあまあ。魔術師だったら体を元に戻す方法を知っているかもしれないぞ。

 

 一行はエリィにベッツの体の経緯を話しながら、マリクへ帰還する馬車へ向かった。

 

邪龍覚醒?

GM  さて、君たちはマリクヘ向かう山中を、馬車に揺られている。

ロジャー  レイツェルは気の毒なことになったが、これで「迷いの森」の謎を明かす手段が手に入ったわけだな。

ジャン  せめて人間に戻してやりたかったですね。

GM  そんなことを話していると、馬車に矢が降りそそぐ!

ロジャー  何!?

ベッツ  矢? 刃が付いてる!?

ロジャー  《勇気》の呪文をベッツにかける!

ジャン  俺は、盾を構えて馬車の外に出ます。

GM  そこには、弓矢を構えたゲルーシャや、フレイルや剣を構えたシェクラシュが、目に入るだけで総計20人ほど。

ジャン  爬虫類~!? バーサークはしませんでしたが、4ターン朦朧としてます。

ロジャー  また、勝手な行動を。GM、こちらの戦力は?

GM  君たち以外には、警備員5人。ちなみに、敵側には鰐人シェクラシュと、棍棒を持った河馬顔の巨人、オーガーもいる。

ロジャー  げ!?

エリィ  はわわ、どうしましょう?

ベッツ  いくらなんでも、不利すぎる状況ですね・・・

GM  その時、上空に影がよぎったかと思うと、無数の矢がゲルーシャ&シェクラシュの連合(以下、黒月連合)に降りそそぐ! そして、上空には、鷲の頭と獅子の体をもった、純白の動物。そして、弓矢を構えたげっ歯類の顔を持った、羽の生えた人たちがいる。

ベッツ  ハイグリフォンと翼人たちですね。

ロジャー  銀月大戦でも始める気か?

ジャン  ハイグリフォンって、漆黒じゃありませんでしたか?

GM  純白もいるよ。

ジャン  そうでしたかぁ?

GM  文句言う前に確認しとけ。それはともかく、ゲルーシャたちも矢を撃ち返し、ハイグリフォンやジャイグを構えた翼人は降下し、乱戦になる。そして、ハイグリフォンの背中には見知った顔が数人。

レイン  やっほ。元気だった?

ベッツ  レインさん! どうしてここに?

GM  アンディやローザ、翼人の族長もいる。3人は途中で飛び降りて、黒月連合軍へと向かう。

族長  (両手にジャイグを構え)我が奥義、受けよ!

GM  族長は風を纏い、高速で回転しながら敵に突撃する。

ベッツ  二刀流スクリュードライバーか?

ロジャー  俺には超電磁スピンに見えるがな。

GM  アンディは相変わらず《爆裂フルブラスト》の呪文で敵をなぎ倒し、ローザは手のひらから薔薇の花弁を飛ばす。ゲルーシャたちが戸惑っていると、それが突如爆発する。

ベッツ  あいつ、あんな技使えたんだ。

GM  爆発にはローザも巻き込まれるんだが、爆煙が消えた後にはいなくなっている。爆発に巻き込まれなかったシェクラシュが近くに来て探していると、地中から出現した鎌が、そいつを切り裂く。

ローザ  (返り血を浴びながら)はははははっ! 弱い・・・弱いなぁお前らぁ! もっと私を楽しませろよ!

エリィ  こ・・・怖いです・・・

レイン  みんながんばれー!

ロジャー  お嬢さんは戦わないのですか?

レイン  ん? あたし、非戦闘員だし。

GM  さて、多勢に無勢な上、ハイグリフォンというモンスターも参戦し、黒月連合は押され始める。すると、鰐人が懐から4本首の黒龍の像を取り出す!

ジャン  ハトゥルの像!

ロジャー  4本首ってことは、多足のものから奪った奴と、あいつらが持っていたものか?

GM  そして、鰐人が呪文のようなものを唱えると、突然、巨大な黒いドラゴンの首が4本出現。ハイグリフォンに噛み付く!

エリィ  ハトゥルが召喚されましたー?

GM  で、エリィよ。君はそのドラゴンの首を操れるような気がした。

エリィ  えぇ!?

ロジャー  右手の影響か?

エリィ  うーん・・・でも、操ったりすると危険かもしれません?

GM  さぁ? それは分からんよ。

 

 ロジャーとベッツは、ハトゥル像を鰐人の手から落そうと、弓矢やプロットで攻撃するも、不発に終わる。そして、次の矢を番える前に、ハイグリフォンは絶命してしまった。

 逆上した翼人族長は、ハトゥルに突撃するが、強靭な表皮を貫けず、弾き飛ばされ墜落する。

 

GM  さて、次の狙いは・・・4匹中1匹は、体でかいからベッツでも狙うか。

ベッツ  ぅわあ!? よけられなかった!? まずい。私の体、ダメージ受けると簡単に直せませんよ?

GM  ダメージはイマイチ。26点。「刺し」だけど、意味ないよね。

ロジャー  そのダメージでイマイチかよ? サイコロいくつ振ってんだ?

GM  (さらりと)11個。

ロジャー  聞かなきゃよかった(苦笑)

ベッツ  ひぃぃ!? 鉄でできた体が、紙です!

ロジャー  予想はしていたが、とんでもない攻撃力だな。

エリィ  はわわ、ベッツさんが危ないです! (右手をかかげて)そこの黒い龍、ベッツさんを放しなさい!

GM  すると、エリィの腕の痣が黒く輝く。鰐人の意思力と、エリィの意思力+魔法の素質で即決勝負だ。(ころころ)あら? 成功度2。

エリィ  成功度9です!

ハトゥル  あ、ママだ! ママがいるプー。だったらこんな奴に操られてる必要ないプー。

一同  軽っ(笑)

エリィ  まずはベッツさんから放れてください。

ハトゥル  はーい。

エリィ  2匹は鰐さんに噛みつかせて、他に一番強そうな奴ってだれです?

GM  河馬の頭のオーガーかな?

エリィ  じゃあ、そいつに噛み付いてください。でも、まだ殺しちゃだめですよ?

ハトゥル  分かったプー。かぷかぷ。

エリィ  黒の月のみなさーん、降伏しないと、こいつら殺しちゃいますよー!

GM  ゲルーシャは血の臭いに興奮して聞いてないし、シェクラシュたちは、守り神であるはずのハトゥルが鰐人を攻撃したので、逃げ始めてる。

エリィ  あ、じゃあ、生かしておく必要ないですね。食べちゃってください。

ハトゥル  かぷっ

GM  鰐人もオーガーも、断末魔の叫びをあげる間もなく絶命した。

ベッツ  エリィさん、怖いです(苦笑)

 

 その後もエリィの操るハトゥルは暴れ回り、黒月連合は壊滅した。

 

エリィ  よし。終わったです。みんな、像の中に帰りなさーい。

ハトゥル  いやプー。ママがいるんだから、ママのところにいくプー。

GM  ハトゥルは像から離れ、君の腕の、痣の中に入る。痣の龍のうち、四匹分が大きくなったように見えるね。

エリィ  えぇぇぇぇっ!?

ジャン  ハトゥルの巫女の登場ですね。

GM  追加HPと、追加疲労点がさらに20点つくからよろしく。さらに、防護点が+4だ。

ハトゥル  ママー。ただいまプー。会いたかったプー。

エリィ  まだ結婚もしてないのに子持ちになっちゃいましたー!?

ロジャー  いや、子持ちって言うのかそれ?

エリィ  こうなったら、ウィズ様を探して認知してもらいます!

一同  (爆笑)

族長  なるほど、ハイグリフォンのガルムがハトゥルの巫女が出現すると告げたが、君のことか。

ロジャー  あんた達は、それを確かめるためにここに?

族長  ああ。

ロジャー  で、エリィをどうする気だ?

族長  どうもせんよ。ガルムは巫女の力が黒の月の化け物に使われる事を恐れた。そのお嬢さんが黒の月の化け物には見えんよ。

ロジャー  確かにな(笑)

ジャン  あいつらは、何で俺たちを襲ってきたのでしょうか?

族長  ハトゥルの巫女の力を、自分たちのものにするためと考えるのが自然だろうな。

ベッツ  そのためにハトゥル像を持ってくるとは、迂闊な話ですね(笑)

族長  ハトゥルの力は未知数だ、あんなに簡単に操作を奪われるとは思っていなかったのかも知れん。さて、わしらは帰るとしよう。ガルムが最期に産んだ子の面倒を見ねばならんしな。

ベッツ  お気を付けて。

ロジャー  助けに来てくれて、ありがとよ。

GM  翼人たちは、手を振ってそれに答える。

レイン  あたしたちは、あなたたちに着いてマリクに行くわね。

 

 翼人たちと別れ、レインとその仲間たちをつれた一行は、その後つつがなく<魔道都市>マリクに到着した。

 エリィはメアリーの部屋に泊めてもらい、他のメンツも各々のねぐらで体を休める。

そしてその夜・・・

 

GM  エリィは夢を見た。

ハトゥル  ママー。この街にボクたちの兄弟がいるプー。迎えに行くプー。

エリィ  そうですね。兄弟は仲良くしなくてはいけません。

ロジャー  おーい(笑)

ジャン  そういえば、この街にハトゥル像の欠片を封印していましたね。

GM  うむ。そして翌朝、魔術師組合の危険物処理庫が荒らされたとのニュースが流れる。で、エリィの右手の痣が、さらに二匹分大きくなったように見える。

一同  ギャー!

エリィ  はわわ、どうしましょう?

GM  追加HPと疲労点がさらに10点プラス、防護点もさらに2点上がる。そして、エリィは、いつもの6倍くらいおなかが空いている感じがする。

エリィ  うーん・・・難しいこと考える前に、ご飯を食べましょう!

ハトゥル  賛成プー!

ジャン  現実逃避ですか。

ロジャー  (エリィと同じテーブルに座り)おはようエリィさん。ぶしつけだけど、右腕を見せてくれませんか?

エリィ  (微妙に棒読みで)ロジャーさんってば、朝から乙女の肌を見たいだなんて、エッチですよ?

ベッツ  そんなこと言ってる場合じゃないですよ(苦笑)

エリィ  はうぅ、わざとじゃないですよ?

ロジャー  わざとだとか、そうでないとかじゃなく、やばいんじゃないか?

ジャン  下手をすると、邪神が復活するかもしれません。

ベッツ  もう一つのハトゥル像は、確かファーンさんが持っていましたよね。

エリィ  どうしましょう?

ベッツ  ファーンさんも、別にハトゥルの力を暴走させるのが目的ではありません。相談してみましょう。

 

 一行は、ファーンと話をするために、通信のお札を使う。受付嬢に事情を話し、ファーンへと繋げてもらった。

 ベッツは、ハトゥルは像に封印された力の欠片を探していると推測できることと、憑依された者でも、力を制御できないことを報告する。

 

ファーンの声  私とて、制御できない力を使う気はない。こちらで、なんとかハトゥルを引き剥がす方法を・・・

ハトゥル  あ、あのお札の向こうに兄弟がいるプー。

一同  なにぃ!?

ベッツ  ファーンさん!

ファーンの声  (少し早口で)ああ、聞こえた。想像以上に厄介な相手のようだな。引き剥がす方法と制御方法はこちらで探る。君たちは、もしハトゥルが暴走しても周辺に被害が及ばないような場所にでも避難していてくれ。

ベッツ  分かりました。

GM  通信のお札は、向こうから切られたみたいだ。

ベッツ  さて、そう言われましても・・・

ロジャー  ハトゥルの力がどれほどか分からない以上、どこへ行けば良いのやら。

ジャン  レインに、良い場所がないか聞いてみませんか?

レイン  (微妙におどろおどろしい声で)そんな都合の良い場所、そうそうないよー。

ロジャー  いたんだ?

レイン  さっきからねー。一応、あたしのおば・・・もとい、母さんの姉さんのところなら、暴走した場合は絶対安心だって保証できるけどぉ・・・

ベッツ  PL意見ですが、あそこに連れて行くのは、ある意味世界中のどこよりも危険かもしれません(笑)

GM  レインも同じ意見だ。

ロジャー  となると、やっぱ「迷いの森」しかないか・・・

ベッツ  良いんじゃないですか? 最初から「迷いの森」には行くつもりだったのですし。

ロジャー  だな。だが、古代の遺跡に向かうのに、このメンツじゃ言語能力に難がある。言語学者を探さないとな。

GM  言語学者なら、この研究所にサリカ信者のクレアという人がいる。ロジャーたちとも知り合い。今の話を近くで聞いていたことにしよう。

クレア  分かりました(笑) あの、ロジャーさん。

ロジャー  ああ、クレアじゃないか。どうしたんだ?

クレア  話は聞いていました。私も言語学者のはしくれですし、「迷いの森」にも興味があります。連れて行ってもらえないでしょうか?

ロジャー  構わないけど、何があるか分からないぜ?

クレア  大丈夫です。これでも、野外活動にはそこそこ慣れていますから。

ロジャー  OK。次は情報だな。

GM  とか言ってると、メアリー登場。

メアリー  あ、みんな。なんだか、大変なことになっているみたいね。

ロジャー  まぁな。それで、かくかくしかじかで「迷いの森」の情報が欲しい。

メアリー  OK。まず、先日の遺跡で手に入れた薬だけど、飲んでも大丈夫みたいよ。効果は、前にも言ったけれど、「迷いの森」の中で記憶を失わせる効能を持った霧を無効化させる。ただ、これは実際に使ってみないと分からないわね。

ロジャー  性能テストと実戦を同時に行わなきゃならんわけだな。ま、死ぬことはないみたいだから安心だがね。

メアリー  薬の効果は2巡りで切れるから、何も分からなくてもそれまでには一度戻ってくるようにして。それと、研究書の最後のくだりに、「始りの地を1とするなら北は4で東は2。17となるように始りの地へ戻るべし。その先は竜の導きに従え」って書いてあったわ。意味は分からないけど、重要なことだと思うの。

ベッツ  リドル(謎かけ)ですかね?

ジャン  どういう意味でしょうか?

ロジャー  今議論しても始まらん。準備を終えたら「迷いの森」に向かうぞ。

メアリー  あ、遺跡発見のボーナスで、研究所から40000ムーナ出たわよ。

ロジャー  おいおい。ずいぶん大金だな。

メアリー  あの遺跡には、それ以上の価値があるってことよ。それと、あなたたちが見つけた復活の霊薬は、持っていって良いってさ。

ジャン  (嬉しそうに)ホントですか?

ロジャー  迂闊に喜ぶなよジャン。GMが大金やレアアイテムを渡すってことは、相応かそれ以上の危険を用意してるってことだぜ(苦笑)

GM  ま、その通りだ。色々考えて準備してくれたまえ。

 

迷いの森と火の黒竜

 

 一行は、当初の予定通りボーナスの半分はレイツェルの家族に渡すことにし、残り20000ムーナで準備を始める。

 持続光の棒や、1個だけ見つけた《祝福》*1のペンダント。万が一の戦闘でも役立つ霊薬の他、「幸運」、「飛行」、「防熱」の霊薬といった、補助効果のある霊薬。もちろん、ロープや鉤、火打石に保存食といった必需品、ベッツの体の修理(笑)も忘れない。

 

GM  今の内に、成長もしておいてくれ。

エリィ  《部位変身/猫耳》を覚えたいのですけど?

GM  また趣味的な(笑) 《動物変身》と《他者変身》を覚えれば、前提条件は満たせるな。

エリィ  《動物変身》はネコにゃん。《他者変身》はネズミさんをとりますね。

GM  OK(笑)

エリィ  ふふふ。これでウィズ様の心は私のものです!

一同  (苦笑)

ベッツ  GM、今の私に霊薬って効果あるのですか?

GM  塗り薬なら。

エリィ  でしたら、染色の霊薬を買いましょう。鎧に塗れば色が変わるのです(笑) どどめ色とピンク色と・・・

ベッツ  嫌な色ばっかり買わないでください(笑) 「視覚」の霊薬はどうします? 2回分使えば、《透明看破》の効果もあると書いてありますが。

GM  ふむ・・・

ロジャー  ・・・GM。わざわざ今から透明なトラップの用意をする必要はないぞ?

GM  何を言う。そうしたアイテムを買うということは、透明な敵がでることを望んでいるのではないのかね?

一同  望んでないわっ!

 

 そんなこんなで、実時間で2時間ほどかけて準備を終えた一行(半分近くは脱線していた気もするが)。翌日に、ベースキャンプ待機要員の研究員を一人連れて、「迷いの森」近くにある、<聖都市>エリスへと向かうことに。

 

レイン  気をつけてね。あ、これ選別ね。

GM  出発前に、レインは「蝙蝠変身」の霊薬をくれる。

ロジャー  サンキュ。もらっとくぜ。

レイン  あたしたちは、また本来の任務に戻るから。

ベッツ  気をつけてくださいね。

GM  メアリーは、霊薬量産のために研究所に残る。で、鉄道馬車に乗ってマリクから3日。<聖都市>エリスに着いた。エリスは、サリカの大聖堂がある場所だが、今回の話には関係ないのでカット。エリスから歩いて2日、「迷いの森」の前に着いた。外から見ると、確かに深そうだが何の変哲もない森に見える。

ロジャー  さて、霊薬を飲んで入るとするか。

ベッツ  ファーンさんに、これから「迷いの森」に入ることを伝えましょう。

GM  うむ。するとだな、なにやら護符の向こう側が騒がしい。反乱軍がどうしたとか、狙いはハトゥルだとか。

ジャン  クーデターですか?

GM  そんな雰囲気。漏れ聞こえる声から推測するに、反乱側はハトゥルの力を手に入れようとしているみたい。

ベッツ  早く森に入りましょう! ファーンさんは慎重派でしたが、反乱側がそうとは限りません。

ロジャー  そうだな。

 

 「迷いの森」に侵入した一行は、昼間だというのに暗い森の中を《持続光》の光を頼りに進む。半刻も進んだ辺りで、一行の周囲を霧が包んだ。

 この霧が記憶喪失の元となるものであることは推測できるが、確かめる術もなく、メアリーからもらった霊薬の効果を信じて、さらに奥へと進む。すると・・・

 

GM  突然、周囲が明るくなったと思ったら、君たちは10メルー四方ほどの、正四角形のタイルの上にいる。

クレア  へっ?

エリィ  ここは・・・どこです?

ロジャー  どうやら、本格的に迷いの森の中に入ったようだな。

ベッツ  ここがリドルに書かれていた「始りの地」でしょうか?

ロジャー  そう考えるのが妥当だろうな。

ジャン  「北が4」とはどういう意味なのでしょうね?

ベッツ  今立っている場所を1として、北に1歩踏み出せば4でしょうか? そうだとすれば、北に1歩で4、始まりに戻って5、東で7・・・

エリィ  リドル難しいですぅ。

 

 一行はタイル上で色々試すが、何も起こらない。その間、ロジャーはタイルの隅を調べに行くことに。

 

GM  北側のタイルの側面には、直角の崖があり、崖は、今君たちが立っている場所と全く同じ大きさのタイルがある。

ロジャー  東側は?

GM  全く同じ。南も西もね。つまり、正方形の箱になっているわけだ。

ベッツ  箱? (目の前のサイコロを見て)始まりが1で、北が4で、東が・・・謎はすべて解けた!(笑)

GM  まだ、じっちゃんの名にかけてないぞ(笑)

ジャン  俺も分かりました。

ロジャー  なるほど。サイコロか。

ベッツ  17になる道を計算しました。ただ、問題はあります。この始まりの地の1をカウントするのかどうか。

ロジャー  二通り試すしかないな。まずは4だ。おっと、その前に垂直になっている面に石を落としてみるぜ。

GM  投げた石は、面に引っ付く。というか、垂直になっている面に落ちた。

ロジャー  それぞれの面に重力が働いているみたいだな。4の面に降りてみるぜ。

GM  すると、空にゲージが浮かび上がり、4とカウントされる。

ベッツ  さて、道を考え直しますか(笑)

 

 こうなってしまえば、答えを出すのは簡単。一行は、カウントが17になるように始りの地1へと戻った。

 

GM  すると、また森の中に君たちは立っている。ただ、さっきまでの深い森ではなく、木々の間から光の差し込む綺麗な森だ。

ベッツ  ここから先は、「竜の導きに従え」ということですが・・・

ハトゥル  ママー。あっちに行くといい気がするプー。

一同  ・・・

ベッツ  確かに、竜の導きですね(笑)

ロジャー  なあ、俺たちってひょっとしてド壷にはまってないか? 「迷いの森」に入るために行く先々で、ハトゥル像を見つけて・・・

ベッツ  かも知れませんが、戻る手段も分からない以上、進むしかないでしょう。

ロジャー  それもそうだな。

 

一行は、ハトゥルの導く方向へと進む。しばらくは木々の密集していない、歩きやすい状態が続くが、すぐにまた深い森へとなりつつあった。

 

GM  さて、深い森にさしかかろうとする時・・・(BGMを流す)

ジャン  ・・・ゴジラのテーマ?

ロジャー  にしては、妙にアップテンポな・・・

 

 TRIBUTE TO GODZILLA 50THというアルバムの、「GODZILLA vs. TOKYO」という曲をかけています。

 

GM  バキバキバキバキ! ズーンズーン! アンギャー!(擬音+鳴き声)

エリィ  なんですのー!?

ベッツ  とてつもなくやばい気がする。

クレア  逃げましょう!

ロジャー  音はどっちから!?

GM  君たちが来た方向からだ。音と泣き声はどんどん近づいてくるぞ。

ベッツ  でしたら、もともと行くつもりだった方向へ逃げます!

GM  深い森に入ったところで、後ろに泣き声の主が見える。二本の首を持ち、腕が発達した、全高6メルーの漆黒のティラノサウルス

ベッツ  異界の化け物か? 「迷いの森」の守護者か?

ロジャー  ハトゥルの残り2匹って可能性もあるな。

双頭ティラノ  (ドスを聞かせた声で)小娘が・・・ようもウチのかわいい部下を殺ってくれたのぅ。たっぷりお礼しちゃるけぇ、覚悟しいやっ!!!

一同  シェクラシュ女王ー!!?

ジャン  何でこんな所に!?

GM  そりゃもう、部族に伝わる秘伝の薬を飲んで、サイコロのパズルを解いて、歩いてやって来たに決まっている!

ロジャー  めっちゃ正攻法かよ!?(笑)

ベッツ  狙っているのはエリィさんですね? エリィさん、体重はどれくらいですか?

エリィ  ベッツさんてば、乙女に体重を聞くなんて失礼・・・なんて言ってる場合じゃないですね。えーっと、盾を捨てれば、メイド服型ヘビーレザーを着てても40カガル切ります。

ベッツ  私が盾を捨てれば、エリィさんを担いだまま移動力6で動けます! 相手も移動力は高そうですが、森の中では小回りが効く私の方が有利でしょう。

ロジャー  すまんが、俺は迂回して行く! エリィのことは頼む!

 

 ベッツの読みは正解で、巨体と長い足により、シェクラシュ女王(以下、女王)の移動力はかなり高いのだが、森の中に入ってしまうとその巨体を木々が邪魔をし、思うように動けない。女王とエリィをかついだベッツとの距離は少しずつ離されていく。

 しかし、何を考えているのか、クレアはベッツの後を追ってトロトロと走っている。女王は進路上にあった邪魔物を退けるが如く、クレアを蹴り飛ばす。

 

女王  邪魔じゃい!

GM  ダメージは30点ね。爪で攻撃したわけじゃないから、ダメージ型は「叩き」。

クレア  し・・・死にました・・・

ロジャー  またかよお前は!(←クレアのPLはレイツェルと同じ人です)

 

 クレアの少し隣りを逃げていたジャンは、一端立ち止まりクレアの元に駆け寄る。しかし、すでに時遅く、クレアは息を引き取っていた。

 ジャンはジェスタアクスと鎧以外の、食料やサンダートマホーク、盾を含めた全ての荷物を捨てて、クレアの亡骸を女王から遠ざけるために移動する。

 

ジャン  復活の霊薬は、たしかロジャーさんが持っていましたよね?

ロジャー  ああ。余裕ができれば助けに行ってやるよ。

GM  さて、いつまでたっても女王は追いつけそうにないな。シェクラシュ女王は、走りながら大きく息を吸い込む。

エリィ  ブレスが来ます~!?

GM  その通り。特大の火炎ブレスをお見舞いしてやる! (ころころ)って、あさっての方向に撃っちまった。

 

 このブレスは、ロジャーの上方をかすめたりしたが、幸いなことにロジャーに怪我はない。しかし、森の木々に火をつけるには十分だった。

 木々が燃える様子を見た女王は、ベッツの進行方向に火を放つという作戦を思いつき、次々と大まかな狙いで火炎ブレスを放つ。

 

ベッツ  爬虫類の癖に、そんな作戦思いつかないで下さいよ!

GM  いや、こいつ知力14あるんだが?

ベッツ&ロジャー  (私・俺)より頭良いのかよ!?

 

 エリィを炎から守るように抱え、前進を続けるベッツ。その先に、さらなる難関が立ち塞がった!

 

GM  幅10メルー弱の崖があるよん。

ベッツ  橋は!?

GM  ないけど、丸太がかかってる。

ベッツ  そんなところトロトロ渡ってたら、良い的になっちゃいます!

エリィ  ネコに《動物変身》します!

ロジャー  なるほどな。ネコの平衡感覚なら、丸太でもすばやく渡れる。

GM  抱かれて揺れている状態で集中するわけだから、毎ターン意思-3で判定を行ってくれ。呪文の発動判定にも-3のペナルティだ。

エリィ  全部成功しました!

ベッツ  (何か思いついたらしくルールブックをめくり)GM、私の鎧の重さは、自重には加えないのですよね?

GM  まあ、鎧の重さ=君の体重だからね。

ベッツ  でしたら、走り幅跳びで10メルー以上楽々跳べます!

GM  なに!? (確認して)確かに、体力25なら可能だ。足場はあまりよくないから、一応跳「躍技」能で判定してくれ。

ベッツ  成功です! ボーイスカウト経験者をなめるな!

GM  (ボーイスカウトで何習ったんだこいつ?(笑)) うむ。ならば、君は10メルーの崖を軽がる跳躍し、ターミネーターのように着地した。エリィも丸太の上をすいすい走り対岸に到着した。女王も遅れて崖に到着するけど、さすがに一気に飛ぶ勇気はないみたいで立ち止まる。

ベッツ  ちっ! 跳んできたなら石でも投げたのに。

エリィ  まずは森の中に隠れます。

GM  女王は近場にある高い木を倒して、橋を作り始めた。

ベッツ  隠れて石でも投げてみましょう。当たって12点(爆笑)

GM  うお? 防護点1点貫いた? お前の体力で投げる石は、石と言うより岩だな(笑)

ベッツ  考えてみたら私、体力15のプロット撃つより、石を投げたほうが攻撃力高いです(笑)

GM  女王は石が飛んできた方向に火を吹くが・・・当たらん。

ベッツ  う・・・。迂闊に攻撃しない方がよさそうですね。

エリィ  しばらく隠れて、ロジャーさんを待ちましょう。炎の息に当たったら死んじゃいます。

 

 ロジャーは、女王から離れた位置で崖に到着。そこにあった丸太を渡り、対岸へと進み、ベッツたちと合流。

 ジャンは、クレアの死体と取り残されている。

 

ベッツ  とりあえずは逃げ切れましたが、状況はあまりよくありませんね。

ロジャー  何とかジャンたちを助けたいが・・・

ベッツ  方法はあります。今のエリィさんの疲労点ならば、20分以上《高速飛行》で逃げ回ることが可能なはずです。女王をエリィさんが引きつけてくれている間に、私たちは、今の所必要のない荷物を置いて、飛行の霊薬と蝙蝠変身の霊薬を使い、ジャンさんたちを探すのです。もし20分たっても見つからなかった時は、諦めるしかないでしょうが・・・

ロジャー  なるほど。《高速飛行》の速度なら、追いつけないし、射撃攻撃もまず当たらん。エリィ、やってくれるか?

エリィ  任せてください!

 

 空中に姿を現したエリィを、女王は目ざとく発見。早速追おうとするが、《高速飛行》の移動力には追いつけない。むやみやたらと放つ、火炎ブレスも当たらない。機会射撃+十分な狙いをつけて放った火炎のブレスが2回命中しかかるが、エリィは《瞬間回避》も使えるため、何とか回避。ブレスの衝撃波に巻き込まれダメージは受けてしまったものの、常人ならば大ダメージのところ、ハトゥル憑依による追加HPのお陰で、かすり傷程度で済む。

 エリィと女王が壮絶なバトルを繰り広げている間、飛行の霊薬を塗ったベッツと、蝙蝠変身の霊薬を飲んだロジャーは、燃え盛る森の上空からジャンたちとはぐれた場所へ移動。しかし、その場所はすでに炎に包まれてしまっており、降りて足跡を探すこともできない。

 

GM  まず、ジャンは炎から身を守れるか、「生存/森」で判定。成功すれば、燃えづらい木を見つけてそこに避難できる。

ジャン  「生存/山岳」の技能なし値で成功です。

ロジャー  くそっ、こんな森の中で、しかも煙が舞ってる中じゃ、空から探すことなんてできないぜ。

ジャン  俺は、大声で助けを呼びます。

GM  森が燃えれば音はするし、炎にあぶられ異界の動物達も騒がしいし、今ロジャーたちがいる場所から、ジャンたちはかなり離れてるし、聴覚判定にクリティカルすれば、ロジャーもベッツも気付けるかな? 一回の判定で10分かかることにしようか。

ロジャー  GM、俺いま蝙蝠なんだけど、指向性聴覚とか使えないか?

GM  使えそうだな。普通に聴覚判定に成功すればOKだ。

ロジャー  よし、成功。ベッツ、こっちだ・・・とは蝙蝠状態じゃ言えないから、勝手に飛んでいこう。

ベッツ  追いかけます。

 

 ジャンたちを発見したロジャーたちは、まず復活の霊薬を使いクレアを蘇らせる。そして、ジャンとクレアはベッツに抱えられ、崖の向こうへ移動することに。

 

クレア  ふぅ、助かりました。

ジャン  あ、途中で荷物を回収しますね。

GM  燃える森の中で逃げ回った後で、どこに置いたかなんて分かるものかよ。「方向感覚」か《方向探知》でもあれば話は別だけど、今ごろその場所は炎の海の中だ。

ジャン  えぇー? じゃあ、サンダートマホークは?

ベッツ  貴重な魔法の斧よりジェスタアクスを選んだことは、ジェスタ信者としては褒めてあげることができますが、他の荷物全てを森の中に置いたことは冒険者としては失格ですよ。

ジャン  あの時、クレアさんを助けるにはそうするしかなかったのですよ。シェクラシュ女王だっていたし・・・

 

 見向きもしていないシェクラシュ女王から逃げるのに移動力1の違いがあったとは思えないが、それは言わないでおこう。 

 ロジャーたち4人が崖の向こうに移動したのを確認し、エリィも女王を振り切り合流。ロジャーたちの荷物を回収し、シェクラシュ女王から逃げるためにも、一行はさらなる森の奥へと急ぐ。

 

次回へ続く

*1:サイコロの判定を1つ有利にすることができる。また、一度だけファンブルを無かったことにできるが、そうなると魔法の効果が消える。