黄金の羊亭新館

ガープスルナルのリプレイを公開しています

第一話【眠りの魔法の脱獄者】

GM さて、7つの月に照らされた世界*1、ルナルの冒険を始めるよ。

PCたち はーい。

GM 今回の舞台は、曙の大陸リアド*2にある鬼面都市バドッカ*3。君たちはバドッカの左目地区で生活している、休日冒険者*4だと思ってください。

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鬼面都市バドッカ

GM まずは、左回りに自己紹介と行こうか。

PLA(♀) はーい。私の名前はダルシス・ヴァイト。22歳。ガヤン*5の神官よ。ダルシスって呼んで。得意技は17レベルの投極術*6と、21レベルの《死の手》*7。そこにCP使い過ぎて、犯罪捜査は苦手(笑)

PLD(♂) 捕まったら最期、ゴリゴリHPを吸い取られるわけですな。

PLA→ダルシス 性格*8は、「冷淡」で「自信過剰」で「正直」。「名誉重視」で侮辱されるのは許せません。「味覚消失」だけど、自分自身は美食家だという妄想を持っています(笑) 後、タバコ中毒。

GM 「自信過剰」以外はマイナス5CPの乱れ取りだな(笑)

ダルシス 見た目は、体力無いからたぶん細身。髪の色はセミロングのグレーで、あまり化粧っ気は無いと思う。

PLC(♂) ところで大事な事なんだが…

ダルシス なんです?

PLC 美人か?

PLB(♀) それ大事なの!?(笑)

ダルシス 容貌は「魅力的」*9ですね。

PLC それだけあれば十分だ。

PLB 何が十分なんだか…あ、わたしはミスティア・レグリアス。ミスティって呼んでください。まだ15歳だけど、タマット*10の高司祭*11やってますです。

ダルシス 15歳なのに高司祭? (ミスティのデータを見て)容貌超美人で、実年齢より幼く見えるってあんた…

PLB→ミスティ わたしの趣味じゃないですよ。

GM デザインしたのは私だ(えっへん)

PLC 威張るなよ(笑)

ミスティ わたしは、タマットの盗賊か魔法使いがやりたいって言っただけなんですけどねー。

GM そう言われたので、合わせて盗賊の技能と、補助魔法が使える魔法盗賊にしてみた。見た目はともかく優秀だぞ。

ミスティ 性格は「好奇心旺盛」で「お祭り好き」。痛覚過多も持っているし、体力も生命力も低いから戦闘は全くできません。後、PLCさんの、姉。普段は、実家の酒場を経営してます。

PLC んで、俺がミスティ姉さんの弟、カムイ・レグリアス。アルリアナ*12信者だ。

PLD ということは、格闘家ですかな?

PLC→カムイ いや、蹴打術も使えるけど、〈天落轟破流〉刀術使い。昔演劇で見たカルシファー*13のチャンバラにハマって、道場入りして学んだんだ(笑)

PLD また変り種な(笑)

カムイ 性格は「好色」持ちの女好きで「直情」。「武芸者の名誉」があるから、決闘を挑まれると断れない。

ダルシス だから、私の容貌を気にしたのね(笑)

カムイ 後、姉さんには絶対逆らえないって「強迫観念」を持ってる(笑) 見た目は黒髪黒目。180メルチ(センチ)越えの大柄な男で、彫が深いから30近くに見られるけど、まだ15歳。

PLD これまた、GMの趣味ですかな?

GM いや、彼に関しては、ミスティの弟にしないかと提案しただけ。

ミスティ そういえば、髪の色決めてなかった。カムイと同じ黒にしよう。

PLD 天才少女って言うと、色素が薄いイメージありますなぁ。*14

GM で、そういう君は何者?

PLD わたくしですか? わたくしは、ウォルフガンク・フォード。帝国*15出身のガヤン高司祭。帝国の気質が合わず、バドッカにやってきました。性格は「グルメ」で「誠実」、「紳士の名誉」をもっている紳士ですぞ(笑) 弱点は爬虫類。やせっぽちですが、見た目は24歳の金髪碧眼の美形ですぞ。

ミスティ 美形…ちょっとドキドキするかも…

PLD→ウォルフ まあ、ウォルフとでも呼んでくれたまえ。普段はバドッカ左目地区のガヤン神殿で呪文の教官を勤めておりますぞ。

ダルシス 高司祭ということは、私の上司になるのですか?

GM いや、直属の上司である必要はないよ。なりたいならなっても良いけど。

ダルシス いえ、やめておきましょう。自由に行動できなくなるのも嫌ですから。そもそも犯罪捜査苦手だから、神殿に所属してないかもしれない(笑)

GM 了解。

PLE(♂) 次はボクの番だね。ボクはマック・フィールドウィング。ミュルーン*16だけど、人間社会での生活が長いから、訛りがほとんどない。関西弁の演技ができる自信ないし(笑)

カムイ ミュルーンてことは、槍使い?

PLE→マック うん。槍の達人だから、体力はないけど攻撃力は高い。見た目は灰色の羽のミュルーンだ。ミュルーンらしく「守銭奴」で、3レベルの「浪費家」。友人への「義務感」。後、雨は体が溶けるという「妄想」を持ってる(笑)

カムイ 恐怖症じゃないのか(笑)

マック 雨の日は働きたくないから、さぼる口実考えてたら本気で信じるようになってしまった(笑) 雨が嫌いなのは、白粉が剥がれてカラスみたいな黒い羽が見えるのが嫌だから…と思っている(癖レベル)

GM さて、自己紹介はこれくらいか。君たちは、すでに顔見知りということで、ゲームを始めよう

一同 はーい。

 

第一章【美しき殺し屋】

GM さっきも言ったけど、舞台は鬼面都市バドッカ。今回はバドッカ左目地区のガヤン分神殿から始まる。

ウォルフ では、わたくしの出番ですな。

GM 24のくせに随分年寄りクサいな(笑) ダルシスはどうする?

ダルシス サイコロで決めましょう。(ころころ*17)今はミスティさんたちの酒場にいます。

GM じゃあ、ウォルフ一人か。君は今日の講習を終えて、休憩室でくつろいでいた。

ウォルフ ふぅ…今日も一日疲れましたなぁ…

GM と、おやじっぽさ全開で休んでいると、表がやけに騒がしいことに君は気付いた。

ウォルフ なんだなんだ、人がせっかく気持ちよく休んでる時に… 表に出てみますぞ。

GM するとだな、十数人のガヤン信者に囲まれ、拘束された15,6歳くらいの美少女が引きずられている。

ウォルフ 美少女ってどれくらいのですか?

GM 15CP分の。

ウォルフ でしたら、引きずっているガヤンに言いますぞ。その人嫌がっているじゃないか。放してやれ。

ガヤン はぁ? 誰だあんた?

ウォルフ わたくしは、この神殿の高司祭、ウォルフガンク・フォード。わたくしの神殿で勝手なことをするのは、止めていただきたいものですな。

GM あー、ウォルフよ、高司祭は神官以上の立場ではあるけど、神殿の最高権力者では無いぞ? アンディだって高司祭*18だけど、違っただろ?

ウォルフ おっと、そうでしたな。では、この神殿で勝手なことをするのは止めてもらおうか。

GM あまり変わってないというか、あんた理由も聞かずに勝手なこと呼ばわりかい(笑) 

ガヤン この女は、白昼堂々デイネール議員を襲撃し、殺害しようとしたところを捕えたんだ。議員は何とか無傷だったが、そんな奴を解放しろと?

ウォルフ デイネールって誰?

GM 「地域知識」技能で判定*19してみて。

ウォルフ (ころころ)成功ですな。

GM デイネール・ゴルト43歳。バドッカの頭部議会の議員の一人。ガヤンの予算なんかも握っている、バドッカのトップレベルの偉い人だね。

ウォルフ その人は今どこに?

GM 近くにいる。この騒ぎを聞いて近づいてきた。43にしては若々しく見える、精悍な男性だ。

デイネール おい、何をしている。早くその女を牢へぶち込んでおけ。

ガヤン すいません。この男が女を放せとか言ってきたもので。

デイネール 君は、この女の知り合いかね?

ウォルフ いえ。しかし、女性はもっと丁寧に扱うべきでしょう。

デイネール この女は凶暴だ。私のボディガードが3人やられた。その上、眠りの魔法まで使う。丁寧に扱えるような相手ではない。

ウォルフ 証拠はあるんですか?

外野のダルシス いや、さっき白昼堂々襲ってきたって言ってたじゃない…

ウォルフ おおっと、そうでしたな。

デイネール 貴様、やけにつっかかってくるな?

ウォルフ 別に深い意味はありませんがな…《読心》*20の呪文使いますぞ。

GM いや、いくら15レベルでも、周りに何人もいて注目されている状態で呪文の集中したらばれるぞ?*21

ウォルフ む、注目されてますかな?

外野のミスティ むしろ、されてないと思うことに驚く(笑)

GM とかやっていると、連行されている女が叫ぶ。

女 お前ら良いことを教えてやる! そこにいるデイネールは闇タマット*22と関わっている奴なんだよ!

GM すると、近くのガヤンが大人しくしろとか言って杖で殴りつける。

ウォルフ それを聞いたデイネールの様子は?

GM 呆れたような顔をしているね。

ウォルフ では、その隙に《読心》を…

外野のカムイ おい、止めとけ。ばれたらタダじゃ済まんぞ。

ウォルフ いや、《読心》程度で、まさか逮捕されることもありますまい?

GM あー、もう一回言おうか。目の前のデイネールはガヤンの予算なんかも握っている、バドッカのすっごく偉い人。ばれたら神殿内での君の立場が危うくなるよ、まず間違いなく。

ウォルフ うおお? そうなのですかな?

外野のダルシス いや、最初に言ってたでしょう(笑)

ウォルフ では、今は止めておいて、折れたふりをしてデイネールが後ろを向いたら《読心》!

外野のダルシス あーあ、もう知―らないっと。

GM 10秒集中がいるから、そのうちに5メルーは離れるな*23

ウォルフ では、目標値は10ですな。五分五分ですが…(ころころ)ぴったり成功ですな。

GM (ころころ)その程度なら余裕で抵抗*24。一般のガヤン信者たちが、君の方をうさん臭そうな目で見てるけど?

ウォルフ む、気付かれましたかな? まあ、なんの呪文を使ったかまでは分からないだろうから、大丈夫でしょう。今日はもう帰りますぞ。

外野のカムイ いやいや、使ったのがばれただけでもまずいだろう(笑)

GM それは後々に。ウォルフが家に帰るなら、今日は他に何かする人がいないなら、翌日になるけど?

カムイ (真面目に)ナンパのために夜の街に繰り出す!

ミスティ ダメです。ちゃんとお店で働いてください。

カムイ (しゅんとして)はい…

ミスティ けど、「調理」も「商人」もないのに、どうやって経営してるんだろう、わたし(笑)

カムイ 経営が火の車だから、副業で冒険者してるとか?(笑)

ミスティ あり得る(笑) で、仕事が終わったら必ずプチ宴会して、さらに赤字が増える(笑)(「お祭り好き」)

GM むしろ、仕事しながら宴会に参加してそうな(笑)

ミスティ そうかも(笑)

ダルシス プチ宴会は私も付き合います。そうだ、私はこの酒場の二階に下宿していることにしますね。

カムイ 大歓迎です、ダルシスさん。では、今夜ご一緒に…

ダルシス 関節極めます(笑)

カムイ あだだだだー!

マック ボクはギルド*25の仲間と徹夜でカードゲームでもしていようかな(笑)

GM 特別なことをしないなら、どう過ごすかはご自由に(笑) では、翌朝。

ウォルフ ガヤン神殿に行って、昨日の女に面会を求めますぞ。

GM 理由も無しにいきなりできるか!

ウォルフ そこは高司祭権限を使いますぞ。

外野のカムイ (ボソッと)権力を振りかざす奴には、ろくな奴がいない…

GM 反応判定次第ではできないこともないだろうけど、面会以前にガヤン内部がやけに騒がしいんだが。

ウォルフ 騒がしい? 何があったか近くの者に聞いてみますが?

ガヤン あ、これは高司祭殿。それが、昨日逮捕した女が脱走したのです!

ウォルフ なんですとー!? いつですかな?

ガヤン 深夜です。女の《集団誘眠》*26に警戒して、看守は距離を置いて立っていたのですが、まとめて眠らされて…

ウォルフ 《方向探知》や《追跡》を使える者はいないのか!?

外野のミスティ はい、わたしわたし!(笑)

GM あんたはここにいない(笑)

ガヤン それが、武具から装飾品まで、全部取り返されまして…

ウォルフ 何をやってるんだ、ここのガヤンは!

GM とかやっていると、ここのガヤンの責任者である、ヘフナー高司祭がやってくる。

ウォルフ わたくしに、ご用ですかな?

ヘフナー ええ、あなたと、あなたのお友達に、お願いしたことがあるんです。

ウォルフ 脱走した女の探索ですね。任せてください(笑)

ヘフナー さすがに読みが早いですね。うちも今人手不足で、そちらの捜査に回せる者がいなくて…これは、支度金の500ムーナ*27です。無事、事件を解決したら、一人500ムーナの謝礼は出せると思います。

ウォルフ わかりました。任せてください。それで、あの女の情報を、わかるだけ教えていただけますかな?

ヘフナー 名前は、ミリス・ランジェ。年齢不明のアルリアナ信者。今までも何度か、殺しで捕まりそうになったことがある殺し屋です。

ウォルフ かけていただけで、捕まったのは初めて?

ヘフナー そうですね。不要な殺しはしないみたいですが、眠りの魔法の使い手のようで、今回の件で最低でも《集団誘眠》は21レベルはあると推測できました。

外野のミスティ わたしも、その呪文21レベルありますです。

外野のカムイ ってことは、敵は多分25レベルはあるな(笑)

GM そういう推測はしなくてよろしい(合ってるけど)(笑)

ウォルフ ふむふむ。では、カムイたちのいる酒場に向かいますぞ。

ミスティ そういえば、名前は?

GM 決めてないなら、こっちで考えてたものを使う。『跳ねる飛び魚亭』ね。

 

第二章【冒険者、集う…?】

GM では、ウォルフが『飛び魚亭』に行くと、カムイ、ミスティ、ダルシス、マック、全員がいる。

マック ボクの伝令ギルドの仕事は?

GM 今日は休みだ。ダルシスは…

ダルシス さぼっているだけです(笑)

GM オッケー(笑)

ミスティ あ、ウォルフさん、いらっしゃい!

カムイ どうした、朝から来るなんて珍しいな。

ウォルフ (ふんぞり返って)ガヤンで脱走事件がありましてな。お前たちにも手伝ってもらいますぞ。

カムイ 嫌だね(即答) なんで、お前に命令されなきゃならないんだ?

ミスティ 最初はかっこいいと思ったのに、なんだろう、この偉そうな態度。

ウォルフ 偉そうじゃなくて偉いんですぞ! 高司祭ですぞ、高司祭!

ミスティ わたしだって高司祭だけど?

カムイ そもそも、俺たちガヤンじゃないし。

ウォルフ ダルシス! お前には手伝ってもらうからな!

ダルシス お断りします。あなたの部下ではありませんので。…最初に部下じゃない設定にしてよかった…

ウォルフ お前たち、ガヤン神殿に逆らうのですかな!?

カムイ そもそも、ガヤンからの依頼だろ!? 命令じゃないだろ!? 今みたいな態度じゃ、命令でも従わないけどな!

ウォルフ 仕方ありませんな…(懐から何か取り出し、じゃらじゃら鳴らすしぐさをしながら)金ならここにありますぞ? これが欲しいんだろう?

ミスティ&ダルシス 最ッ低…

カムイ 抜刀して金袋を切る。(ころころ)準備も攻撃も全部成功。

GM では、ウォルフの紙袋は切り裂かれ、お金が床に散らばる。

ウォルフ あああ! 何をするのですかな!?

カムイ このままお前も切られたくなきゃ、金を拾って店から出ていけ。

ウォルフ なんでだー!!

GM いや、「守銭奴*28ならともかく、「名誉重視」な奴らにそんなことしたら、怒るに決まってるだろう(笑)

マック あ、ボクはお金がもらえるなら、なんでもするよ。お金を拾ってさっさと調査に行こう。

ウォルフ おお、ありがとう友よ! それに比べてこいつらときたら…

カムイ GM、本当に切ってもいいか?

GM 本当にやりたいなら、僕に止める権利はない(マジ)

ミスティ 切るのはダメだよ。でも、さっさとお金拾って出て行ってくださいね(ニッコリ)

ウォルフ 本当にいいのですかな? このままではシナリオも失敗してCPももらえませんぞ?

GM いや、それは君が決めるとじゃないから。

ウォルフ わかりました。では、金を拾って出ていきます。

マック これで、報酬は二人で山分けだね。

ダルシス 一人いくらかだったから、合計は減るけどね。

GM では、マックとウォルフが店から出て行った後に、派手な女の子たちが入ってくる。

カムイ いらっしゃいませ、お嬢さんがた。さあ、どうぞ、こちらの席へ…

GM と、近づくと、カムイも知っているアルリアナ信者だ。水商売系の人ね。名前は…えーっと、アリーとリャーナで。

カムイ おや、アリーにリャーナ、こんなところに何を?

ミスティ こんなところって…カムイ、ここ、わたしたちの店なんだけど?

カムイ あー、いや、言葉のあやってやつだ(笑)

アリー 実は、カムイさんたちにお願いしたいことが…

ダルシス なるほど、ミリス…って言っても、私たちは名前知りませんが、彼女の捜索ですね。

GM うん、そう。

 

 アリーとリャーナは、ミリスと同じ下宿に住んでいて、ミリスがガヤンに逮捕される事なんてするはずがない。脱走したのにもわけがあるはずだから、話が聞きたい。探して、連れてきてほしいとの依頼をしてきた。

 

GM 依頼料は、下宿の仲間内で出し合った1500ムーナ。

カムイ そんな、依頼料なんて…事件解決後の君たちの笑顔があれば…

ミスティ 笑顔じゃ生活できないよ、カムイ。

カムイ はい、そうです。

一同 (笑)

ミスティ でも、そのお金は成功報酬でもらいますね。

ダルシス 探して連れてくるまでが依頼ですよね? 無実を証明する必要はないと?

アリー その場合は、新しい依頼として出させてもらいます。

ダルシス わかった。引き受けます。

ミスティ 異議なしです。

カムイ 俺もだ。

 

 そんなわけで、同じ対象を別々の依頼で探すことになったPCたち。

 一方、ガヤンから依頼を受けたウォルフ&マックは…

 

マック ガヤンから脱走したのなら、神殿内に協力者がいるんじゃないか?

ウォルフ 確かにそうですな。当直の者たちに話を聞いてみますぞ。

GM (まあ、その可能性は考えるよな。)

 

 先日の夜、夜勤をしていたガヤン信者たちに話を聞くが、口をそろえて全員突然眠らされ、何が起きたのかもわからないという。また、前後の時間に怪しい人物がいたという話も無かった。ウォルフが《嘘発見》の呪文で確認もしてみるが、その言葉に嘘はないようだ。

 これで、ガヤン神殿内の調査を終えて、他の場所に向かうかと思いきや…

 

ウォルフ しかし、協力者無しで脱走したとは、ちょっと考えられませんからな。

マック 協力者が分かれば、芋づる式に事件も解決するからね。

ウォルフ まず、どんな奴がミリスに協力する可能性があるか考えてみますぞ。

 

 と、町に聞き込みに行くわけでも、他のガヤン信者に話を聞くわけでもなく、あーでもないこーでもないと、全く材料がそろっていない想像だけで、いるかいないかもわからない協力者像を妄想しだす2人。

 とりあえず好色もちの男性、借金持ち、守銭奴持ちなど、超大雑把な犯人像?から、対象のガヤン信者から話を聞くことに。

 

GM いちいち演技するのも面倒なんで、そいつらから有益な情報は聴きだせなかった…とだけ伝えておく。協力者らしき者も居ない。

ウォルフ おかしいですな…

マック ガヤン神殿にいる奴らに、片っ端から「お前が犯人か!」って聞いて、《読心》していくというのは?

ウォルフ それだ!

GM あほか。この神殿、下働き含めれば2、300人はいるぞ? どれだけ時間かかると思ってる。

ウォルフ しかし、他に案もないですからな。実行しますぞ。

外野のミスティ ガヤンからの依頼は受けないで正解だったね…

外野のカムイ 俺らの信用にも関わるからな…

GM 魔法を使っては休みを繰り返し、なんて方法だと、一時間に3,4人程度にしか試せない。期待値では70人目くらいにはファンブル*29するし。そもそも2,3時間も続けてると、君らの周りをみんな避け始めるぞ。

ウォルフ むむ、避け始めるということは、やましいことがある証拠ですな!

GM いや、ぶっちゃけ仕事の邪魔なだけ。

ウォルフ 高司祭に逆らうつもりなのですな?

GM そう言って協力させても、見つからないものは見つからない。

マック うーん、この方法じゃ駄目だったか。

GM 当たり前だ。

ウォルフ しかし、他に情報もありませんからな…

マック 思ったんだけど、デイネールが犯人なんじゃない? なんか自分に不利な情報を握られたミリスを、脱走に見せかけて消したとか。

ウォルフ それだあああ!!

外野のミスティ うるさい。

ウォルフ あの女、デイネールは闇タマットと繋がっていると言っていましたからな。デイネールの家に向かいますぞ!

GM ミリスが逃げたのは知られているから、デイネールの家、警備厳重になってるぞ? アポなしだと門前払いだ。

ウォルフ 闇タマットの件でお話がありますぞ! と、入り口で大声で言いましょう。

GM え? ほんとにそんなこと言うの? 警備の奴らに突き飛ばされるぞ?

ウォルフ これは怪しいですな…

外野のカムイ それはおまえだろ!?

GM (話し進まなさそうだし、助け舟出すか)そんなことを言ってると、君の暴走を聞いたヘフナー高司祭が走ってやってくる。

ヘフナー (息を整えて)ウォルフさん、私は、あなたにミリスの捜索と確保を依頼していたはずですが、ここで何をしているのですか? それと、先ほどの神殿での行動、あれは一体なんですか?

ウォルフ 協力者を探していたに決まっているでしょう。

ヘフナー あんな方法でですか? そもそも、協力者がいなかったらどうするのです?

ウォルフ では、協力者も見つけず、どうやってミリスを探せばよいのですかな? ん?

ヘフナー たしかに見つかれば、捜査は早く進むでしょうね… しかし、先の方法で見つけられますか? 私が犯人なら、あなたたちに近づくこともしませんよ? 見つからなくても、町でミリスらしき者を見かけなかったか聞き込みをすることも、アルリアナ神殿に行って情報を聞くこともできるのではありませんか?

ウォルフ そういえば、そうですな。

外野のダルシス いや、ほんとに気付いて無かったの、あんた?

マック ボクは気づいてたよー

外野のカムイ 嘘くせー…

ウォルフ しかし、それは下っ端の仕事ではないですか。何故わたくしが?

GM 人手不足で、捜査に回せないって言っただろーが!!

外野のダルシス おお、高司祭殿がキレた(笑)

外野のミスティ しょうがないと思うよー。

GM キレたのはGMであって、ヘフナー高司祭ではない。ヘフナー高司祭は、つとめて冷静に同じことを言ったぞ。

ウォルフ 分かりました。では、アルリアナ神殿に行きますぞ。

 

 アルリアナ神殿へ向かったウォルフは、ミリスのことを知っている人物、アリーとリャーノを発見する。

 ミリスを追うガヤンを信用できない2人は、情報を出し渋るが…

 

ウォルフ ほほう。ガヤン神殿に逆らうつもりですかな?

マック 逮捕されたくなかったら、素直に吐いた方が良いよ。

外野のカムイ ただのチンピラじゃねーか!

 

 そんな感じで脅迫し、ミリスの下宿を聞き出す。

 一方、カムイたちは…

 

GM ミリスの部屋は左目区のアルリアナ神殿がある通りにある。鍵がかかってるね。

ミスティ 「鍵開け」します。(ころころ)成功。

GM では、問題なく部屋に入れた。部屋は閑散としていて、生活感がない。

ミスティ 私物か、髪の毛でもないか探索して、《方向探知》と《追跡》*30します。

GM オッケー。それを警戒して物は置いて無かったんだろうけど、髪の毛が見つかる。

ダルシス さすが、タマットの高司祭。

カムイ 姉さんは優秀だからな(何故か威張り)

GM では、ミリスの反応も見つかる。鼻地区のスラムだね。

カムイ じゃあ、そこに行くか。女の子一人がスラムにいるなんて、危なすぎる。

外野のウォルフ いや、相手は殺し屋ですぞ?

カムイ 実は、その情報俺らに入ってきてないんだよな(笑)

ダルシス そういえば、そうですね(苦笑)

 

 明らかに一般人のモノでない部屋の様子から、裏社会の人物の可能性もあると気付いたことにしても良かったかもしれない。

 

GM では、探索を終えてスラムに行こうと家を出たあたりで、ウォルフたちとバッタリ出会う。ようやく合流できたよ(笑)

ウォルフ おや、こんなところで何をしているのですかな?

ダルシス ミリスの居場所が分かった。これから確保に向かう(「正直」)

ウォルフ おお、では、わたくしたちも付いていきますぞ。

カムイ まあ、スラムに行くのに、戦力は多いに越したことはないからな。性格はともかく、高司祭なら役に立つだろう。

ミスティ だと良いけど…

 

 そんなわけで、ようやく揃って行動することになったPCたちは、ミスティの《方向探知》の魔法を頼りにスラムへと向かう。

 そこでたどり着いたのは、潰れて廃墟となった酒場だった。

 

第三章【闇に潜む睡魔】

GM 酒場入り口は正面と裏からの二つだね。

ダルシス 中に人のいる気配は?

GM (PCの知力とミリスの「忍び」で判定して)無いね。

カムイ どちらかから逃げられる可能性もある。二手に分かれよう。相手は《集団誘眠》の使い手なんだよな?

ウォルフ あ、その話はしませんぞ。

一同 はぁ?

ウォルフ わたくしに作戦がありますからな(ニヤリ) わたくしは、ガヤン信者ですし、彼女とも面識がありますから、裏口に回りましょう。

カムイ じゃあ、さっきまでの組み合わせで分かれるか。

ダルシス 私はソードブレイカーも持っていませんからね。聖印を隠せば、ガヤン信者には見えないでしょう。

カムイ 忍んでいくと警戒されるだろうから、正面から堂々と行くか。彼女が危険人物だとも知らないしな(笑)

ミスティ わたしは、少し離れてカムイの後ろを付いていくです。…ミリスが危険って分かってたら、《幸運付与》みんなにかけるんだけどなぁ…

カムイ じゃあ、扉を開けて中に呼びかけます。ミリスさん、俺たちはあなたを助けに来たんです。怪しいものではありません。

GM 部屋の中はかなり暗く、「暗視」が無いとどこに何があるかもよく分からない。

ミスティ あ、わたし「暗視」持ってます。

ウォルフ 今回は、「暗視」があれば安心だね、は言わないのですか?(笑)

GM もう3回目だからな(笑)*31 ともかく、部屋の中で何かが動く気配がしたと思ったら… (ころころ)3人とも生命力-6で判定して。

3人 失敗しました。

GM では、突然強烈な睡魔に襲われ、抵抗空しく眠ってしまう。

カムイ ここまでは予想通り。ウォルフ、何か作戦があるんだよな?

ウォルフ ふっふっふ。では、裏口を蹴破って中に入りますぞ。そこで範囲を広げた《覚醒》*32

GM 部屋の中暗いから、みんながどこで倒れたかわからないんだけど?

ウォルフ なんですと?

カムイ いやいや、作戦ってそれだけ!?

ダルシス どんな作戦なのか確認しなかったのは不味かったか…

ミスティ あう~、これはダメかも~

GM で、二人に影が躍りかかってくる。

マック 盾を構えて前に出る!

 

 しかし、鳥目のマック*33がわずかな光量しかない空間で殺し屋を相手にまともに戦えるわけがない。ウォルフが(眠っている仲間の心の声に従い)《持続光》の集中に入るが、呪文が終わる前に刃物らしきものによる全力攻撃で両羽を切られあっさり気絶。

 次のターン。《持続光》で部屋は明るくなったものの、魔法使い型のウォルフが殺し屋の相手をできるわけもなく、あっさり気絶させられる。

 

ミスティ 一回目でいきなり全滅ですか…

GM いや、眠っているだけのカムイたちは、何者かに起こされる。

カムイ うーん…誰?

GM 小汚い格好の、たぶんスラムの住民だね。

スラムの人A 兄ちゃんたち、こんなところで寝てると危ないぜ。

ダルシス 起こしてくれたのか、ありがとう。

ミスティ とどめは刺されなかった?

スラムの人B 奥で鳥とガヤンの男は死にかけてるけどな。

ミスティ 仕方ない、《大治癒》かけるです。

GM じゃあ、回復できた。目も覚ましていい。ちなみに、脱がすのが手間な防具はそのままだけど、手持ちの武器と財布は全部盗られてる。

一同 なんだってー!?

マック スケイルアーマー諦めて買った、ボクの上質スピアがー!

ダルシス 私は武器は持っていませんが、パワーストーン*34は?

GM 価値が分からなかったのだろう。無事だよ。

ミスティ えっと、全財産持ってきてなきゃいけなかったんですか?

GM それも不自然だな。じゃあ、所持金の半分持ってかれたってことで。

カムイ おお、死んでしまうとは情けない(苦笑)

 

 起こしてくれたスラムの人たちに礼を言い、別れたPCたち。左目地区へ戻り、所持金をかき集めて、劣質とは言えカルシファードブレードを入手する。マックの武器はもともと安いので自腹で買え、カムイが武器無しでは戦力が大きく下がるからだ。

 

ウォルフ わたくしも、劣質の突き刺し用ブロードソードくらいは買っておきますぞ。剣技能は12ありますからな。

GM それは普通に買える。でも、買い物していると深夜になる。

ミスティ 疲れたし今日はここまでにしようよ。《追跡》は明日でも使えるし。

カムイ そうだね。彼女が眠りの呪文の使い手ってこともようやく分かったし、対策も立てないと。

ダルシス ウォルフ、あなたはそのことを知らなかったのですか?

ウォルフ 高司祭に向かって呼び捨てですか?

ダルシス あなたを、さん付けで呼ぶ気にはなれませんから。

GM まー、ほとんどPCには入ってない情報だけど、前々から知り合いだったなら、そう思っててもおかしくないか(笑)

ウォルフ いや、知りませんでしたなーと言っておきましょう。

ダルシス …「嘘発見」を覚えなかったのは失敗でしたね…

ミスティ あ、わたしが持ってる。「嘘発見」!

ウォルフ おお、顔に嘘だと書いてありますな(笑)

ミスティ 追求するのは今度にします。聞かなかったわたしたちも悪かったですし。

ウォルフ しかし、わたくしたちにとどめを刺さなかったとは、実はミリスは良い奴かもしれませんな。闇タマットと繋がっているデイネールを倒そうとしているだけなのかも…

 

 PCたちは、今日はもう休むことにして、それぞれ自宅へ帰ろうとする。

 

GM ウォルフとマックって、どこに住んでるんだっけ?

ウォルフ ガヤン神殿近くの下宿でしょうな。

マック ボクは泊まるところが無い。ウォルフ、友達だろ、泊めてくれ(笑)

ウォルフ まあ、いいですぞ。

GM では、薄暗い道を二人がウォルフの下宿に向かって歩いていると…ちょっと視覚か聴覚判定して。

マック (ころころ)暗い所じゃ無理

ウォルフ (ころころ)5成功ですな。

GM もう夜も遅いし周りに人通りもないんだけど、3人組が君たちを尾行している。

ウォルフ 振り向きますぞ。

一同(GM含む) え!?

マック いや、せめてボクに教えてから振り向いてよ!

外野のダルシス 《持続光》や《閃光》を、こっそり使った方がよかったのでは…

GM だが、振り向いてしまった以上、こっちも動かざるを得ない。3人組は剣を抜いて君たちに大振り攻撃。マックは知力判定に成功したら気づいていい。失敗したらこのターンは動けない。

マック (ころころ)失敗~。鎧は着てていい?

GM ミリスのところで戦闘があることは予想してたからね。良いよ。

 

 この攻撃でマックは負傷。「我慢強い」*35ため、転倒は無し。ウォルフへの攻撃は外れてしまう。

 暗い中での戦いが苦手なミュルーンのマックと、接敵されてしまって呪文の集中も出来なくなったウォルフ。2ターン目*36には、ウォルフは一撃を食らい朦朧としてしまう。

 

外野のダルシス ここって、ガヤン神殿の近くなんですよね? 騒ぎに気付いて、誰か来たりはしませんか?

GM そうだね。遠くから数人の足音が聞こえてくる。襲撃者たちにもそれは聞こえたらしく、逃げ出す…前に、もう一撃だけ(笑)

ウォルフ 死ぬ! 死んでしまいますぞ!

 

 この攻撃でウォルフは気絶。襲撃者たちは逃走する。

 その後、駆けつけたガヤンやサリカ人たちに傷の治療をしてもらい、状況を説明。念のため、今日はガヤン神殿で泊まることにする。

 そして、翌朝、PCたちは合流する。

 

ウォルフ ミリスは、わたくしたちを殺そうと思えばできました。それをしなかったのに、後から殺し屋を送ってくるとは考えづらい。他に襲われる覚えもないし、恐らく、犯人はデイネール!

GM (まあ、そう考えるわな。あながち間違ってるわけでもないし)

ウォルフ まずはデイネールのところへ向かいますぞ! 奴に問い質さねばなりません。

カムイ あんたはそうしててくれ。俺たちはミリスを追う。姉さん、彼女の居場所は?

ミスティ 《追跡》してみます。

GM 頭地区にいるよ。偉い人の住宅街。

ミスティ それってまさか…

GM 地域知識判定して。成功? だったら分かる、デイネールの家だ。

ミスティ みんなにそのことを伝えます。

ウォルフ いけません、デイネールに捕まってしまったのですな!

一同 はぁ!?

カムイ いや、でも、俺らまだ彼女が殺し屋ってこと知らされてないし、同じように思うかもな(苦笑) PCとしても、美人が悪人とは思わないだろうし…

ダルシス スラムでは見逃してもらってますからね…(苦笑)

 

 PLとPCとの間の情報の差に悩むウォルフを除く一行。しかし、ミリスを確保するにせよ、デイネールを守るにせよ、頭地区のデイネール宅に行く必要があるため、そちらに向かうことに。

 

ウォルフ デイネールの家の警備員は?

GM いない。静かなもんだ。

カムイ 中に入ってみるけど?

GM 武装した警備員の死体が4つ。辺りは血の海状態だね。

ミスティ 「診断」してみまーす。 (ころころ)成功

ダルシス 冷静ですね。

マック いや、あんたもな(笑)

GM 鉤爪状の刃物で切り裂かれたみたい。傷口はマックに付けられたものと同じ。ただし、氷結武器の追加ダメージもある。

ミスティ ここで混乱するんだろうなぁ。なんでミリスがここを襲撃してるの!? って(笑)

ダルシス ウォルフ、あなた、まだ私たちに言ってないことがありますね?

ウォルフ 今はそんな場合ではないですぞ。奥に進みます。

ダルシス あ、待ちなさい!

 

 何を考えているのか、この期に及んで情報を出し渋るウォルフ。

 血痕を「追跡」し、館の奥に進む。そこにいたのは…

 

GM 書斎みたいな場所の奥に、怪我をしたデイネールが隠れているのを見つける。

カムイ おい、大丈夫か?

ウォルフ 見つけましたぞ、デイネール! 闇タマット信者め、覚悟してもらいますぞ!

ミスティ いや、証拠があるわけじゃないよね? まずはこの人助けないと! 《大治癒》使いま…

GM いや、その前に、ウォルフが闇タマット呼ばわりすると、デイネールは大声で怒りだす。

デイネール 貴様らまでわしを闇タマット呼ばわりするか! 部下は死んだが、貴様らのような悪漢どもに後れを取るようなわしではないぞ!

GM とか言って呪文集中。では、イニシアチブ*37だ。

ダルシス いや、その前に話を…

GM もう、聞く耳持ってないよ。ウォルフの一言で完全に頭に血が上ってる。

ダルシス 仕方ない、まずは無力化させるか…

 

 先手を取ったのはデイネール。《目くらまし》でマックを無力化する(目標はサイコロでランダム)。カムイ、ダルシスの2人は、デイネールに2人がかりで組み付く。体力13と、柔道17レベルの2人に取り押さえられたデイネールは全く身動きが取れなくなるが…

 

ウォルフ 突き刺し用ブロードソードを買っておいてよかったですな。全力攻撃で重要器官狙って… (ころころ)成功。

ダルシス&カムイ&ミスティ 待て待て待て待てー!!

ウォルフ え? だって闇タマットなんだし、殺して問題ないでしょう?

カムイ だから証拠がないんだよ! もし違ってたら、俺らただの殺人犯だぞ!?

ダルシス そのために、私たちが動けなくしたんでしょうに。

ウォルフ う…それもそうですな…

GM でも、もうサイコロ振ってしまったからな。ダメージ振って。

ウォルフ 刺しで4点ですぞ。

GM (ころころ)まだ生きてる。

ダルシス&カムイ&ミスティ (ほっと溜息)

GM とか言ってるところで、全員知力判定。視力のボーナスはアリで。

ミスティ わたしが一番で、成功度8です。

GM 部屋の入口に誰かいるよ。たぶん、呪文の集中してる。

ミスティ あ~う~、ミリスさんでしょうね… みんなに伝えてる時間はなさそう…《集団誘眠》の範囲外に逃げるって、できます?

GM 相手が特別に範囲拡大してないなら、できるんじゃないかな?

ミスティ じゃあ、中心から逃げます。でも、みんなが寝たら寝たふりします。

GM では、その隙に呪文の集中完了。

カムイ 止めに入れないのか?

GM 無理。君たちは気付いてすらいない。ミスティ以外、全員巻き込んで《集団誘眠》。成功度8。

全員(ミスティ以外) 失敗~

ミスティ わたしは寝たふり。ミリスが近づいてきたところに、わたしも《集団誘眠》かけます。レベル21あるから気づかれないだろうから。

GM いや、ミリスは近づいてこない。というか、魔法の範囲から逃げたのは見えるから警戒してるよ。

カムイ 同じ状況になったら、俺だってそうする。誰だってそうする(笑)

GM デイネールの護衛だったら容赦しなかったかも知れないけど、どう見ても君ら護衛じゃないからなぁ(笑) 入り口から《電光》の呪文をデイネールに数発撃ち込む。

ミスティ うー…止めたいけど、方法がない…

GM そして、デイネールが反応しなくなったら、踵を返して、そのまま出ていく。

ミスティ ミリスにおかしなところは?

GM 紙の束を抱えているね。

ミスティ じゃあ、しばらく待ってからみんなを起こして、さっきのことを説明します。

ウォルフ むう、まずいですね。早くガヤンへ行ってか《過去視覚》をかけてもらわないと、わたくしたちが殺人犯になってしまいますぞ。

ダルシス あんたは、本当に殺そうとしましたからね。

GM 頭地区から左目地区まで行くのは、全力で走っても30分はかかるぞ? 往復全力は無理だから、2時間はかかる。

カムイ それでも行くしかない!

 

エピローグ【後に残るは借金のみ】

 ガヤンに向かったPCたちは、頭を下げてヘフナー高司祭に《過去視覚》をかけてもらい、デイネール殺しの犯人はミリスだということを分かってもらった。その際、ウォルフの高司祭の地位を担保(返せなかったら借金分労働)にパワーストーンのレンタルも行い、1000ムーナの借金を負う。

 なお、盗賊でもあるミスティは、ガヤンと会いたくないため、一度離脱。

 

ヘフナー しかし解せぬのは、なぜ犯人がミリスだと分かったのですか? あなたたちは眠っていたのでしょう?

マック ボクたちがデイネールと戦ってた時に、後ろから眠りの魔法をかけられて、その呪文を使っているところを見た奴がいるから…だっけ?

ヘフナー デイネール殿と戦った? なんでまた?

カムイ 隠しても無駄なんで、今までの経緯全て話します。

GM 話を聞いた高司祭は語りだす。

ヘフナー ウォルフ君、私は君に、どんな依頼をしたか覚えていますか?

ウォルフ そういえば、ミリスの探索と捕獲でしたな。

ヘフナー そして私は、ミリスが殺し屋だということも話したはずですよね。

ウォルフ 言われましたな。

カムイ ここで、俺らは驚くわけだな、「ミリスが殺し屋だってー!?」(棒読み)(笑)

ヘフナー …ウォルフガンク・フォード及び、その仲間3人(ミスティはいない)。デイネール議員の殺人幇助の容疑で、神殿までご動向をお願いします。

一同 えええええ!?

ヘフナー 特にウォルフ君は、昨日デイネール殿に何らかの魔法をかけようとしたことも目撃されているし、今回も殺意を持って攻撃している。任意同行ではなく現行犯逮捕するしか…

GM と、ヘフナーが言ってる時に、デイネール家の捜査をしていた、ヤン・クレード*38が入ってくる。

ヤン ヘフナーさん、大変なものが…

GM と言いながら、ヤンは羊皮紙の束をヘフナーに見せる。ちらっと印が見えるんだけど、「紋章学」か「犯罪学」で判定して。

ダルシス&ウォルフ (ころころ)「犯罪学」で成功。

GM じゃあ、この印はバドッカ五大闇タマットの一つ、「闇の千の目」と呼ばれる組織のものだと分かった。

ウォルフ ほら、やっぱり闇タマットだったではありませんか。

ヘフナー いえ、この手紙はデイネール殿の秘書宛てですね。デイネール殿が関わっていたかは、これから調べねばいけません。あなたたちを無罪放免というわけにはいきませんが、捜査が終わるまで処分保留としておきます。ただし、逃げられないようバドッカから出ないと、ダヤンの誓いに署名していただきますが。

カムイ まあ、それくらいは仕方ないよな。

ウォルフ では、その捜査に、わたくしたちも協力させていただきますぞ。

ヘフナー いいえ、ウォルフ君はしばらくの間、バドッカ内でのガヤン信者の資格を、はく奪させていただきます。

ウォルフ なんですかそれはー!?

ヘフナー デイネール殿の件だけでなく、神殿内で高司祭の名を振りかざし、捜査を妨害。ガヤンの名を出し、一般人への脅迫と、あなたの行動は神殿の信頼を大きく損なわせるものとなっていますから。もちろん、呪文の教官も辞めていただきます。

ウォルフ そんな勝手な…

ヘフナー すでに、バドッカ本神殿への連絡は済ませてあります。ああ、魔法を封じたりボーナス技能が使えなくなったりはしないので、そこは安心してください。

ウォルフ 冒険者は続けられるわけですな。それに、高司祭であるわたくしなら、すぐに次の仕事くらい…

ミスティ いや、その高司祭の地位が無くなったんだけど?

ダルシス 冒険に行こうにも、バドッカからは出られないんですがね…

 

 こうして、とりあえず拘留は免れたPCたちだが、パワーストーンレンタルの借金は残っている。

 

ウォルフ 借金は1人200ムーナですな。

マック 何言ってるんだ、お前一人で1000ムーナに決まってるだろう。

ウォルフ 何を言うんだ友よ!

マック 高司祭でもなく金もないお前なんて、もう友達じゃない。

GM それを認めるには、「義務感/友人」を買い戻してもらう必要があるな。お前なんか友達じゃないで義務感が消えるなら、そもそも不利特徴として成り立たん。

カムイ でも、まー、確かに、今回の失敗はほぼ全部ウォルフがミリスのことを俺たちに教えなかったことと、こいつ自身の行動が原因だからな。

ミスティ わたしたちの財布が盗られたのは、コイツのせいだし…

ウォルフ なんで私ばっかりひどい目に!?

一同 お前が悪い。

ウォルフ はい…

第一話【眠りの魔法の脱獄者プリズンブレイカ】ー終ー

第二話【時の彼方の幻術師イリュージョニスト】へ

*1:この世界には白、万色、銀、緑、黒、青、赤の7色の月がある。それぞれが信仰の対象になっていて、崇める月により種族や職業が変わる

*2:ルナル世界の三大大陸の一つ。

*3:広大な山腹全体に掘られた、超巨大な鬼の顔の中に街が造られているという、不思議な都市。

*4:普段は職を持ち休日に遺跡探索などに出かける人たち

*5:法と契約を司る青の月の主神。信者は警官や裁判官、商人、政治家など

*6:ゴーセスと読む、いわゆる警察柔道。17レベルは現実では柔道五、六段くらいか。

*7:法名は《》で収める。《死の手》は触れただけで相手のHPを奪う魔法。

*8:GURPSでは不利な性格や背景を設定することで、CP=経験点を稼ぐことができる。

*9:外見などの有利な特徴もCPを払って得ることができる

*10:直感と幸運を司る赤の月の神。信者は盗賊や傭兵など

*11:各信仰の最高位。下に神官、入信者、平信者と続く

*12:気まぐれと忘却を司る赤の月の神。信者は娼婦や踊り子、格闘家など

*13:リアド大陸の東部にある島国。ファンタジー作品における中世日本風の国

*14:プレイした時期的に、機動戦艦ナデシコホシノ・ルリのことと思われる。

*15:リアド大陸の大半の国土を支配するトルアドネス帝国。

*16:万色の彷徨いの月を崇める鳥人間。見た目は大型の鳥類そのもので、翼の先が器用な手になっている。独特のイントネーションの言葉は、関西弁で訳される。

*17:サイコロを振った擬音

*18:アンディ・クルツ。ルナル・サーがシリーズの主人公で第三部で高司祭になった。

*19:GURPSの判定は六面サイコロを3個振り、出目が技能レベルや能力以下なら成功。超過で失敗となる

*20:読んで字のごとく、心を読む魔法。

*21:魔法は高レベルになると体の動きや詠唱を簡略化できる。15レベルで、指先と小さな呟きだけ。21レベル以上で、動作も詠唱も不要になる。

*22:武装ヤクザやマフィア、テロリストのような反社会勢力。

*23:魔法は基本1メートル離れるごとに判定値が1下がる。例外もあるし、世界観によっては変更も可能。

*24:魔法の多くは、基準となる能力で抵抗することができる。その際、使用者の成功度分のペナルティを受ける。

*25:ミュルーン族は、宅配や伝令を扱うギルドを作っている。

*26:広範囲に眠りの魔法をかける術。強力だが、集中時間が長く、疲労消費も大きい。

*27:リアド大陸の通貨単位。1ムーナ100円くらい?

*28:実際は金を貯めることだけに執着する人のことを指すが、不利特徴の内容としては、金次第でどんなことでもやりかねない奴のこととなっている。そのため、後に発売された完訳版では「強欲」に名を変えた。

*29:判定の目で17か18を出すこと。致命的失敗とも。魔法のファンブルは、悪魔を呼び出してしまうなど、危険なものも多い。

*30:物や持ち主の場所を探る魔法。

*31:このシリーズ以前にも、何度かルナル世界で遊んでいる。

*32:気絶していたり、眠っている相手を起こす魔法。

*33:ミュルーンは種族全体の特性で鳥目。余談だが、鳥が夜に目が見えないという俗説は、今では否定されている。

*34:魔法を使う際、術者の疲労を肩代わりしてくれる魔法の石。

*35:有利特徴。ガープスではダメージを受けると、次の行動にペナルティを受けたり、意識が朦朧としてしまう。「我慢強い」キャラはそれ受けない。

*36:キャラクター全員が一回ずつ行動する区切り。GURPSでは基本1ターン1秒。

*37:行動順を決めるサイコロの振り合い

*38:ルナルジェネレーションズシリーズの主人公